入社手続きには、年金手帳や雇用保険被保険者証など、多くの必要書類が必要です。また、社会保険や雇用保険など、届出の提出期限が設けられている加入手続きもあるため、適切で迅速な処理が求められます。
今回は、入社手続きに必要な書類一覧と手続きの流れ、覚えておきたいポイントを解説します。
入社手続きは確実に対応する必要がありますが、社会保険の資格取得手続きや雇用契約の締結など対応しなくてはならない項目が多く、漏れや遅れが発生してしまうこともあるのではないでしょうか。
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目次
1. 必要な書類
入社手続きをおこなうには、企業が準備したり、採用内定者から次のような書類を提出してもらったりする必要があります。
1-1. 年金手帳
厚生年金の加入手続きには、年金手帳に記載されている「基礎年金番号」必要です。年金手帳の保管は「本人」「企業」どちらでも構いません。従業員自身が保管する場合は、一度原本を提出してもらい、企業側がコピーを取ったのち返却します。企業が保管する場合は、従業員から原本を預かり、退職する際に返却します。
採用内定者が年金手帳を紛失していた場合は、管轄の年金事務局で再発行の手続きを行ってもらいましょう。
1-2. 雇用保険被保険者証
中途採用の従業員で、以前雇用保険に加入経験がある場合は、雇用保険の資格取得手続きに「雇用保険被保険者番号」の確認が必要です。雇用保険被保険者証を提出するように伝えましょう。
1-3. 源泉徴収票
前の職場を退職後、同じ年度に自社に中途採用された従業員に対しては、年末調整のために源泉徴収票を提出してもらう必要があります。
源泉徴収票は、前職場を退職時に渡されているはずですが、もし受け取っていない、または紛失してしまったという場合は、前の職場に再発行してもらうよう伝えましょう。
1-4. 扶養控除等申告書
税金関係の手続きをおこなう際に必要です。配偶者や扶養家族の有無を確認し、源泉徴収する所得税を算出します。
企業側で扶養控除等申告書の用紙を用意し、採用内定者に必要事項の記入と押印をもらったうえで提出してもらいます。
採用内定者に配偶者や扶養家族がいない場合でも提出が必要です。
1-5. 健康保険被扶養者異動届
扶養義務がある親族が持つ採用内定者の場合、社会保険の手続きに健康保険被扶養者異動届が必要です。届出は企業が用意し、必要事項の記入と捺印が済んだものを提出してもらいましょう。
1-6. 給与振込先の届書
従業員の給与振込先として、金融機関の口座番号を確認するために必要な書類です。
企業が用意した届出に、指定金融機関の支店名・店番号・口座番号・口座の名義人など、必要事項を記入したうえで提出してもらいます。
企業によっては、通帳のコピーを提出してもらう場合もあります。
2. 企業によっては提出が必要な書類
企業によっては、次のような書類を提出してもらう必要があります。
2-1. 入社誓約書
企業が定めた就業規則や機密保持・守秘義務などを記載した契約書に、遵守を先生する証として署名捺印して提出してもらいます。
2-2. 雇用契約書
雇用契約書は、勤務時間や給与、休日など、労働条件について明記された書類です。契約を取り交わした証拠として、使用者(企業)と労働者(従業員)が署名捺印し、使用者が保管します。
2-3. 住民票記載事項証明書
住民税に関する手続きをおこなう際に使用します。採用内定者の住所が履歴書と同じであることを確認します。
2-4. 身元保証書
柔魚員が故意や過失によって企業に損害を与えたとき、その賠償ができない場合、連帯して賠償責任を負う身元保証人が必要です。身元保証書は、その約束として、身元保証人の署名捺印をもらうために必要な書類です。
一般的には従業員の両親をたてることが多いですが、企業ごとに細かい条件を設けることも可能です。
2-5. 健康診断書
採用内定者の健康状態を把握するために、入社前3ヵ月以内、または入社後3ヵ月以内の健康診断書を提出してもらいます。
労働安全衛生法では、使用者(企業)が労働者(従業員)に対して「雇い入れ時の健康診断」を実施することが義務付けられています。
企業は健康診断をおこなう病院と日時を指定し、採用内定者に定められた検査項目を全て受けてもらう必要があります。
2-6. 従業員調書
人事管理をするための書類です。採用内定者の個人情報を記入して提出してもらいます。最近では提出を求める企業も少なくなり、履歴書が代用されることが増えています。
2-7. 卒業証明書・卒業見込証明書
履歴書に記載されている学歴が正しいものかどうかを確認するため、主に新卒、第2新卒の採用内定者に提出してもらう書類です。
2-8. 免許・資格関連の証明
特定の免許や資格の取得を採用条件としている場合、または資格手当が発生する場合、免許や資格を保有していることを証明する書類を提出してもらいます。
3. 企業が入社手続きをおこなう流れを解説
入社手続きの基本的な流れは次のとおりです。
- 入社手続きの案内を郵送またはメールで通知する
- 必要書類を提出してもらう
- 法定三帳簿(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿)を作成する
- 社会保険(健康保険・厚生年金)の加入手続きをおこなう
- 特別徴収の場合は住民税の申告手続きをおこなう
労働者名簿・賃金台帳・出勤簿は、労働基準法によって作成と保管(原則3年間)が義務付けられている書類で、法定三帳簿と呼ばれています。
新入社員を採用した際は、まずこれらの書類を必ず作成しましょう。
社会保険の加入条件を満たしている場合は、所轄の年金事務所や健康保険組合等に「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」を提出し、社会保険の加入手続きを行います。
雇用保険の加入手続きは、管轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。
従業員が住民税の特別徴収を希望した場合は、納税先の市町村に「給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届書」を提出し、申告手続きをおこないましょう。このほかにもあわせておこなうべきことを確認しておくことで、もれなくスムーズな入社手続きをすることができます。当サイトでは、入社手続きの流れとおこなうべきことをまとめたマニュアルを無料で配布しています。漏れや遅滞なく入社手続きをおこないたい方は、こちらから資料をダウンロードして、ご活用ください。
4. 入社手続き書類でよくある失敗例やお悩みポイント
入社手続きに必要な書類を集める際に注意しなければならないのが、社会保険や雇用保険の手続きが書類の提出期限がある点です。「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」の提出期限は雇用開始から5日以内、「雇用保険被保険者資格取得届」の提出期限は雇用した月の翌月10日までと定められています。
たとえば、雇用保険の手続きが遅れて期限を過ぎてしまった場合、雇用を開始した日から手続きを行った日までの期間の賃金台帳と出勤簿と、遅延理由書を作成して提出しなければなりません。
手続きが遅れてしまうと余計な業務が増えるだけでなく、従業員の生活にも影響を与えてしまうため、迅速な対応が求められます。
5. 必要書類や業務フローを把握し入社手続きをスピーディーに行おう
入社手続きは、社会保険や雇用保険、税金関係の手続きなど、新入社員に生活に関わる手続きが多いため、迅速かつ適切な対応が必要です。
しかし、手続きには必要な書類が多く、新卒採用時期などは多くの採用内定者の手続きに対応しなければならないため、担当者に大きな負担がかかるでしょう。
入社手続きを適切に、スピーディーにおこなうには、必要書類や業務フローを把握し、提出期限がある手続きを優先的に処理しましょう。電子化システムを導入することで、業務を効率化することが可能です。
入社手続きは確実に対応する必要がありますが、社会保険の資格取得手続きや雇用契約の締結など対応しなくてはならない項目が多く、漏れや遅れが発生してしまうこともあるのではないでしょうか。
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