電子帳簿保存法はFAXも対象?対応方法や注意点を解説
FAXで受信したデータは、電子帳簿保存法の対象になる可能性があります。ただ、受信するFAX機器のタイプによって異なるので、自分のFAX機器が該当するかどうかわかりにくいのが現実です。
実際、自分は対象なのかわからず悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、電子帳簿保存の対象となるFAX機器の特徴を解説し、保存方法や注意点を紹介します。2024年1月までにデータ保存の仕組みが整えられるよう、FAXのデータの保存方法をおさえておきましょう。
1998年に制定された電子帳簿保存法ですが、2020年10月や2021年の改正によって企業が電子帳簿保存法に対応するハードルが下がりました。 しかし、電子帳簿保存法に対応すれば業務が効率化されると言っても、要件や法律など、電子帳簿保存法そのものの内容や対応する手順など正しく理解しておかなければいけません。 「どうにか電子帳簿保存法を簡単に理解したいけど、自分で調べてもいまいちポイントがわからない・・・」とお悩みの方は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。
資料では
・電子帳簿保存法の内容に関するわかりやすい解説
・2020年10月の改正内容と2022年の施行内容のポイント
・今後電子帳簿保存法に対応していくための準備や要件
など、電子帳簿保存法に関する内容を総まとめで解説しています。 「電子帳簿保存法への対応を少しずつ考えたいが、何から始めたらいいかわからない」という経理担当者様は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。
目次
1. 電子帳簿保存法とは?書類の電子保存を許可する法律
電子帳簿保存法とは、国税に関係する書類や帳簿などの電子保存を許可する法律のことです。従来は、国税関係の書類はすべて、紙で保存するのが原則でした。
しかし、紙媒体で保存する場合はスペースの確保が強いられるため、保存用の場所や人員のコストがかかるなどの課題があります。
電子帳簿保存法によってデータでの保存が可能になったことで、リモートワークなどの新しい働き方にも柔軟に対応可能です。
2. FAXで電子帳簿保存法の対象になるかは送受信方法による
FAXで送受信した書類は、FAX機器のタイプで電子帳簿保存法の対象かどうかが変わります。そこでまずは、FAXの機器タイプ別に対象となるかどうかを解説します。
送受信する予定のFAXの機器タイプを確認して、電子取引が該当するかチェックしておきましょう。
2-1. 紙で出力するFAXは電子帳簿保存法の対象ではない
受信したデータを紙で出力するタイプのFAX機器の場合は、電子帳簿保存法の対象になりません。この場合、電子取引としてではなく書面による取引として取り扱われるからです。従来通り、ファイリングして紙のまま保存できます。
もちろん、紙で出力するタイプのFAX機器も、紙のまま保存しなければならないわけではありません。スキャナーを用いて電子化すれば、電子データとして保存できます。その際、電話帳簿保存法で定められている「スキャナ保存制度」の要件を確認しながら保存しましょう。
2-2. 電子データ保存できるFAXは電子帳簿保存法の対象
受信したデータを電子データとして保存するタイプのFAX機器は、電子取引として取り扱うので電子帳簿保存法の対象です。2022年1月1日以降にFAX機器で受信した電子データは、すべて電子データで保存する義務が発生します。
保存期間は、確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。ただ、年度内で欠損金額(赤字)や災害損失欠損金が発生した場合は、保存期間が10年間に変更となります。自社がどちらに該当するのかを確認して、正しく電子データを保存しましょう。
ここまで読んでそもそも電子帳簿保存法がどんな法律なのか、またどのように会社で対応すれば良いかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは5分でわかる電子帳簿保存法という資料を無料配布しております。本資料では電子帳簿保存法に関する概要から、対応方法、また具体的な改正内容などをわかりやすく解説しています。そのため電子帳簿保存法の基礎知識を得られるのはもちろん、会社としてどのような対応をすればよいかも理解することができます。大変参考になる資料となっておりますので興味のある方はこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。
3. 電子帳簿保存法の対象となるFAXの保存方法
ここからは、電子帳簿保存法の対象となるFAXデータの正しい保存方法について、受信者側と送信者側の2方面から解説します。
- 受信者側の保存方法|電子データか紙で保存する
- 送信者側の保存方法|ペーパーレスFAXなら電子取引
3-1. 受信者側の保存方法|電子データか紙で保存する
電子データで保存するFAX機器で受信した場合は、紙に変換するのではなく電子データのまま保存します。保存する際は、変更や削除履歴などの記録事項が明瞭でかつ速やかに確認できるようにしましょう。また、取引年月や取引先、取引金額などで検索できるようにすることも大切です。
