3年間で18倍の組織規模に成長したUPSIDER。リファラル経由の入社50%超えを実現するための取り組みとは |HR NOTE

3年間で18倍の組織規模に成長したUPSIDER。リファラル経由の入社50%超えを実現するための取り組みとは |HR NOTE

3年間で18倍の組織規模に成長したUPSIDER。リファラル経由の入社50%超えを実現するための取り組みとは

  • 採用
  • 中途採用手法

※本記事は、株式会社UPSIDERの冨士本 康平さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

こんにちは。株式会社UPSIDERで人事責任者をしている冨士本です。

私が入社した2022年の4月から1年半経過した現在、おかげさまでUPSIDERの社員数は当時の約4倍の規模になりました。

また過去3年まで遡ると、組織規模は18倍にまで拡大しており、金融やスタートアップにとどまらず、さまざまな業界・フェーズの優秀なタレントがUPSIDERに入社してくださっています。

UPSIDERでは、採用は常に最重要経営アジェンダと位置付けており、経営陣だけではなく、一人ひとりが当事者意識を持ち、全社一丸となって取り組んでいます。

そのなかで日々いろいろと試行錯誤をしながら採用活動に勤しんでいるのですが、こちらのリリースでも発表させていただいた通り、UPSIDERに入社してくださった方々の50%超は、リファラル経由での入社です。

ありがたいことに最近ではリファラル採用に関してご相談いただくことも増えてきたため、今回はUPSIDERで取り組んでいることをオープンに話させていただくことにしました。

諸先輩方からするとごくごく当たり前の内容かもしれませんが、UPSIDERと同じように採用活動に力を入れられている企業様の何らかの参考になれば嬉しいです。

執筆者冨士本 康平株式会社UPSIDER 人事責任者

1990年生まれ。2012年株式会社マクロミルへ新卒入社し、コンサルタントとして約3年間従事。大手食品メーカーを中心に、複数社のFMCG関連の大手企業を担当。商品開発及びマーケティング戦略の策定を支援。その後2015年4月株式会社Hajimariに入社。複数回の全社表彰を経て、2017年に執行役員に就任。事業統括責任者として全事業のPL責任を担い同社の数十億規模の事業成長を牽引した後、経営課題の優先順位の兼ね合いで人事統括責任者に異動。2022年4月、株式会社UPSIDERにHRマネージャーとして参画し、全社の採用活動及び組織づくりをリードし、現在は人事責任者に就任。

1.リファラル採用が企業にメリットを生む4つの理由

まず最初に、UPSIDERがリファラル採用に取り組んでいるのは、4つの理由から自社にメリットをもたらすと考えるためです。

採用コストの観点だけでなく、中長期的に組織に良い影響をもたらすことをイメージいただければと思います。

(1) マッチング率の高い候補者が集まりやすい

リファラル採用ツール「MyRefer」を提供する株式会社TalentX様によると、「リファラル採用は採用確度が高く、マッチング率が高いため離職率が圧倒的に低い」とのことです。

リファラル採用経由の応募者における採用決定率は求人広告の20倍、人材紹介の4倍ほどであると言い、さらに、採用後の離職率は他採用チャネルの入社者と比較して20%低下したというデータ(米国jobvite調べ)もあるそうです。

UPSIDERとしても近似するデータが出ており、非常に納得感があります。

リファラルのメリットに言及するシーンにおいては採用コストがたびたび語られますが、UPSIDERでは経済的コスト以上に、マッチング率が高いことによる時間的コストのインパクトが大きいと考えています。

(2) オンボーディングにかかる時間を短縮できる

オンボーディングにおいては、業務上必要な知識の吸収や経験値の積み上げだけでなく、周囲のメンバーと関係性を構築したり、組織の文化を理解したりすることも非常に重要です。むしろ後者なくしてオンボーディングは成立しないと考えています。

それにあたりリファラル経由での入社の場合は、それらにかかる時間をギュッと短縮することができます。そういった意味では前項目でも触れた時間的コストにおいて入社前後でもメリットがあるといえると思います。

(3) 課題や戦略に関しての理解が深まる

課題を解消するのも戦略を実行するのも“人”です。すなわち、どういった人材を採用したいかは、課題や戦略と密接に紐づいています。

リファラル採用というプロセスを経て、従業員が自部門については当然ながら、他部門の採用要件の情報に触れ理解を深めることで、より広範囲の課題や戦略に関して理解するきっかけに繋がると考えています。

(4) 従業員のエンゲージメントの向上

従業員が自らの推薦で新しいメンバーを迎え入れることは、組織への所属意識やエンゲージメントを高める要因になると考えています。

自分の推薦した人が組織で成果を上げることで、その従業員の幸福度やモチベーションの向上に繋がりますし、何よりリファラル採用というプロセスを経て会社について深く考え、会社について知人へプレゼンするという機会は、エンゲージメント向上に大きく寄与するものです。

LinkedInの調査でも、リファラル採用を積極的におこなっている企業は従業員のエンゲージメントが高く、これが組織のパフォーマンス向上に寄与しているとの結果が示されています。

