今回は、YouTuberと企業のマッチングプラットフォーム「BitStar」やインフルエンサープロダクション「E-DGE」を運営する、株式会社BitStar代表取締役 渡邉さんに、「自社の採用応募者数が増加したその理由」についてお伺いする機会があり、その内容を記事にまとめさせていただきました。
もちろん応募者をむやみに多く集めることは無駄に工数がかかるだけですが、しっかりと求めている人材に訴求でき、一人でも多くの方に自社を認知してもらうことは、特にスタートアップ企業では重要なことではないでしょうか。
BitStarでは人事の専任担当がいないにも関わらず、単月の応募者数が100人から500人の5倍になったとのこと。それでは実際に何をしたのか。詳しくご紹介させていただきます。
渡邉 拓(ワタナベ タク) | 株式会社BitStar 代表取締役
慶應義塾大学大学院 理工学研究科卒。専門は動画像処理・画像工学・VR。在学中に学生ベンチャーの立ち上げをおこなう。新卒ではスタートアップ企業の社内新規事業の立ち上げとグロースに貢献。2014年7月には自身の会社としてBitStarを創業。現在はインフルエンサー支援プラットフォーム「BitStar」やインフルエンサープロダクション「E-DGE」を運営。
【目次|BitStarが採用における認知度を向上させた5つの施策】
目次
スタートアップ企業BitStarが採用における認知度を向上させた5つの施策
その1.Wantedlyの活用
BitStarでは、Wantedly経由でこれまでに10人以上の採用をしてきています。Wantedlyは低価格で利用可能で多くの企業が活用していると思います。それでは、BitStarはWantedlyでどのようなことをされているのでしょうか。
求人情報を頻繁に出す
渡邉氏がWantedlyを使ってまず感じたことは、「2週間くらいで自社求人が新着に掲載されなくなっている」という部分でした。最低でも2週間に1回のペースで求人情報を掲載するようにしたほうが良いのではないかとおっしゃっていました。
さらにBitStarでは、求人案内を毎日出すようしたとのこと。その結果、2週間に1度のペースの時と比較して応募数を2倍に増やすことに成功しました。
ただし、渡邉氏がWantedlyの会社ランキング30位を分析したところ、上位企業は必ずしも求人情報を出している数は多いとは限らないため、毎日でなくともバランスよく出すようにすることが重要ではないかと述べていました。
いずれにせよ、求人情報を頻繁に出すことは重要な要素のようですね。
応援してくれる協力者を募る
Wantedlyでは、「応援」することにより、Facebookのタイムライン上でその求人情報を広めることができます。そのため、お互いを応援し合うような協力者を募ると飛躍的に応援数が増やすことができます。
会社単位で「応援合戦」を実施しているところも良く見かけるのではないでしょうか。
採用ブログを定期的に書いていく
BitStarでは、Wantedly上で採用ブログをはじめてから応募者数が1.5倍に伸長したとのこと。また、選考をおこなう事前に、応募者の方に採用ブログを読んでおいてもらえるようなフローをつくることで、BitStarへの理解が深まり、面談の効率化につながるとおっしゃっていました。
求人情報を定期的に出していくために掲載写真や記載内容をこまめに更新したり、採用ブログを書き続けたりと継続性が求められます。ここが継続できるかできないかが、大きなポイントとなると渡邉氏はおっしゃっていました。
WantedlyのFacebook広告を出す
Wantedlyの会社ランキングは一定期間における求人情報のPV(閲覧)数が関係しています。したがって、PV数を増やすために、Facebook広告を活用し、広告内容に自社のWantedlyの求人情報を出すことも一つの方法だと述べていました。
その2.採用体制の構築
スタートアップ企業において、採用体制をどのように構築していくかは自社の採用力を向上させていく上で重要です。BitStarでは、どのように採用体制を構築しているのでしょうか。
BitStarでは、外部人事を活用しています。その内容は、応募者との日程調整、メッセージのやり取り、週次や月次の応募者数、面談数、内定数の管理と毎週の振り返り、それに伴う打ち手の共有などを、アウトソーシングまたはコンサルティングという形で支援してもらっています。
BitStarではポテンシャライトの山根氏に支援をしてもらっており、これらの支援作業をすべてオンラインで完結してやりとりしているとのことでした。
