
大企業では、既にICカードやパソコンを活用した勤怠管理システムを導入している企業も多いかと思います。
一方、中小企業ではいまだにタイムカードや紙の出勤簿などを使って勤怠管理をおこなっている企業も多く存在します。
しかし、紙ベースのアナログな勤怠管理では、集計に手間がかかってしまい、打刻漏れやチェックミスといった問題も起こりやすいのではないでしょうか。
すでに、勤怠管理システムを導入している会社の満足度はかなり高いようです。近年では勤怠管理用のデバイスやシステムなどが安価に導入できるようになってきています。
本記事では、そんな勤怠管理システムで活用できる打刻デバイスの紹介と、メリットとデメリットをご紹介します。
目次
1. タイムカードや出勤簿での打刻は時代遅れかも?

タイムカードは、出勤時刻と退勤時刻をレコーダーに差し込んで印字する、一般的な打刻システムです。
メリットとしては、タイムレコーダー本体の価格が安価なので手軽に導入しやすいことや、昔から馴染みのある打刻方法なのでPCやインターネットなどを使わないので、アナログな担当者でも安心をして利用できることがあげられます。
デメリットとしては、勤務時間を手作業で集計するため、従業員の数が多いと管理部門の作業量が膨大になってしまいます。また、タイムカードを紛失される可能性や、他人に代理で打刻されたりするなどの不正行為をされる可能性があります。
タイムカード以外にも、手書きの出勤簿やエクセルの出勤簿を作って社員に提出してもらう方法もあります。手書きでの管理方法に関しても、コストがかからないことがメリットとしてあげられますが、やはり集計は手作業になってしまうので、莫大な労力が必要になるというデメリットがあります。
※参考:『タイムカード集計』をもっと詳しく! ▶︎効率的なタイムカードの集計方法とは | お役立ちツールもご紹介
2. 最新打刻デバイスまとめ
近年になって、タイムカードに代わる打刻方法は多彩になってきています。
勤怠管理システムと連携して多くのデバイスから打刻をすることが可能になりました。ここでは、勤怠管理システムを使用すればどのようなデバイスから打刻ができるのかをご紹介いたします。
【無料DL:タイムカードと勤怠管理システムの違いとは?】 ▶︎勤怠管理システムを使用した タイムカードの課題解決BOOK
2-1. ICカードリーダーでの打刻

専用のリーダーにICカードをかざすことで、出勤時刻と退勤時刻を打刻するシステムです。
ICカードを使って打刻をするので、代理などの不正行為を防ぎやすくなります。また、勤怠情報がデータとして自動集計されるため、勤怠情報の管理者の工数を大幅に短縮することができます。
2-2. 指紋認証リーダーでの打刻

指紋や、指の静脈を利用した指紋認証で、個人を識別して打刻するシステムです。
紙のタイムカードやICカードと比べて、成りすましをほぼ確実に防ぐことができます。また、ICカードやスマートフォンなどの端末に紛失の可能性もないので、運用、管理の負担が軽減できます。
2-3. スマートフォン・タブレットでの打刻

スマートフォンやタブレットに専用のアプリをダウンロードしておこなえる打刻システムです。
従業員ごとにアカウントを発行して個人識別をすることで成りすましを防ぐことができます。直行直帰などの外出先からでも打刻をすることが可能です。
また、PCやスマホが貸与されないような職種であれば、職場にタブレットを1台準備すれば打刻をすることができます。
2-4. パソコンのブラウザからの打刻

自分のパソコンからブラウザを立ち上げて、グループウェアなどの勤怠管理システムにログインして、出退勤時刻を打刻するタイプの勤怠管理システムです。
従業員にPCを貸与している会社であれば初期投資を抑えて手軽に導入することができます。
また、勤怠管理システムを内包したグループウェアのサービスは数多くあり、打刻から集計、給与計算までを楽におこなってくれるものもあります。
また、勤怠管理システムの中ではGPS打刻という機能がついているものも多くあります。
このGPS打刻は特に「直行・直帰が多い」「一時的な勤務場所で働く従業員が多い」などの特徴を持つ職業では幅広く活躍します。
気になる方は、以下の記事で詳しくご覧ください。
※参考:『GPS打刻』をもっと詳しく! ▶︎GPS打刻とは|GPS機能の勤怠管理システム・アプリのメリット
3. 最新打刻デバイスで打刻をするメリット