一方で、受信したデータを紙で出力するタイプのFAX機器の場合は、紙で保存するか、スキャナを用いて電子データに変換するかを選べます。自社で採用している書類の保存方法に従って保存が可能です。
3-2. 送信者側の保存方法|ペーパーレスFAXなら電子取引
電子データとして送信するペーパーレスFAX機器を使用した場合は、電子データのまま保存する必要があります。FAXを利用して送信した書類の控えを残しておくようにしましょう。
一方で、紙を読み取って送信するタイプのFAX機器の場合は、使用した紙はそのまま保存が可能です。また、受信者がわと同じく、要件に従ってスキャナ保存をすれば、紙を処分してデータで保存することもできます。
4. 電子帳簿保存法の対象となるFAXの注意点2選
電子帳簿保存法の対象となるFAX機器で受け取った書類を保存する際、注意しなければならないポイントが2つあります。注意点を把握し、失敗しないように気をつけましょう。
- PDFファイルは紙に変えて保存できない
- 相手が電子取引かどうかを考える必要はない
4-1.PDFファイルを紙に変えて保存できない
2024年1月から、FAXを利用してPDFファイルで書類を受信した場合、電子データでしか保存できなくなるので注意が必要です。FAXで送られてきたPDFファイルを紙で出力して保存することはできません。
現在、PDFを紙に変換して保存している企業は、2024年1月までにPDFファイルのまま保存する仕組みを確立しておきましょう。
4-2.相手が電子取引かどうかを考える必要はない
FAX機器を用いたデータの電子取引は、送信者と受信者で取引方法を合わせる必要はありません。送信者が電子データで送信したとしても、受信者が紙で出力したなら、受信者は電子帳簿保存法の対象にはならない仕組みです。
ただ、メールやチャットの場合はお互いが電子取引に該当することになるので注意しましょう。FAXとは異なり、送信者も受信者もPDFファイルでやり取りするため両者とも電子取引として扱われます。
5. 電子帳簿保存法の対象となるFAXの4つのメリット
ここからは、電子帳簿保存法の対象となるFAXのメリットについて詳しく解説します。
- 業務の効率化ができる
- コストの削減ができる
- 書類の保管が簡単になる
- セキュリティーを強化できる
5-1.業務の効率化ができる
電子帳簿保存法の対象となるペーパーレスFAXを利用すれば、業務の効率化を実現できます。送られてきたファイルを電子データとして受信できれば、いつでもどこでもデータを確認できるからです。
例えば、リモートワークなどで自宅にいながらでも会社に送られてきたファイルを確認できます。FAXで送られてきた書類の確認や押印のために、わざわざ出社する必要がありません。
また、大量の書類を管理するスペースも必要なくなります。業務の効率化につながる機器やシステムを導入する場所として、スペースを有効活用できるでしょう。
5-2.コストの削減ができる
電子帳簿保存法の対象となるペーパーレスFAXを使用すれば、コストを削減することも可能です。削減可能なコストの例は以下の通りです。
- 印刷に必要な用紙代やインク代
- 複合機のカウンター料金やレンタル料金
- 文書管理に必要な物品代
これらのコストを削減できれば、余った資金を利用して新しい人材を雇ったり、高品質なシステムを導入したりできます。社員の給料をあげることも可能なので、モチベーションが向上して結果的に業務の効率化にもつながるでしょう。
5-3.書類の保管が簡単になる
電子帳簿保存法の対象となるペーパーレスFAXを使用すれば、紙で保存するのに比べて書類の保管が簡単になります。近年続々と登場している、電子データの管理に特化したソフトウェアや機器を使用できるからです。
ソフトウェアや機器を利用すれば、検索機能を用いて探したい書類を簡単に見つけられます。データの暗号化によるセキュリティ対策もしっかり行われているため、情報の漏洩も防げるでしょう。
5-4.セキュリティーを強化できる
ペーパーレスFAXを使用して送られてきた書類を電子データとして保存することで、セキュリティーを強化できます。パソコン内やクラウドストレージ内などに保管すれば、書類にパスワードを設定できるからです。
電子データならどの端末からでも閲覧できるため、紙媒体のように大切な書類の紛失や盗難の心配がありません。ストレージ内のアクセス制限も管理できるので、内部の人間によるデータの漏洩も防げます。
1998年に制定された電子帳簿保存法ですが、2020年10月や2021年の改正によって企業が電子帳簿保存法に対応するハードルが下がりました。 しかし、電子帳簿保存法に対応すれば業務が効率化されると言っても、要件や法律など、電子帳簿保存法そのものの内容や対応する手順など正しく理解しておかなければいけません。 「どうにか電子帳簿保存法を簡単に理解したいけど、自分で調べてもいまいちポイントがわからない・・・」とお悩みの方は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。
資料では
・電子帳簿保存法の内容に関するわかりやすい解説
・2020年10月の改正内容と2022年の施行内容のポイント
・今後電子帳簿保存法に対応していくための準備や要件
など、電子帳簿保存法に関する内容を総まとめで解説しています。 「電子帳簿保存法への対応を少しずつ考えたいが、何から始めたらいいかわからない」という経理担当者様は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。