「GYAO新卒アプリ」の効果|新卒採用にアプリを使った新しい試みとは? |HR NOTE

「GYAO新卒アプリ」の効果|新卒採用にアプリを使った新しい試みとは? |HR NOTE

「GYAO新卒アプリ」の効果|新卒採用にアプリを使った新しい試みとは?

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※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

今回は、映像配信サービスなどを展開している、ヤフーグループのインターネット企業「株式会社GYAO」が仕掛ける、新しい新卒採用についてご紹介。

GYAOでは、2017年度卒の新卒採用から「新卒採用アプリ」を導入しています。新卒採用の情報発信、応募機能をアプリに一元化。

アプリに関しては、株式会社ヤプリが提供する、スマホアプリを簡単に開発・制作できるプラットフォームサービス『Yappli』を活用しています。

なぜGYAOは新卒採用にアプリを導入したのか。GYAOが仕掛けるアプリを活用した新卒採用とは何か。またその効果はどのようなものか。GYAOの人財戦略室 室長である長瀬さんにお話をお伺いし、記事にまとめてご紹介します。

長瀬さん

長瀬 剛直(ながせ たかなお) | 株式会社GYAO 人財戦略室 室長

法律系出版社を経て、2004年ヤフー株式会社に入社。自動車、グルメなどの情報掲載ビジネスの企画、求人のサービスマネージャー、ジクシーズ株式会社監査役を担当。2012年より人事に転身。2014年より株式会社GYAOに出向し人事責任者に。現在は人事にERや秘書、広報などのコミュニケーション機能を加えた人財戦略室を担当。

【目次】

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-GYAOはいつから新卒採用を開始されたのでしょうか。

長瀬氏:GYAOは新卒採用を今までおこなってこなかったのですが、2015年度入社の新卒採用から開始をするようになりました。

2015年度卒、2016年度卒の新卒採用では、大手の新卒就職サイトを中心に活動していました。はじめての実施で、「はたしてどの程度学生からの応募があるのか?」と不安な部分が大きかったため、まずは王道のやり方を取り入れていきました。

その結果、非常に多くの方に応募いただき、数だけでいえば、十分すぎるほどの母集団形成ができました。

しかし、2015年度、2016年度の新卒採用を実施して感じたことは、学生から見たGYAOは「華やかそうなエンタメ企業」というイメージがかなり強いのではないかということでした。

どういうことかというと、たとえば、弊社は映画、ドラマ、バラエティ、音楽、スポーツといった動画の配信サービスをおこなっているので、「映画業界に興味があって、この監督の作品のファンです」「音楽がものすごく好きで、音楽に関わる仕事がしたいです」といった志向の学生の応募が多くあったのです。

私たちはインターネットを活用した事業を展開している企業です。ですので、「インターネットを通して何かを生み出したい。インターネット事業に対し未来を感じている」といった想いを持っている方を採用していきたいと強く思っています。

なぜ新卒採用にアプリを導入しようと思ったのか?

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-新卒採用にアプリを導入した背景を教えてください。

長瀬氏:新卒採用にアプリを導入したのは、2017年度の新卒採用からです。

どのようなものかというと、エントリーをする応募機能をアプリからしかできないようにしました。また、「こんな社員が働いてる」「こんな想いで事業を展開している」といった情報も掲載しています。おもに採用の入り口の部分でアプリを活用しています。

意図としては、GYAOはスマホを活用したサービスを提供しており、スマホやインターネットに対する理解や興味が強い、スマホアプリを頻繁に使っているような学生を中心に訴求できるのではないかと考えたからです。

また、スマホを開いたときに、GYAOの新卒採用アプリのアイコンが画面にあることが大きな価値になると思っています。常にGYAOのアイコンを目にしてもらえ、ワンタップでGYAOの採用情報に触れてもらうことができます。

