労働力人口の減少により、今後ますます人手不足が進むといわれています。そのような中で、外国人・女性・シニアといった多様な人材の活用が求められてきているのではないでしょうか。
今回は人手不足の観点以外でも、インバウンド対応やエンジニア需要などからニーズが拡大する「外国人採用」サービスをご紹介します。
外国人労働者受入れのメリットや注意点なども併せて解説していきますので、ぜひお役立ていただけますと幸い
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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
1.外国人採用のニーズの高まり
外国人労働者数は6年連続で増加傾向
厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況 によると、外国人労働者数は平成25年から6年連続で過去最高を更新しています。
2016年10月時点ではじめて100万人を突破し、2018年10月末時点では約146万人とさらに更新を続けています。
2018年10月時点の国籍別の割合で上位の国を見ると、
- 中国:389,117人(26.6%)
- ベトナム:316,840人(21.7%)
- フィリピン:164,006人(11.2%)
- ブラジル:127,392人(8.7%)
- ネパール:81,562人(5.6%)
上記のようになっており、中国が全体の26.6%と最も多くを占めています。
その次にベトナム、フィリピン、ブラジル、ネパールと続きます。全体的に見て、近隣である東南アジアの国が多い印象です。
外国人の割合も変化してきており、昨年は中国人が29.1%、ベトナム人が18.8%だった割合が中国人26.6%、ベトナム人が21.7%と、ここ一年でベトナム人が急激に増えてきていることがわかります。
この背景としては、今までは外国人就労においてかなり制限がありましたが、技能実習生の枠が拡大されたことに加え、4月から施行される法改正によって特定技能が認められるようになったといったことがあげられています。
「インバウンド需要」と「エンジニア需要」で外国人採用ニーズが増加
外国人労働者を雇用する事業所として一番割合が高いところが製造業ですが、近年では減少傾向にあります。一方で宿泊業、飲食サービス業、卸売業、小売業、建設業といったところは年々増加してきています。
2020年の東京オリンピックも見据えて、日本に訪れる外国人観光客のインバウンド需要が拡大しています。そういった外国人観光客への対応を高めるためにも外国人の採用をおこなっている企業が増えてきています。
さらに、ITテクノロジーの発展によりエンジニアの需要も高まってきています。外国人採用の受入れが拡大していることにともない、エンジニアにおいても外国人を採用しようという動きが高まっています。国内でのエンジニア採用に苦戦している企業は、海外に目を向けて外国人エンジニアの採用に力を入れています。
2.「外国人の採用メリット」と「外国人が日本で働く理由」とは?
外国人の採用によるメリット
需要が高まっている外国人採用ですが、外国人を採用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。さまざまあるかと思いますが、今回は4つのメリットをご紹介します。
- グローバル化による多言語対応が可能
自国の言語はもちろん、日本語や英語も話せるは3ヶ国語以上のマルチリンガルということも珍しくありません。 そのため、外国人のお客様の接客、翻訳・通訳など、さまざまな場面で活躍が期待できます。 - 適応能力の高さ
日本で就職を考えている外国人は勤勉な方が多く、新しい環境に適応するための努力を惜しみません。また母国以外の場所でも大きなストレスなく過ごせるというところから柔軟性があるということができ、適応力が高い人が多い傾向にあります。 - 新しいアイデアの創出
教育や文化など、日本人とは異なる環境で育ってきているため、独特な観点からの意見をもっていることが多く、多様なアプローチで議論することができます。日本人では気付かなかった問題点を発見するなど、斬新なアイデアを創出することができるかもしれません。 - 優秀な若手人材の確保ができる
日本では採用が苦戦しがちな「若手の優秀人材」を海外から採用することができます。特にエンジニアに関しては、海外のほうがレベルが高く海外から採用している企業が増えてきています。
外国人が「日本で働きたい」となる理由は何か?
