モチベーション3.0とは?要約やメリットを1.0と2.0と比較してわかりやすく解説! |HR NOTE

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モチベーション3.0とは?要約やメリットを1.0と2.0と比較してわかりやすく解説!

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モチベーション3.0とは「内発的動機づけ」ともよばれ、長期間にわたって従業員のモチベーションを維持させるためにも重要な考え方として注目されています。この記事では、モチベーション3.0の要約を紹介したうえで、モチベーション3.0の特徴やメリットをモチベーション1.0、モチベーション2.0と比較してわかりやすく解説します。

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1. モチベーション3.0とは?

モチベーション3.0とは、2009年にアメリカの作家ダニエル・ピンク氏が提唱した新しいモチベーションの概念を指します。ここでは、モチベーションとは何か説明したうえで、モチベーション3.0の要約を紹介します。

1-1. モチベーションとは?

モチベーションとは、物事を実施するにあたっての動機や意欲、やる気などを意味します。従業員の仕事へのモチベーションは、会社の生産性に大きな影響を与えます。従業員のモチベーションが高ければ、仕事に意欲的に取り組むようになり、労働生産性が向上します。また、エンゲージメントも高まり、離職率の低下や採用コストの削減にもつながります。

このように、従業員のモチベーションは企業経営において重要な要素の一つです。しかし、どのようにモチベーションを維持すればよいかわからないという人も少なくないでしょう。そこで役に立つのが、モチベーション3.0の考え方です。

関連記事:モチベーションとは?従業員のモチベーションの高め方をご紹介

1-2. モチベーション3.0の要約

著書において、外発的動機付け(モチベーション2.0)だけでは、モチベーションは長続きしないことを説明し、新たなモチベーションの在り方(モチベーション3.0)について紹介しています。モチベーション3.0とは「内発的動機付け」を指します。内発的動機付けとは、報酬や評価といった外側からの影響に関係なく、人間の内側から沸き起こる興味・関心や意欲によって動機付けされている状態のことです。

具体的には「自分がやりたいからやる」「自分自身のスキルアップのために頑張る」といったものが、内発的動機付けとして挙げられます。趣味に没頭するような感覚と考えるとわかりやすいかもしれません。モチベーション3.0を持った従業員は、誰にやらされているのでなく、自分がやりたいから仕事をします。そのため、外部の影響によって左右されず、長期にわたってモチベーションは維持されます。このように、モチベーション3.0を導入できれば、従業員のモチベーションは高い状態で長く維持され、仕事において高いパフォーマンスが発揮されます。

2. モチベーション3.0と1.0・2.0との比較

モチベーション3.0が登場するまでの前段階に、モチベーション1.0とモチベーション2.0があります。ここでは、モチベーション1.0、2.0を紹介したうえで、なぜモチベーション3.0が注目されているのかを解説します。

2-1. モチベーション1.0とは?

モチベーション1.0とは「生理的動機付け」を指します。生理的動機付けとは、生命を維持するために必要な動機付けのことです。たとえば、「飢えを凌ぐために食事をする」「パフォーマンスを維持するために睡眠をする」といったものが、生理的動機付けとして挙げられます。つまり、生存本能から沸き起こる意欲ややる気がモチベーション1.0になります。

2-2. モチベーション2.0とは?

モチベーション2.0とは「外発的動機付け」を指します。外発的動機付けとは、報酬や罰則など、外部からの働きかけによって動機付けされる状態のことです。たとえば、「昇進や昇給のために仕事を頑張る」「ペナルティを受けないために遅刻・早退をしない」といったものが、外発的動機付けとして挙げられます。モチベーション2.0は「飴と鞭(アメトムチ)」という表現で代用されることもあります。

2-3. モチベーション2.0の問題点

モチベーション2.0を活用すれば、一見すると、高いモチベーションを維持することができると考えられるかもしれません。従来はモチベーション2.0の考え方を採用して、モチベーションの維持や向上を図っていました。しかし、モチベーション2.0の「外発的動機付け」には、次のような問題点があると指摘されています。

