人手不足が深刻化するアルバイトの現場において、労働力として近年採用率が上昇しているのが、「外国人留学生」です。実際に雇用している企業では、「真面目で熱心、よく働いてくれる人が多い!」と評判も上々の様子です。
しかし、「外国人を雇いたいけど、採用手法がわからない」「日本語が通じるか不安…」という企業様も多いのではないでしょうか?
今回は、アルバイトとして外国人を雇用するポイントや、注意する点、在留資格など詳しくご説明します。
目次
1|今、外国人アルバイトを雇う企業が増えている!
最近ではコンビニや居酒屋などで外国人の従業員を見かける機会も多くなりました。外国人採用が「増えている」という印象はありますが、実際はどのくらいの外国人が増えているのでしょうか?
1-1.10年で2.5倍に!急増している外国人労働者
ここ数年の外国人のアルバイト採用数はどのように変化しているのでしょうか?内閣府のデータによると、外国人労働者の総数は以下のように推移しています。
出典:『外国人労働者について』内閣府
グラフを見ると、外国人労働者の総数は2010年から徐々に増加しているのがわかります。特に直近3年では、伸び率もさらに増えていることが分かります。外国人労働者数の増加から、必然的に外国人のアルバイト雇用も増加していると推察できます。
国の外国人に対する受け入れ体制が整ってきたこともあり、特にここ数年の外国人労働者のアルバイト雇用率は、やはり増加の傾向にあるようですね。
また、人員確保が問題視されている企業において、労働者人口が減少し続けるということは、かなり危機的な状況です。
そのため、労働力として注目が集まる外国人を積極的に採用するのは、企業にとって効果的な手法であるといえます。
1-2.外国人アルバイトの採用はいち早くおこなうべき
最近の調査によると、パートタイムを含む有効求人倍率の推移は1.61倍となっており、求人数約95万件に対して、求職者が57万人しかいないという、明らかな労働者不足が起こっています。
特に求人倍率の高い製造業やサービス業では、人材不足に影響が出ている企業も多くあります。このように、企業にとって外国人アルバイトの採用は、今すぐにでも始めるべきなのではないでしょうか。
2|実際に外国人を雇用する際にするべきこと
では、実際に外国人アルバイトを採用するとなると、「何から手を付けていいのかわからない」という企業様も多いのではないでしょうか。
外国人を採用する際は、まず在留資格(ビザ)について理解しなくてはいけません。日本で活動する外国人は、滞在の目的に合ったなんらかの在留資格を発行されています。
在留資格は種類によっては、そもそも国内で働くことができない在留資格というものもあり、採用の際の重要なポイントとなります。
2-1.在留資格とは?
在留資格(ビザ)とは、外国人が日本に入国して60日以上在留する際に、入管法の定めに従って発行される資格です。在留資格は種類によって、国内でおこなうことができる活動が異なります。
在留資格の例としては、以下のようなものがあります。
出典:法務省「在留資格一覧表」
2-2.アルバイトやパートとして雇用できる在留資格は?
同じ外国人でも、所有している在留資格によってアルバイトやパートとして雇用しても問題がない方、雇用してはいけない方がいます。
入国管理局が指定する特別な業務・活動ではない場合に持つ在留資格の中で、アルバイト・パートとして雇用ができるものは以下の5つです。
- 定住者
- 日本人の配偶者
- 永住者
- 永住者の配偶者
- ワーキングホリデービザ
また、個別に許可を得ればアルバイト、パートとして雇用できるものが以下の3つです。
- 文化活動
- 留学
- 家族滞在
これらは、個別に許可をとることが必要ですが、アルバイトやパートのターゲットとなる留学生はこの許可を持っている方も多いため、十分、採用ターゲットにすることが可能です。
2-3.在留資格を持っていない人を雇用していた時の罰則はあるのか?