そもそも、彼らはなぜ「日本で働きたい」と考えているのか。ネオキャリアの外国人紹介サービスに登録にくる外国人の方々によると、以下のような理由で日本で働こうと考えているようです。
- 母国より給料が良い
自国の水準と比較したときに、日本のほうが給料が良いため、日本での就職を考えているようです。 - 日本の文化が好き。日本語の勉強がしたい
日本のマンガやアニメといったカルチャーや、マナーや作法などに興味を持っている親日家は数多くいます。 - テクノロジーが発展しているから
まだまだ日本の技術は高い水準にあり、日本で働くことで最先端の技術を学びたいと考えています。 - 若いうちに海外でキャリアを積みたい
若いうちからグローバルな環境に身を置き、自身のキャリアステップにつなげていきたいという想いがあり、その選択先として日本を選ぶ外国人の方もいます。 - 日本は安全だから
母国のインフラが整っていない、治安が悪いといった背景があり、安心・安全に働ける場所で就業したいという想いがあります。
3.外国人採用に特化したサービス16選
それでは、外国人採用に向けてどのようなサービスがあるのか、ここでは16のサービスをご紹介していきます。
Gtalent|外国籍エンジニア人材紹介
【特徴】
- 日本での就業経験のある方を中心に集客し、登録者の約7割が日本語ビジネスレベル以上。日本語学習レッスン「Zipan」の提供も含めサポート。(※2021年1月~2022年12月 GTalentの顧客データから自社調査調べ)
- IT知識豊富なバイリンガルコンサルタントが高いマッチングを実現。2022年度は早期退職0件。(※2021年1月~2022年12月 自社調査調べ)
- スタートアップから大手まで幅広くサポート。初めての外国籍採用企業に対してコンサルティング支援も実施。
- サービス名:Gtalent(外国籍エンジニア人材紹介)
- 運営会社:ビズハイツ株式会社
- HP:https://www.gtalent.jp/recruiting
GitTap|グローバルIT人材求人メディア)
【特徴】
- 求人掲載だけでなく、ダイレクトにもスカウトができる、多国籍な人材が集まる、ITポジションに特化した採用サービス。
- 日本語が話せる100ヶ国以上のIT人材にアプローチ可能。
- IT人材に特化した検索フィルターや求職者プロフィールで、効率よく候補者にアプローチができる。
- 採用できるまで完全無料(完全成功報酬型)だから、リスクなく求人掲載やスカウトが始められる。
- IT業界に精通した専任クライアントサクセスがつくため、専門的なスカウトや求人広告を出せる。
- サービス名:GitTap(グローバルIT人材求人メディア)
- 運営会社:ビズハイツ株式会社
- HP:https://www.gittap.jp/client
Career Engine|累計約8,000社が利用
【特徴】
- 掲載企業のリピート率70%超。外国人を初めて採用する企業様向けサービスの充実や、正社員からアルバイトまでの幅広いニーズをカバー
- 『求人広告リスティングサービス』と『募集選考代行サービス』も提供
- 大手外資系企業をはじめ、国内のIT系企業・英会話学校・アパレル業界からホテル・飲食関連のホスピタリティ業界など、累計約8,000社が利用
- サービス名:Career Engine
- 運営企業:株式会社ジープラスメディア
- URL:https://careerengine.org/employer/index/index/lang/ja
PIITs|優秀な理系人材の採用をサポート
【特徴】
- 世界中の企業が欲しがる世界最高峰の理系人材に、世界でいちばん初めにアプローチが可能
- 独自の選定方法でご要望に適した学生をご紹介
- 来日の航空券、インターン期間中の住居、生活費の手配など、すべてサポート
- サービス名:PIITs
- 運営企業:株式会社Willings
- URL:https://www.piits.jp/
NINJA|日本で働きたい外国人のための就職情報サイト
【特徴】
- 求人情報に加え「就職した人に学ぶ」「時事問題を把握」「面接前に読む」など多数のコンテンツが掲載されている
- 正社員求人、契約社員求人、就労ビザの取得が可能な派遣社員求人、アルバイト求人など、さまざまな形態の求人がある
- 本当に外国人を必要としている企業だけを紹介。面接レクチャーも実施
- サービス名:NINJA
- 運営企業:株式会社グローバルパワー
- URL:https://nextinjapan.com/
Dragon Gate|外国人留学生特化の就職サイト
【特徴】