  • 自律性がない
  • 外発的動機付けには慣れが生じる
  • 創造性が損なわれる
  • 短期思考に陥りやすくなる
  • 手段を選ばなくなる など

モチベーション2.0(外発的動機付け)は、モチベーション3.0(内発的動機付け)のような自律性がありません。たとえば、賃金・給与が下がると、それに伴いモチベーションも低下してしまいます。また、望んでいた報奨を受け取ったしても、それに慣れ、より高い報奨を望むようになり、際限がありません。さらに、目の前の報奨を受け取ることに必死になるので、長期的な思考を妨げ、不正が生じるリスクも高まります。このようなモチベーション2.0の問題点を受けて、従業員の自主性が育ちやすく、長期間に渡りモチベーションを継続させられるモチベーション3.0に注目がされるようになっています。

2-4. モチベーション3.0が注目されている理由

モチベーション3.0が注目されるようになった背景には、急激な社会情勢や会社組織の変化があります。今まで人の力でしていた単純作業が、急速にAIや機械に置き換えられているのも急激な変化の一部分です。これからの社会では、人間にしかできないより創造性のある仕事をすることが求められています。

従業員が単純作業をするだけなら、企業はモチベーション2.0を活用すれば十分な成果が得られました。しかし、モチベーション2.0の外発的動機付けは、自身の欲求を満たすことだけを考えやすくなる側面があります。新しい挑戦や価値提供への興味が低下し、創造性は失われやすくなります。企業が変化の激しい時代を生き残るためには、新しい挑戦ができる創造性に富んだ人材が必要です。現代社会に適したモチベーションコントロール方法として、モチベーション3.0が注目を集めているのです。

3. モチベーション3.0の3大要素

モチベーション3.0の特徴には「自律性(自主性)」「成長(熟達)」「目的」の3要素があります。ここでは、モチベーション3.0の3大要素それぞれについて詳しく紹介します。

3-1. 自律性(自主性)

モチベーション3.0の3大要素の一つは「自律性(自主性)」です。自律性があると、他の誰かから指示を受けなくても、自分の意思で課題解決のために主体的に行動することができます。なお、自律は独立と異なり、周囲の人々と助け合える関係性を持てることも特徴です。

3-2. 成長(熟達)

モチベーション3.0の3大要素の一つに「成長(熟達)」もあります。モチベーション3.0の成長(熟達)とは、自分の立てた目標の達成を目指して日々励むことです。また、自分の能力を向上させることで、目標に近づけるという強い意志を持っていることも特徴です。

3-3. 目的

モチベーション3.0における最後の要素として挙げられるのが「目的」です。モチベーション3.0の目的とは、自分だけの利己的な目的でなく、社会貢献や組織成長、仲間の手助けといった利他的な目的であるという特徴があります。モチベーション2.0のように、より高い報酬を得たり、評価されたりするなどの目的とは異なる点に注意が必要です。

4. モチベーション3.0を取り入れるメリット

企業にモチベーション3.0を取り入れることで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、自社にモチベーション3.0を取り入れるメリットについて詳しく紹介します。

4-1. 個々の本質的な目的や目標が明らかになる

従来のモチベーション2.0までの概念では、報酬や周囲からの評価など自分の欲を満たすことがやる気の根源となっていました。「より高い報酬」「より高い評価」を得ることに重きを置くため、本質的な目的や目標を見失ってしまい、不必要な競争などが生み出され、組織の成長の妨げとなります。

モチベーション3.0を取り入れることで、従業員は「自分がやりたいからやる」「自分が成長したいからやる」という考え方で仕事をするようになります。そのため、本当に自分や組織が目指したいことにフォーカスして仕事に取り組むことができるようになります。

