労働基準法の育児時間とは?計算方法や注意点を徹底解説 |HR NOTE

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労働基準法の育児時間とは?計算方法や注意点を徹底解説

赤ちゃんと母親労働者を対象にした子育ての法律は、育児休業制度を始めとしてさまざまあります。なかでも育児時間は、働きながら育児をするうえで重要な制度です。

今回は労働基準法で定められた育児時間について、計算方法や注意点などを解説します。

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人事担当者など従業員を管理する役割に就いている場合、雇用に関する法律への理解は大変重要です。
例外や特例なども含めて法律の内容を理解しておくと、従業員に何かあったときに、人事担当者として適切な対応を取ることができます。

今回は、労働基準法の改正から基本的な内容までを解説した「労働基準法総まとめBOOK」をご用意しました。

労働基準法の改正から基本的な内容まで、分かりやすく解説しています。より良い職場環境を目指すためにも、ぜひご一読ください。

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1. 労働基準法の育児時間とは?

授乳の様子

労働基準法の育児時間とは、労働基準法第67条で定められた制度です。同法では1歳未満の子どもを育てながら勤務する女性社員を対象に、原則30分の育児時間を1日2回まで取得することを認めています。

育児時間の取得は雇用形態や労働時間に関係なく認められています。そのため、パートタイマーや変形労働時間制で契約している従業員であっても申請可能です。また当然、企業側は雇用形態や労働時間に関係なく申請を認めなければなりません。

1-1. 育児時間の使い方

育児時間は授乳はもちろん、子どもの送り迎えなど子育てに関わるさまざまな時間に使えます。そのため企業側が育児時間を何に使うかといった指定はできません。

1-2. 育児時間の申請を拒否した場合は罰則がある

育児時間は労働基準法で定められています。そのため、企業側は従業員からの申請を拒否することはできません。もし拒否した場合は、6カ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられます。

2. 労働基準法の育児時間の計算方法

PCと電卓と時計

育児時間は労働者の勤務時間に応じて決まります。たとえば8時間以上の勤務であれば、原則30分を2回、計1時間の取得が可能です。一方、4時間勤務の場合は30分を1回というのが一般的です。

育児時間を計算するうえで重要なのが、休憩時間とは異なるという点です。たとえば1日8時間労働であれば、休憩時間は1時間以上取得することが定められています。

そのため、1時間以上の休憩を取った後に育児時間を取ることも可能です。

2-1. 変形労働時間制の労働者の場合

育児時間は勤務時間によって異なります。8時間以上のフルタイム労働者が取得する1時間の育児時間を基本として、4時間勤務のパートタイムであれば30分の育児時間が目安です。また、一般的には出勤前や退勤後、勤務中を育児時間にあてます。ですが、週や月、年単位で労働時間を設定している変形労働時間制の労働者は、始業時間と終業時間が定まっていないため、早朝や深夜といった自由な時間に育児時間を申請することが可能です。

2-2. 育児時短勤務との併用が可能

育児にまつわる働き方として、育児時短勤務があります。育児時間との違いは次の3つです。

子どもの年齢 労働者の所定労働時間 対象となる従業員の性別
育児時間 1歳未満 変わらない 女性(原則)
育児時短勤務 3歳未満 変わる(労働時間を減らす) 男性・女性

育児時短勤務の場合、対象となるのは3歳未満の子どもを育てているかどうかです。また、育児時間については原則女性のみでしたが、育児時短勤務については男性も取得可能です。

育児時間は労働者の所定労働時間は変わらず、通常の休憩に育児時間が追加されます。一方、育児時短勤務は労働者の所定労働時間を減らして、育児の時間を増やす取り組みです。

3. 労働基準法の育児時間に関する注意点

メガホン
育児時間についてはいくつかの注意点を押さえておく必要があります。とくに賃金に関わる点はしっかりと把握して、従業員とのトラブルを避けるようにしましょう。

3-1. 育児時間の賃金について

育児時間の給与は無給が一般的です。

労働基準法には育児時間の賃金についての記載はありません。そのため、働いていない時間には賃金が発生しないノーワーク・ノーペイの原則に基づき、育児時間には賃金が発生しないと考えられます。

しかし、労働基準法に明確な記載がないとおり、育児時間の賃金については企業ごとに異なる可能性があります。そのため、育児時間を申請する前に自社の就業規則を確認しておきましょう。

3-2. 育児時間の取得回数

育児時間の取得回数は原則1日1時間ですが、一回で1時間を取得する必要はありません。育児時間を取得する時間帯に定めはないため、出勤前の30分、退勤前の30分の2回に分けて、計1時間取得することも可能です。

どのように育児時間を取得するかは従業員の自由で、企業側は取得方法を強制できないため注意しましょう。

4. 労働基準法の育児時間の取得は就業規則に記載しておく

ルールを知る

労働基準法では育児時間の取得を認めていますが、賃金の発生有無を始め、ほかにも定められていない点があります。そのため、自社の就業規則にて育児時間についてのルールを記載しておくことで、従業員とのトラブルを避けられます。

また、育児時間について柔軟に対応する姿勢をみせることで、従業員が自社に対してポジティブな印象を持つでしょう。内閣府男女共同参画局の調査によれば、仕事と家事・育児を同時に重視したいと考えている女性(母親)は58.6%、男性(父親)は51.6%と、男女とも高い数値になっています。[注1]

このことから育児時間について柔軟な対応を示すことは、従業員の自社への満足度向上につながると考えられます。

[注1]仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する参考統計データ|内閣府男女共同参画局

4-1. 男性の育児時間取得を認めるかどうか

労働基準法における育児時間の成り立ちは、女性が子どもに授乳することが目的でした。そのため、対象は女性となっています。

ですが、現在では授乳に限らず、保育園への送り迎えなども育児時間に当てはまります。そのため、企業によっては男性の育児時間の取得を認めているケースもあります。

自社が男性社員の育児時間取得を許可するかどうかは、あらかじめ就業規則に記載しておきましょう。とくに男性の育児休業取得の促進やワーク・ライフ・バランスが求められている現代では、男性の育児時間取得を認めることが、企業としての魅力につながる可能性もあります。

4-2. 事後申請を認めるかどうか

一般的に育児時間は事前に申請されます。しかし、お子様の急な発熱のように、事前の申請が難しい場合もあります。そのような際に事後申請を認めるかどうかは企業によって異なります。事後申請を認めることで、従業員は柔軟な働き方が可能になるため、自社への満足度も高まることが予想されます。

5. 労働基準法の育児時間は自社の魅力につながるチャンスにもなる

家族を守る

労働基準法では1歳未満の子どもを育てている女性従業員を対象に、勤務時間に応じた育児時間の取得を認めています。

育児時間には賃金が発生しないのが一般的ですが、実際の対応は企業によって異なります。また、男性従業員の育児時間取得が認められるケースもあります。このように自社の就業規則に判断が委ねられる点があるため、企業側は育児時間についてのルールを明確にしておきましょう。柔軟なルールを設けることで、自社の魅力につながる可能性があります。

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例外や特例なども含めて法律の内容を理解しておくと、従業員に何かあったときに、人事担当者として適切な対応を取ることができます。

今回は、労働基準法の改正から基本的な内容までを解説した「労働基準法総まとめBOOK」をご用意しました。

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