- webサイトへの広告掲載のみならず、サイト登録者や首都圏大学のキャリアセンター、独自の外国人留学生ネットワークなど各方面に積極的に働きかけ、マッチした人材を紹介してくれる
- 大学・大学院生を中心に、文理を問わずアジア・欧米など幅広い国籍をカバー
- 大学における外国人留学生の指導で培った知見やノウハウにより、高いスクリーニングを実現
- サービス名:Dragon Gate
- 運営企業:株式会社フューチャー・デザイン・ラボ
- URL:http://www.dragongate-career.jp/
Daijob.com|約50万人が利用している外資系転職サイト
【特徴】
- 141ヵ国から累計49万人が登録、そのうち95%がバイリンガル人材
- 広告掲載事業の他に、人材紹介、転職イベント、人事向けコンサルティングなど多くのサービスを展開
- 3,270社以上の企業にて、バイリンガル採用を支援してきた実績を持つ
- サービス名:Daijob.com
- 運営企業:ダイジョブ・グローバルリクルーティング株式会社
- URL:https://www.daijob.com/company/index.html
CareerCross|日本最大級のバイリンガル転職サイト
【特徴】
- バイリンガル・グローバル企業専門の転職求人ウェブサイト
- 「スタンダード・パッケージ」とコンサルタントが介入してくれる「マネージド・パッケージ」の2つを提供
- 2,500社以上のサポート実績。70%のリピート率を誇る
- サービス名:CareerCross
- 運営企業:株式会社シー・シー・コンサルティング
- URL:https://www.careercross.com/
JELLYFISH 人材紹介サービス|外国人スタッフを探している企業を完全サポート
【特徴】
- 30ヶ国以上から1万6千人の登録者データベースを保有。海外で培った独自のネットワークで優秀な候補者を確保
- コンサルタント全員が外国人。候補者との綿密なコミュニケーションにより動機形成を助け、より最適な人材を紹介できる
- 中小企業での採用のノウハウが豊富。人が集まらない企業でも、外国人にとっての魅力作りや採用提案まで幅広く支援
- サービス名:JELLYFISH 人材紹介サービス
- 運営企業:株式会社JELLYFISH
- URL:https://www.jellyfish-g.co.jp/biz/
JIKOPY|バイリンガル人材を「動画面接」で採用
【特徴】
- 求人応募に「動画提出」が必須。書類だけではわからない日本語能力が動画で正確にわかるため、必要な人材だけにアプローチ可能
- 登録国籍は世界110ヶ国以上。独自のデータベースを保有。日本語習得済みバイリンガル人材をSNSや自社イベントを通じて獲得
- 申込後の求人掲載は永年無料。成果報酬モデルのため、外国人採用の経験がない企業でも安心して開始できる
- サービス名:JIKOPY
- 運営企業:株式会社バク宙
- URL:https://company.jikopy.net/
gooojob|あらゆる雇用形態に対応可能
【特徴】
- 求人掲載サービス、人材紹介サービス、セミナー開催支援など幅広いサービスを展開
- 世界90ヶ国の外国人高度人材求職者データベースから、独自のマッチングシステムを活用。よりレベルの高い人材をスピーディーに推薦・紹介することが可能
- 新卒も転職も経験豊富なアドバイザーがナビゲート
- サービス名:gooojob
- 運営企業:株式会社j Career
- URL:https://www.gooojob.jp/business/
TOP CAREER|外国人留学生のための就職活動サイト
【特徴】
- 国内上位大学の外国人留学生の登録人数は国内随一
- 世界TOP700大学の学生ネットワークを有し、年間数万人規模の海外新卒学生が登録。20か国38,000名を海外採用イベントに動員
- クライアント再契約率90~95%という実績を誇る
- サービス名:TOP CAREER
- 運営企業:フォースバレー・コンシェルジュ株式会社
- URL:http://www.topcareer.jp/2019/main/
カケハシ・グローバル・リクルーティング|「頼りがい」のある海外採用
【特徴】
- 信頼できる各国現地の提携企業との連携で採用企画をオーダーメイドで提供
- 国内での現地採用時まで一貫して同一の担当者で最後まで責任を持って対応
- 入社後のケアや研修プログラムも充実
- サービス名:カケハシ・グローバル・リクルーティング
- 運営企業:株式会社カケハシ スカイソリューションズ
- URL:https://www.kakehashi-skysol.co.jp/global_recruiting/
mannet|1983年創業・25年以上の歴史!
