表彰制度とは?メリットや導入方法をわかりやすく解説 |HR NOTE

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表彰制度とは?メリットや導入方法をわかりやすく解説

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  • 福利厚生

「表彰制度って何だろう?」

「表彰制度を導入すると、どのようなメリットがあるのだろうか?」

このような悩みを抱えている人は、多いのではないでしょうか。

表彰制度は、会社に貢献した社員を称えるための制度です。社員のモチベーションを高める一つの要素として、表彰制度は欠かせません

そこで本記事では、表彰制度の概要やメリット、導入方法などを詳しく解説します。最後までご覧いただくことで、表彰制度を社内に導入すべきか検討しやすくなるでしょう。

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1. 表彰制度とは

表彰制度とは、会社の売上アップなどに貢献した社員を社内で称える制度のことです。表彰制度により社員の意欲や生産性の向上が期待できます。

なお表彰制度は、就業規則の必要記載事項であるため、就業規則にその事由や方法などの記載が必要です。ただし、表彰制度の具体的な内容までに関しては、労働基準法によって定められているわけではありません。

そのため、表彰制度を導入している企業の中には、ユニークな表彰をおこなっている会社も数多く存在します。

参考:労働基準法第89条|e-Gov法令検索

2. 表彰制度の導入率

結論からお伝えすると、表彰制度を設けている企業の割合はおよそ7割です。

事実、厚生労働省職業安定局が平成26年(2014年)5月におこなったアンケート調査に回答した2,808社のうち、72.4%の企業が「従業員に対する表彰や報奨などを行う」と回答しています。

参考:厚生労働省職業安定局|雇用開発部雇用開発企画課

3. 表彰制度を導入する3つのメリット

表彰制度を導入するメリットは、以下の3つです。

  1. 社員の意欲が向上する
  2. 離職率の低下につながる
  3. 社員が目指すべき方向性が統一される

それぞれ順番に解説します。

3-1. 社員の意欲が向上する

表彰制度を導入することで、社員の意欲向上に大きくつながります。いうまでもありませんが、だれしも自分の努力やこれまでの取り組みを評価されるのは、非常に嬉しいものであるためです。

表彰制度を導入したら、その内容や具体的な評価方法を社員へ忘れることなく共有しましょう。

3-2. 離職率の低下につながる

表彰制度の導入は、離職率の低下にも大きくつながります。

会社と一口にいっても、その形態はさまざまです。その中には、社員同士での集まりが困難で、交流があまりおこなわれていない会社は決して少なくありません。表彰制度を通じて、社員同士で互いの頑張りを労い称え合うことにより、仕事に対する満足感は上昇します。

その結果、やる気のある優秀な社員の流出防止につながり、ひいては離職率の低下につながるのです。

3-3. 社員が目指すべき方向性が統一される

表彰制度を導入すると、社員が目指すべき方向性が統一されます。表彰制度の評価方法や内容が共有されることで、社員が注力すべき点が明確になるためです。

また、表彰の評価内容を設定する際は、チームへの貢献も評価に含めるとよいでしょう。チームへの貢献も評価に含むことで、社員間の結束がより強化されます。

4. 表彰制度を導入する3つのデメリット

表彰制度を導入するデメリットは、以下の3つです。

  1. 社員の意欲を低下させるおそれがある
  2. ノウハウや知識が共有・蓄積されないおそれがある
  3. コストや手間がかかる

それぞれ順番に解説します。

4-1. 社員の意欲を低下させるおそれがある

場合によっては、社員の意欲を逆にダウンさせるおそれがあります。例えば、あまり功績をあげていない社員が表彰されるケースです。

社員に不信感を抱かせる表彰制度は、モチベーションの低下につながり、会社に大きな損失を及ぼします。そのため、表彰制度を導入する際は、明確な選考基準を定めるなど、社員に不信感を抱かせないための工夫が必要不可欠です。

4-2. ノウハウや知識が共有・蓄積されないおそれがある

表彰の評価基準が個人の場合、有益なノウハウや知識が会社内に共有・蓄積されないおそれがあります。自分が表彰されたいがために、有益な情報をほかの社員にあえて共有しない、などのことが考えられるためです。

有益なノウハウや知識を社内に共有・蓄積させるためには、表彰の評価基準にチームも含めるなどの対策が欠かせません

4-3. コストや手間がかかる

表彰制度の導入は、コストや手間がかかります。具体的なコストや手間は、以下の通りです。

  • 選考をおこなう時間
  • 表彰式の準備および実施にかかる時間
  • 褒賞品の購入費

表彰制度を導入する際は、これらのコストや手間と、期待できるメリットを天秤にかけてじっくりと検討しましょう。

5. 表彰制度の具体例

表彰制度の具体例を以下の流れで解説します。

  • 一般的な表彰制度の具体例
  • ユニークな表彰制度の具体例

5-1. 一般的な表彰制度の具体例

表彰制度の内容として一般的に用いられるものは、主に以下のとおりです。

表彰例

詳細

MVP

・年間で最も活躍した社員を表彰
・会社によっては「社長賞」の設けているところもある

新人賞

・新卒入社数年以内の社員で特に活躍した社員を表彰
・会社によっては中途入社の社員が含まれることもある

永年勤続表彰

・成果に関係なく一定の勤続年数(10年・15年・20年など)にたっした社員を表彰
・表彰制度として最もメジャーで、実に8割の企業が導入している

定年退職表彰

定年に伴い退職する社員を表彰

努力賞(奨励賞)

