「AIが求人を提案する」時代へ ──求職者調査が示す「3つの9割」と、採用担当が今すべき準備 |HR NOTE

「AIが求人を提案する」時代へ ──求職者調査が示す「3つの9割」と、採用担当が今すべき準備 |HR NOTE

「AIが求人を提案する」時代へ ──求職者調査が示す「3つの9割」と、採用担当が今すべき準備

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※本記事は、株式会社OurStory様より寄稿いただいた内容を掲載しております。

スカウトメールを送っても返信率は下がる一方。求人媒体に出稿しても応募が伸び悩む。人材紹介経由でも、欲しい人材になかなか出会えない。多くの採用担当者が、日々の業務でこうした手応えの乏しさを感じているのではないでしょうか。

なぜ、従来のやり方では成果が出にくくなっているのか。本稿では、私たちOurStoryが2026年4月に実施した独自調査で見えた求職者側の実態と、米国Indeedで公開された最新データが示す「探す」から「提案される」への変化、そして日本でも広がるAI活用の現状を踏まえ、これからの時代に採用担当者が取り組めることを整理してみたいと思います。

執筆者渡部 雄大(わたなべ ゆうだい)株式会社OurStory 代表取締役 CEO

東京大学卒業後、エムティーアイを経てリブセンスに参画。「就活会議」を立ち上げから事業譲渡まで完遂し、「転職会議」の事業責任者として事業再生を牽引。その後Beatrustに参画し、生成AIで人と情報をつなぐプロダクト開発に取り組むなど、COOとして経営全般を統括。2025年6月に株式会社OurStoryを創業。採用市場の構造課題に向き合い続けた経験と、生成AIを活用したマッチングに取り組んだ経験を活かして、パーソナルキャリアAI「PREVIO」を開発。特許第7825249号取得済み。

1. 多くの採用担当者が直面している現実

採用担当者の方々とお話しさせていただくと、共通して聞こえてくる声があります。

「スカウトの返信率がここ数年でじりじり下がっている」
「媒体出稿の費用は増えているのに、欲しい層からの応募は減っている」
「エージェント経由でも、本当に欲しい人材になかなか出会えない」
「他にやれることは、正直見当たらない」

多くの採用担当者は、限られた予算と時間の中で、成果につながる採用を作り続けなければなりません。

やり方は正しいはず。なのに、年々成果が出にくくなっている。この感覚は、決して個人のスキル不足や努力不足の問題ではないと考えています。

従来のやり方で成果が出にくくなっている背景には、求職者側の体験に、既存の採用手法の前提が合わなくなっている実態があります。その実態を、まず数字で見ていきます。

2. 求職者側で起きている「3つの9割」

転職活動には、大きく3つの場面があります。スカウトを受け取る場面自分で求人サイトを検索する場面、そして応募・面接に進む場面です。

株式会社OurStoryが2026年4月に実施した調査(過去3年以内に転職活動を経験した23〜49歳の正社員、n=500、インターネット調査)では、この3つの場面それぞれにおいて、転職経験者の約9割が何らかの「不」を経験していることが明らかになりました。

①:スカウトの89.0%が「明らかに的外れ」

過去3年以内に転職活動を経験した500名のうち、89.0%が「明らかに的外れ」と感じるスカウトを受けた経験があると回答しています。

その内容は、希望していない業界・業種のスカウトが来た(45.0%)、明らかに自分の経歴を読まずに送られたと感じた(43.0%)、自分のスキルや経験と全く関係ない職種のスカウトが来た(31.4%)(※複数回答)。

いずれも「採用したい人物像と、実際にスカウトが届いている対象がズレている」現実を示しています。

②:転職サイトでの自力検索、87.2%が「徒労感」

転職経験者の87.2%が、転職サイトで自力で求人を検索する際に何らかの「徒労感」を経験しています。

具体的には、検索結果の多くが「自分には合わない」と感じた(49.0%)、応募したい求人を見つけるまでに想像以上に多くの求人を見る必要があった(44.6%)、同じ求人が何度も検索結果に出てくることに不満を感じた(25.6%)(※複数回答)といった内容です。

③:応募・面接後、88.4%が「ギャップ」を経験

応募・面接に進んだ転職経験者の88.4%が、求人情報から想像していた内容と実態との間に何らかのギャップを経験しています。

最も多いのは「求人情報には書かれていなかった条件(残業・出張等)が判明した」が57.4%、次いで「業務内容やポジションが、求人情報から想像していたものと違った」が38.0%、「社風や働き方が、想像していたものと違った」が20.0%(※複数回答)でした。

このギャップは、選考途中の辞退や入社後の早期離職として表面化します。採用担当者にとっては、選考の歩留まり悪化や、再募集による工数とコストの増大という形で、最終的に自社のコストに跳ね返ってくる問題です。

3つの9割が示すもの

この3つの9割は、それぞれ独立した問題ではなく、転職プロセスの各段階で共通して起きている課題だと捉えています。そして重要なのは、この問題が「誰かが悪い」から生まれているのではないということです。

