月またぎの振替休日を処理する手順と注意点を徹底解説 |HR NOTE

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月またぎの振替休日を処理する手順と注意点を徹底解説

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月またぎの休日

振替休日は、休日と出勤日を交換して休日を取得する制度ですが、月またぎがある場合には、処理手順に注意が必要です。

今回は、振替休日の月またぎについて、月をまたいでしまった場合の処理手順や注意点などを中心に解説していきます。

関連記事:振替休日の基本的な部分を休日の定義や条件とあわせて詳しく紹介

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1. 振替休日の月またぎとは

飛び越えるひと

振替休日の月またぎとは、休日出勤による振替をおこなう際、月をまたいで振替休日を取得することを指します。また、給与の締め日をまたいで振替休日を取得する場合も、振替休日の月またぎと同じ扱いとなります。

振替休日が月をまたぐこと自体に問題はないのでしょうか。本章では、振替休日が月をまたぐ場合について説明します。

1-1. 振替休日を月またぎで取得させることに問題はない?

振替休日を月またぎで取得させること自体に法律上の問題はありません。振替休日はあらかじめ労働日と休日を交換するものなので、振替休日に取得期限という概念はありません。ただし、振替休日を設定できる日は、原則休日労働した日から2年の間となっています。労働基準法115条「賃金その他の請求権の時効」によって、2年間で振替休日の取得が時効を迎えるとされているからです。

振替休日を設定できるのは休日労働から2年間という側面からみても、月またぎの振替休日の取得は、特に問題のあるケースではありません。

1-2. 月またぎの振替休日取得は給与計算で注意が必要

前述のとおり、月またぎの振替休日取得は問題ないものとなっていますが、月またぎで振替休日を取得させた場合は給与計算をする際に注意しなければならない点があります。

次章で詳しく説明しますが、振替休日は、原則として同一の賃金支払期間内に設定する必要があるため、給与の締め日を超えて振替休日を設定する場合は、締め日までに一旦給与を支払い、休日を取得した後で控除をしなければなりません。

従業員の健康や振替休日の長期化を避けるという意味でも、振替休日を月またぎで取得しなくて済むよう、休日出勤をした日から近い日に休日を設定するようにするのがおすすめです。

2. 振替休日を月をまたいで取得させたい際の処理手順

処理の手順

振替休日が月をまたいでしまった場合の処理手順は、以下の通りとなります。

2-1. 休日出勤した給与を支払う

まず、休日出勤した場合には、勤務分に対する給与の支払いをしなければなりません。

振替休日の場合、結果的にあとで休日を取得させる形となるため、勤務分の給与との相殺をできるように思えますが、法的には取得していない休日と勤務分の給与とは相殺できないことになっています。

そのため、休日出勤した分の給与については、割増賃金を含め締め日前に一旦支払いをします。

ただし、この処理は、月またぎで振替休日を取得する場合に限ります。給与の締め日までに休日出勤と振替休日の取得をする場合には、特に処理すべきことはありません。

2-3. 休日取得後に控除をおこなう

月をまたいで振替休日を取得したあと、休日を取得した月から休日分の給与を控除します。

原則として、給与を控除できるのは、基本給にあたる部分となり、時間外労働等で発生した割増支払い分については対象外となりますので、給与計算をおこなう際には注意しましょう。

なお、振替休日については、法定休日に出勤した場合であっても休日手当の支払いは不要です。ただし、振替休日をなかなか取得させることができず、代休扱いとなってしまった場合には、休日労働に対する割増賃金を支払わなければなりません。

休日の割増賃金は、法定休日の場合には35%、所定休日の場合でも、1日8時間、もしくは週に40時間の法定労働の規定を超過している労働時間と22時~5時の労働に対しては、それぞれ時間外労働と深夜労働として25%の割増賃金を支払う必要があります。