4-2. 長期間モチベーションを維持できる

モチベーション2.0までの考え方では、外部環境を常にコントロールしていなければ、モチベーションを維持することが難しいです。また、従業員は外部からの刺激に慣れてしまうため、長期間にわたって働く意欲を継続させることは困難といえます。

モチベーション3.0の考え方を取り入れれば、外部環境が変わったとしても、自分の中にある強い意志に基づいて仕事に取り組むようになるため、長い期間モチベーションを維持させることが可能です。

4-3. クリエイティビティが高まる

単純作業は人の手からAIや機械にシフトしていく時代においては、クリエイティビティ(創造性)が重視されます。モチベーション2.0までの考え方では、報奨が目的になるため、自主的に何かを生み出そうという考えに至らず、創造性に欠けます。モチベーション3.0の考え方を取り入れることで、目標達成のために主体的に行動するようになるので、自分で考えて判断する機会が増え、新しいアイデアが生まれる可能性も高まります。

5. モチベーション3.0を活用する方法

モチベーション3.0の概念を活用することで、長期間にわたって従業員のモチベーションを維持できる環境を作り出すことができます。ここでは、モチベーション3.0を活用する方法について詳しく紹介します。

5-1. モチベーション1.0と2.0を満たす

モチベーション3.0は、モチベーション1.0と2.0の上位概念であるので、まずモチベーション1.0と2.0を満たしている必要があります。モチベーション1.0の生理的動機付けを満たすためには、労働基準法などの法律に基づき、適切に労働時間や休憩時間、休日などを管理することが大切です。

モチベーション2.0の外部的動機付けを満たすためには、賃金・給与や福利厚生などの従業員のやる気に直結する制度を整備することが重要です。また、社内ルールに反した場合の罰則なども定めておくことで、内部統制を強化することができます。このように、モチベーション3.0を取り入れる前に、モチベーション1.0と2.0が満たされているかチェックしましょう。

関連記事:労働時間とは?労働基準法が定める上限や休憩時間、計算方法を解説!

5-2. 従業員自身に目標を決めてもらう

モチベーション3.0の特徴の一つである「成長(熟達)」の環境を作り出すには、自分の取り組んでいることに価値が見出せる状態を作る必要があります。そのため、目標を設定する際は、まず従業員自身で決めてもらうようにしましょう。会社から一方的に目標を与えてしまうと、当事者意識が生まれず、やりがいや責任感を感じられないために内発的動機付けにつながりません。一方、自分で定めた目標であれば、責任を感じながら、主体的になって取り組むことができるようになります。

5-3. 適切な裁量を与える

モチベーション3.0の特徴の一つである「自律性」を養うには、仕事において適切な裁量を与えることが大切です。すべてを管理してしまうと、自分で考えることを放棄してしまい、賃金・給与だけのために頑張るという従業員が発生する可能性があります。従業員のレベルにあわせて裁量を広げていくことで、自分で判断して業務をするようになり、自律性が育まれます。また、自分で考えて仕事が上手くいった経験は成功体験となり、良い意味でモチベーションが高まっていきます。

5-4. 働き方の選択肢を作る

従業員の自律性を引き出すには、働き方の自由度を高めることも大切です。会社が与えた働き方のみで働く場合、自分で考えることを忘れてしまい、自律性を養うことができません。フレックスタイム制や裁量労働制、テレワークなど、自分で労働時間や労働環境を選べる仕組みを採用することで、「自分がどのように働きたいか」を考えて選択するようになり、従業員の意思が仕事に反映されるようになります。

6. モチベーション3.0を取り入れて組織を活性化させよう!

モチベーション3.0とは「内発的動機付け」のことで、人間の内側から生まれる感情や意欲などに基づいて作られる動機付けのことです。モチベーション3.0を取り入れることで、長期間にわたって従業員のモチベーションを維持することができるようになります。モチベーション3.0を作り出すためにも、「自律性(自主性)」「成長(熟達)」「目的」の3大特徴を押さえたうえで、職場環境を整備しましょう。

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