「若手社員が早期に離職する原因は?」
「若手社員の離職による企業側の損失は?」
「若手社員の離職防止策が知りたい!」
若手社員の早期離職が多く、上記のような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
若手社員が離職する主な原因は、雇用条件に関する認識の相違です。若手社員が離職すると、企業側にさまざまな損失が発生します。企業の人事・採用担当者は離職の原因を理解したうえで、離職防止策を検討しなければなりません。
本記事では若手社員の離職に関する原因を解説したうえで、離職防止策について詳しく解説します。また定着率を向上させる取り組み事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
福利厚生を充実させることは採用・定着にもつながるため重要ですが、よく手段としてとられる賃上げよりも低コストで従業員満足度をあげられる福利厚生サービスがあることをご存知でしょうか。
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1. 若手社員の離職に関する基本情報
若手社員の離職に関する基本情報は以下のとおりです。
- 新卒の3割以上は入社後3年以内に離職している
- 離職率が最も高いのは宿泊・飲食サービス業
各項目について詳しく解説します。
1-1. 新卒の3割以上は入社後3年以内に離職している
令和2年度3月卒業者の離職状況によると、新卒の3割以上が入社後3年以内に離職しています。大卒の離職率は32.3%、高卒の離職率は37%です。
大卒の離職率32.3%のうち、10.6%は入社してから1年以内に離職しています。なお高卒は離職率37%のうち、15.1%が入社後1年以内に離職している結果です。
参考:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)|厚生労働省
1-2. 離職率が最も高いのは宿泊・飲食サービス業
新卒の離職率が最も高い業種は、宿泊・飲食サービス業です。高卒は62.6%、大卒は51.4%と新卒社員の半数以上が3年以内に離職しています。
次に新卒の離職率が高い業種は生活関連サービス・娯楽業であり、高卒は57%、大卒は48%です。宿泊・飲食サービス業と同じように、学歴を問わず離職率が高い傾向であることが確認できます。
参考:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)|厚生労働省
2. 若手社員が離職する主な原因
若手社員が離職する主な原因として、雇用条件に関する認識の相違が挙げられます。
若年者雇用実態調査によると、離職理由として「労働時間・休日・休暇の条件」と回答した方は30.3%でした。続いて多かった離職理由として「人間関係の構築」が26.9%、「賃金の条件」が23.4%です。
雇用条件については採用する際に伝えているものの、企業と社員では認識に相違があると考えられます。早期離職を防ぐためには、入社前のコミュニケーションを図り、企業の人事・採用担当者のサポートを徹底しなければなりません。
参考:平成 30 年若年者雇用実態調査の概況|厚生労働省
3. 若手社員の離職による企業側の損失
若手社員の離職による企業側の損失は以下のとおりです。
- 採用費の損失
- 既存社員の業務増加
- 企業イメージの低下
それぞれの概要について詳しく解説します。
3-1. 採用費の損失
リクルート社の就職みらい研究所が公表した資料によると、新卒採用費は一人につき93.6万円かかるとされています。入社後すぐに活躍することは難しく、早期に離職されると採用にかかった費用を回収できません。
また人材を補充する際も、新たな採用費をかける必要があります。企業によっては年間の予算が明確に決められているため、予算が少ないと人材の補充もできません。採用費を無駄にしないためにも、若手社員の早期離職を防ぐことが大切です。
3-2. 既存社員の業務増加
既存社員の業務増加も、若手社員の離職による企業側の損失です。既存社員の業務量が増加すると作業効率が低下したり、残業が増えたりする原因につながります。
また業務意欲が低下することで、離職希望者が増える可能性もあります。離職の連鎖を発生させないためにも、若手社員の定着率を向上させる取り組みが必要です。
3-3. 企業イメージの低下
