経費精算とは、従業員が業務上必要になった金銭を立て替えて支払い、後日、会社が申請内容に基づき払い戻す行為です。従業員の申請、上長の承認、経理部門での確認・支払いなど、ワークフローが複雑なため間違いが起こりやすい業務でもあります。
効率化する場合、申請の流れをマニュアル化する、経費精算システムを導入するなどがポイントです。
本記事では、経費精算とは何か、業務の流れと効率化のポイントを解説します。
「経理担当者になってまだ日が浅いため、基本知識をしっかりつけたい!」
「法改正に関する情報収集が大変で、しっかりと対応できているか不安・・・」
「仕訳や勘定科目など、基本的なこともついうっかり間違えてしまうことがある」
などなど日々の経理業務に関して不安になることがございませんでしょうか。
特に経費精算は毎月頻繁に発生する経理業務ですが、細かいルールや規定があり、注意が必要です。また直近の電子帳簿保存法やインボイス制度など毎年のように行われる法改正に対して、情報を収集し適切に理解する必要があります。
そこで今回は、仕訳や勘定科目などの基礎知識から、経理担当者なら知っておきたい法律知識などを網羅的にまとめた資料をご用意しました。
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1. 経費精算とは?
経費精算とは、従業員が事業活動に必要な金銭を一時的に立て替え、会社に申請して払い戻しを受ける行為です。
たとえば、出張にかかった費用を従業員が立て替えたとき。会社に戻ってから精算書を作成し証票を添付したうえで上長に提出します。
その後、経理部門で承認され、従業員の口座に払い戻しを受けるまでが経費精算の大まかな流れです。
なお、経費を精算できるといっても、私物の購入費用などは、経費として申請されても認められません。
不正を防止するために、経費精算では領収書のような証票を添付するなど、会社により細かなルールが定められています。
1-1. 費用と経費の違い
経費精算では、費用と経費を同一のものと考えていると、会計上の処理を誤る危険があるため注意しましょう。
費用とは、会社が企業活動で支払うコスト全般を指します。たとえば、直接売り上げには関係のないオフィスの賃料や水道光熱費、売り上げに連動して変動する仕入れ費用などさまざまです。
一方経費は、「事業のために支出する費用」のみを指します。「経常費用」の略称で、売り上げに結びつく支出でなければいけません。
1-2. 経費精算の対象勘定科目
経費精算では、経費の対象となる勘定科目がある程度決まっています。どのような勘定科目があるかあらかじめ確認しておくと業務がしやすいでしょう。
勘定科目 |
概要 |
旅費 |
業務上必要な外出や出張で発生した費用。運賃、宿泊料、出張中の食事代など。 |
交通費 |
自宅から勤務地に向かうまでの運賃、または、会社から客先へ訪問する際に生じた運賃。 |
消耗品費 |
取得価額が10万円未満、または、耐用年数1年未満の物品の購入費。 |
通信費 |
はがきや切手代、電話回線などの費用。 |
交際費 |
取引先の接待や慰安、贈答などで生じた費用。慶弔費なども含まれる。 |
飲食接待費 |
取引先の接待の中でも、飲食代としてかかった費用。 |
広告宣伝費 |
新聞やweb広告などの媒体への広告掲載にかかる費用。 |
2. 経費精算に関する業務の流れ
経費精算では、従業員・上長・経理部と、フロー内に複数の担当者が含まれます。流れをくわしく解説します。
2-1. 【従業員】費用を立て替える
交通費や接待交際費など、かかった費用を従業員が立て替えます。
なお、先に会社から仮払金を支払う方法もあるものの、ここでは立て替え時の流れを解説します。
2-2. 【従業員】領収書を受領する
支払い先から領収書を受領します。宛名を会社名にする、但し書きは具体的に書くなど、改ざんができないように書いてもらいます。
2-3. 【従業員】経費精算申請をする
社内ルールに基づき、経費精算申請をします。交通費の場合、経路の入力が必要など、会社により細かな規定があるため注意が必要です。また、高額備品の購入では事前申請が必要なこともあります。
2-4. 【上長】経費精算申請を承認する
従業員から提出された経費精算申請は、先に上長が内容を確認します。問題が無ければ経理部門に提出します。問題があれば従業員本人に差し戻します。
