経費と売上の関係、節税についても解説|経費削減・売上増加に対して経理部門で出来ること |HR NOTE

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経費と売上の関係、節税についても解説|経費削減・売上増加に対して経理部門で出来ること

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出張経費 相場

経費処理を行う際には「売上-経費=利益」という経費と売上の関係を、理解しておく必要があります。また、税金とは逆に増減する経費の節税との関係を把握しておくことも大切です。

本記事では、売上や節税と経費の関係についてわかりやすく解説します。利益向上につながる経費削減や売上増加の方法も、経理部門で出来ることと併せて紹介するので参考にしてください。

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特に経費精算は毎月頻繁に発生する経理業務ですが、細かいルールや規定があり、注意が必要です。また直近の電子帳簿保存法やインボイス制度など毎年のように行われる法改正に対して、情報を収集し適切に理解する必要があります。

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1.経費と売上の関係

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経費と売上の関係を表す公式が「売上-経費=利益」です。売上とは「売上高」ともいい、企業が商品の販売やサービスの提供などを行うことで得た、売上金額の合計を意味します。また、経費とは事業を行うにあたり必要となったコストです。

企業は自社の財政状態を明確にする決算書を毎年1回作成しなければならず、決算書の作成ではその年の売上や経費を計算する必要があります。そして、その際に算出された売上から経費を差し引くことで出る金額が利益です。

2.利益を増やすには経費削減と売上増加が必要

経費 効率化
「売上-経費=利益」の公式をみてもわかるとおり、利益をより多く出すためには売上と経費の差を広げなければなりません。具体的には「売上を増加させる方法」か「経費を削減する方法」、またはその両者を行う必要があります。

利益を増やす方法ために売上を増加させる手段を考える人が多いですが、経費削減も重要な対策です。

3.経費削減が実現すると何が起こるか

経費
「売上-経費=利益」の計算で売上から差し引く金額を減らせる経費削減は、利益アップに有効な対策です。たとえば、経費を10万円削減した場合、売上から差し引く金額が10万円減るため、差引残額である利益が10万円多く算出されます。

つまり、経費を削減した分だけ利益が増加することになり、経費削減が利益改善につながるということです。

3-1.具体例

経費が売上の80%、現在の売上が5,000万円であるケースを例にとり、経費削減による利益向上効果を、売上を増やしたときと比べてみましょう。

まず、売上5,000万円-経費4,000万円=利益1,000万円で、5,000万円の売上に対して1,000万円の利益が出ているため利益率は20%です。ここで経費を8%削減できると、売上5,000万円-経費3,680万円(経費4,000万円の8%削減した92%分)=1,320万円の利益で、利益率は26.4%に上がります。

経費削減せずに利益1,600万円、利益率20%にする場合は、売上8,000万円-経費6,400万円(経費8,000万円の80%)=利益1,600万円(利益率20%)のとおり、売上を5,000万円の1.6倍まで増やさなければなりません。

一方、8%の経費削減とともに売上も8,000万円に増やせた場合には、売上8,000万円-経費5,888万円(経費6,400万円の8%削減した92%分)=利益2,112万円(利益率26.4%)となり、利益額を当初の2倍以上に増やせます。ちなみに、売上を増やすだけだと利益は1,600万円から2,112万円になるため増加率は1.32倍です。

4.経理部門で出来る経費削減・売上増加に役立つこと

経費 タイミング
利益アップにつながる経費削減や売上増加のために、経理部門が取れる対策を具体的に紹介します。

4-1.日々の経理業務をしっかりと行う

お金の流れの管理が仕事である経理にとって、記帳などの経理処理は重要な業務です。記帳とは毎日の取引を帳簿に記録することで、毎日の収支を明確に出来るため、日々しっかり行うことが経費削減や売上増加につながります。

また、お金の動きを正しく把握できているとさまざまな課題が見えてくることもあり、業務を改善できる可能性もあります。

4-2.システムの導入や外注を検討する

日々の業務を効率的に進めるためには、システムの導入や外注などの検討も大事です。負担となりやすい請求書や領収書、請求・売上・仕分け業務の電子化は業務の効率化につながります。また、日々の業務に月単位や期末に行う仕事が重なるような繁忙期だけ、外注を利用する方法も有効です。

4-3.無駄な経費がないか確認

経費削減に直結する対策が無駄な経費を洗い出す方法です。まず、各経費の使用用途と金額を確認し、無駄と感じる経費を見つけたら分析を行って適した対策を練ります。

4-3-1.電気料金見直し

固定費である電気料金の削減は長期的に見て大きな効果が期待できます。電気料金を抑えるためには、普段から省エネを心がけるように社内で徹底させるのも方法です。また、電力会社は自由に選べるため、自社に合った電気料金プランに変更するのもよいでしょう。

さらに、寿命が長く経済的なLEDに照明を換える方法も有効な対策です。

4-3-2.定期代は6カ月定期の代金を支給

定期券の有効期限は1カ月、3カ月、6カ月の3種類があり、有効期限が長いほど代金は安くなるため、6カ月分を支給したほうが経費を抑えられます。

たとえば、東京と横浜間の定期代を例に比較すると、1カ月は14,170円ですが、3カ月だと40,370円で、3カ月あたり2,140円お得です。さらに、6カ月の定期代は67,980円であるため、1カ月の定期代と比べて6カ月あたり17,040円安く済みます。(2021年10月時点)