スカウトを送る採用企業も、求人を掲載する媒体も、求人を扱う人材紹介会社も、それぞれが採用市場で合理的に動いてきた結果として、求職者側に「不」が積み上がっている。採用市場の構造が生んだ問題です。

今、生成AIの技術進化により、求職者側の行動が変化することによって、長らく変わってこなかった採用市場の構造問題に変化が生まれようとしています。

3. 「探す」から「提案される」へ──米国で進む変化と、求職者の代理人としてのAI

この変化が最もはっきり数字に現れているのが、米国のIndeedです。

OpenAIが2026年1月に公開したIndeed活用のケーススタディの中で、Indeed の Chief Revenue Officerである Maggie Hulce 氏は、次のように述べています。

「フラッグシップ製品であるスポンサー求人(Sponsored Jobs)では、現在応募の約70%がAIを活用した推薦から発生している」(※)。

つまり、有料求人広告への応募の大半が、求職者が能動的に検索してたどり着いたものではなく、AIによる求人提案を経由したものになっているということです。

このデータが示しているのは、求人選びの起点が「求職者が能動的に検索する」モデルから、「AIが求職者に提案する」モデルへと、米国市場ですでに大きく移行しているという事実です。

日本でも、この変化は徐々に生まれつつあります。私たちの調査では、生成AI(ChatGPT・Gemini・Claudeなど)をキャリアや転職目的で利用した経験を持つ人は、転職経験者のうち77.6%にのぼることが分かりました。約8割の求職者が、すでにAIを使ってキャリアを考え始めている時代になっています。

ただし、その先の「求人提案」までは至っていません。AIを利用して「自分にマッチする具体的な求人が見つかった」と回答したのは、わずか9.8%にとどまります。

これは、求人マッチングに特化したアルゴリズムを持たないためです。汎用的な生成AIは「キャリアを考える」支援としては機能していますが、「具体的な求人を発見する」支援までには至っていません。

こうした流れの中で、求職者の側に立ち、本人の代理としてキャリアの選択肢を探し続けるAIが必要とされ始めています。ダイレクトリクルーティングのように「企業が求職者を探す」のでも、求人サイトのように「求職者が自力で検索する」のでもない、求職者の志向と経験を起点とする第三のあり方です。

私たちOurStoryも、こうした問題意識から2026年5月12日にPREVIO(プレヴィオ)をリリースしました。

ユーザーにマッチした求人を提案するパーソナルキャリアAI「PREVIO(プレヴィオ)」

PREVIO(プレヴィオ)は、パーソナルキャリアAIです。ユーザーの経験と志向性をAIが深く理解し、マッチする企業を瞬時に提案します。スカウトサービスで企業からのスカウトを待ったり、転職サイトで自分で求人を検索する必要はありません。

さらに、転職を決めていない段階からも利用できます。PREVIOに登録しておけば、AIが定期的に市場を調査し、キャリアの選択肢を継続的に届けてくれます。ユーザーの登録情報は、応募するまで企業に一切開示されない完全クローズド設計なため、安心して自分のキャリアに向き合うことができます。

日本では、転職する際に初めて自分のキャリアを真剣に考える人が多く、諸外国と比較してキャリア自立性や労働生産性の低さが指摘されています。転職する/しないにかかわらず、定期的にキャリアの選択肢に触れることで、自分のキャリアを主体的に考え、日々意欲的に業務に取り組む環境をつくるきっかけを提供できればと考えています。

実際に使い始めた利用者は、何が変わったか

PREVIOを使い始めた利用者からは、これまでの転職サービスとの体験の違いを語る声が寄せられています。

事業開発・コンサルティング領域で経験を積んできた30代のAさんは、まず登録体験から既存サービスとの違いを感じたと話します。

「職務経歴書をアップロードするだけでプロフィール情報の入力が完了し、志向性の候補もAIが提案してくれた。これまでの転職サービスにはなかった体験だった」

マッチングについても、次のように続けます。

「スカウトサービスは経歴とずれたテンプレート的な提案が多かったが、PREVIOは自分のスキルと志向性を踏まえて提案してくれるので、納得感が大きい」

そして、求人との「出会い方」の変化について、大企業での事業開発を経て現在はスタートアップでエンタープライズセールスを担当する40代のBさんは、次のように語ります。

「これまで求人サイトでは、自分にマッチしていると感じる企業になかなか出会えなかった。PREVIOではAIが自分に合った企業を一目で示してくれるので、応募までのフローも自然に進められた」

米国の数字、日本の調査データ、そして実際に使い始めた利用者の体験――これらが指し示しているのは、求人選びの起点が「探す」から「提案される」へとシフトしていく流れが、もはや「来るかもしれない未来」ではなく、すでに始まっている現実だということです。

