ロイヤルティとは?ビジネスにおける意味や向上させるプログラムなどを紹介! |HR NOTE

ロイヤルティとは?ビジネスにおける意味や向上させるプログラムなどを紹介! |HR NOTE

ロイヤルティとは?ビジネスにおける意味や向上させるプログラムなどを紹介!

  • 組織
  • 企業文化・組織風土

「ロイヤルティ」という言葉をご存じでしょうか。

近年テレワークの普及などにより、従業員のロイヤルティを重要視する企業が増えています。ロイヤルティを高めるに企業はどのような対策をとっていくべきなのでしょうか。

本記事ではロイヤルティの意味から向上させる方法・プログラムまで徹底解説します。

1. ビジネスにおけるロイヤルティの意味とは?

ロイヤルティとは、英語では「Loyalty」と表記し、忠誠、忠義、誠実といった意味があります。

そこから、組織や人事などのビジネスシーンにおいてロイヤルティは自社への愛着心、帰属意識として用いられます。

ここでは、ロイヤルティとは何か、メリットを実際の事例を交えて紹介していきます。

1-1. ロイヤルティとロイヤリティの違いとは

ロイヤルティと似た言葉で、ロイヤリティという言葉があります。こちらは「Royalty」と表記し、王族、王位、気品といった意味があります。

ビジネスシーンでは特許権、商標権、著作権といった権利の使用料として用いられます。

先ほど説明した自社への忠誠、愛着として使用されるロイヤルティとは大きく意味が異なります。「ロイヤルティ」と「ロイヤリティ」の違いをしっかり理解しておきましょう。

1-2. 顧客ロイヤルティと従業員ロイヤルティ

よくビジネスシーンでは、「顧客ロイヤルティ」「従業員ロイヤルティ」の2種類が頻繁に使われています。

顧客ロイヤルティとは、ある特定の企業の商品やサービスに対し顧客が感じる愛着や信頼のことを指します。ロイヤルティの高い顧客は、企業の商品を長期的に利用するだけでなく、商品を周囲の人々に勧めることも多く新規顧客獲得にもつながるため、近年その存在が重要視されてきています。

一方、従業員ロイヤルティとは、企業で働く従業員が自社へ感じる愛着心や忠誠心のことを指します。従業員ロイヤルティを高めることで、離職率の低下、企業の一体化、作業効率の向上など企業にとって多くのメリットをもたらしてくれるでしょう。

本記事では、「従業員ロイヤルティ」について詳しく解説していきます。

1-3. ロイヤルティとエンゲージメントの違い

従業員ロイヤルティと似た意味をもつ言葉に従業員エンゲージメントがあります。

エンゲージメントとは、従業員が自社に対して抱く「愛着心」や「思い入れ」のことを指します。ロイヤルティとよく似たニュアンスですが、ロイヤルティは「帰属意識」や「忠誠」という意味が強く、エンゲージメントとは少し意味が異なります。

エンゲージメントは企業と従業員が対等な関係でともに成長していく関係であるのに対し、ロイヤルティは企業が先導し自社、従業員を成長させていき、そんな企業に対し従業員が帰属意識を持っている状態を指します。

関連記事:エンゲージメントとは?│ビジネス上の意味や向上させるメリットについて解説!

1-4. ロイヤルティとコミットメントの違い

コミットメントもまたロイヤルティと似た意味をもつ言葉です。

コミットメントは、従業員が特定の目標や組織に対してもつ強い献身度合いや責任感の度合いを示します。

コミットメントもロイヤルティも組織や企業との強い結びつきを意味する点では共通しますが、コミットメントはより行動や結果に重点を置く考え方です。

2. 従業員ロイヤルティが注目される背景

ここでは従業員ロイヤルティが注目される背景について解説します。

2-1. 終身雇用制の崩壊

まずは、終身雇用制度の崩壊です。終身雇用制度とは、その企業が倒産しない限り定年まで長期的に雇用される日本独自の制度のことを指します。

しかし、終身雇用制度は日本の経済悪化の一因であり、日本人労働者の減少といった理由で維持が難しいと考えられています。長期雇用が当たり前でなくなってきた今だからこそ、どのように従業員のロイヤルティを高めるかが重要視されているのです。

