「会えば伝わる」社員の6割がリファラル経由|独自カルチャーのもと仕掛けるCRAZYの採用戦略とは |HR NOTE

「会えば伝わる」社員の6割がリファラル経由|独自カルチャーのもと仕掛けるCRAZYの採用戦略とは |HR NOTE

「会えば伝わる」社員の6割がリファラル経由|独自カルチャーのもと仕掛けるCRAZYの採用戦略とは

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ウェディングブランド「CRAZY WEDDING」を展開する株式会社CRAZY。同社は、独自の組織カルチャーにより、全社員の6割が元お客さまを含めたリファラル採用で入社されているとのこと。

では、どのような組織カルチャーで、どのようにリファラル採用を実施しているのか。

今回は同社の採用リーダーで、リファラル採用においても旗振りをされている工藤さんのお話を伺い、そのウラガワを深堀りしていきます。

工藤 みなみ|株式会社CRAZY HR・採用リーダー

大学在学中にCRAZY WEDDINGに出会い、インターンを経て、2019年に新卒として株式会社CRAZYに入社。人はいつだって自由に、自分の生きたい人生を選べる。その信念のもと、現在は人事として、採用領域を中心に担う。また、CRAZY公式コミュニティ「CRAZY PEEPS」のコミュニティマネージャーも兼務し、人間性と経済性が両立する組織づくりに奔走している。

CRAZYのカルチャーは「自分らしさの追求」にこだわること

−本日はよろしくお願いします。まず、株式会社CRAZYの事業内容や組織の強み・特徴についてお聞かせください。当社の創業事業は「CRAZY WEDDING」というウェディングブランドです。名前の通り、ただの結婚式ではなく、世界でたった一つの結婚式をつくりあげることにこだわっているのが特徴となります。

特に、「自分の人生の素晴らしさ」や「身の回りにある愛」に気づいていけるような体験設計を大切にしています。

「人生のための結婚式」という考え方を軸に、2019年にオープンした「IWAI OMOTESANDO」という会場でもその想いを形にしています。

また、「CRAZY CAREER」や法人向けの「CRAZY CULTURE AGENCY」といった事業も展開していますが、これらも「人間関係」や「自己との関係性」にフォーカスしています。

例えばキャリア事業では、給与条件や今のスキルを起点とするのではなく「本当に描きたいキャリアは何か」という願いから始めて、それを実現する仕事を見つけていくアプローチを取っています。

また、CRAZY CULTURE AGENCYでは、組織間の関係性にアプローチするコンサルティングやイベント開催を通じて、人生や関係性がより良くなることに寄与したいと考えています。


−CRAZYさんは、組織のエンゲージメントが非常に高いと伺っていますが、企業カルチャーについても伺ってもよろしいでしょうか?
前提として、私たちは「自分の人生を生きる一人の人間」という考え方を大切にしています。

私たちが目指しているのは、「一人の人間として豊かに生きていく」というビジョンであり、社内外関係なく、すべての事業と組織がそこに向かって進んでいます。

「社内も含めた関わる人たち全員の人間らしさの追求」にこだわっているのが、CRAZYの最大の特徴であり、らしさだと考えています。

細部へのこだわりもすごく大事にしていて、言葉一つをとっても、例えば当社では「従業員」という呼び方はしません。

会社に“従って”働くのではなく、「あなたは自分の人生を生きている一人の人間で、どう生きるか、どう働くかを決めるのはあなたである」 ということを大切にしているからです。

そのような文化を重要視しているので、創業以来、毎週水曜日に2時間「カルチャータイム」という時間を設けています。これは全メンバーが対面で集まるものです。

カルチャータイムは人間性を育む時間という前提で作られている場です。

だからこそ「今どんなことを感じているか」「何に喜びを感じているか」「何に悩んでいるか」といった個人の想いの共有から始めていきます。

組織の中で仕事をする存在としてだけでなく、一人の人間として何を大切にし、何を願っているのかを全メンバーで共有し、自己発見を続けていく場となります。

ですので、「ただ会社からおりてくる目標を達成する」というのは、私たちのカルチャーにはマッチしません。あくまでも「その人の一人の人間としての介在価値」にこだわり続けるのが、CRAZYという会社なのです。