一方で、「応募の入り口をアプリだけに絞る」ということは、実は結構なリスクテイクでした。結果的にエントリー数は減りました。しかし、そのあとの歩留まりが増えたんです。

また、エントリー数が絞り込まれた分、一人ひとりを丁寧に見られるようになりました。

-アプリをダウンロードしてそこからさらにエントリーするという手間が発生するため、簡単にエントリーできなくなったからですね。

長瀬氏:そうです。新卒就職サイトから一括でとりあえずエントリーするといったライトな感じではできなくなったので。「なぜGYAOが働く先として自分にとってよいか」、エントリーしてくれる学生はしっかりと考えてくださっていると思っています。

-そもそも、GYAOの採用フローはどのような感じなのでしょうか。

長瀬氏:まず、アプリをダウンロードしてもらい、アプリからエントリーをしていただきます。その際に、このようにエントリーシートに記入をしてもらっています。

エントリー

エントリーシートでの選考を実施しており、通過となると、会社説明会も含めたワークショップというものに参加してもらいます。

このワークショップは4時間ほどの内容になります。前半は、GYAOの企業情報などをお伝えさせていただきます。市場の話や事業の内容を話した後、どんな社員が働いてるのかを知ってもらうために、弊社の社員を連れてきて座談会のようなことも実施します。そして後半は、グループ分けをしてグループワークを1時間ほどおこないます。

ワークショップの後は、複数回のインタビューを実施させていただき、最終的に内定まで至るというフローになります。

-「GYAOの採用はアプリからのみエントリー受付する」という告知はどのようにされているのですか?

長瀬氏:学生の方との接点の持ち方は、大きく4種類あります。

1つ目は、各メディアを通して認知をしてもらうパターンです。弊社もプレスリリースを出させていただいたので、各ニュースメディアが取り上げてくださって、初年度は特に反響がありました。Yahoo!ニュースに掲載されたこともありました。

2つ目は、就活イベントです。GYAOのブースを構えて自社のプレゼンをして、その最後に「弊社のエントリーはアプリからお願いします」と、毎回告知をしています。

3つ目は、2つ目にもつながるのですが、人事の社員の名刺の裏にアプリのQRコードを記載しており、さまざまな形で学生にお会いさせていただいた際に、「裏にQRコードが書いてあるから、是非ダウンロードしてみてください」と伝えて名刺を配っています。

4つ目は、新卒就職サイトへの掲載です。GYAOのようなBtoCの企業は、「サービスは知っていても働く会社として想起されない」ということがあると思っていて、それをなくすために「働く場所としてのGYAOもあります」ということも伝え続けています。

アプリ内に掲載されているコンテンツはどのようなものか?

-GYAOの新卒採用アプリには具体的にどのようなコンテンツが掲載されているのでしょうか?

長瀬氏:まずTOP画面はこのようになっています。エントリー機能はもちろん、「ビジネス」「人財育成」「採用情報」「お知らせ」という4つのカテゴリーに分かれています。
TOP

長瀬氏:さらに、それぞれのカテゴリーをタップすると、このようになっています。

中面

長瀬氏:「ビジネス」では、会社概要、サービスといった情報から、GYAOのミッション・ビジョン、トップメッセージなどを紹介しています。

人財育成」では、社員育成への想いや人財育成の制度の紹介。また、職種ごとの社員紹介ページを作成し、どのような仕事をしているのか、1日のスケジュールはどのようなものかなど、働くイメージを少しでも持ってもらうようにしています。

採用情報」では、募集要項や選考フロー、ワークショップの概要、各種人事制度・福利厚生、採用におけるFAQなどを用意しています。

お知らせ」では、GYAOのプレスリリースやアプリ内の更新情報を掲載しています。

このような情報に触れてもらい動機形成につなげる、そこからのエントリーしてもらうといったように、「情報収集~エントリー~ワークショップ」までの役割をアプリは担っています。

-通常の新卒サイトと違う部分はあるのでしょうか?

