【特定技能】新たに認定された在留資格は何が違うの?|外国人採用 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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【特定技能】新たに認定された在留資格は何が違うの?|外国人採用

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現在、日本企業は深刻な人材不足にあり、厚生労働省によると2018年の有効求人倍率は44年ぶりの高水準となりました。この対策として、政府は2019年4月より外国人労働者の受け入れ拡大の法改正を実施することで外国人労働者の増加を見込んでいます。

そのようにして新たに認定された「特定技能」ですが、それはどのような資格であり、既存の在留資格とは何が異なっているのでしょうか?

この記事では外国人採用活動をおこなっている担当者の方に、外国人採用の近況や新たな在留資格となる特定技能について違いや採用においての注意点などを解説します。

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本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

特定技能について知る前に…

外国人労働者は、現在の日本の労働力不足を改善するためにはとても重要な存在です。ここではまず、外国人採用の近況についてみていきます。

さっそく特定技能について知りたい方はこちら▶をチェック!

外国人採用状況をデータから確認

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況 によると、2018年10月末時点での外国人労働者数は、1,460,463人と過去最高を更新しています(前年対比14.2%)。さらに、外国人労働者を雇用する事業所数も216,348ヶ所と過去最高となっています。

労働力不足が背景となり、就労可能な在留資格を保持した外国人労働者の受け入れが進んでいる現在の日本。外国人労働者を採用する企業は年々増加傾向にあります。

さらに政府は、「骨太の方針2018」において2025年頃までに、建設や農業をはじめとした5分野において、総計50万人の受け入れを見込んでいるようです。

外国人受け入れ拡大における今後の予測

2019年4月より「改正出入国管理法」が施行されたことにより、今後あらゆる企業で外国人労働者の採用が増加することが予想されます。

従来は、いわゆる単純労働に従事できる外国人は、留学生のアルバイトや日本人配偶者・永住者などに限定されていたため、慢性的な人材不足という深刻な課題を解消するには至っていませんでした。

しかし、改正出入国管理法により次の2つの新しい在留資格が創設されたことで、制限が緩和され、特に人材不足が顕著といわれている14の業界において、外国人労働者の採用が加速すると予想されています。

また、株式会社ディスコが発表した調査「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する企業調査」 によると、2018年度に海外大学卒の外国人を採用した企業は4社に1社(34.1%)となり過去最高となったそうです。

2019年度の採用見込みにおいても、53.1%の企業が「外国人労働者を採用する予定」と回答しています。

外国人労働者の採用は日本国内に留まらず、優秀な人材を採用するには直接海外まで足を運び採用をおこなう企業も増加しています。

このように、全体的な外国人受け入れ拡大の動きが進んでいることが分かります。

新しい在留資格「特定技能」とは

ここでは2019年4月に施行された「改正出入国管理法」で定められる「特定技能」についてご説明します。

1.特定技能―新しい在留資格の内容は?

「特定技能」とは、2019年4月から施行された新しい在留資格です。

日本では人材を確保することが困難な業種として次の14業種に限り、特定技能の外国人を雇用することができます。

14種の特定産業分野
1.介護業
2.ビルクリーニング業
3.素形材産業
4.産業機械製造業
5.電気・電子情報関連産業
6.建設業
7.造船・舶用工業
8.自動車整備業
9.航空業
10. 宿泊業
11. 農業
12. 漁業
13. 飲食料品製造業
14. 外食業

今回、施行された特定技能は1号と2号の2つの資格があります。

==特定技能1号とは==
「特定技能1号」とは、前述の特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する在留資格です。

在留期間は通算5年が上限とされており、家族の帯同は認められていません。

※特定技能1号の在留資格を得るには、日本語能力に加えて仕事に関する知識や経験における試験に合格することが必要です。

==特定技能2号とは==
「特定技能2号」とは、特定技能1号と同じ分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する在留資格です。在留期間の更新や家族の帯同も可能です。

ただし、現状では「建設」及び「造船・船用工業」の2つの分野しか認められておらず、その受け入れ開始も2021年予定ということで、限られた運用に留まることが想定されています。

2.在留資格の種類

新設される「特定技能」と従来の就労可能な在留資格との主な違いどのようなところにあるのでしょうか?