2-2. テレワークの普及

二つ目の背景としてテレワークの普及があげられます。

テレワークは新型コロナウイルスの流行によりさらに普及が進み、社内でのコミュニケーションが取りづらくなっていることが問題視されています。

在宅業務で対人関係の希薄化が進む中、社員同士のつながりを強化してモチベーションを維持していくことが従業員ロイヤルティを高めるうえで大きな課題となっています。

3. 従業員ロイヤルティを高めるメリット

ここでは、従業員ロイヤルティを高める3つのメリットについて紹介していきます。

3-1. 【メリット①】離職率の低下

一つ目のメリットは、「離職率の低下」です。

従業員ロイヤルティは離職率に大きく関係します。従業員ロイヤルティの高い企業では従業員が仕事に対するモチベーションが高く会社への貢献意識も高いため、平均勤続年数も長くなる傾向があります。

3-2. 【メリット②】企業の一体化につながる

「企業の一体化につながる」が二つ目のメリットです。

自社に対する愛社精神や帰属意識が高いと業務に主体的に取り組むようになるため、企業の成長につながりやすくなります。社内にも目が向くので問題を早期発見でき、企業の成長が期待できます。

3-3. 【メリット③】顧客満足度の向上

三つ目のメリットは「顧客満足度の向上」です。

事業へのモチベーションの高さは生産性の向上につながり、より良い商品を顧客に提供できるようになります。そうしたより良い商品づくりは顧客からの評価につながるため、顧客満足度の向上が見込まれます。

このように、従業員ロイヤルティを高めることは好循環な企業運営へと導いてくれるでしょう。

4. 従業員ロイヤルティを向上させる効果的なプログラム

ここでは、従業員ロイヤルティを向上させる方法をご紹介します。

4-1. 当事者意識を持たせる

一つ目は、従業員に「当事者意識を持たせる」ことです。

企業が大きくなればなるほど、従業員は自分の仕事が企業や社会にとってどう役立っているのか認識しづらくなります。自分の仕事の意義が認識できないと、自分が企業の一員であるという当事者意識が弱くなりロイヤルティが低下するかもしれません。

自分の担っている仕事が何の役に立っているのか、社会にどのような影響を与えるのか、正しく従業員に認識させることで目的をもって業務に望むことができます。

4-2. 企業の理念や沿革、強みを共有する

二つ目は、「企業の理念や沿革、強みを共有する」ことです。

企業の業績にかかわらず、自分の業務が自社へどのように貢献しているのかわからないと仕事への熱意にはつながりにくいです。

研修やミーティングなどで企業の強み、理念について実際のエピソードを交えて従業員に共有することで企業の基本となる考え方の深い理解につながり、より自社への愛着を高めることができるでしょう。

4-3. プロセスも重視した人事評価を行う

三つ目は、「業務プロセスを重視した人事評価」です。
人事評価では業務の成果や結果に注目してしまいがちです。しかし、成果や結果のみの評価を行うことは、業務の過程におけるさまざまな要因を無視することにつながります。
すると従業員は短絡的に結果を出そうとし、価値の低い成果を増やしてしまうおそれがあります。また、結果が出なかったときに頑張りが評価されないため、従業員のモチベーションが大きく下がってしまうこともあります。
業務の過程を評価することによって従業員は、正当に評価してくれる職場であるという安心感を得られます。また、なんらかの原因で成果を得られなかった場合にも、従業員のモチベーションが維持されやすくなります。

4-4. 定期的な1on1ミーティングの実施

四つ目は、「定期的な1on1ミーティングの実施」です。
なかでも効果が高いのは、上司と部下が1対1で話し合う1on1ミーティングの実施です。上司が個々の部下のために時間を使うことによって、部下のロイヤルティは高まりやすくなります。
1on1ミーティングのポイントは、気軽に話ができる雰囲気を作ることです。ミーティングへの緊張感や苦手意識を排除できれば上司と部下の関係性が高まり、コミュニケーションの円滑化につながりります。
また、高い頻度で進捗を確認できることや部下の評価がしやすくなることなど、1on1ミーティングには多くの効果があります。

5. ロイヤルティ向上に成功した企業の事例

ここでは、実際に従業員ロイヤルティを高め、実績を上げた企業をご紹介します。

5-1. 【事例①】ラックスペース社

一社目は、アメリカのIT企業「ラックスペース社」です。

ラックスペース社は、「ファナティカル・サポート」(根狂的な顧客サービス)を掲げており、この社是を達成するため、従業員ロイヤルティ向上の取り組みに重きを置いています。

ラックスペース社独自の取り組みとして、自社サービスに熱中して取り組んだ従業員に対し「ストレートジャ ケット(拘束衣)賞」という賞を贈り、自社ブランドのストレートジャケットをプレゼントするという取り組みをおこなっています。

