年末調整の対象者は?12月退職は含むべきかなど対象条件を徹底解説 |HR NOTE

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年末調整の対象者は?12月退職は含むべきかなど対象条件を徹底解説

  • 労務
  • 給与計算

ポイントを指さしている年末調整は、基本的に全従業員に対して行う必要があります。しかし、年末調整の対象者にならない人も出てくるので、その線引きを正しくしなくてはなりません。
本記事では年末調整の対象者について詳しく解説します。また、年末調整の対象外となる人や、年末調整をしても確定申告が必要なケースについても説明するので、年末調整が必要かどうか判断に迷った際にお役立てください。

関連記事:年末調整のキホン|今さら他人に聞けない担当者必見の内容をご紹介

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1. そもそも年末調整とは?なんのためにおこなう?

ハテナマークが浮かんでいる

そもそも年末調整とは、一年間で納付した源泉所得税で生じる過不足を清算する業務です。従業員の給与・賞与から天引きして納付している源泉所得税は、あくまで目安額です。そのため不足があれば追加徴収し、過払いがあれば還付してもらうために年末調整はおこなう必要があります。

正しく年末調整ができなければ、従業員に対して還付金が支払われず、不足分の税金を徴収することもできません。

関連記事:年末調整とは|確定申告との違い、対応方法、注意点など基礎からわかりやすく解説!

1-1. 年末調整をしなかった場合のペナルティ

年末調整は、雇用主である企業の義務であることが所得税法で定められています。

年末調整を正しくおこなわない企業には、以下のようなペナルティが課せられることを覚えておき、責任をもって対応しましょう。

  • 年末調整をおこなわず、従業員から正しい税額を徴収しなかった場合:1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 年末調整をおこなったが、追加の徴収額を納付しなかった場合:10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方

ただし、年末調整をおこなわない理由が従業員側の理由の場合は、3月15日までに従業員本人が確定申告をおこなえば問題ありません。

関連記事:年末調整しないと罰則を受ける?遅れた場合の対応方法も紹介

2. 年末調整の対象者

対象者をブロックで表している

まずは、年末調整の対象者について確認しましょう。

2-1. 国税庁の定義における年末調整の対象者とは

国税庁のウェブサイトでは、確定申告の対象者を以下のように定義しています。なお、年末調整の対象者は年末調整をおこなう日までに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出が必要です。

12月におこなう年末調整の対象となる人は、会社などに1年を通じて勤務している人や、年の中途で就職し年末まで勤務している人(青色事業専従者も含みます。)です。

引用元:年末調整の対象となる人|国税庁

ただし、上記に当てはまる場合でも年末調整の対象外となるケースがあります。のちほど「年末調整の対象外となる人」にて後述します。

2-2. 年の途中で年末調整の対象となる条件

年の途中に年末調整が必要となる対象条件は、以下の通りです。

  1. 年の途中で海外の転勤などによって非居住者となった人
  2. 死亡によって退職となった人
  3. 著しい心身の障害が原因で退職となった人
  4. 12月に支給されるべき給与等の支払いを受けたあとに退職した人
  5. パートやアルバイトで働いていた従業員が退職し、本年に支払われる給与総額が103万円以下である人

上記に当てはまる従業員に対しては、年の途中で年末調整をおこなう必要があります。

対象者の判断を誤ると従業員自身が確定申告をおこなわなくてはならないので注意しましょう。年末調整の対象者を確認するためにはいくつかの条件を満たしているかを確認します。年末調整のご担当者様の中には、「対象なのか対象外なのかわからない従業員がいる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方に向けて、当サイトでは、対象者を図で理解できる資料を無料でお配りしています。

「はい」「いいえ」形式で対象者を確認できるようになっているので、対象者のわかりやすい確認方法を知りたい方はこちらから「年末調整ガイドブック」をダウンロードしてご活用ください。

3. 年末調整の対象者でよくある2つのミスとは

ミスで頭を抱えているここからは、年末調整の対象者を判断する際に起こりやすい2つのミスについて解説します。対応漏れが生じることのないよう、以下の2パターンには注意しましょう。

①アルバイトやパート社員を対象外にしてしまう

年末調整の対象者か否かは、雇用形態に関係しません。正社員でも非正規社員でも、先述した条件を満たす場合は会社で年末調整をおこなうためご注意ください。

関連記事:年末調整の対象者は?12月退職は含むべきかなど対象条件を徹底解説

②年間給与の総額が103万円以下の考え方を誤ってしまう

先述した「年末調整の対象となる条件」の7つ目の項目について、「1年間の給与総額が103万円以下で課税所得を満たしていないから、年末調整は不要」という認識は誤りです。