4-3-3.銀行の法人カード作成

銀行の法人カードは活用次第で経費を抑えられて便利です。たとえば、さまざまな支払いをクレジットカード払いにすれば、その都度振り込む必要がなく手間がかかりません。振込手数料の削減にもなるでしょう。また、出張時の傷害保険などは付帯されたサービスを利用すれば、経費削減につながります。

4-3-4.交通費や宿泊費の見直し、精算業務の自動化

出張などでかかる交通費や宿泊費は、利用する乗り物や宿泊施設のレベル、時期を見直すことで経費を抑えられる場合があります。さらに、交通費などの精算を自動化すると業務が効率化し、不要な人件費を減らすことも可能です。

また、Web会議などを積極的に導入したり、そもそも出張する機会を減らしたりすることもコスト削減につながります。ただし、経費を抑えることばかりに気を取られて、必要な出張や移動にかかる費用まで削減しないように気を付けましょう。

4-3-5.印刷物を減らすなど事務用品経費の見直し

無駄なものが見つかりやすい事務用品の見直しも、経費削減効果が期待できる方法です。たとえば、不要な印刷物を減らしてペーパーレス化を進める方法もよいでしょう。必要な書類があってもパソコンで共有したりメールで送ったりすれば、印刷する必要はなくなります。

また、社内サーバーを従量課金制のクラウドサーバーに切り替えると、無駄に使用料がかかりません。さらに、管理をサーバー提供事業者に任せられ、増設しても管理費用が増えることもないため、運用にかかるコストや手間を抑えられます。

5.経費と節税の関係についても理解が必要

疑問
納める税金を減らす節税対策も利益を上げるためには重要です。節税対策はさまざまあるため、自社で出来る方法を上手に取り入れましょう。そもそも、法人税や住民税は利益が大きいほど負担が大きく、小さいほど軽くなることが通常です。経費や損金を増やすと利益が減るため法人税を抑えられます。

また、特別税額控除を活用できれば法人税の納税額から一定額が控除され、納める税金を減らすことが可能です。節税に対する経費計上のメリットはこの後に解説します。

6.経費計上する金額を増やして節税するメリット

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利益が増えれば税額も上がりますが、経費計上する金額をその分しっかり増やせば税金は減らせます。そもそも税金は利益に対して課されるため、税金を抑えるためには利益を減らさなければなりません。そして、利益を減らすためには経費計上する金額を増やすことが手段となります。

ちなみに、「経費として計上する」とは「経費で落とす」と同じ意味です。

6-1.具体例

納税額は経費の活用次第で変えられます。たとえば、法人税を40%課せられた200万円の利益を出している会社があった場合、その後、決算までに経費を使わなければ、この会社が納める税額は利益200万円×税率40%=80万円です。

しかし、決算までに経費を10万円使えば、利益も10万円減り190万円となるため納税額は190万円×40%=76万円で済みます。

7.経費計上する金額を増やして節税するデメリット

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経費計上する金額が増えると納税額が下がるため、経費は増やせるだけ増やせばよいわけではありません。経費を使いすぎると、会社にとって重要となる手元のキャッシュも少なくなるため要注意です。

また、むやみに経費計上していると経費として疑わしいものまで落としてしまい、脱税を疑われるリスクも生じます。

7-1.具体例

不正な経費計上は法人税の追徴課税や加算税、延滞税などの課税対象となるため注意が必要です。たとえば、営業車に適さない高級車を経費で落として認められなかった場合、1,000万円以上の納税を求められる場合もあります。

あらゆる費用をむやみに経費計上すると、キャッシュが減り経営危機のリスクが高まるため、経費計上できるものとできないものをしっかり把握しておきましょう。

8.経費削減・売上増加に関する注意点

領収書 注意
経費削減や売上増加は利益向上につながる有効策ですが、実行する際には気を付けなければならない点もあります。

8-1.経費の減らしすぎはNG

経費削減はどれほど減らせるかについてだけ考えて行うと、必要な経費まで減らしてしまう可能性もあり危険です。たとえば、人件費は負担が大きくなりやすい費用ですが、企業活動の重要な経費であり、安易に減らすと生産性が下がって逆に利益が落ちてしまう場合もあります。

8-2.経費や売上の計上時、「期ズレ」に注意する

経費や売上の計上に「期ズレ」がないかは、税務調査でチェックされやすいポイントです。期ズレとは本来計上すべき時期とは異なる時期に、経費や売上が計上されていることをいいます。税務調査で期ズレが見つかると修正申告または更正しなければなりません。

特に、代金は前払いで受け納品は次の事業年度だった場合や、支払いが翌事業年度にあった取引などは、期ズレが起こりやすいため注意しましょう。

8-3.売上調整が犯罪にならないように注意

売上を意図的に調整することは犯罪です。たとえば、架空販売のような不正な売上の増加は、赤字決算を黒字決算だったかのように見せる「粉飾決算」とされ、売上除外のような不正な売上の減少は過少申告による「脱税」とみなされます。罪を犯さないためにも、経理の知識やルールは正しく理解しておくことが大切です。

9.まとめ

経費 まとめ
利益や節税と経費の関係を正しく理解し、経費削減や売上増加を目指しながら効率的に業務を行うことは、会社の利益につながります。

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