カルチャータイムの様子

「時には10回を超えることも」採用でのカルチャーマッチングの見極め

−採用時点でのカルチャーマッチングは、どの程度重視されているのでしょうか。

ここはかなり重視しています。場合によっては10回を超えて面談をおこなうこともあります

ただし、多くの面談を実施したいわけではありません。

CRAZYのカルチャーと照らし合わせたとき、応募者の方がCRAZYに入社することで、本当に人生が豊かになるのか、その人らしく生きられるのかをお互いに見極めるために、そこが明確になるまでは何度でもすり合わせしていきます。


−具体的な面談の内容についても伺ってもよろしいでしょうか?

基本的にはコーチング的なアプローチを取り、その方自身がまだ気づいていない想いや、本当にやりたいことを徹底的に深掘りしていきます。

少し抽象的な表現になりますが、「その人が本当に自分の人生を生きると決めているか」というところを見極めています。

例えば、言葉では強く意思表示していても、そのエネルギーが伴っていなかったり、言葉の裏に別の想いが隠れていそうな場合があります。

面接はそういった「表面的な言葉」と「本当の想い」の間にあるギャップを紐解いていくプロセスで、人によって時間がかかることがあります。

その中で、私たちが特に重視しているのは「勇気」です。


−「勇気」とは具体的にどういったことでしょうか。

例えば、「本当はこう思うけれど、言ったら何か問題が起きるかもしれない」という不安を超えて、大切なことを発言する勇気。

あるいは「自分はこんな人生を送りたいけれど、実現できるかわからない」という思考を超えて、その実現に向けて歩もうとする勇気。

そういった「自分の理想や願いを貫く勇気」を持っているかどうかを、時間をかけて見極めていきます。

CRAZYでの仕事の中には、勇気を出してお客さまへ本音をお伝えしたり、お客さまの願う本当の幸せのために、私たちがリーダーシップをとっていくシーンが頻繁にあり、それがCRAZYのサービスの唯一無二の価値でもあります。

だからこそ、自分自身へのリーダーシップが取れていないまま入社してしまうと、その方自身が辛い思いをすることになります。

そのため、「本当に自分の人生を歩む勇気」を、徹底的にすり合わせていきます。

「2週間で100名の人脈を創出」CRAZY流、リファラル活動

−ここからはリファラル採用についてお伺いしたいのですが、そもそもリファラルは意図的に始められたのでしょうか。それとも自然発生的なものだったのでしょうか。

もともと、リファラルが起きやすい組織であるというところに加えて、意図的に「もっとやっていこう」という形でを強化しているのが現在です。

そもそも、私たちは「CRAZYで生きることは最高だ」と全員が思っているんです。

それが自分たちにとっても、仲間にとっても最良の選択だという確信があるので、CRAZYに興味がある人から声がかかったり、素敵な人を出会ったりしたときに、メンバー自身が「CRAZY最高だよ!」と、迷いなく話せることが強みだと思っています。

つまり、リファラル採用の位置づけが、「自分の人生も、相手の人生も良くなるもの」となっています。

現在、婚礼のお客さまからの応募も含めて社員の約6割がリファラルです。興味深いのは、結婚式に参列したゲストが、式の後にすぐホームページを見て応募してくださるケースも増えていることです。