2-5. 【経理部】経費精算申請を承認する
各部署や部門から提出された経費精算申請は、経理部門で問題がないか確認し、承認します。ヌケ・モレなどがあれば、上長か従業員本人、どちらかに差し戻し修正を依頼します。
2-6. 【経理部】経費精算の仕訳をする
承認した経費は仕訳を行います。仕訳は精算した日に行うのが一般的です。
【例】従業員が消耗品費1,000円を立替えて支払った。経費精算申請書と領収書を受け取り、後日現金で精算した。
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
消耗品費 |
1,000円 |
現金 |
1,000円 |
2-7. 【経理部】従業員に立替分を払い戻す
経費精算申請書の承認が終われば、立替金額分を従業員に払い戻します。支払い方法は、現金(小口現金)で支払う、または、口座振込みで支払うのが一般的です。
振込みの場合、給与支払日に一緒に振り込むこともあれば、精算ができ次第振り込むこともあります。
2-8. 経費精算を紙で行う問題点
経費精算の方法は、申請書を使う紙ベースの方法と、経費申請システムを使う方法の2つに分けられます。紙ベースで経費申請を進める問題点を解説します。
2-9. 転記ミスや間違いが多い
金額を書き間違える、必要な箇所を記入していないなど、紙ベースの申請では従業員が申請を上げる時点で多くのミスが生じます。
また、経理部門でも、申請書の金額を一つひとつExcelなどの仕訳に転記するため、インプット時の間違いも懸念事項です。
軽微な間違いが多ければ、その分、経理部門の負担は大きくなります。
2-10. 申請から承認までに時間がかかる
ワークフロー内の担当者数が多ければ多いほど、書類の処理までに時間がかかります。紙書類の場合、他の書類に混入したり、紛失したりなどのリスクも考えられます。
手書きなど、申請書の作成自体に手間が多ければ、期限ぎりぎりに提出する従業員も増えるでしょう。そうなれば、月末に残業が必要になるなど、経理部門の負担も増えてしまいます。
2-11. 領収書の保管場所が必要
領収書は税法に則り7年間保管する必要があり、法人の場合、念のため10年間保管するケースが多いでしょう。
紙ベースなら申請書や領収書の保管場所の確保も必要です。領収書の整理整頓、保管場所の確保、破棄費用など、経費精算が終わった後の管理コストも生じます。
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3. 経費精算を効率化するポイント
経費精算を効率化したいなら、まずは申請ルールを明確化しましょう。そのうえで、ルールに則り運用できる経費精算システムの導入がおすすめです。
3-1. 申請ルールを明確化する
経費精算の方法はルール化し、従業員が閲覧できるマニュアルを作成しましょう。ルールをすぐに確認できるようにすれば、申請時の軽微なミス防止に役立ちます。具体的には以下の内容などを明記するとよいでしょう。
- 経費精算できる費用とできない費用を一覧にする
- 領収書に記載が必要な内容を一覧にする
- 提出期限と提出期限を過ぎたときの手続き方法を案内する
- 事前申請が必要な勘定科目や費用を案内する
3-2. 経費精算システムを導入する
経費精算システムとは、経費精算に必要な申請書の作成・承認・仕訳など、一連の業務をデバイス上で行えるシステムのことです。
パソコンだけでなくスマートフォンからも申請ができ、軽微なミスは事前にチェックする機能もあります。ICカードや領収書の読み取り機能もあるため、面倒な経路入力の効率化も可能です。
申請する従業員にメリットがあるだけでなく、承認者はデバイス上で申請・差し戻しができるため、場所を選ばす経費申請業務を進められます。
経理部門も経費の自動仕訳や、仕訳内容の会計ソフトへの流し込みなどができるため、業務効率化に役立ちます。
4. 経費精算は「経費精算システム」で効率化するのがおすすめ!
申請内容を元に、従業員が立て替えた費用を払い戻す経費精算は、申請時の間違いが多く、処理に時間がかかる業務のひとつです。
経費精算業務を効率化したいなら、専用のシステムの導入がおすすめです。経費精算システムなら、申請書の作成・承認・仕訳・支払いと、ワークフロー全体の効率化に役立ちます。
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