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3. 振替休日が月をまたぐ際の注意点

注意を促す男性

振替休日が月をまたいでしまう場合には、次の4つの点に注意が必要です。

3-1. 取得していない休日の賃金では相殺できない

月またぎで取得予定ではあるものの、未取得の振替休日については、休日労働をおこなった分の賃金相殺はできません。

労働基準法24条に規定されている「賃金の全額払いの原則」に則り、原則として従業員の労働分については、全額賃金を支払う必要があります。

あくまでも振替休日分は休日が発生する月から控除するようにしなければ、労働基準法24条に反し、違法という扱いになりますので、注意しましょう。

3-2. 法定休日を下回らないようにする

振替休日は、原則、労働基準法で定められている法定休日(週に1日、もしくは4週に4日の休日)を下回る形では付与できないこととなっています。

これは、月またぎで振替休日を取得する場合にも同様の扱いとなります。

法定休日の付与日数が必要数よりも下回っているときには、振替休日の適用が認められない場合もありますので、注意が必要です。

関連記事:法定休日をサクッと理解|法定外休日との違いや振替休日・代休との関係について解説

3-3. 割増賃金の計算を正確におこなう

原則、振替休日は、休日と労働日を交換する制度となることから、休日労働に対する割増賃金は不要です。

しかし、月またぎで振替休日を取得することにより、「週の労働時間が法定労働時間である40時間を超える場合」「1日8時間を超えて労働した場合」「深夜労働が発生した場合」には、割増賃金が必要となってきますので注意しなければなりません。

休日出勤が増えると、振替休日を取得する場合でも、割増賃金の計算が必要となるケースが増えてきます。そのような場合に、割増賃金の計算に過不足があると、労使間でトラブルになる可能性がありますので、注意しましょう。

3-4. 36協定の締結をした上で休日労働をさせる

休日労働をさせる際には、36協定を締結、届出をしっかりとおこないましょう。労働基準法では、1日あたり8時間、1週あたり40時間の法定労働時間が定められています。また、1週間に1日もしくは4週間に4日の休日を与えなければならないことも定められています。

この時間を超えて従業員に労働をさせる場合や法定休日に労働させる場合には、36協定(正式名称「時間外、休日労働に関する協定届」)を労使間で締結し、労働基準監督署長に届け出をおこなう必要があります。

月またぎや週またぎで振替休日を取得させる場合には、労働時間が法定労働時間を超えて時間外労働が発生する可能性が高いため、36協定の締結をおこなうようにしましょう。

4. よくある事例と対処方法

2つの事例

ここでは、月またぎの振替休日について、2つのよくある事例と対処方法を示し、紹介します。

4-1. 当月内に振替休日が取得できず、翌月に取得する場合の給与支払い方法

振替休日を申請したものの、何らかの事情により当月内に振替休日が取得できない場合の事例です。

この場合、翌月以降に振替休日を取得することになりますが、休日出勤した分の給与については、一旦支払わなければなりません。

そして、翌月以降に改めて振替休日を取得した際、翌月の給与から休日分の給与を控除します。

前述の通り、給与の相殺については、あくまでも締め日までの同一賃金期間内が対象となりますので、月またぎの振替休日では対象外となります。

4-2. 月またぎで休日出勤・振替休日を取得する場合で割増賃金が発生する場合

休日出勤をおこない、月またぎで振替休日を取得させる際に、労働基準法で定められている法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えた場合は、法定労働時間を超えた部分の割増賃金を支払わなければなりません。

週休2日制の企業の従業員が休日出勤をして、週またぎや月またぎで振替休日を取得させた場合、休日出勤をした週は6日出勤、振替休日を取得した週では4日出勤となります。この企業の所定労働時間が8時間だった場合、6日出勤すると労働時間が週48時間となり、週40時間を超えるため、8時間分は時間外労働として計算されます。そのため、割増賃金を支払う必要があるのです。

ただし、月をまたいで割増賃金が発生している場合、割増賃金の支払いは休日労働をした月の給与に含めることで問題ありません。

5. 月またぎの振替休日を処理する際には正確な処理をしよう

正しい対処を実行

月またぎの振替休日を処理する場合には、まず休日出勤した分の給与を支払った上で、翌月分の給与から休日分の控除をおこなう必要があります。

取得していない休日の賃金で相殺することはできませんので注意しましょう。また、振替休日を利用する際には、法定休日を下回っていないか、36協定の締結・届出をおこなった上での休日労働かどうかについても十分に確認する必要があります。

賃金計算に間違いが生じることの無いよう、月またぎの振替休日を取得する際には、正確な処理を意識するようにするとよいでしょう。

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