また、「CRAZY PEEPSという約120名のCRAZY公式コミュニティがあるのですが、そのコミュニティメンバーからも、4名が入社しています。


−リファラル採用において、特に大切にされていることは何でしょうか。

最も大切にしているのは「全社で取り組む」という点です。

人事だけが頑張るのではなく、全メンバーが重要なことと捉え、参加しやすい仕組みを作ることに採用チームは注力しています。

もちろんリファラル報酬制度もありますが、単なる金銭的なインセンティブや義務的な活動にはしたくなかったので、少し内容を変えています。

当社には「スーパーホリデー」という休暇制度があるのですが、リファラル報酬としてそこに5万円分のギフトを組み合わせています。

かつ、このギフトは無形の「体験」にのみ使用可能としています。例えば、家族旅行や、紹介してくれた方と一緒に特別なレストランに行くなど、自分の人生を豊かにする体験に使ってもらいたいという意図があります。

「仲間を幸せにして、自分も新しい体験ができた」という会話が生まれる。そんな報酬の仕組みを目指しています。

実際にリファラル報酬を活用している様子

 

−リファラル採用を活性化させるための、具体的な取り組みについても教えてください。
まず、全メンバーで「なぜCRAZYに入社したのか」「今のCRAZYの何が良いのか」といった本質的な問いかけから始めました。

「私はこういう理由でCRAZYに来たんだった」「CRAZYでこれぐらい幸せになったから、これは誰かを誘った方が良いな」と、各自が納得感を持ってから、採用目標を共有し、リファラル活動をお願いしています。

最近特に効果があったのは、社内を6つほどのチームに分け、影響力のあるメンバーをリーダーに任命する取り組みです。

まず、社内での人脈が広いメンバーやリファラルに積極的なメンバーをリーダーとして選定し、各チーム10人程度の小規模なグループを作りました。

そして、チーム単位で目標達成を目指す形にして、私はリーダーとコミュニケーションを取ることに注力します。

チームに分けることで、リファラル該当者が少なくて紹介が難しい方も、周囲のサポートをするなど他の形で貢献できるようになり、全社一丸で取り組むことができるようになりました。

その結果として、2週間で約100人の新しい人脈ができました

−リファラルでの応募者に対して、選考プロセスは通常と変えていますか?

基本的には変わりません。最初の面談を紹介者がおこなうことはありますが、大きな流れは同じです。あえて特別扱いはしません。

リファラル採用でよくある「不採用にすると気まずい」という課題については、事前のコミュニケーションを大切にしています。

まず前提として、CRAZYが採用において何を大切にしているのかを、紹介者と応募者の双方にしっかりとお伝えしています。

私たちの選考は、「その方の価値をジャッジする」のではなく、「ご本人の願いと、CRAZYへの参画が、このタイミングでベストマッチングかどうか」を見極めるプロセスです。

つまり、応募者自身の願いが明確になっていく過程を大切にしており、それを一緒に探求していく時間だと考えています。

このような考え方を事前に丁寧にコミュニケーションすることで、より本質的な対話ができる環境を整えています。


−チームリーダーの役割が重要になると思いますが、リーダーに動いてもらうために意識されていることはありますか?

リーダーに対しては、率直に現状を共有することを意識しています。

例えば「採用担当として頑張ってきたけれど、正直、自分だけの力では今の目標を達成できない」という状況を赤裸々に話し、「このままでは事業計画にも影響が出てしまう。みんなの力や知識を活かして一緒に達成したい」と、ありのままをお伝えすることもありました。

当社の特徴かもしれませんが、本音でのお願いにはみんな力を貸してくれるんです。

その上で、「私が全社の旗を振るから、各チームの旗振りを」と依頼し、社内のモメンタムを毎日維持することを意識しました。

当時設定したリファラル目標の100人は、たった数日間の努力では達成できない高い目標でした。だからこそ、毎日前進していることを感じられる社内の盛り上がりを作り続けることが重要だと考えました。


−具体的に、その「盛り上がり」はどのように作っていったのでしょうか?