企業イメージの低下も、若手社員の離職による企業側の損失です。離職率が高いと雇用条件や待遇が悪いと思われるため、新卒や中途の応募数が低下する可能性があります。
求人の応募数が低下すると必要な人材を確保できず、人手不足を解消できません。企業イメージを低下させないためにも、早期離職を防ぐ対策が必要といえます。
4. 人事・採用担当が取り組むべき若手社員の離職防止策
人事・採用担当が取り組むべき若手社員の離職防止策は以下の3つです。
- 採用前に企業情報や雇用条件を明確に伝える
- 内定者フォローアップを強化する
- 人事評価を見直す
それぞれの防止策について詳しく解説します。
4-1. 採用前に企業情報や雇用条件を明確に伝える
若手社員の離職防止策として、採用前に企業情報や雇用条件を明確に伝えましょう。企業の経営理念だけでなく、事業内容や今後の展望まで伝えられると、入社後のキャリアプランを描きやすいです。
また雇用条件を正確に伝えることで、企業と社員の認識をすり合わせられます。給料や業務内容だけでなく、働き方や有給取得の方法まで細かく伝えられると、入社後のミスマッチも発生しにくいです。
4-1. 内定者フォローアップを強化する
内定者のフォローアップを強化することも、若手社員の離職防止につながります。内定者フォローアップとは、内定辞退の回避や早期離職を防ぐための施策のことです。
主な施策内容として入社前に既存社員との座談会をおこなったり、内定者研修を実施したりします。定期的に内定者と交流することで企業や業務に対する不安を取り除き、入社後のコミュニケーションもとりやすいです。
4-3. 人事評価を見直す
人事評価を見直すことも、若手社員の離職防止につながります。厚生労働省の若年者雇用実態調査では、離職する原因として「賃金の条件がよくない」と回答した方は23.4%でした。
参考:平成 30 年若年者雇用実態調査の概況|厚生労働省
たとえ働きやすい会社だとしても賃金の条件がよくなければ、生活を維持することはできません。社員が生み出した結果を給料に反映できるように、人事評価の制度を見直しましょう。
以下の記事では人事評価制度のつくり方や導入手順についてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
【関連記事】人事評価制度とは?目的やメリットデメリット、つくり方を徹底解説!
5. 若手社員が定着する取り組み事例
若手社員が定着する取り組み事例を3つ紹介します。
- 定着率向上のために労働環境の改善を図った小売業A社の事例
- 採用数アップのために採用活動を改善した食品製造業B社の事例
- 長期キャリアを見据えて人事評価制度を導入した学習支援C社の事例
5-1. 定着率向上のために労働環境の改善を図った小売業A社の事例
小売業A社では若手社員(入社3年目未満)の定着率が低く、長時間労働や有給休暇が取得しにくい問題を抱えていました。定着率向上のため、就業条件の見直しや有給取得ガイドラインの設定など労働環境改善に取り組みます。
労働環境の改善を図った結果、有給取得が大幅に改善され、残業時間も改善の傾向が見られました。引き続き若手社員の定着率向上のため、ES(従業員満足度)の改善に努めています。
5-2. 採用数アップのために採用活動を改善した食品製造業B社の事例
食品製造業のB社では若手社員の採用数が目標達成できず、内定者辞退などの問題を抱えていました。採用数アップのため、学生と直接話す機会を増やし、雇用条件について正直に伝えるなどの採用活動の改善に取り組みます。
採用活動の改善を図った結果、目標を大きく上回る人数を採用でき、内定承諾率も改善の傾向が見られました。今後は社員研修の内容を見直し、若手社員同士のつながりや自主性の向上を図る取り組みをおこなうとのことです。
5-3. 長期キャリアを見据えて人事評価制度を導入した学習支援C社の事例
学習支援C社では店舗拡大による社員の増加や、企業と社員の評価に対するズレが発生している問題を抱えていました。社員が自社で長期キャリアを形成できるよう、人事評価制度の導入に取り組みます。
人事評価制度を導入した結果、社員の業務に対するモチベーションの向上や資格取得の向上につながりました。引き続き人事評価を運用しつつ、社員が日常レベルで意識的に行動できるように改善を続けるとのことです。
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