4. AIに選ばれる企業になるための、採用担当ができる3つの準備

求職者が「求人を自分で探す」のではなく「AIから提案された求人を見る」時代において、企業の採用担当者ができることは何か。

答えはシンプルです。採用ターゲットの候補者に対して、AIに自社を推薦してもらえる状況を作っておくこと。つまり「AIに選ばれる企業」になるための準備を、今から進めておくことです。

具体的な準備を3つ提示します。

① 採用したい人物像の解像度を上げる

AIがマッチングをおこなう以上、企業側の「欲しい人材像」の情報が、AIが深く理解できる解像度で構造化されている必要があります。「コミュニケーション能力が高い人」「主体性のある人」といった抽象的な言葉では、AIが文脈を深く捉えきれません。

抽象的な資質を、検証可能な経験の記述で記載する。例えば、以下のような書き方です。

【例】
抽象的な記述 具体的な記述
コミュニケーション能力が高い人 立場や利害の異なる関係者の間に立ち、双方の論点を整理しながら、合意形成を進めた経験がある人
主体性のある人 前例のない課題に対して、自分で論点を整理し、関係者を巻き込んで解決まで進めた経験がある人
リーダーシップがある人 役職や権限のない状況でも、複数の関係者を動かしてプロジェクトを推進し、目標達成まで完遂した経験がある人
マネジメント経験のある人 5名以上のチームを率い、目標設計・評価・1on1・採用を主担当として行った経験がある

「資質を表す単語」ではなく「その資質が発揮された具体的な行動・経験の記述」を記載することが重要です。前者はAIにとって解釈の幅が大きすぎる抽象表現ですが、後者は求職者の経歴情報とより精緻に照合できる具体情報になります。

こうした行動・経験ベースの記述に加えて、志向性(成長志向か安定志向か、0→1か1→10か、など)や価値観も、同じ解像度で言語化していくことが理想です。

「うちはこういう人と働きたい」を、具体的な行動例やエピソードで語れる状態にすること。これが、求める人物像の解像度を上げる第一歩になります。 

② 自社の魅力を言語化する

求人票の条件情報だけでは、AIは「貴社が候補者にとって魅力的かどうか」を判断できません。

問われるのは、「他社にはない自社の独自性」「働き続けたくなる文化」「実際の業務や働き方の質感」を言葉にすることです。

ここでも、抽象的な表現ではなく、具体的な記述に落とすことがポイントになります。例えば、以下のような記載です。

【例】
抽象的な記述 具体的な記述
風通しの良い社風 週1の全社定例で、経営会議で議論された論点と結論をその週のうちに全社員に共有している
成長できる環境 入社1年目から既存顧客への戦略提案を主担当として任せている
ワークライフバランスが良い コアタイムなしのフルフレックスで、平均残業は月15時間以内

社内では暗黙知になっているカルチャーや、入社してから初めて分かる魅力を、外から読める状態に書き出していく作業です。求人票に、自社の魅力が具体的に記載されているかが重要です。

③ 求人票や会社公式noteで継続的に発信する

AIは、参照元となる情報からその企業を理解します。つまり、AIに自社を正しく理解してもらうには、企業の発信総量と発信の質を継続的に高めていく必要があります。

求人票だけでなく、自社note・公式ブログ・社員インタビュー記事・採用関連の発信を蓄積していくことが、AIが自社の魅力を理解することにつながります。大手企業に資金力では劣る中小企業でも、コンテンツの発信量と質では十分に差別化できる領域です。

求人票や採用ページだけでなく、「うちの会社で働くとはどういうことか」を伝える複数のコンテンツが、Web上に蓄積されているか。これが、これからの採用の競争軸になっていきます。

結び

求人選びは確実に「探す」から「提案される」時代へと移りつつあります。

そしてAIが求職者に求人を提案するこの時代において最も問われるのは、企業が「AIに自社を正しく理解してもらえるだけの情報を、言語化し、発信しているか」ということです。

採用に関わる方々が日々向き合っている課題は、社内調整、限られた予算、競合企業との人材獲得競争など、決して少なくありません。本稿でお伝えした3つの準備も、すべてを一度に始めるのは現実的ではないでしょう。

それでも、まず求人票の一文を見直すところから、できる範囲で一歩を踏み出していくことが、これからの採用の差を生み出していくのだと、私たちは考えています。 

私たちもパーソナルキャリアAI「PREVIO」を通じて、この変化を担う一翼でありたいと考えています。

  • 調査概要:株式会社OurStory調べ。23〜49歳の正社員(個人年収400万〜1,500万円)、有効回答数n=1,000、2026年4月実施、インターネット調査(Freeasy)。転職経験者パートはn=500(過去3年以内に転職活動を経験した正社員)を対象。
  • (※)米国Indeedの応募経路データの出典:OpenAI「How Indeed uses AI to help evolve the job search」(Maggie Hulce 氏(Indeed Chief Revenue Officer)コメント、2026年1月26日公開)。https://openai.com/index/indeed-maggie-hulce/

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