こんにちは。株式会社Smart相談室の藤田康男と申します。法人向けオンラインカウンセリング「Smart相談室」を運営しています。
今回は、リモートワークをするうえでよく耳にする悩みや課題についてご紹介します。また、それらを乗り越えてリモートワークがうまくいっている会社は何をしているのか、事例を交えてお伝えできればと思います。
ぜひ、ご覧いただけますと幸いです。
【寄稿者】藤田 康男 | 株式会社Smart相談室 CEO
医療系人材紹介会社にて10年間、複数事業の立ち上げや組織マネジメントに従事したのち、2021年2月に株式会社Smart相談室を設立。これまでのマネージメント経験から、従業員のメンタル不調に関して課題感を持ち、独自の視点から、課題に対するソリューション『Smart相談室』を提供中。日本の生産性を高め、社会に貢献したいと考えている。
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目次
リモートワークの普及と働き方の多様化
新型コロナウィルス感染症の拡大により、リモートワークの導入が進みました。
緊急事態宣言を経て、リモートワークが各企業毎に選択的に採用されるようになった今日、リモートワークは企業や個人によって、好き嫌い、良し悪し、そして価値観が分かれるトピックになりました。
内閣府の調査(*1)によれば、全国の企業の23.5%、東京23区の55.4%の企業がリモートワークを採用しています。また、同じ調査によると、「社内での気軽な相談・報告」の難しさや、画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレスを感じる方が多いようです。
様々な意見がある中で、個人的な意見ではありますが、この状態からリモートワークがなくなるということは考えられません。何らかの形で存在し続け、時代によってあるべき姿を変えながら、一つの勤務形態として定着していくと思います。
一方で急激な労働環境の変化に、人の心は追いついてないのも事実だと思います。
Smart相談室に寄せられる相談の中に、リモートワークの環境下で孤独感や虚無感に関すること、画面を通じたコミュニケーションに対応できず体調不良を感じることをご相談内容に挙げられる方がいらっしゃいます。
そのような状況の中で、他のトピックス以上にリモートワーク関連のテーマについて企業側、ミドルマネジメントが対応できていないようにも感じます。
特に、当該の相談は、従業員の個人的な事情というよりは、会社での労働環境に関するものです。
企業やミドルマネジメントが、産業領域の課題としてしっかりと対応しなければらない内容であると考えられる点からも、十分な対応を検討する必要があります。
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result4_covid.pdf
推奨される働き方を表現できているか?
Smart相談室には、リモートワーク環境によって発生しているであろう様々な相談が寄せられます。
ご相談自体は通常の相談と同様に対応するのですが、そんな相談者様の相談内容を確認していると、皆さん「正しいリモートワークの形がわからない」と感じられているのではないかなと思います。
相談者様は、気持ちの変化や体調の変化を口にされるのですが、その先の対応策や本質的な気持ちにまで話が及ぶと、「これまで経験したことがない体験に対して、どのように対応するのが正解なのか知りたい」「みんながどうやっているのか知りたい」という声が聞こえてきます。
そもそも、仕事環境、仕事の仕方は、社会人としての一般論と所属企業の慣習、文化によって、ある程度の想定が置かれ、その想定に沿って作業を進めていきます。
キャリアパスなどに関しては、あらかじめ設定されたロールモデルや憧れの先輩の背中を追うことで、自分のキャリアパスが徐々に明確になっていきます。
リモートワーク環境において、そんな働き方のロールモデルがなく、自分の気持ちと天秤にかけた落とし所がわからない、そんな心理状態なんだと思います。
なかには、リモートワークによる孤独感などよりも、先のロールモデルが無いことに対する漠然とした不安から体調不良を感じられる方もいるように思います。
四角四面に言ってしまえば、会社側がその働き方を提示できれば良いという話になりますが、オフィスへの出社日数や自宅での休憩時間のとり方、オンライン環境へのログインルールなど、定量的なガイドラインの設定は出来るかもしれません。
しかし、どのように気分転換をしているのか、どの程度根を詰めて作業をするのか、デスク環境はどのようになっているのかなど、定性的なアイデアや文化は、会社ではなく個人に依存し、なかなか外部との比較ができにくい状態です。
新しい価値観を自分の価値観と擦り合わせてロールモデルを創造する
今の状態では、結局、自分で仕事環境を見出して行く必要があります。これまで、仕事環境は与えられるものでしたから、これまでにない創造をおこなうことになります。
Smart相談室に寄せられる相談内容に、リモートワークに対する違和感や窮屈さ、正解を求めるものがあります。
ご相談内容から察するに、相談者様はリモートワークという働き方に対してしっくりきておらず、モヤモヤしている状態だと思われます。