2.リファラル採用強化のための5つの取り組み

それではここから、UPSIDERがリファラル採用を強化するためにおこなった5つの具体的な取り組みをご紹介します。

(1)採用に協力的な方、採用に貢献してくださる方を採用する

UPSIDERでは、採用への協力や貢献を採用基準の1つとして設けています。これまでのキャリアで具体的に採用活動にどのように協力し、貢献されてきたのか。

例えば自身が起業することになった際、強く誘いたいと思う方がどれくらいいて、実際にそのなかで入社してくださりそうな方がどれくらいいらっしゃるのかなど、過去やif ベースでの未来に焦点をあてながら、選考時から採用活動に対しての目線感を揃えられるように意識しています。

(2) 新入社員の入社直後に採用計画や採用状況・課題を伝え、ヘルプを求める

(1)のプロセスを経て入社した方々には入社直後に、今どういったポジションで採用をおこなっているか、どんな方に仲間になって欲しいと思っているかをしっかりコミュニケーションをとるようにしています。

また、UPSIDERでは全社で採用活動をおこなっているという文化レイヤーの話もその際にお伝えをするとともに、新入社員の方々にも「助けてください」とヘルプを求めます(UPSIDERでは、助けを求めることは全くの悪ではなく、むしろ推奨される行動です)。

(3)Longlist(リファラルリスト)を運用し、習慣へと昇華する

知人や友人、メディアやイベント登壇を見かけたなど、一緒に働きたいと思う方をGoogle スプレッドシートで作成したLonglist(リファラルリストやメモリーパレスなど、呼び方は会社様によってさまざまだと思います)にどんどん書き出してもらいます。

ポイントは以下です。

繋がりの濃淡は問わず、思いつくままに書き出してもらうこと

意外と社内の誰かが直接/間接的に繋がっていたりするので、リミッターを外して思いつくままに書き出してもらうことが大切です。

運用オーナーを配置すること

みんなに書き出してもらった未来の候補者様に対して、誰がいつ、どのようなアプローチをするのか。アプローチ済の方に対してはネクストアクションはどうするのかを管理していきます。

ディレクションする運用オーナーをアサインすることが大切だと考えており、UPSIDERではHRが運用オーナーを担っています。

運用初期は小さく濃く開始する

運用初期からいきなり全社に広げようとするのは難易度が非常に高いと考えています。

まずはリファラル採用に慣れているメンバーで小さく始めてプロジェクトを最速で盛り上げ、「なんだなんだ楽しそうなことやってんな」と周囲のメンバーにそのように感じてもらい、段々と全社に伝播してく流れをつくることが大切だと思います。

あとは各チームや部門でやっている週次ミーティングなど、機会を見つけて宣伝してもらうことも非常に重要ですね。

これらを意識して粘り強く運用を続ければ、全社単位での習慣になるのではないかと思います。(UPSIDERもまだまだですが・・・)

(4) 採用に協力・貢献してくれた従業員をしっかり評価する(=Grade定義や評価制度に組み込む)

UPSIDERでは日頃の業務成果とあわせて、採用に関する実績を独立して評価しています。

UPSIDERのみんなは、組織を強くするため、事業を前に進めるために自然と採用に協力してくれるメンバーばかりですが、制度にも組み込むことで、採用がそれだけ大切だということを経営メッセージとして明示しています。

(5)誇れる会社にすること

とにかくこれが一番です。自社の事業、組織、文化を誇れるかどうか、最終的にはここに尽きると思います。

小手先の施策をこねくり回すよりも常にここに立ち返り、ときには目を背けたくなるような事実にもしっかり向き合い改善をすることが、リファラル採用を推進するうえでは最も大切だと考えています。

UPSIDERでは重要な経営課題にそれぞれオーナーをアサインし、週次or隔週でそれらの課題を解消し、会社が前に進むためのミーティングがおこなわれています。

正直まだまだ課題だらけではありますが、こういったスピーディーな改善の取り組みやそれらの軌跡が、全社の誇らしさに繋がっているのかなと思います。

3.“人”で繋がる採用手法だからこそのマインド

以上、リファラル採用を推進するうえで、UPSIDERが全社で取り組んでいることや意識していることを書かせていただきました。

リファラル採用の魅力をお伝えしてきたものの、それ自体はメリットだけでなく、同調性が高くなるリスクがあり、また組織の状況や取り組み方次第ではリソースの観点でデメリットも伴うものだと認識しています。

採用活動の方針や手法に絶対的な正解はありません。

大切なのは、採用がいかに自社の経営戦略に貢献するものかを経営と共有し、適切な方法を選択・推進していくことだと考えます。

UPSIDERの場合は4つの理由からリファラル採用を重視し、特にこの1年さらに強化しているところです。

最後に、採用活動そのものは様々な方に支えられていることを、日頃お世話になっている方々への感謝の気持ちとともにお伝えさせてください。

UPSIDERの場合、例えば、世界最高峰の株主の方々から定期的に最高に素敵な候補者様をご紹介いただきますし、社内においては、正社員だけに留まらず業務委託の方やアルバイトの方々からも素敵な候補者様をご紹介いただきます。

HR部門だけではそもそも候補者と出会うこともできませんし、この高いリファラル採用率を実現することは到底できません。

人の繋がりで採用していく手法を選んでいるからこそ、HRの立場の人が常に関わる人たちへの感謝の気持ちを忘れずにいることもまた重要なのではないでしょうか。

私も、このご恩やご期待に応えられるよう、今後も全社で一丸となってより一層誇れる会社へと進化させて参ります。

組織を成長させていく“人”の採用に向き合っているHR界隈の皆さんに、UPSIDERのリファラル採用の取り組みが参考になれば幸いです。

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