次の表にまとめてみました。

 

特定技能

1号

特定技能

2号

技能実習

専門的・技術的

分野の在留資格

資格外活動

許可留学生

単純労働 ×
学歴要件 × × × 〇(実務経験があれば×) ×
滞在可能期間 5年間 制限なし 3年間 制限なし 制限なし
労働時間 所定労働時間と同等 法定労働時間内 法定労働時間内 法定労働時間内 1週28時間以内
技能試験 × × ×
日本語能力試験 N4以上 × N4以上 業務によって変化 ×
転職 ×
給与水準 日本人と同等 日本人と同等 最低賃金以上 日本人と同等 最低賃金以上

3.特定技能を取得するための条件

特定技能の在留資格を取得するためには、次のいずれかを満たすことが必要となります。

◎特定技能評価試験に合格する
特定技能評価試験とは、国が求める基準で職種ごとに業界団体が作成した「技能水準」と「日本語能力水準」の試験です。

◎技能実習2号を修了する
技能実習から特定技能への移行割合は45%と試算されています。

特定技能の取得フロー

特定技能外国人を雇用する場合、日本国内にいる外国人を雇用する場合と、海外にいる外国人を雇用する場合があります。ここではそれぞれのフローについてご説明します。

1.特定技能取得フロー|パターン別

外国人を採用するといっても【国内在住の外国人を採用する場合】と【海外在住の外国人を採用する場合】で採用の動きは変わってきます。違いも踏まえながらご紹介します。

【国内在住の外国人を採用する場合】

1.求人をおこなう
2.採用試験をおこなう
3.特定技能雇用契約を締結する
  ※報酬額は同等である必要あり
4.「1号特定技能外国人支援計画」を策定
5.在留資格を「特定技能」へ変更するための許可申請

  ココが違う!
  ➡もともと何らかの在留資格を持っているため、資格を変更する必要あり

6.在留資格「特定技能」への許可がおりる

  ココが違う!
  ➡許可以前の就労は不可。
   不法就労になり、在留資格が不許可となることもあるため注意が必要。

7.就労開始
8.各業界の協議会の構成員になる

【海外在住の外国人を採用する場合】

1.求人をおこなう
2.採用試験をおこなう
3.特定技能雇用契約を締結する
  ※報酬額は同等である必要あり
4.「1号特定技能外国人支援計画」を策定
  ※自社で支援が困難な場合は、登録支援機関に委託することも可能
5.「特定技能」の在留資格を申請
6.在留資格「特定技能」取得の許可がおりる
7.海外の日本大使館などで「特定技能」ビザを取得する
8.日本へ入国、就労開始

9.各業界の協議会の構成員になる

2.特定技能取得フロー|業種別

特定技能の在留資格の取得方法は業種によってまた、即戦力として活動するために必要な知識や経験を有しているか、業種ごとに技術試験などをおこなって一定の技術水準を満たしていることが条件の一つとなっています。

ただし、技能実習2号を修了した方については同一業種に限り技術試験は免除されます。

    このように特定技能の在留資格の(変更)申請は、業種によって異なり、条件も異なりますので、採用担当者の時間や労力が多大となると予想されます。申請をする際は、期間的な余裕を持ち、前持った準備をするようにしてください。

    また、これらの面倒な申請は【就労ビザ申請代行サービス】を利用することも一つの手です。

    行政書士が代わりにビザ取得を代行してくれるので、「すぐにでも即戦力として外国人に働いてもらいたい」「採用担当者の業務を効率化したい」などとお考えの企業にとってはおすすめのサービスです。

    まとめ

    今後の人材不足を解消するためには、企業は外国人採用、特に「特定技能」の在留資格をもつ外国人の採用を避けて通ることはできないでしょう。

    特定技能外国人を採用するには、入管法上で定める要件が記載されている「特定技能雇用契約」を結び、外国人の職業生活、日常生活、社会生活における支援をおこなうための計画である「1号特定技能外国人支援計画」を策定する必要があります。

    また、特定技能の在留資格の申請には「日本語能力試験に合格している証拠書類」や「業種別の試験に合格している証拠書類」など多くの書類も必要となります。

    「特定技能」の在留資格をスムーズに取得して外国人労働者を採用することは、今後の採用活動にとって重要であるといえます。

    「特定技能」における知識を採用担当者自ら身に付けることはもちろん、行政書士などの信頼できる専門家に相談して最新の情報を得るなど効果的なサービス活用を進めましょう。

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