特に、ご自身の身近に理想のリモートワークを実践されている方がいないため、何をどうして良いのかわからないということが多いようです。
リモートワークが一般的になってきて、会社から労働環境改善の一提案として、多くの企業では、意識して休憩を取ることや、洋服を着替えるなどの活動を推奨されていると思います。
しかしながらそれは、一般的なアクションを示唆することが多く、まだまだ「働き方」としてのリモートワークのあり方を提案しているものではないです。
結局、リモートワークも「働き方」の一種なので、それぞれの価値観にあった所作を積み重ねた時間の使い方を確立する、確立できるように工夫することが必要になっています。
直近30年で起こった働き方の変化の一種のイメージを持った方が良いでしょう。自分にあった働き方としての「リモートワーク」とはどのようなものか、自分がリモートワークに求める大切なものは何か。
キャリアパスを検討する際におこなうのと同じ様に、自己分析をおこない、自分の価値観と現実的な環境を擦り合わせながら、自らが自分のロールモデルになるような気持ちで、リモートワークの形を創造する必要があります。
自分では自分のことはわからない、だから話してみよう
リモートワークのあり方は、まずは、仕事の仕方について、上司や同僚と議論し、擦り合わせるのが良いと思います。
初めてマネジメントポジションについた若手が先輩にマネジメント手法の相談をするようなイメージです。
1on1や全体研修の題材として扱うのも良いでしょう。その中で、各自がイメージするリモートワーク像、その内容を実施する際の弊害やリスクを洗い出すことから始めるのがスムーズです。
その後、どこかの時点で、擦り合わなくなったり、違和感を覚えるようになるフェーズが訪れます。
ここからがポイントです。このフェーズで、なぜ、擦り合わないのか、なぜ、違和感を感じるのかを、しっかり内省することでご自身の価値観がわかってきます。
ただし、この段階までくると、会社のメンバーに話すことにためらいを感じたり、うまく言語化できないケースが発生します。
多くの企業でそのような状況が発生しており、その解決策としてSmart相談室をご活用いただくことが多いです。
Smart相談室では、会社のメンバーに話すことにためらいを感じる内容、うまく言語化できない内容について、カウンセラーやコーチが寄り添い、相談者様を本来のご自身へ誘います。
個人の価値観とじっくりと向き合いながら、みなさんが感じているモヤモヤや期待、譲れないものを整理しながら、ご自身のロールモデルを創っていくお手伝いをします。
モヤモヤを解消して、少しでも働きやすい環境を創り出すサポートができれば幸いです。
より良いリモートワーク環境づくりに取り組む企業とは
最後に、Smart相談室を上手く活用し、リモートワークの環境づくりに努めている、具体的な企業事例をお伝えします。
A社の事例
A社では、まず、マネジメント職の従業員、役員クラス、人事部門の従業員について、リモートワーク下のおけるコミュニケーション研修をおこなっています。
これは、やや広い範囲でコミュニケーション一般についての研修をおこないます。この中に、「リモートワークにしっくり来ていない部下に対する対応」というコンテンツを入れ、部下の心情と部下自身でリモートワークのロールモデルを創造しなければならない点についてインプットしてもらいます。
この段階で、社内の上司や相談を受けることが多いポジションの方が、「リモートワークの仕方」についても適期会話をしなければならないという認識がうまれます。
その後、具体的に当該の会話をする際は、個人の価値観を聞いたり、会社としてお願いしたいことを伝えたりして、すりあわせを始めます。
次に訪れるのが前出の「会社のメンバーに話すことにためらいを感じたり、うまく言語化できないケース」です。多くの方にこのフェーズが訪れます。
この段階で、上司の方は、先に進むことを無理強いせず、Smart相談室のカウンセラーに相談することを進めていただきます。
Smart相談室のカウンセラーは、様々な属性の方がおり、全員対人支援のプロフェッショナルです。従業員の方の相談内容に合わせて、カウンセラーを選択していただければ、その後は話がスムーズに進みます。
上司の方は、そこから先はそっと見守りながら、ご自身ができるサポートが有るか否かの確認を従業員の方にしていただければ十分です。
B社の事例
B社では、経営判断としてリモートワークを採用する際に、「働き方の棚卸し」として、順次全社員の方に、Smart相談室の利用を推奨しています。
これは、リモートワークへの対応としておこなうのですが、考え方としてリモートワークはきっかけに過ぎず、これまで燻っていた問題や課題がリモートワークにより顕著になることも想定しておこなわれます。
Smart相談室は、何を相談しても良い、何回相談しても良いサービスですから、従業員の方々の様々な相談内容に対応できるために、実現できる施策です。
この施策は、企業が従業員の成長を支援し、人的資本としての従業員を最大限活用することを可能にすることを考えられている企業様だからこそ検討されるべき施策と言えます。
リモートワークはきっかけ、きっかけをもとに本質的な個人の課題に対して、個別対応をおこなう。そのような考え方をSmart相談室はご支援できます。