企業勤めを行っている方であれば、大半の方が多かれ少なかれ残業を行っていると思いますが、あまりに過度な残業は心身に大きな負担を与える可能性が高いです。
そのため会社としては、長時間労働が常態化している従業員に対して、面接指導を行う悲痛用があります。
ただ、労働時間がどれくらいのラインに達している従業員を対象にするのか、面接指導をスムーズに行うためにはどのような点に注意すればよいのか、ということにお困りの担当者の方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、長時間労働者に対して面接指導を行う目的・必要性や面接指導をスムーズに実施するために企業が行うべきこと、面接指導の対象者と基準などについて説明します。
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残業時間の削減するにも、残業時間を管理するにも、まず残業時間を可視化することが大切です。 そもそも残業時間が各従業員でどれくらいあるのかが分からなければ、削減しなければならない残業時間数や、対象の従業員が誰かが分からないためです。
現在、残業時間を正確に把握できていないなら、勤怠管理システムを導入して残業時間を可視化することをおすすめします。 具体的な残業時間数が把握できるようになったことで、残業の多い従業員とそうでない従業員を比較して長時間労働の原因をつきとめ、残業時間を削減した事例もあります。
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目次
1. 「長時間労働」と「面接指導」について
会社は就業規則や個別の労働契約によって、労働者の労働時間を定めており、そこで定められている労働時間を「所定労働時間」と言います。
所定労働時間は労働基準法で、「1日8時間、1週間40時間まで」という制限が設けられていますが、それを超えて働く場合はいわゆる「残業」という形になります。
残業があまりにも長時間にわたると、労働者の心身に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、会社は必要に応じて、労働者に対して医師による面接指導を行わなければなりません。
2. 長時間労働者に対して面接指導を行う目的と必要性
上述したように、長時間労働は労働者の心身に対して悪影響を及ぼす可能性があり、とくに脳や心臓の疾患の発症リスクが高まるとされています。
そういった疾患が発症してしまう前の予防が、面接指導の主な目的として挙げられます。
従業員の労災認定に至った事案の多くには、長時間労働が常態化していたケースが多く見られます。
従業員が過労死などに至った場合、人材的な損失がもちろん発生しますが、それだけではなく「長時間労働を従業員に強いていた」というような噂が横行してしまうことにより、社会的信用を失墜させてしまう可能性もあるでしょう。
ほかにも、労働基準監督署による労災認定の結果、書類送検が行われたり、訴訟を行われることによって会社名が公表されて刑事罰が科されたり、といったリスクも存在します。
BtoBであれBtoCであれ、そのような会社の商品やサービスは敬遠されやすくなるでしょうし、今後の採用活動に影響を及ぼす可能性も高いです。
上述したようなあらゆるリスクを回避するためにも、長時間労働者に対して面接指導を行う必要があるのです。
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関連記事:残業問題とは|残業時間削減に向けた対策・取り組みの注意点まとめ
3. 面接指導をスムーズに実施するために企業が行うべきこと
面接指導をスムーズに実施するために企業が行うべきこととしては、主に以下のようなことが挙げられます。
- 従業員自身に労働時間に関する情報を通知する
- 当該従業員に関する作業環境や労働時間などの情報を産業医に提供する
- 面接指導を行った産業医に意見聴取を行い、必要と認める場合は適切な事後措置を実施する
それぞれについて、詳しく説明します。
3‐1. 従業員自身に労働時間に関する情報を通知する
長時間労働が続いていると、従業員が自分自身の置かれている状況を適切に認識することが、困難になることも考えられます。
そのため、従業員自身に労働時間に関する情報を通知することは、非常に重要です。
とくに「1ヵ月あたりの残業・休日出勤の時間が80時間を超える」というのは、産業医面談を行うべきひとつの目安となるので、必ず通知することを心がけましょう。
3-2. 当該従業員に関する作業環境や労働時間などの情報を産業医に提供する
産業医が適切に判断を下すためには、面談を行う従業員に関する情報をきちんと把握しておく必要があります。
そのため、産業医に対して従業員の作業環境や労働時間、休日出勤の日数などの情報を提供しなければなりません。
3-3. 面接指導を行った産業医に意見聴取を行い、必要と認める場合は適切な事後措置を実施する
産業医面談は、長時間労働によって従業員の心身に負担がかかりすぎることを避けるために必要な措置です。
ただし、産業医面談は目的ではなくてあくまでも手段であり、産業医面談を経てその後の労働環境が改善されなければなりません。
産業医に意見聴取を行い、必要と認める場合は適切な事後措置を実施することで、従業員に対する周知にもつながりますし、今後必要であれば産業医面談を受けようと判断する従業員も増えるでしょう。
4. 面接指導の対象者と基準
上述したように、「1ヵ月あたりの残業・休日出勤の時間が80時間を超える」というのは、面接指導を行うべきひとつのラインです。
ただし、雇用形態によって働き方が違うようなケースもあるので、すべての従業員にこの基準を適用すればよいというわけでもありません。
面接指導の対象者と基準に関しては、以下に挙げるようなケースに当てはまるかどうかで考えるとよいでしょう。
- 月80時間超の時間外・休日労働を行い、疲労の蓄積が認められて面接指導を申し出た
- 研究開発業務従事者は、上述した条件に加えて、月100時間を超える時間外・休日労働を行った
- 高度プロフェッショナル制度適用者は、1週間あたりの健康管理時間(*)が40時間を超えた場合、その超えた時間について月100時間を超えて行った
(*)職場にいた時間 + 職場外で労働した時間
最初のケースでは「面接指導を申し出た」という条件が含まれているのに対して、それ以外のケースでは含まれていないことから、申し出の有無に関わらず基本的に面接指導を行う必要があるということに、注意しておきましょう。
5. 産業医面談は従業員および企業の双方を守るために必要
長時間労働の常態化は、従業員の心身に大きな負担を及ぼす可能性が高いです。
また、長時間労働によって従業員が過労死などに至った場合、企業としても人的損失が発生するだけでなく、社会的信用の失墜や採用活動への影響など、さまざまな方面でのリスクが考えられます。
従業員と企業の双方を守るために、長時間労働を行っている従業員に対しては、適切なタイミングで産業医面談を行うことを心がけましょう。

残業時間の削減するにも、残業時間を管理するにも、まず残業時間を可視化することが大切です。 そもそも残業時間が各従業員でどれくらいあるのかが分からなければ、削減しなければならない残業時間数や、対象の従業員が誰かが分からないためです。
現在、残業時間を正確に把握できていないなら、勤怠管理システムを導入して残業時間を可視化することをおすすめします。 具体的な残業時間数が把握できるようになったことで、残業の多い従業員とそうでない従業員を比較して長時間労働の原因をつきとめ、残業時間を削減した事例もあります。
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