採用において、オンラインのみで外部人事の方とやりとりすることは可能で、山根氏のような外部人事がいることで工数の削減にもつながるため、非常にお勧めであるとおっしゃっていました。
面談フローの効率化
当初は渡邉氏がほぼ全ての一次面談をしていたとのこと。そこから応募者数が増えてきたタイミングで、他の経営陣、管理職を巻き込んで採用体制を強化していっています。
その上で意識していることは、「スピードが落ちないようにすること」だとおっしゃっています。「この候補者は是非口説きたい」という時は渡邉氏も同席して一緒に面接を実施したり、次の日程調整をその場でおこなったりと、とにかくスピード感を落とさないようにする工夫をしています。
採用業務の切り分け
応募者数が増えてくると、当然それに比例して採用に携わっている方々の負荷が大変になってきます。そのため、求人票作成、スカウトメール対応、候補者とのやりとりなど、業務を切り分けて協力を仰ぐことが重要とのこと。
渡邉氏がやってきて感じていることは、先程も述べたように「意外にオンラインでアウトソースできることが多い」ということです。専任の担当がいない際は、どんどん社内・社外の協力者を増やして、採用業務を振り分けていくと良いかもしれません。
その3.エージェントとの協力体制の構築
毎月の採用ニーズを伝える
スタートアップでは毎月採用要件が変わることもあるとのこと。そのたびにBitStarでは、「先月はこうだったのですが、今月はこうしていきたいです」という採用ニーズの変更点などをエージェント各社にこまめに送っています。
エージェント向け説明会の実施
上記と並行して新しい情報が出てくるタイミングで、エージェント各社を集めて説明会を実施しているとのこと。変化が激しいスタートアップでは、事業が3ヶ月、6ヶ月で大きく変わってくるため、あらためて情報を共有することが重要です。
その結果、「そこまでは知らなかった、理解ができてよりプッシュしやすくなった」という声をもらえるようになり、エージェントからの紹介数が増加したとのことです。
さらに、エージェントの中でも特に成果が出ている会社に関しては、個別にこちらから出向いたり、個別説明会を実施したりと、より協力体制、信頼関係を築くために動いていくと良いとお話されていました。
その4.リファラル採用の継続
渡邉氏は、リファラル採用を継続して実施することも重要だと述べていました。リファラル採用をいざやるとなってもいつの間にか形骸化してしまうといったケースも見られますが、地道にコツコツとやり続けることが大事です。
BitStarのCOO、CTOの方は渡邉氏の大学時代の友人とのこと。それ以外にもリファラル採用経由で入社した方が数名いらっしゃいます。
リファラル採用の良いところは人材の質を担保しやすいこととカルチャーフィットしやすいことが挙げられます。渡邉氏は、一度声をかけてダメだったからといっても諦めない姿勢が重要で、「3年間、3ヶ月に一度声をかけていたら口説けない人はいない」とおっしゃっていました。
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その5.ダイレクトリクルーティングへの挑戦
こちらも地道ではありますが、ダイレクトリクルーティングは人的リソースがあれば絶対にやった方が良い施策とのことでした。ダイレクトリクルーティングで採用ができれば、エージェントを活用するよりも採用単価を抑えることができます。
ただし、やはり手間はかかってしまうため、BitStarではダイレクトリクルーティング用の外部人事の方を活用してようやくスタートし始めているとのことです。新しい採用チャネルを増やすことで、今まで出会えなかった層の求職者と出会えるかもしれません。
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最後に
いかがでしたでしょうか。
知名度がそこまで高くない企業でも、やり方次第で採用の認知を上げることは可能です。
そのためにBitStarでは、求人広告、エージェントといった採用手法をさらに活性化させるための動きをとったり、リファラル、ダイレクトとコストを抑えた新しい採用手法を模索し、チャネルを広げようとしています。
その上で共通して言えることは、「施策を継続して実施できるか」「社内外からの協力体制を構築できるか」など、“わかってはいるけれどなかなか難しいこと”ができるかどうかだと感じました。
是非、みなさまにとってご参考となれば幸いです。