勤怠管理システムの導入を考えていくなかで、デバイスを用いての打刻管理に懸念を抱いてしまう担当者の方も多いです。
そのような懸念点も最新の勤怠管理システムであれば多種多様な対応ができます。ここでは、上記で紹介をした打刻デバイスそれぞれのメリットをご紹介いたします。
3-1. ICカードリーダーを活用した打刻のメリット
ICカードリーダーでの打刻を考える際に、よく担当者が声を揃えて「ICカード、カードリーダーにコストが掛かる」と疑問を抱く方がいます。
ですがICカードに対してコストが掛かることは一切ありません。
会社から貸与している会社のセキュリティーカードやICカードの社員証、また通勤時に電車やバスで利用ができる「FeliCa」搭載のICカード、また電子マネーカードなどでの利用が可能です。
スマートフォンにも「FeliCa」が搭載されているものが増えてきたので、多くのデバイスでの利用可能になります。ICカードと社員をシステム内で紐付けることができるので、わざわざ打刻専用のICカードを準備する必要はありません。
カードリーダーに関しては会社で準備をする必要がありますが、エントランスやフロアに数台設置をするだけで問題なく打刻することが可能です。
初期費用が少しかかりますが、勤怠管理データの管理や入力にかけていた時間や、タイムカードの購入にかかるランニングコストなどを考えると、カードリーダーには多くのメリットがあるといえるでしょう。
しかし、従業員が情報を紐付けているICカードを忘れてきた際には打刻ができないというデメリットがあります。
従業員が通勤で必ず使うICカードで打刻ができるようにするなどして、打刻漏れを防ぐ必要があるでしょう。
3-2. 指紋認証を活用した打刻のメリット
指紋認証における打刻はまだあまりメジャーとはいえませんが、不正打刻の防止には一番効果的な打刻方法だといえるでしょう。
指紋認証に関してはスマホの指紋認証で正確に本人認証ができないケースがあるように、皮膚の状態や指先の怪我などで打刻ができない場合があります。
しかし、指の静脈を利用した打刻方法であれば、指紋認証のように指の状態に左右されることなく打刻をすることが可能です。
飲食店や小売店のような職場であれば、スマホのようなデバイスやICカードを持ち歩いての業務はあまりないと思うので、指をかざすだけで打刻ができるというのはメリットといえるのではないでしょうか。
3-3. スマートフォン・タブレットを活用した打刻のメリット
今では、ほとんどの人がもっているスマートフォン。
そのスマートフォンの需要に合わせて、打刻がアプリで管理できるようになってきました。アプリでの打刻が可能になってくると、「遅刻ギリギリになって遠方からの打刻が可能になるのでは?」というのが最大の懸念点かと思います。
しかし、最新の勤怠管理アプリであれば、スマートフォンのGPS機能と連動をすることで、従業員の所属する営業所や店舗からの距離を指定して打刻が可能な範囲を制限できるというメリットがあります。
さらに直行直帰などのイレギュラーな打刻であれば、事前にアプリ内で申請をおこなうことで、打刻した場所を管理者が確認することも可能です。
少人数の企業や、飲食店、小売店であれば社内に1台のタブレット設置することで、全従業員が1台のタブレットから打刻をすることが可能です。
スマートフォンやタブレットでの打刻は業種、職種を問わずに多くの方々に対応できメリットも多いので、これから多く普及していく打刻デバイスといえるでしょう。
3-4. パソコン・ブラウザを活用した打刻のメリット
一番メジャーな打刻方法ではあるかと思いますが。全従業員にPCを貸与している会社であれば、パソコンからの打刻が可能です。
現段階でPCからの打刻をしている会社は多いかとは思いますが、専用のブラウザを立ち上げたりするような手間がかかってしまい、打刻漏れが発生しやすいといっても過言ではありません。
仕事が切羽詰まっているときに急な会食などがある際は打刻専用ブラウザを立ち上げての打刻はどうしても時間がかかってしまいます。
勤怠管理システムによっては、社内で利用しているコミュニケーションツールと連携をして打刻ができるサービスも普及しており、「chatwork」や「Slack」などに対応できる打刻システムもあります。
業務中の連携を「chatwork」のようなコミュニケーションツールを活用している会社であれば導入を検討してみるのもいいかもしれません。今流行りのリモートワーカーには使いやすい打刻方法かもしれません。
また、打刻だけではなく集計や管理までPC上で完結することも勤怠管理システムの大きな魅力です。
紙のタイムカードを集計すると多くの時間がかかっていた集計業務もシステムの導入で大幅に効率化できることでしょう。
※参考:『スマホ・アプリで勤怠管理』をもっと詳しく! ▶︎タイムカードアプリで勤怠管理|導入メリットや最新システムを比較
4. 最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は勤怠管理用の打刻デバイスのジャンルをご紹介しました。同じ種類のデバイスでも、提供している勤怠管理システムによってはサービスの内容や打刻方法が異なってくることもあります。
導入を検討するにあたって、まずは会社の業種、業務形態が利用したい打刻方法に適しているかを考慮し、従業員が使いやすい打刻方法を選ぶことが重要になってきます。
その後に、「集計を楽にしたい」「勤怠管理にかかるコストを削減したい」などの現状の課題して、あなたの会社に最も適したものを選ぶようにしましょう。
アナログからデジタル化への移行がますます激しくなっていくなかで、管理者の工数削減のためにも勤怠管理システムを導入し、従業員の使いやすさを考えた打刻デバイスを提供できるように考えてみてはいかがでしょうか?