働き方が多様化している中、フレックスタイム制を導入する企業が増えてきました。
今回はどのような職種がフレックスタイム制に適しているのかをまとめてみました。導入を考えている企業の参考になるように、フレックスタイム制度の概要やメリットとデメリットに関しても少しお伝えしてから本題に入っていきます。
フレックスタイム制の導入には、労使協定の締結や就業規則の変更・届出など、行うべき手続きが存在します。
また、フレックスタイム制を導入した後に、「出勤・退勤時間が従業員によって異なるので、勤怠管理が煩雑になった」「残業時間の計算方法と清算期間の関係がよく分からない」といったお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向け、当サイトでは「フレックスタイム制度を実現するための制度解説BOOK」をご用意しました。
「フレックスタイム制の導入手順を詳しく知りたい」「清算期間・残業の数え方や勤怠管理の方法を知りたい」という方は、ぜひダウンロードしてご覧ください。
1.フレックスタイム制度とは
フレックスタイム制とは、「一定期間の中で総労働時間をあらかじめ定めておき、労働者自身にその枠内で始業及び終業時刻の決定を委ねる」という制度です。
効率的な働き方に向けて、フレックスタイム制度を導入している職業は増えてきています。
フレックスタイム制とは?基本的なルールから導入方法までわかりやすく解説
2.フレックスタイム制の導入に適している業種・職種
フレックスタイム制に向いているかどうかは、業種や職種の特性によって異なります。
厚生労働省の調査結果を参考に、フレックスタイム制を導入している企業が多い業界と職種を紹介します。
▼フレックスタイム制を導入している企業が多い業界
- 情報通信業(30.0%)
- 金融・保険業(14.7%)
- 電気・ガス・熱供給・水道業(14.2%)
▼フレックスタイム制に適している職種
- エンジニア
- プログラマー
- WEBデザイナー
調査がおこなわれた2020年時点では、フレックスタイム制の導入率が最も高いのは情報通信業で30.0%を占め、2位には金融・保険業(14.7%)、3位には電気・ガス・熱供給・水道業(14.2%)が続きます。
特に情報通信業では、エンジニアやプログラマー、WEBデザイナーなど、個人の裁量で仕事を進めやすい職種が多いため、導入率が高くなっています。
金融業や保険業でも多くの企業がフレックスタイム制を導入しています。
また、24時間365日体制で勤務が求められる電気・ガス・熱供給・水道業でも、柔軟な働き方が必要となるため、制度が普及しています。
参考:e-Stat 政府統計の総合窓口 | 就労条件総合調査(令和3年)
3.フレックスタイム制の導入に適していない業種・職種
逆にフレックスタイム制の導入が適していない職種を考えてみましょう。先ほどのデメリットにあるように、「他の部署や企業との連携が多い職種」、また「営業職」などは相手先の勤務時間などが大きく影響するため、導入に適していないかもしれません。
特に、商談や打ち合わせが日常的に行われる職種では、フレックスタイム制が導入されると、従業員の出勤・退勤時間が異なるため、コミュニケーションや業務遂行に支障を来す恐れがあります。
個人での仕事ではなく、複数人でチームを組んでひとつのプロジェクトにとりかかる場合にフレックスタイム制を導入してしまうと、そのチームの中で誰かが朝、誰かが夜出社してそれぞれが仕事をすることになりかねないので、仕事の進むペースは下がってしまいます。
フレックスタイム制のもとでチームで仕事をする際には、チーム内のルールを別途決めておく必要があります。
また、勤怠管理の方法を整備しておかなければ、残業や休憩管理などの労働時間の把握が難しくなってしまいますので、勤怠管理の方法の見直しもするようにしましょう。
当サイトでは、フレックスタイム制度の基礎知識や残業代の付け方、メリット・デメリットなどを、図を用いて解説した資料を無料で配布しております。導入検討中のご担当者様は、こちらから「フレックスタイムを実現するための制度解説BOOK」をダウンロードしてご確認ください。
4.フレックスタイム制度のメリット・デメリット
実際にフレックスタイム制にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?簡単にご紹介します。
2-1.メリット
勤務の調整や時間配分が自分でできるので、残業が軽減されます。また、自由度が高く働きやすいので優秀な人材が採用でき、また定着率の向上につながります。これらのことがフレックスタイム制のメリットといえます。
2-2.デメリット
逆にデメリットを考えてみます。時間に対する認識が甘い従業員が多い場合は、それがさらに助長されたり、また取引先の企業などとの連携が多い場合は、業務に支障がでたりするので、フレックスタイム制を導入できる職種は限られるのではないかと考えます。
フレックスタイム制度は自由度が高いために、労働者自身の責任感も必要になります。
前述したように、フレックスタイム制のデメリットの中には、フレックスタイム制を導入できる職種が限られてくることがあります。
フレックスタイム制の導入のためにはその職種がフレックスタイム制に適しているのか、良い効果を生むのかを考察する必要があります。
【3分で分かる】フレックスタイム制度のメリットとデメリット
5.最後に
フレックスタイム制はメリットが大きく、導入すべきだという声も多くあがってきています。
しかし、フレックスタイム制に適している職種を的確に知ったうえで導入を決めなければ、逆に労働者の負担をともなってしまう可能性があります。
それをわかった上で実際に自分の会社、または部署がフレックスタイム制に適しているのかを考えることが今後重要になってくるのではないでしょうか。デメリットへの対策ができれば、向いていないとされる職種でもフレックスタイム制を導入することが可能になることもあります。
きちんと検討をしたうえで導入を考えていきたいものですね。