【特徴】
- バイリンガルの日本人をはじめ、国内各地で活躍する100カ国2万人以上会員数を誇るデータベースを保有
- 世界各国にパートナーを持ち、ワールドワイドサービスを提供できる体制とネットワークを構築
- 海外事情に精通したコーディネーターがいるため、外国語や異文化への理解度が高く、貴社のグローバル採用をきめ細かくサポートできます。
- サービス名:mannnet グローバル人材サービス
- 運営企業:株式会社マンネット
- URL:http://www.mannet.jp/foreigner/
Cappuccino.com|バイリンガルを生かしたグローバル人材の転職情報
- 何人採用しても広告掲載料のみでご利用可能!
- ミャンマー人採用|日本人と性格の合うミャンマー人が多数登録
- 午前中にお申し込み頂きますと翌日掲載!24時間以内審査の実施。
- サービス名:Cappuccino.com
- 運営企業:バークレイグローバルコンサルティング&インターネット株式会社
- URL:https://www.cappuccino-b.com/s/company/
3. 外国人採用で気をつけたいこと
ここでは、外国人を採用する上で気をつけたいポイントを簡単にまとめました。ご参考となれば幸いです。
慣習や文化の違いを理解する
外国人労働者の慣習や文化をある程度理解していないと思わぬトラブルに発展する可能性があります。日本人の常識は外国人の常識ではないことを理解し、接することが重要です。
人の前で叱責されることを嫌う、ものごとをストレートに言う傾向がある、曖昧な表現を嫌う、プライベートを大事にする、宗教観を理解するなど、国によってさまざまな違いはありますが、自分の価値観を押し付けないように意識しましょう。
就労資格の有無
外国人はどんな仕事もできるわけではなく、働くことのできる職種や業種は限られています。
また、職種・業種によっては就労ビザを取得できない可能性があるため、事前に調査しておく必要があります。
▶就労可能や職種や業種、就労ビザの種類や手続きについてもっと知りたい方はこちら
就労ビザ申請|5分でわかる|種類・申請方法・必要書類・外国人雇用手続き
採用した外国人社員のキャリアアップを考える
外国人を社員として採用した場合、キャリアプランを明確にすることが重要です。上司が面談をするなどして、しっかりサポートする必要があります。
「海外でキャリアを積みたい」と日本にきた向上心の高い方が多いため、自身のキャリアステップが明確になっていないと、転職することに抵抗があまりないので、すぐに離職となってしまうかもしれません。
外国人労働者を10人以上雇用する際は責任者を選任する
外国人労働者を常時10人以上雇用する場合、「外国人労働者雇用管理責任者」の選任が必要になります。
厚生労働大臣が外国人労働者の雇用動向について把握するための制度です。外国人労働者の雇用労務管理を担当することを前提に、各事業所の管理職の中から選任します。
「不法就労」時の事業主責任
下記のようなケースは「不法就労」となり、不法就労外国人を雇用した事業主は、入管法73条2項により、3年以下の懲役、又は、300万円以下の罰金に処せられますのでご注意ください。
- 「短期滞在」や「留学」などの就労が認められない在留資格の外国人が就労した場合
- 入国の許可を受けていない者や在留期限を過ぎた者が就労した場合
日本語スキルをあらかじめ把握する
日本で働く以上、どれほどのレベルで日本語が話せるのかは把握しておく必要があるでしょう。中には、会話ができても読み書きが苦手な人もいます。
面接時にスキルを把握するとともに、日本語能力試験を記載してもらう・独自で筆記試験を設けるなどして一度確認しておくことをおすすめします。
事前に社員に周知をしておく
グローバル社会といわれるようになり外国人が同じ職場で働いているという環境も珍しくはなくなってきました。しかし初めて外国人を受け入れる企業にとっては、楽しみでもあり不安もあることでしょう。
採用は採用担当者様がおこなうと思いますが、実際に一緒に働くのは社員です。社員が外国人に対して暖かく迎え入れることのできる環境をつくってもらうためにも、事前に社員に周知をしておくことは非常に大切です。
4. 最後に
いかがでしたでしょうか。
外国人の採用ニーズはますます高まってきており、今後は外国人と一緒に働くことがスタンダードになってくるかもしれません。
ただ、外国人を採用するにあたって、上記の他にも注意すべき点は多くあります。外国人雇用の際には、事前に専門家や知見のある方に相談しながらトラブルが起きないよう準備を進めておく必要があるでしょう。
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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。