その他にも、現場の管理職とのチームミーティングや、顧客対応部門のメンバーを集めた定期的なミー ティング等を行い、従業員ロイヤルティの向上に努めています。その結果、2008年にフォーチュン誌で「もっとも働き甲斐のある企業」の一つに選出されました。

5-2. 【事例②】AT&T社

二社目は、同じくアメリカのIT企業「AT&T社」です。

AT&T社も顧客サービスの向上のため高い従業員ロイヤルティは不可欠であると考えており、様々な取り組みをしています。

例として挙げられるのは、AT&T社の顧客志向のチーム作りです。同社はすべての部署から寄せられる顧客サービスのアイデアの検討・検証のため、オンライン上で提案を行う専用のITシステムを構築しています。少人数の専門チームが即座に提案に目を通した上で、各アイデアの実現に向けて適切な責任者を割り振っています。

オンラインを活用することで全ての従業員が各施策の進捗状況を把握できるため、業務内容の可視化、それに伴う従業員の関心につながります。同社はこの取り組みが顧客サービスを向上させるだけでなく、社内の従業員ロイヤルティを高めるものであると考えています。

6. ビジネスにおけるロイヤルティを理解し、内と外から愛される企業に!

本記事では、ビジネスにおけるロイヤルティの意味、そしてそのメリットについて解説してきました。

社内での従業員ロイヤルティを高めることで離職率の低下を防ぎ、企業の一体化につながるだけでなく、顧客ロイヤルティの向上にも大きな影響を与えることができます。

社内で企業理念を共有し、従業員に当事者意識を持たせることが企業のこれからの課題になっていくのではないでしょうか。

人事業務に役立つ最新情報をお届け!メールマガジン登録(無料)

HR NOTEメールマガジンでは、人事/HRの担当者として知っておきたい各社の取組事例やリリース情報、最新Newsから今すぐ使える実践ノウハウまで毎日配信しています。

メルマガのイメージ

関連記事

今取り組むべき、ウェルビーイング経営:【第一回】そもそも「ウェルビーイング」とは何か?

今取り組むべき、ウェルビーイング経営:【第一回】そもそも「ウェルビーイング」とは何か?

昨今、HR界隈で大きな注目を集めているテーマが「ウェルビーイング(Well-being)」です。実際にウェルビーイング経営を掲げる企業も増えてきています。 しかし、どのような施策が効果的なのか分からず、悩んでいるケースが […]

  • 組織
  • 企業文化・組織風土
2024.10.30
松野天音
日本企業の「育て方改革」とその最前線|旭化成による人材育成「新卒学部」に関する事例発表会

日本企業の「育て方改革」とその最前線|旭化成による人材育成「新卒学部」に関する事例発表会

社会人向けオンライン学習サービスを提供する株式会社Schooは、2022年12月より旭化成株式会社若手社員の人財育成施策の一環として、新卒社員約250名を対象とした学習コミュニティ「新卒学部」の運用を支援してまいりました […]

  • 組織
  • 人材育成・研修
2024.10.29
松野天音
事例紹介③:大成建設株式会社|人事ができる“仕事と介護の両立”支援の実践ポイント#9

事例紹介③:大成建設株式会社|人事ができる“仕事と介護の両立”支援の実践ポイント#9

第6回までは、効果的な仕事と介護の両立支援の取り組み方として、経済産業省「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」のステップに沿って、それらの具体的な取り組み方法について解説してきました。 今回の第7回~第1 […]

  • 組織
  • ダイバーシティ&インクルージョン
2024.10.28
松野天音
事例紹介②:株式会社白川プロ|人事ができる“仕事と介護の両立”支援の実践ポイント#8

事例紹介②:株式会社白川プロ|人事ができる“仕事と介護の両立”支援の実践ポイント#8

本連載ではここまで、効果的な仕事と介護の両立支援の取り組み方として、経済産業省「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」のステップに沿って、それらの具体的な取り組み方法について解説してきました。 第7回~第1 […]

  • 組織
  • ダイバーシティ&インクルージョン
2024.10.22
松野天音
人材育成ロードマップとは?作成目的・手順・注意点について解説

人材育成ロードマップとは?作成目的・手順・注意点について解説

「人材育成ロードマップとは?」 「人材育成ロードマップの作成目的が曖昧になっている」​​ 「人材育成ロードマップの作り方がわからない」 上記のような悩みを抱えている労務担当者は多いでしょう。 人材育成ロードマップとは、企 […]

  • 組織
  • 人材育成・研修
2024.10.21
HR NOTE 編集部

人事注目のタグ