リファラル採用を続けて1年で採用数が25倍になった3つの方法 |HR NOTE

リファラル採用を続けて1年で採用数が25倍になった3つの方法 |HR NOTE

リファラル採用を続けて1年で採用数が25倍になった3つの方法

  • 採用
  • 中途採用手法

西村さん640
※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

先日、リファラル採用を活性化するクラウドサービス「Refcome」が開催する『リファラル採用勉強会』に参加してきました。実際にリファラル採用に取り組まれた方々のノウハウを共有し合うイベントとして多くの人事担当者で賑わっていました!

イベントのメインは、株式会社HARES西村 創一朗氏、株式会社チェッカーサポート小山 剛史氏、株式会社ホットリンク濱野 智成氏によるトークセッションになります。

最近よく耳にする「リファラル採用」。採用コストの削減、質の高い候補者の獲得、ミスマッチの低減などの効果が期待でき、注目を集めています。

しかし、いざ「自社でも始めよう!」と思い立っても、以下のようにうまくいかないケースがあります。

  • 何からはじめたら良いかわからない。
  • 思ったよりも大変そうで、なかなか進まない。
  • 始めたものの社内の社員が協力的ではなかった。
  • 最初は盛り上がったが、一時的な取り組みで終わってしまった。

その中で西村氏は前職時代に、年間1~2名のリファラル採用数から年間50名という約25倍に伸長させた実績があり、リファラル採用をはじめたいという方々にとっては非常に参考となるお話でした。

ただ、そんな西村氏も最初は「リファラル採用が社内でうまくワークするのか懐疑的であった」とのことで、そんな状況からいかに25倍のリファラル経由からの採用数を生み出したのか。

今回は、西村氏がどのような取り組みをおこなったのか、イベントレポートとしてご紹介します。

1年でリファラル経由の採用数が25倍になった3つの方法とは

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【人物紹介|西村創一朗 株式会社HARES 代表取締役社長】
HRイノベーター/複業研究家。首都大学東京を卒業後、2011年に新卒で株式会社リクルートキャリアに入社。法人営業(MVP複数回受賞)、新規事業企画、採用担当を歴任。本業の傍ら「二兎を追って二兎を得れる世の中をつくる」をビジョンに掲げ、2015年に株式会社HARESを創業。2016年末にリクルートキャリアを退職し、独立。 プライベートでは三児のパパ。NPOファザーリングジャパン理事。地域の少年サッカークラブのコーチも務める

リファラル採用は「待ちの採用」戦略ではうまくいかない

西村氏:もともと社員紹介での採用決定数が年間1~2人あるかないかというところから、年間50名の25倍に伸ばすことができました。

そのとき何を考えて何をやったのか、それを通して見えてきたリファラル採用の原理原則のようなことをお伝えできればと思っています。

リファラル採用は、すでにアメリカでは2012年からナンバー1の採用チャネルとして確立していて、今も盛り上がっている状態です。

そして、リファラル採用は日本においても同じ状況になりつつあります。なぜリファラル採用が選ばれているのかというとすごくシンプルで、費用対効果が非常に高い採用手法であるということが挙げられます。

キャプチャ
※米国の社員リファラル採用のしくみ|リクルートワークス研究所

スキル面だけでなく社風のマッチ度なども含めた質の高い人材と出会えることができ、かつ圧倒的低コストで、場合によっては0円で採用することができます。

採用でき、かつ入社後に辞めずに定着し活躍しやすい、これほど嬉しいことってないですよね。

しかし、リファラル採用が上手くいっている企業は、日本ではまだ少ないように感じています。

今までの採用の在り方は基本的に、人材紹介のエージェントに依頼したり、求人広告に掲載したりして、あとは応募を待つだけという、「待ちの採用」が採用戦略のベースでした。

一方で、リファラル採用は待ちの姿勢では絶対に上手くいきません。採用する義務のない社員を動かして採りに行く必要があります。

しかし、社内にそもそもリファラル採用の文化がないので、文化がないこといきなりやって上手く行くわけがありません。

リファラル採用推進のためにおこなった3つのこと

西村氏:ただ、上手く行かせるための法則のようなものはあると思っています。私は「社員数」×「社員協力率」×「1人当たりの紹介率」、これで決まると考えています。

とくに社員協力率が大事なのですが、社員協力率は何によって決まるかというと、従業員のエンゲージメントになります。

社員数の部分はどうにもならないため、「自社に知人を紹介したい」というエンゲージメントがあるのかどうかと、紹介できる知人が何人いるのか、ここをどう最善化していくかがポイントでした。

そのために簡単に言うと以下の3つをやりました。

  1. 「紹介したい」と思ってくれてるのかどうか、従業員エンゲージメントを可視化すること
  2. 物理的・心理的な負荷を軽減すること
  3. リファラル採用活動の認知度向上
1.従業員エンゲージメントの可視化

まず着手したのがエンゲージメントを可視化することで、『eNPS』というものを実施しました。

もともとNPS(ネットプロモータースコア)というマーケティングの手法があるのですが、「あなたはこの商品を自分の知人や友人に勧めたいと思いますか」ということを聞く、極めてシンプルなリサーチ手法です。

アメリカの企業では採択率が一番高いマーケティング手法なのですが、それの従業員版で「EmployeeNPS」です。当時まだ日本で前例が無かったんですが、海外で事例があるとのことでしたので、「じゃあやろう」とはじめました。