在留資格を持っていない人、または適した在留資格ではない人を雇用した場合、その事業者は“不法労働助長罪”として罪に問われます。
3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方がかせられます。外国人を雇用した際に不法労働とされるのは、以下のような場合です。
- 外国人が不法滞在で働いていた
- 就労可能な在留資格を取得していなかった
- 許可された範囲を超えた就労をした
外国人は在留資格によって就労の可否、あるいは就労できる職種が細かく制限されています。確認せずに雇用すると、先程述べたような不法労働助長罪に問われてしまうため、十分に注意が必要です。
3|外国人を採用する際の流れと必要な手続きについて
ここでは、採用までの流れから採用後に必要な手続きまでを解説します。
3-1.採用までの基本的な流れは日本人の場合と同じ
外国人アルバイトを採用する場合でも、日本人をアルバイトとして採用する場合でも基本的な流れは変わりません。
- 求人媒体などを使って募集をかける
- 応募してきた人材に書類選考、面接などをおこなう
- 採用者に対して連絡をおこない、雇用契約を締結する
また、通常アルバイトを雇用する際に提出させる公的書類(基礎年金番号・マイナンバー・住民票など)も、在留資格を得たタイミングで発行されます。したがって、アルバイト採用の場合、採用後の流れも日本人と同じで基本的には問題ありません。
3-2.採用後に必要な手続きについて
採用後は必要に応じて社会保険などの手続きを進めます。外国人だからといって特別な事はあまりなく、社会保険の加入、所得税・住民税の課税、労働基準法の適応など、基本的には日本人採用と同様の手続きを進めれば問題ありません。ただし、
- ハローワークに提出する「雇用保険被保険者資格取得届」に「雇用する外国人の国籍・地域」「在留資格」「在留期間」を記入する
- 雇用保険に加入しないアルバイトの場合、「雇入れ・離職に係る外国人雇用状況通知書」を提出するなど、若干の違いはあります。
手続きについては近くのハローワークなどに問合せをおこないながら進めるようにしましょう。
4|外国人を採用する際の注意点
ここでは、在留資格の確認や面接での質問事項など、外国人を面接・採用する際の注意点をまとめました。外国人の雇用を考えている際には、しっかりと理解しておく必要があります。
4-1.在留資格の有無
まず大切なのが、上記でもご紹介した在留資格の有無です。外国人をアルバイトとして雇用するには、5種類の就労活動に制限がない在留資格が必要です。
外国人が、資格外の就労活動をするか否かは、雇用側にも責任があります。罪に問われないためにも、外国人のアルバイト採用をする際には、在留資格の有無を必ずチェックしましょう。
引用:入国管理局「在留カードとは?」
4-2.外国人が働ける「業種」と「時間」
アルバイトとして働く外国人には、前述のとおり、
- アルバイトとして働けて、時間制限もない在留資格
- 許可を得ればアルバイトとして働けるが、時間に制限がある在留資格
の2パターンがありますので、労働時間についても注意が必要です。アルバイトをするために、在留資格と別に許可が必要なビザは「文化活動」「留学」「家族滞在」の3つです。
これらの在留資格保有者は「資格外活動の許可」を得ていれば、週28時間以内で本来の活動目的を阻害しない範囲でのアルバイトが認められています。
しかし、夏休みなど「学則で決まっている長期休業期間」中に限り、1日8時間までの就労が可能です。日本人と同様に労働基準法が適用されますので、週40時間が上限になります。
これが可能なのは「学則で決まっている長期休業期間」に限られます。長期休業以外の期間は、たまたま授業の休講が多くても、この取扱いはできませんので注意してください。
4-3.日本語能力
株式会社ディスコが実施した「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する企業調査」によると、外国人留学生に求める資質として「コミュニケーション能力」が1位(文系62.9%、理系 50.3%)、「日本語力」が2位(文系 51.2%、理系 48.5%)にあがっています。
これは、留学生だけではなく通常の外国人労働者にも当てはまることでしょう。日本語のレベルが高ければ高いほど、コミュニケーションも円滑になります。
もともと文化の違いもありますので、言葉がきちんと理解されると社内コミュニケーションや業務の進行もかなり楽になるはずです。もし日本語が不自由だった場合、教えることが多い分、現場の負担になる可能性があります。
日本語能力を測る目安は、日本語能力試験です。ビジネスレベルで日本語が話せるのはN1・N2であり、この資格を持っている外国人は、日常会話はスムーズにできるといってもいいでしょう。
このように、採用時に必ず日本語の資格などを確認することをおすすめします。
5|外国人アルバイト採用におすすめのサービス
上記のような手続きや注意点が必要であることをを踏まえて、外国人のアルバイト採用に活用できるおすすめのサービスをご紹介します。
5-1.ビザ取得代行サービス
ビザ取得に関して不安な方は、ビザ取得の代行サービスを活用されることをおすすめします。
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5-2.YOLOバイト
YOLOバイトは、220カ国以上、6万人の外国人脈を活用できる日本語レベルの高い外国人と出会うことができる特化型求人サイトです。企業様にあった外国人とのマッチングも可能です。
- 外国人採用を視野に入れている
- インバウンド対策をしていない
- 今すぐ人手不足を解消したい
- 英語や中国語が話せるスタッフを募集している
6|まとめ
アルバイトで人手不足を解消したい時に、外国人を採用するのはとても効果的です。
きちんとした手順や採用方法に従えば、採用後に問題が起こることも少ないので、採用活動を始める前に、しっかりと確認し、外国人アルバイト採用を成功させましょう。