新卒採用をおこなっている企業は多いかと思いますが、一方で「母集団形成がうまくいかない」「内定者数が目標数に達していない」など、新卒採用に課題を抱えている企業の声を良く耳にします。
そんな新卒採用の課題を補うために、現在、第二新卒採用が注目を浴びています。
今回は第二新卒が注目される背景や、その採用手法、注意したいポイントについてご紹介します。
- 近年、売り手市場であることから、若手の採用手段として第二新卒が注目されている
- 中途採用ではあるが、ポテンシャル面も評価するので基準を明確にして見定める必要がある
- 定めるポイントは「自社に合うかどうか」「最低限どんなスキルを持っている必要があるか」の二点
目次
第二新卒とは?
第二新卒とは、卒業して一度は就職したものの、1、2年ほどで退職してしまった若手の求職者のことを言います。就職活動が上手くいかずにそのまま卒業してしまった既卒生もここに入ります。
大手企業に入社したけれど、働きがいや将来のキャリアを求めて中小企業に転職するなど、仕事へのやりがいを渇望する多くの若手がこの第二新卒で転職活動をしています。
中途採用の中に第二新卒採用という市場が生まれ、今では第二新卒という言葉は採用業界で少しずつ定着しており、大手企業でも第二新卒採用をおこなっている企業が増加しています。
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なぜ第二新卒が人気なのか?
では、第二新卒が定着し始めている理由にはどのようなものがあるのでしょうか。企業側にとってメリットに感じている部分が大きく二点あります。
新卒採用のスケジュールと被らない
新卒採用は一般的に一括採用ということもあり、採用スケジュールはある程度決まっています。最も忙しい期間は就職活動が解禁される3月頃から内定出しの6月頃になります。
一方で第二新卒は、中途採用の枠になりますので、通年採用の形が取られています。
いくつかの業務を兼任しているなど、人事体制が十分に整っていない企業の採用担当者にとっては、採用業務を時期に応じて分けられることは純粋にメリットとして捉えています。
新卒採用と同じくポテンシャル採用になる
マイナビの中途採用状況調査によると、第二新卒で採用する基準として、最も大きな要因が「入社意欲の高さ(41.5%)」です。続いて、「一緒に働ける人材か(36.5%)」、「社内と合いそうな人柄か(33.7%)」になります。
第二新卒は中途採用の枠となりますが、ほとんどの企業の採用担当者は若手社員として一緒に働けるかどうかを見ています。
「経験の浅い第二新卒でも自社で育てるから問題ない」という判断であれば、新卒採用と同じようにポテンシャル採用をすることができます。
- 入社意欲の高さ(41.5%)
- 一緒に働ける人材か(36.5%)
- 社内と合いそうな人柄か(33.7%)
具体的にどうやって採用するの?
では実際にどのようにして第二新卒を採用していくのでしょうか。ここでは、その採用手法についてご紹介します。
第二新卒専用の合同説明会や求人サイトを活用する
最近の中途求人サイトでは「第二新卒特集」を組んでいることもあるので、それらを参考にしながら活用するようにしましょう。まずは求人案内を出すときに、求人票などに「第二新卒歓迎」と書くだけでもプラスにはたらくはずです。
合同説明会や転職イベントなどには20代限定というものや、第二新卒のみを対象としたイベントがあります。企業にとってはより効率的に若手社員へアプローチすることができるため、おすすめです。
また、近年は就職エージェントや転職サービスなどでも、第二新卒にも対応しています。エージェントや転職サービスを使って、自社にマッチしたサービスを探すのも一つの手段です。
大学のキャリアセンターに行く
大学にあるキャリアセンターは、基本的には在籍してる大学生向けのサービスです。しかし、実は卒業してから3年までは卒業者でも活用することができます。
新卒や中途と比較すると、第二新卒専門の求人メディアなどがあまり多くないことから、就職先の情報を求めて母校へ相談することが多くあるそうです。
キャリアセンターに、「第二新卒を募集しています。もし良い人がいたら是非紹介してください」とあらかじめ関係性をつくっておくことは重要です。
新卒採用などで、すでにつながりのある大学があれば、一度訪れてみてはどうでしょうか。
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採用するときに気をつけるべき2つの注意点
第二新卒は新卒採用と似通った採用手法にはなりますが、細かい部分で注意するポイントがあります。
明確な採用基準と教育方針を立てる
第二新卒はあくまでも中途採用ですが、ポテンシャル面での採用が多くなると思います。そのため、「新卒」に近い中途採用となります。
「新卒ではない」「中途ではない」ということをしっかりと線引きをしたうえで、明確な採用基準と教育方針を立て、採用活動をおこないましょう。棲み分けが必要な観点としては大きくわけて二点あります。
採用基準
第二新卒自体、新卒採用と比べて人材の層とスキルが広くなります。新入社員研修などといった教育コストの削減のために、ある程度社会人経験を積んできた人を採用するのか、それとも自社でしっかり育てるので社会人経験のない既卒の人を採用するのか。
あらかじめ第二新卒のどういった層をターゲットにするのかを自社内で明確に定義しておく必要があります。
人事制度
採用後の処遇についてもしっかりと整えていく必要があります。例えば給与面を新卒枠とするのか、中途枠とするのかなども考えていく必要があります。
「社会人経験のまったくない人」と「1、2年間しっかりと働いて退職した人」ではスキルに大きな違いがあります。既存社員とのバランスを上手く作れるような制度設計を整えていきましょう。
中途採用よりも手厚く面接
中途採用と比べて第二新卒の採用はスキル面のみで判断しません。
そのため、ポテンシャル面を見ていく必要があります。自社に入って意欲的に働いてくれそうかなどを見極めるためにしっかりとコミュニケーションをとっていきましょう。
- 職種に対してこだわりがあるかどうか
- 転職に対する本気度
- 転職で望む条件など
さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回の内容をまとめると以下のようになります。
- 近年、売り手市場であることから、若手の採用手段として第二新卒が注目されている
- 中途採用ではあるが、ポテンシャル面も評価するので基準を明確にして見定める必要がある
- 定めるポイントは「自社に合うかどうか」「最低限どんなスキルを持っている必要があるか」の二点
「第二新卒って言葉はよく聞くけど、結局どうしたらいいの?」と思っていた採用担当者も多かったのではないでしょうか。本記事が何かお役に立つことができれば幸いです。
新卒採用と同様に注力することで、将来の幹部候補となるような方も採用できるかもしれません。
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