その結果見えてきたことがいくつかありました。

まず一つは、そもそも前職の社内を見たときに、「正直、みんな紹介したいって思えてないんじゃないか」というのが私の仮説でした。

耕されてない土壌に種を撒いても咲かないことと一緒で、社員が紹介したいと思えてない状態の中でリファラル採用を実施したとしても意味がありません。

まずそもそも土壌がどうなのかを見極めたかったのですが、これが思っていたよりもずっと良かったことが分かりました。「これはやるべきだ」ということが確認できたのが大きかったです。

また、部門ごとのエンゲージメントの高さが分かりました。そこで「紹介したいという気持ち」と「紹介したい人がいる」2軸のマッピングをとって、両方の値が高い事業部の役員を直接口説きに行きました。「あなたの部門でリファラル採用をやりたいので協力してください」と。

図1

その事業部に絞って紹介施策をおこない、たとえばワークショップを実施したり、キャンペーンをチーム対抗でやったりしました。

まずは成功確率が高そうな部署を可視化し、一緒に実績をつくることも大事だと思います。ここからブレイクスルーが生まれた感じはあります。

2.物理的・心理的な負荷を軽減すること

「なんで紹介しないのか」とヒアリングしたときに、「そもそもどうやって声を掛けたらいいか分からない」という意見を耳にしました。「FacebookやLINEで知人に声をかけてみよう。でもなんて送ろうかな?」というところで止まってしまうと。

ですので、そこに関してはテンプレートをつくってあげて簡単にメッセージが送れるようにしたり、応募も「ここにこれだけ入力すればもうエントリー完了するよ」という状態にしたり、物理的な負荷を軽減できる仕組みをつくっていきました。

また、心理的負荷の側面では、「紹介した人が不合格になったら気まずい」「選考受けなよと、転職を勧めることに責任が持てない」という不安があります。

そのような不安を払しょくするために、「最初は選考はしません」という形にしています。転職意思は完全不問、最初はあくまでキャリア面談です。

「今の会社で頑張った方がいいんじゃない」とアドバイスすることもあれば、「こんな会社あるからここ合うかもね」と他社をお勧めすることもありました。そこで、実際に自社に合いそうで本人もその気があれば選考に進めるようにしています。

3.リファラル採用活動の認知度向上

「リファラル採用始めました」と、告知だけして終了みたいなことはよくあります。最初はリファラル採用の実施に関する告知をしてから実際に紹介できるまで、結構時間がかかるものだと感じています。

最初に発信だけして、「全然紹介来ないな、ダメだな」とそこであきらめてしまってはいけません。

社員側は「そもそもうちでリファラル今やってんだっけ、どうなんだっけ。よくわかんないからやめておこう」となってしまいます。

「誰か紹介できる人いませんか?」「いま紹介の数はこのくらいですよ。進捗はこうですよ」と、継続的に発信し続けることが非常に大切です。

情報発信のために使えるものは何でも使っていいと思います。社内メルマガを送る、社内報、Facebookページで広報するなど、社員紹介やってるよっていうことをアピールし続ける。

私の場合は「ミーツ」というリファラル採用のためのプロジェクトチーム、ブランドをつくり、ロゴやパーカーなどのノベルティも全部つくって、情報発信し続けたんですね。

リファラル採用の文化をつくることは、組織の活性化にもつながる

西村氏:まずはエンゲージメントを可視化し、エンゲージメントや社員紹介率が高そうな事業部に絞ってやり続けるという、シンプルなことをして結果的に25倍まで伸ばすことができました。

それ以外にリファラル採用をすると何が起こるか。そこの部門のエンゲージメントが上がり、従業員満足度が高まり、結果的に売上が上がるということが確認できました。

これは、私が一番面白かったと感じたことで、実は組織活性につながるんです。

ですので、リファラル採用は、採用手法の中で唯一、採用を起点に組織を変え得る可能性を持った採用手法だと思っています。

お力になれることがあればぜひご協力させていただきたいと思っていますので、一緒にリファラルの文化をつくっていければ幸いです。

最後に

いかがでしたでしょうか。

リファラル採用を実施するうえで、「まずは自社の社員がそもそも自社のことを紹介したいと思っているのか」を探ることは非常に重要だと感じました。また、社員が簡単に紹介できるための仕組みをつくる、継続的に啓蒙活動をおこなうなど、リファラル施策を盛り上げるために参考となる内容が盛りだくさんで多くの気づきをいただきました。

またリファラル採用を通じて組織活性につながることがあるとのことで、リファラル採用は導入難易度は高いかもしれませんが、企業にとって多くのメリットをもたらしてくれる手法ではないでしょうか。

【イベント概要/主催】

  • イベント名:リファラル採用勉強会 Vol.01
  • 日時:2017/02/02(木)19:30~
  • 場所:東京都渋谷区道玄坂2-10-7
  • 主催:株式会社Combinator 代表取締役 清水巧
  • リファラル採用を活性化させるツール「Refcome(リフカム)

次回のリファラル採用勉強会に興味のある方は、こちらにご登録いただければ、開催時にお知らせを受け取れます。

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▼アーカイブ配信視聴はこちらの特設サイトから▼
https://hrnote.jp/dx-action-summit-2023-archive/

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