ダイレクトリクルーティングサービスを利用したいが、効果があるのか疑問に感じている。
そもそもスカウトメールとはどのように書けばいいのかわからない。
費用がかかる以上、失敗したくない。
スカウトメールを成功させるにはどうすればいいのか、スカウトメールの効果や役割、開封率を含めてご紹介します。
目次
スカウトメールにはどんな効果があるの?
スカウトメールは求人サイトにより「ダイレクトスカウト」「プライベートオファー」「オファーメール」など名称は異なりますが、基本的なサービスは同じものです。
スカウトメールを送信するためには、データベースから自社の採用ターゲットにマッチする経験やスキル、自己PRなどから選んでスカウトメールを送信します。
求職者からのエントリーを待つ求人サイトに対して、攻めの採用と呼ばれています。
企業から「あなたは自社の採用ターゲットにマッチしています」というアピールになるため、知名度の低い企業でもスカウトメールの文面によっては、前向きに応募を検討してもらえる効果があります。
また、採用ターゲットとマッチ度が高いことから、内定承諾率や定着率が高いと言われています。
一方で優秀な人材には1日で100通以上のスカウトメールが届くため、件名に工夫をしないと開封すらされない可能性があります。
スカウトメールの種類は役割別に3つある
前に求人サイトにより名称が異なると記載しましたが、役割別に3種類のスカウトメールが存在します。自社の採用方針によりスカウトメールを使いこなしましょう。
送信量 | 1通あたりの対応時間 | 主な利用目的 | |
一斉送信型 | 多い | 短い | 母集団形成 |
応募促進型 | 少ない | 短い | 求人アピール |
ヘッドハンティング型 | 非常に少ない | 長い | マッチ度が高い人材採用 |
一斉送信メール
ショップから送られてくるDMのようにWEB履歴書の経験やスキル、希望条件にマッチした対象者へ自動的に送信されるスカウトメールです。
開封率は低いですが母集団形成に役に立ちます。
応募を促進するスカウトメール
WEB履歴書を見て100%マッチしているわけではないが、応募して欲しい人向けに送るスカウトメールです。
クリエイティブ系職種の場合に「経歴はOKなのでポートフォリオを送って欲しい」という内容でよく利用されます。
また、新卒向けに「当社ではまだエントリーを受け付けていますよ」というアピールで送るケースも多く見られます。
ヘッドハンティング型のスカウトメール
プレミアムスカウト、ヘッドハンティングメールと呼ばれる書類選考免除型のスカウトメールです。
「WEB履歴書を確認したので、お会いしてお互いのこと知りましょう」という内容のメールです。
このように、一口にスカウトメールといっても3つの役割があります。
特徴を理解して上手に使い分けましょう。
年齢×職種別スカウトメール開封率の違いを知ろう
スカウトメールは闇雲に送信すれば良いものではありません。
送信しても開封されなければ意味がありません。
年齢別にどの職種で開封率が高いのか求人サイト「Green」の調査(2013/4/1/~2013/8/1)を元にご紹介します。
なお、こちらの表は1,000%を上限としています。
例えば、送付率が800%で開封率が100%の場合は「800通送ったスカウトメールのうち100%が開封された」という意味になります。
1)全職種
送付率(%) | 開封率(%) | |
20歳~24歳 | 100% | 100% |
25歳~29歳 | 800% | 95% |
30歳~34歳 | 650% | 100% |
35歳~39歳 | 200% | 150% |
企業は第二新卒よりも経験者を求めて多くの人へスカウトメールを送信していますが、多くのスカウトメールを受け取っている求職者の開封率はよくありません。
2)システム開発(オープン・Web・モバイル)
送付率(%) | 開封率(%) | |
20歳~24歳 | 100% | 100% |
25歳~29歳 | 700% | 200% |
30歳~34歳 | 700% | 150% |
35歳~39歳 | 300% | 250% |
多くの企業で若手の経験者を求めているため25歳~34歳にスカウトメールが集中しているものの、求職者の開封率はよくありません。
5)営業・企画営業(法人)
送付率(%) | 開封率(%) | |
20歳~24歳 | 100% | 100% |
25歳~29歳 | 850% | 100% |
30歳~34歳 | 450% | 100% |
35歳~39歳 | 100% | 100% |
経験者で幹部候補のスタッフ職を探している企業が多いため、25歳~29歳にスカウトメールが集中していますが、開封率はよくありません。
全体的に、20歳~24歳の第二新卒はスカウトメールが少ないため送付率と開封率が同率の傾向にあります。
また、年収面で躊躇する35歳~39歳も職種によっては開封してもらいやすいことがわかります。
開封率を上げるために件名はどう工夫すればいいのか
あなたの元に1日に100通以上のメール来たら、どのメールから開封しますか?