なぜなら、月額の給与が88,000円を超えると所得税が発生するためです。

たとえ年収が103万円以下であっても、1カ月の給与が88,000円を超えていた場合は所得税が天引きされている可能性があります。

年収が103万円を下回る従業員がいる場合は、月額の給与額もしくは天引きした所得税の有無をしっかりと確認しましょう。

4. 年末調整の対象外となる人

2人でPCをみている

続いて、年末調整の対象外となる人の条件は以下のとおりです。

  1. 1年間の主たる給与の総額が2,000万円を超える人
  2. 災害減免法の規定により、その年の給与に対する所得税と復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人
  3. 2つ以上の会社から給与の支払いを受けている人(ほかの会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している、もしくは年末調整までに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない場合)
  4. 非住居者
  5. 同一の雇用主に継続的に雇用されない日雇労働者

以上に該当する人は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していても年末調整の対象にはなりません。

もし対象外となった従業員から理由を問われた際は、上記のどの項目に当てはまるのか説明し、自身で確定申告をおこなうようアナウンスしましょう。

5. 年末調整しても確定申告が必要なケース

確定申告の準備をしている

これまでは、一般的な会社員であれば会社で年末調整をおこなえば自身で確定申告をおこなう必要はほとんどありませんでした。しかし働き方が多様化し、副業などで収入を得ている場合などは確定申告をおこなう必要があります。

ここからは、会社で年末調整をしても確定申告が必要なケースについて解説します。

5-1. 年末調整をしても確定申告が必要なケースとは

年末調整をしても確定申告が必要となるケースは以下のとおりです。

  • 1つの会社から給与を受けており、給与所得以外の収入が20万円を超える人
  • 2つ以上の会社から給与の支払いを受けている人
  • 1年間の主たる給与の総額が2,000万円を超える人
  • 動産の貸付などで家賃収入がある人
  • 災害による被害を受けて災害減免法の規定を用いて、源泉徴収の猶予や還付を受けた人
  • 源泉徴収による規定が適用されない給与を受けている人

上記に該当する場合は、会社で年末調整をしても従業員自身による確定申告が必要です。

詳細は、以下の国税庁のウェブサイトから確認できます。

参考:「確定申告が必要な方」|国税庁

従業員一人ひとりの事情を把握し、個別に確定申告が必要か否かをアナウンスすることは難しいかもしれません。ただし、上記のように確定申告が必要となるケースがあることを掲示板などで通知すると親切でしょう。

5-1-1. 納税義務があるのに確定申告をしなかった場合のペナルティ

故意に確定申告をおこなわなかった場合には以下のペナルティが課せられます。

  • 5年以下の懲役
  • 500万円以下の罰金

悪質なケースではこの両方を課せられることもあります。

また故意でなくても、以下のペナルティを受けるケースもあるため、正しく確定申告をおこなうことが求められます。

  • 無申告加算税:3月15日までに確定申告をおこなわなかった場合に課せられ、納付すべき税額に対して50万円未満は15%、50万円を超える部分については20%の割合で算出される
  • 延滞税:期限までに完納しない場合に課せられ、法定納期限の翌日から納付までの日にちに応じて自動的に利息が算出される

関連記事:年末調整はいつまでに提出すべき?提出期限を過ぎたときの対応も紹介

6. 年末調整の対象者についてよくある質問

複数のハテナマークが浮かんでいるここからは、年末調整の対象者についてよく生じる疑問について解説します。

11月退職・12月退職・12月入社の従業員は年末調整の対象者となるか、確認していきましょう。

6-1. 11月もしくは12月退職の場合は?

11月に退職した従業員は、通常年末調整の対象者にはなりません。12月に退職した従業員も、11月と同様、年末調整の対象者にはなりません。

年内に転職する場合は、転職先にて年末調整がおこなわれます。転職が年明け以降になる場合には、翌年に自身で源泉徴収票をもとに確定申告をおこなう流れとなります。

6-2. 12月入社の場合は?

12月入社の従業員の場合、給与の支給タイミングに応じて対応が変化します。

給与を当月支給する企業では、年末調整の対象者となります。ただし翌月支給の企業では、年末調整の対象者にはなりません。その場合、従業員自身で源泉徴収票をもとに確定申告をおこなう必要があります。

7. 年末調整は正しく行う

チェックマークを指さしている

年末調整の対象者の判断は、ルールがわかればそれほど難しいことではありません。ただし、対象外となるケースについて正しく理解していなければ判断に時間がかかったり、ミスをすることもあります。年末調整を正しくおこなえない理由が会社側にある場合は、ペナルティが課されることがあるので注意が必要です。

年末調整は毎年おこなわなければならず、従業員の数が多いほど処理の負担が大きくなります。ミスなく迅速に対応したい場合は、給与管理システムを導入して一括処理をするのがおすすめです。

年末調整の負担軽減、給与計算などの業務効率の向上を図りたい企業の人事労務ご担当の方は、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

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