2018年6月1日、2020年卒向けのインターンシップサイトがオープンしました。
この数年は、インターンシップを通した企業と学生のファーストコンタクトが多くなり、開催されるインターンシップコースも増え続けています。
今年も採用コンサルタント/アナリストの谷出 正直さんに、インターンシップサイトのオープン状況とインターンシップに対する今後の見解をお伺いさせていただき、記事にまとめました。
6月1日オープン時点でのインターンシップサイト速報値をご紹介します。
採用コンサルタント/アナリスト| 谷出 正直(たにで まさなお)
2020年度インターンシップ実施動向からみるトレンド
『20インターンシップ』について、主要インターンシップサイトから見るトレンドを考察していきます。
「1dayインターンシップ」の開催がスタンダードになり、6月~9月の前半戦で攻勢をかける企業が増えてきています。くわえて、学生側もインターンシップを企業情報収集の場として利用している傾向もあり、採用広報開始前のインターンシップ期間に接触した学生が内定承諾につながるようになってきました。
前半戦の勢いそのままに、グランドオープン直前のインターンシップ後半戦も、開催企業数が増加する可能性が高いでしょう。
調査対象(主要インターンシップサイト) ※2018年6月1日時点
- リクナビ
- マイナビ
- キャリタス
【1】インターンシップサイト 掲載社数
7年連続、インターンシップ実施企業が増加。6月1日時点でのべ1万6000社(前年比1.2倍)を超える結果になりました。
リクナビが1サイトで1万社以上の掲載をしています。これは2015年度就職サイトグランドオープン時と同等数であり、インターンシップスタートが、新卒採用広報スタートと同じくらい重要と捉えている企業が増えている結果であることがうかがえますね。
【2】各社のインターンシップ実施月
各社のインターンシップ実施ピークは8月と、例年と変わらず。インターンシップ前半戦である6月~9月の実施企業数が増加する傾向にあります。インターンシップを通しての学生接触時期の早期化が加速している結果になっています。
【3】各社のインターンシップ実施日数
例年と変わらず1dayインターンシップが中心に構成されています。その数のべ1万2000社以上(全体の約7割)が実施。2週間以上の実施企業数は、大きな変化はみられません。2~3日の開催も増え、さまざまなバリエーションのインターンシップコースをそろえる企業も増えているようです。
各社サイトの特徴
◆リクナビ
- インターンシップ掲載社数:10,180社
- インターンシップ掲載コース数:表記なし
- インターンシップイベント:26拠点28開催(6月~7月開催分が公開中)
※2018年6月1日現在
応募可能企業数No.1。ついに、1万社以上の企業が掲載されています。エントリー受付企業数は非表示ですが、算出していくとエントリー受付率が98%と高くなっています。
◆マイナビ
※お問い合わせはこちらから
- インターンシップ掲載社数:4,289社
- インターンシップ掲載コース数:6,430コース
- インターンシップイベント:36拠点53開催(6月~8月開催分が公開中)
※2018年6月1日現在
3つのサイトで前年より一番掲載企業数を増加しています。エントリー受付率が99%と高い結果は引き続き継続。6月~9月の開催企業数が、サイトに占める割合として高くなっています。
また、インターンシップイベントの開催数が多く、理系、薬学系、福祉系など、特化型のイベントも開催予定です。
◆キャリタス
※お問い合わせはこちらから
- インターンシップ掲載社数:表記なし
- インターンシップ掲載コース数:2,763コース
- インターンシップイベント:14拠点28開催(6月~翌2月開催分が公開中) ※仕事研究イベントは除く
※2018年6月1日現在
インターンシップ・インターンバイト・1Day仕事研究と3種類の定義を分けて検索ができるようになっているのが特徴的です。年々、掲載している企業のエントリー受付率は改善されていて、今年は79%まで向上しています。
まとめ
やはり顕著に感じるのは「インターンシップ」の動きが早まる傾向です。「新卒採用活動」とのつながりがさらに深まっていく可能性が高いと思います。
新卒採用への影響としては、下記が考えられるでしょう。
- 20年卒の採用においても売り手が続き、ここ数年の特徴である「早期化、積極化、多様化」がさらに突出する。
- 大手企業や人気企業、早期から採用活動する企業がより優位に採用できるようになる。
- 昨年から「1dayインターン」が解禁されたことにより、学生と企業の接点がより早期から容易に作れるように。
こうした背景もあり、企業が早期から学生を囲い込み、選考、内定が出ている2019年度の状況を考えると、2020年度採用においては「インターンシップ」と「就職活動」が同じものとして学生が捉えはじめているように感じます。
学生のインターンシップへの目的も、「なんとなく参加する」や「社会経験のため」から「早く内定を得るために」「就職活動を優位に進めるために」という目的に変化しています。
「インターン」=「会社説明会」および「選考」になっていきます。今後、現行の採用スケジュールはさらに形骸化されていくかもしれませんね。