スカウトメールでも「新着求人のお知らせ」と件名に入れたら、希望の求人が掲載された通知メールだと思われたという経験談もあります。
開封率を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか。
1)件名は25文字~30文字ですっと読めるように
どうしても欲しい人材には件名にも気持ちを入れてしまいますが、あまり長い件名でもくどい印象になりますし、短いと素っ気ない印象になります。
「あなただけに送っています」という特別感を与える件名にすると開封率をさらに上げることができます。
2)ポジティブワードとネガティブワードを理解しておく
職種別にポジティブワードとネガティブワードがあるので覚えておきましょう。
職種 | ポジティブワード | ネガティブワード |
営業 | ・年間休日 ・残業なし、月10h以内 ・幹部候補 |
・急募 ・大量採用 ・学歴不問 |
エンジニア | ・前職の給与保証 ・フレックス勤務 ・年齢、性別関係なく評価 ・副業OK |
・急募 ・大量採用 ・早期キャリアアップ |
クリエイティブ系 | ・年齢、性別関係なく評価 ・フレックス勤務 ・幅広い年代や性別の方が活躍 |
・急募 ・大量採用 ・社内イベントが多い |
管理・事務系 | ・土日休み ・残業なし、月10h以内 ・年間休日 |
・急募 ・大量採用 ・ベンチャー |
販売・サービス | ・地域密着(I・Uターン) ・未経験歓迎 ・幅広い年代や性別の方が活躍 |
・早期キャリアアップ ・大量採用 ・社内イベントが多い |
美容・ブライダル | ・未経験歓迎 ・裁量が大きい ・年齢、性別関係なく評価 |
・実力主義、稼げる ・ベンチャー ・学歴不問 |
医療・福祉系 | ・年齢、性別関係なく評価 ・大変な点を明記 ・アットホーム |
・急募 ・早期キャリアアップ ・大量採用 |
急募や大量採用というワードは良い印象を与えないようなので使用は避けましょう。
また、数字で表現できる内容は数字で記載しましょう。
(例:年間休日120日、残業月平均20時間以内、賞与4ヶ月分など)
キャリアアップに関しても「早期」という表現よりは「1年後には一通りの仕事を1人でこなせるようになります。
2年目には新規プロジェクトに参加できるようになります。」と具体的に書きましょう。
3)「あなただからスカウトしている」と訴える
対100名以上に書いているのではなく、あなただけに宛てて書いていますという内容にしましょう。
WEB履歴書をしっかり読んだうえで「あなたの経験やスキルを評価して当社で活躍して欲しい」と明記してください。
「この人は自分のことを理解してくれている」と思えばスカウトメールに対してアクションを起こしてくれます。
返信率の高いスカウトメールの作成方法
1)BEST・WANT・MUSTごとにグルーピングして優先度をつけてターゲット検索
ターゲットの検索にも効果的な方法があります。
【ターゲットのグルーピング方法】
企業側とマッチしていても相手が希望していなければ返信が来ないため、ターゲットから外します。
↓
次にターゲット軸を作ります。
- 年齢、性別、済んでいる地域、希望勤務地
- 経験、スキル
- 性格的な要件
↓
WEB履歴書の自己PRを読み込んで候補者をピックアップします。
この時、WEB履歴書は更新されて3ヶ月以内の人から検索しましょう。
転職活動が終っても登録情報を抹消していない人が多くいるので注意が必要です。
↓
BEST・WANT・MUSTごとにグルーピングして優先度をつけます。
例:28歳以下で正社員歴2年以上の化学系の学部出身者(生化学系でも可)。
工場勤務経験があると尚可。この要件に当てはまる人がターゲットの場合、BEST・WANT・MUSTごと分けます。
- BEST:28歳以下、化学系の学部出身者、正社員歴2年以上、工場勤務経験有
- WANT:28歳以下、化学系または生化学系の大卒、正社員歴2年以上