長瀬氏:アプリなので、スマホで見やすいようにすることは心がけました。なるべく、文字数が多くならないようにパッと読めるようにしています。

-アプリならではのメリットはありますか?

長瀬氏:「プッシュ通知機能」を活用しています。ワークショップの告知の際に、「●●日にワークショップを実施します。是非エントリーしてください」と、ワークショップの締め切り前にプッシュ通知をおこなっています。

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新卒採用にアプリを導入したことによる変化とは?

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-アプリを導入して新卒採用を実施したことでどのような変化がありましたか?

長瀬氏:まず、「インターネット事業」に興味を持ってくれる方の応募が増えましたね。話をしていても、インターネットの価値をすごく認めている感じがします。

また、さきほども申し上げたように、エントリー数は減ったのですが、歩留まりが増えたことが一番大きな変化ですね。

結果的に、私たちも一人ひとりの記載内容をしっかりと読み込むことができるようになりました。そうすると、その後の面接のときに「このエピソードを記載していた学生の方だな」と、明確に覚えている状態でお会いできます。

「なんで書いてあることを聞くんだよ」と思われるような、コミュニケーションが減ってきたという肌感があります。数字にはあらわしにくい部分ではありますが、学生からの心象も少しは良くなっているのではないでしょうか。

-採用における競合などにおいては、何かしらの変化はありましたか?

長瀬氏:それもありました。他にどこを受けているのかを学生にヒアリングすると、みなさんご存知のようなIT系のメガベンチャー企業の名前が出るようになりました。2年前では、全く聞かない社名が増えましたね。

-学生の間でのクチコミなどは増えましたか?

長瀬氏:明確にデータを取っていないので確証はないのですが、2018年度の採用をしていて感じたのは、「友人、知人から紹介されてエントリーしました」というケースが非常に多くありました。「GYAOって会社でこんな名刺もらったけど、アプリからエントリーするんだって」というような会話があってエントリーしてくれた可能性はありますね。

アプリを活用して新卒採用を実施している会社はまだそこまで多くないので、学生のなかで記憶に残りやすいのかもしれません。

「内定に至るまで10人に及ぶ社員に会ってもらう」GYAOの採用の特徴とは?

-ちなみに、アプリとは関係のない部分で、採用の選考フローにおいて他社と比較して違いがある部分はございますか?

長瀬氏:あるとすれば、いわゆる「内定」までに会ってもらう社員の数は他社と比較して多いと思います。面接官、リクルーター含めて10人ぐらいに会ってもらっているのではないでしょうか。

-どの部分で接点を持たせているのでしょうか?

長瀬氏:接点のとり方はさまざまあります。採用イベント、ワークショップでの座談会、選考途中に会ってもらうこともあります。

学生の志向など、そのときの状況に合わせて「この学生だから、この社員を会わせてみよう」と、学生のやりたいことや知りたいことを後押しできるような人選をしています。

何を話してもらうかは特に指示していませんが、良いことだけ言うようにしないで、実際のありのままを話してもらうようにしています。

より良い採用に向けて、アプリの可能性をどんどん発掘していきたい

-GYAOの採用において、今後やっていきたいことがあればお聞かせください。

長瀬氏:ヤプリさんのサービスを活用して新卒採用アプリを運用していますが、アプリだからこそ、できる部分がまだまだあるのではないかと思っています。

たとえば「GYAO!を、どういう使い方をしているか?」。アプリを通してそのようなことを知れたらいいですよね。

現在は、「優秀な学生に対し早期から接点を持ちたい」と考えている会社が多いかと思います。優秀という定義は会社さんによっても異なるでしょうから、学生と企業のフィット度合いがわかるような何かがわかると、学生にも企業にもよいですね。

それ以外にも採用を効果的に実施するための、アプリの有効活用方法はまだまだあると感じています。そのような活用方法をヤプリさんも含め、一緒につくりあげていきたいと思っています。

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