例えば、Slackを活用して「リファラルが決まった」「こんな出会いがあった」といった情報を積極的にみんなに発信してもらいました。

「○○さんからの紹介で△△さんが応募してくださいました」「こんなアイデアを実行したら、うまくいきました」といった具合です。

毎日こうした情報を流すことで、自然とみんながリマインドされていくんです。「そうだった」「これならできそうだ」「みんながやっているなら自分も」という空気が生まれていきました。

結果として100人の新しい人脈ができ、それを称賛し合うことで「私たちってすごいかもしれない」という前向きな雰囲気が醸成されていきました。

常にどこかしらで盛り上がりを起こしていくことは重要な要素だと思います。


−リファラル採用で他に注力されたことはございますか?

2024年で最も力を入れたのが、実話を元に私たちの仕事を表現した「オリジナル短編ドラマ」の制作です。

リファラルでご紹介いただく方の傾向として、異業種・異業界の方がほとんどでした。

その方々へ、私たちがなぜ結婚式という手段を使い、何を届けているのかを知ってもらうためには、文字や静止画では伝わりにくい「感覚」も含めて、映像を通して伝えることが効果的なのではと考えました。

婚礼の仕事は「キラキラした仕事」というイメージもある一方で、私たちが大事にしているのは、「不完全さも含めた人間らしさ」です。

そういった側面も大切な要素として捉え、それらを映像を通じて伝えていきたいと考えています。

リファラルの基盤となる「組織カルチャー」をいかに磨き続けるか

−今後、リファラル採用において、さらに仕掛けていきたいことはございますか?

今回は、私が旗を振り、リーダーたちと共に一つの「リファラル成功体験」を作ることができました。

特にリーダーたちは素晴らしい変化を見せていて、様々な機会で「あそこに素敵な人がいた」といった気づきや機会を共有してくれるようになりました。

本当にリファラルが強い組織は、これを全メンバーができる組織だと思っています。

だからこそ、私たちの次の目標は、全員がリーダーと同じ視点を持ち、どんな機会でも会社をプレゼンできるような「採用に強い会社の一員」としての自覚を育むことです。

来年は今年の倍の採用目標を掲げています。もちろん、たくさん予算をかければ採用はできるかもしれません。

しかし、私たちはリファラル採用を「自分の人生も、相手の人生も良くなる活動」と捉えているからこそ、リファラルを強化する方がより幸せの総量が大きいと考えています。

本質的な動機から生まれる採用を実現していきたいですね。


−組織規模が拡大していく中で、CRAZY独自のカルチャーをどのように維持・強化していくお考えでしょうか?

実はコロナ前、90名規模だった時期に一度組織的な課題を経験しています。

特に役員やリーダー層での意見の相違が大きな要因となり、組織全体にひずみが生まれ、私たちらしさを失いかけた時期がありました。

この経験から、カルチャーの維持にはリーダーの役割が極めて重要だと実感しています。

現在は定期的に「リーダー研修」や「リーダータイム」を設け、組織の課題や今後起こりうる問題についてリーダーが当事者意識を持って事前に話し合っています。

例えば、人事制度の変更を検討する際も、「メンバーからどんな疑問が出るだろうか」「私たちの組織のカルチャーと整合性はあるか」といった議論を、リリース前にリーダー間で徹底的に議論していきます。

リーダーが確信を持って立ち続けられれば、それはメンバーにも伝わっていく。今後は特にリーダーとの合意形成に投資をしていくことで、チームが増えてもカルチャーの濃さを保っていきたいと考えています。


−最後に、リファラル採用を成功させるポイントについてアドバイスをいただけますか。

大切なのは、社内メンバーが「思わず参加したくなる施策」「思わず誘いたくなる動機」を一緒に考えることです。

単なる業務として取り組むのではなく、「本当に最高だから来てほしい」と心から言える魅力を作ること。

例えば、魅力的なイベントを企画して、まずは気軽に参加してもらうなど、メンバー一人ひとりの行動の敷居を下げる工夫が重要です。

そして、何より基盤となるのは組織のカルチャーです。私たちの場合、「会えば伝わる」という自信があるほど、カルチャーそのものが最大の武器になっています。

ですので、さきほどお話したように、今後もCRAZYらしさを失わずに磨き続けていく集団でありたいですね。

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