- MUST:28歳以下、生化学系の大卒
このようにグルーピングを行ないます。
2)「誰に×何を×どのように」伝えたいのか考えながら文章を書く
スカウトメールに何を書けばいいのか悩んでいる人は下記に当てはめながら文章を作成してください。
- 誰に(ターゲットに)
- 何を(ターゲットが知りたい内容)
- どのように(なぜスカウトしたのか語りかける)
語りかける人が社長や人事部長など役職の高い人であるほど効果的です。
気をつけて欲しいのが文字数です。
スマートフォンで転職活動を行なっている人も多いので、内容はコンパクトにしましょう。
文字数は多くても800文字以内に納めてください。
スカウトメールの内容に最低限必要な情報は下記の3項目です。
どんな会社のどういう立場の人間が送っているのか
事業内容があまり知られていないため、長文になるときは冒頭で「少々長くなりますが価値観のすり合わせのため最後までお読みいただけると幸いです。」と断りをいれましょう。
世の中にどう役に立っているのか伝えると「社会の役に立つ仕事がしたい」人の心を刺激します。
なぜスカウトしたのか
冒頭で誰でもいいから送ったわけではないことを伝えましょう。
スカウトした理由には経歴と求人を結びつけて「WEB履歴書をきちんと読んで送っていますよ」というメッセージを込めてください。
また、仕事内容には具体的なポジションや何年後にどのような仕事ができるのか、という将来像をイメージしやすい内容にすると、キャリアアップ目的で転職をしたい人の心を動かしやすくなります。
興味を持った時の連絡先
最後にスカウトに応じたい時にどうアクションすれば良いのか明記してください。
求人に応募すれば良いのか、メールを送ればいいのかを書かないとスカウトメールを送った意味がなくなります。
署名も忘れずにいれましょう。
スカウトメールでは会社や仕事内容の全貌を明かさず、「もう少し知りたいな」と思わせるような工夫をしましょう。
3)件名はターゲットに合わせて件名を作成する
件名を作成するのはターゲットに合わせて作成しましょう。
基本的にはスカウトされた理由がわかる内容を件名にするパターンですが、この他に5つのパターンごとに件名の例をご紹介します。
ターゲットの転職の頻度に合わせる
入社1年~2年や3年や5年ごとに転職をしている人に対しての件名の例です。
- 「そろそろ次のステップに進みたいあなたへ」
- 「現在の仕事に満足していますか?」
- 「今のキャリアをもっと活かしませんか」
年収UPを狙っている人
-
- 「前職の給与以上を保証します」
- 「あなたのキャリアなら年収UPが可能です」
※年収を保証できると確信が持てる時に使用してください。
企業規模や役職などの名誉重視の人
- 「本部長職にスカウトします」
- 「一部上場企業で活躍しませんか」
- 「そろそろマネジメント経験を積みませんか」
相手のキャリアを引用する
- 「あなたの経理経験を活かせます」
- 「不動産営業経験者限定採用」
- 「SAPができる人は即採用」
番外編
- 「東京2020協賛企業で2020年を迎えませんか」
- 「今話題のAI開発企業です」
このようにターゲットに興味を持たせる件名を作成すると開封率が上がります。
スカウトを成功させる2つのポイント
スカウトメールで成功させるにはどうすれば良いのでしょうか。
2つのポイントをご紹介します。
1)プレミアム感を演出
自分だけに送信されていることがわかる内容にすることでプレミアム感を持ってもらえます。
ただし、ターゲットの希望職種や条件にマッチしていないと連絡が来ません。
前にも述べましたが、もう少し話をきいてみたいポイントを作ることが大切です。
(例:メンバーの人柄、開発秘話など)
2)応募に際しての不安を解消する
スカウトメールに対してのアクション方法はもちろんのこと、仕事内容の詳細や入社後の研修やフォロー体制といった面も説明しておきましょう。