主にサポート業務で会社に貢献した社員を表彰

営業優秀者表彰

最も優れた営業成績を収めた社員を表彰

無事故表彰

車の運転や機械の操作で事故を起こさなかった社員を表彰

チーム賞

プロジェクトの成功に携わった全社員を表彰

参考:産労総合研究所|永年勤続表彰制度に関する調査

5-2. ユニークな表彰制度の具体例

ここからは、ユニークな表彰制度を導入しているA社の事例を紹介します。

A社の表彰制度は、社員の人間力を評価するための制度が整えられている点が特徴的です。具体的には、毎月全社員がそれぞれ人間力に優れた人物を投票し、表彰をおこなっています。表彰に用いられるネーミングの中には「笑顔賞」や「おもてなし賞」が存在し、とてもユニークです。

人間力を評価するA社の表彰制度は、社員の会社への満足感アップや意欲向上に大いに役立っています。

6. 表彰制度に用いられる主な景品の種類

表彰制度に用いられる景品の種類は、以下のようにさまざまです。

  • 金一封
  • 商品券
  • 旅行券
  • カタログギフト
  • トロフィー
  • メダル
  • 特別休暇

表彰制度を導入する際は、あらかじめ社員に対して景品に関するアンケートをおこなうことで、景品選びに迷いがなくなります

また景品は、表彰された社員が好きなものを選べるようにすると良いでしょう。社員の中にはものよりも休暇が欲しいなど、価値観は多種多様で求めるものがそれぞれ異なるためです。

7. 表彰制度の導入手順

表彰制度の導入手順は以下の5ステップです。

  1. 表彰制度を導入する目的と担当者を決める
  2. 表彰の種類・選考基準・褒賞品を決める
  3. 就業規則に明記し行政官庁と社員に周知する
  4. 表彰制度の実施後に振り返りをおこなう

各手順についてそれぞれ解説します。

7-1. 表彰制度を導入する目的と担当者を決める

最初に表彰制度を導入する目的を決めましょう。目的を決めると、表彰制度の設計がおこないやすくなるためです。

目的を決めたら次に、表彰制度の担当者を決めましょう。このとき可能であれば、表彰制度専門の担当チームを作ることをおすすめします。表彰制度に限ったことではありませんが、社内に新しい制度を作って定着させるためには膨大な時間がかかるからです。

また、表彰制度の担当チームを作る際は、各部署からまんべんなくメンバーを選出しましょう。各部署の社員がチームに加わることで、あらゆる視点から表彰内容を検討できます。

7-2. 表彰の種類・選考基準・褒賞品を決める

次に、表彰の種類や選考基準、褒賞品を決めます。

表彰の選考基準を決める際は、できる限り複数の基準を設けましょう。基準を複数設けることで、社員にとってより公平かつ納得感のある表彰制度を作れるためです。

7-3. 就業規則に明記し行政官庁と社員に周知する

続いて、就業規則にその旨を記載し、行政官庁に届出をおこないます。行政官庁への届出が必要となる旨が、労働基準法第89法に明記されているためです。

行政官庁への届出をしたら、社内メールやポータルサイト、掲示板などを活用して社員への周知も忘れずにおこないましょう。

参考:労働基準法第89条|e-Gov法令検索

7-4. 表彰制度の実施後に振り返りをおこなう

表彰制度の導入後は定期的な振り返りを必ず実施しましょう。振り返りをおこなうことにより、表彰制度の質を高められます

例えば、表彰制度の振り返りとして社員に対するアンケートは効果的です。直接のコミュニケーションでヒアリングするのが難しい社員の本音を引き出せるため、表彰制度の改善におおいに役立ちます。

8. 表彰制度を導入する際の注意点

表彰制度を導入する際の注意点は以下の3つです。

  1. 選考基準を曖昧にしない
  2. 個人の成果のみを表彰対象にしない
  3. 表彰対象者に偏りをもたせない

各注意点について順番に解説します。

8-1. 選考基準を曖昧にしない

表彰内容の選考基準は、可能な限り数値化できるものを使用して、基準が曖昧にならないよう注意する必要があります。選考基準が曖昧になると、表彰制度の公平性を保つのが難しくなり、社員に不信感を抱かせるおそれがあるためです。

とはいえ、選考基準のすべてで数値化できるものを使用するのは難しいことでしょう。選考基準が行動ベースなどで数値化できないものは、評価項目を複数設け、点数制にするなどの工夫が必要です。

8-2. 個人の成果のみを表彰対象にしない

表彰内容を個人の成果のみに限るのは避けましょう。個人の成果のみに表彰内容を限ると、組織にとってマイナスな影響を及ぼすリスクがあるためです。例えば、自分が表彰されたいがために、有益な情報をあえて共有しない、などのことが考えられます。

そのため、表彰制度を導入する際は、組織への貢献も表彰内容に含めるとよいでしょう。例えば、プロジェクトの成功に携わった全社員を表彰する「チーム賞」を設けるのは一つの有効な手段です。

8-3. 表彰対象者に偏りをもたせない

表彰制度を導入する際は、表彰対象者に偏りをもたせないための工夫も必要です。

例えば、売上アップを目的とした表彰制度にすると、表彰される社員は営業部など特定の社員に限られます。そうなると、企業のバックオフィスを支える経理部や総務部などの社員にスポットライトが当たりません。

そのため、表彰制度を導入する際は、公平感のある選考基準を作ることが求められます。

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