文字数的に詳細を記載するのが難しい時は採用サイトのURLを貼っても構いません。
失敗するスカウトメールの3つのポイント
成功ポイントの次には失敗するスカウトメールのポイントを3つご紹介いたします。
1)明らかに一斉送信
誰でもいいからスカウトをしている企業を警戒する求職者は多くいます。
「人間なら誰でも採用するのでは?」という警戒を持ちやすく、受け取った人は勝手にブラック企業認定をされてしまうので注意しましょう。
また、一斉送信だとスカウトされた理由がわかりにくく、希望に添わないことも多くみられます。
2)NGワード集
よく使ってしまうけれど実はNGワードをご紹介します。
- 「あなたのレジュメに大変興味を持ちました」→一斉送信されている印象
- 「転職の意志がなくても構いません」→なぜスカウトしたのかわからない
- 「オフィスに遊びに来ませんか」→現職中の人は忙しいのでイラっとする
- 「ぜひ一度お会いしてみたく~」「お話しを伺いたく」→何かしてもらいたい印象を受ける
- 「人が足りません」「~に課題があり・・・」「急募で募集しており・・・」
→事業がうまくいっていない印象。
人が足りないと言われても困る。
興味のない企業の内情を見せられても、さらに興味が失せるだけ。
このように、求職者の立場に立つと「そんなことを言われても・・・」という印象になります。
スカウトメールを作成したら、求職者の立場に立って読み直してみましょう。
企業側の事情を押しつけていないか、魅力のある企業に映るのかなど検証してください。
3)ケアレスミスをしている
当たり前ですが、誤字脱字はもちろんのこと日本語の間違い、文章が稚拙だと印象が悪くなります。
他にも下記のようなケアレスミスがあります。
- 明らかにテンプレートを流用している
- 急募や新着求人を件名に記載している(通知メールだと思われる)
- 会社自慢ばかり書いてある
- メッセージが満載で一番重要なメッセージが伝わらない
- 1000文字を超えている
求職者も就職・転職市場を研究しているのでスカウトメールのテンプレートを流用するとすぐにわかります。
また、魅力的な企業に見せようと入社後のメリット(企業の魅力)をたくさん伝えると自慢にしか映りませんので、最大のメリット(企業の魅力)を1つに絞って伝えましょう。
すぐに使える求職者カテゴリー別テンプレート
ここではゼロから文章を作成するのが苦手な採用担当者の方向けに、すぐに使えるテンプレートをご紹介します。
見直しポイントも付けましたので、ご活用ください。
新卒・未経験者向けのテンプレート
会員№XXX様
はじめまして、私は株式会社XXX人事部のXXXと申します。
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【見直しポイント】
- どんな企業なのか?
- どのポジションでスカウトさいれたのか?仕事の内容は?(具体的な業務イメージなど)
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【見直しポイント】
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- 管理するスタッフの構成や人数
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このテンプレートを使ってもスカウトメールの作成が上手くいかない時は、
ご検討ください。
まとめ
スカウトメールは開封してもらわなければ意味がありません。
開封率を上げるためには件名が勝負です。
WEB履歴書をよく読んで、相手の立場に立った文章を書くように心がけましょう。
また、採用担当の人数が少ない時やスキル的にスカウトメールを作成するのが難しい時は、スカウトメールやその他の採用業務の代行サービスを利用する手もあります。
採用代行サービスの詳細は、以下から資料請求の上ご確認ください。