Linkedinのアンケートから読み解く、8,000人の採用担当者が抱える課題とは? |HR NOTE

Linkedinのアンケートから読み解く、8,000人の採用担当者が抱える課題とは? |HR NOTE

Linkedinのアンケートから読み解く、8,000人の採用担当者が抱える課題とは?

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こんにちは!HR NOTE編集部です!

前回の記事で、「潜在転職者の発掘」「早期離職」などといった課題に対して、さまざまな取り組みをしている会社を紹介しました。

そして今回は、Linkedinによるアンケート結果をもとに、今後の採用市場におけるトレンドを紹介します。

このアンケートは8,000人超の採用担当者にインタビューをしたもので、業界や規模、国などもばらばらな企業を対象としています。

さらに詳しい調査方法については以下のリンクを参照ください。

【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』

「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

採用担当者が注目している4つの採用トレンド

働き方の多様化、ITの発達などによって我々が「働く」ということに対する価値観が変容しようとしています。

そんな中で、企業の採用担当者もこれまでと同じような採用手法では採用しづらくなっていると言われています。

今、採用市場においては、大きく4つのトレンドがあることがアンケート結果から読み取れます。まずはこの4つのトレンドを紹介します。

ダイバーシティ

性別、年齢、宗教を問わずさまざまな人を雇うことで、多様な職場を作り上げるべきだという風潮は以前からあります。

ダイバーシティに富んだ求職者を採用することで、さまざまなアイデアが生まれて活気あふれるオフィスを作ることができるでしょう。

近年多くの企業がダイバーシティを意識した採用をしており、さらなるダイバーシティの追求がこれからも叫ばれています。

さらにこのアンケートにもあるように、近年はさまざまな人を採用してダイバーシティを追求するだけでなく、インクルージョン(Inclusionやビロンギング(Belongingも満たす必要があるという声も上がっています。

ここでは、このダイバーシティに注目して近年の採用担当者が注目しているポイントを紹介します。

interviewing tool

これまで採用担当者が採用をおこなう際は、面接やWebテストといった方法で選考をするケースがほとんどでした。そしてその傾向は今なお続いており、多くの採用担当者が効果的な採用手法であると考えています。

ただ一方で、アンケートによるとこれらの従来の採用手法では、「時間がかかりすぎる」「求職者の対人スキルや感情面がわからない」「求職者の弱みを理解できない」といったデメリットがあるようです。

そこで、近年ではこれらのデメリットを解消するべく、より自社に合った採用をおこなうための採用手法が注目されています。

採用担当者の能力だけではなく、どんな働き方をするのか、人間関係をうまく構築できるかといったソフトスキル(Softskill)を見定めることでより自社に合った人材を獲得することができるでしょう。

ちなみに、HR NOTEでは、さまざまな企業が取り組んでいるいろいろな採用方法を紹介していますので、ぜひご覧ください。

データ

「21世紀はデータの世紀」と言われるほどデータが持つ価値はますます高まっています。

そしてそれは採用市場においても同じです。アンケートによると約64%の採用担当者が多かれ少なかれデータを活かした採用をおこなっていると答えており、多くの企業がデータを活用した採用戦略を展開しているようです。

従業員のエンゲージメント向上や求職者のスキルを評価するうえでデータを活用する必要があると感じている企業が多く、これまでの属人的な採用手法からデータという根拠に基づいた採用手法へと転換しようとしている企業は多いようです。

今後は多くのデータを保有し、かつそれをうまく活用した企業が採用戦略に勝つことができるのではないでしょうか。

AI

人工知能の発達も採用担当者が注目しているポイントの1つです。

メールの対応や面接の設定など、骨の折れる仕事をAIに任せてしまって、時間を割くべき業務にのみ取り組むことで、採用の質が向上するでしょう。

アンケートによると、採用担当者のうちの半分は「候補者の発掘」「候補者の養成」「候補者のスクリーニング」をおこなううえで人工知能は有用であると答えており、これまでの採用担当者の業務を手助けしてくれると期待されています。

これからの採用市場におけるトレンド①:ダイバーシティ

性別、人種、宗教といった違いを排して多様な人材を活用し、さまざまな色がそろった職場を作り上げようという考え方のことをダイバーシティといいます。

近年は、このダイバーシティの潮流もあり、性別や人種に問わない採用手法が展開されています。

ダイバーシティにとどまらない新たな概念

近年、社会的背景も相まって職場に多様性を持たせるための環境づくりが広くおこなわれています。「女性の管理職○○%達成」「障がい者雇用の推進」といったフレーズはこれらの流れの一部であるとみることができるでしょう。

その中で、真に多様性のある環境を構築し、生産性の高い組織にするために、Linkedinはダイバーシティにとどまらない新たな概念を提唱しています。

それはインクルージョン(inclusion)とビロンギング(belonging)です。

インクルージョン(inclusion)

「さまざまな人種、性別、宗教的価値観を持った人を採用しています!」と謳いながら、一部のマイノリティには雑用をさせたりするケースがあったりと、ただ職場に多様性をもたせて形式的なダイバーシティを作り上げている場合もあります。

そこで、個々の多様性を認めるだけではなくてそれを活かす職場づくりが必要だという背景から、インクルージョンという考え方が誕生しました。

Inclusionとは「包含、包有」といった意味であり、あらゆる人たちを包有し、かつ良好な職場関係を構築することで、このインクルージョンは達成できるでしょう。

近年はダイバーシティ(Diversity)だけでなく、ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity & Inclusion)という文脈で語られることも多くあります。

ビロンギング(belonging)

Belongingとは「所属、一体感」といった意味を表す英単語です。

多くの人にとっても、一部のマイノリティにとっても、誰にとってもその職場が居心地のいい場所である必要があるという考え方です。

心理的安全性を排し、みんなが職場を「自分の家」のような安心した場所だと感じられるような仕組みづくりが必要です。

ただ単純にダイバーシティを追求するだけでなく、全員がその職場を自分の居場所だと感じられるように、このビロンギングの観点も意識しておくべきでしょう。

これからの採用市場におけるトレンド②:採用方式の変化

これまでの採用方法は、求職者が履歴書を提出し、電話面談やフェイストゥフェイスの面接を繰り返して最終的に採用を決めるというものでした。

ただ近年、多くの企業は新たな採用方式へと舵を切り始めています。ここではなぜ新たな採用方式へとシフトしているのか、その理由を紹介します。

活躍する人材をより効果的に手に入れたい

そもそも、ビジネスマンとしての能力は大きく2つに分かれます。

1つは、実績や知識など、実績から把握できるハードスキルと呼ばれるものです。そしてもう1つは、対人スキルや寛容性、GRITなどの内面的な能力であるソフトスキルです。

これまでの採用方式では、求職者のハードスキルに注目して、自社に貢献してくれるかどうかを見極めていました。

ただ、実績や知識といったハードスキルが優れていたとしても、対人関係や寛容力など人間的な力が備わっていない人は自社で活躍できないかもしれません。

その点、従来の採用方式では、面接や面談という環境下でしか求職者を判断しないため、その人の本質的なソフトスキルを見極めにくいという現状がありました。

ただ、自社で活躍してくれる人材を見極めるためには、ソフトスキルを重要視して採用した方が結果として採用が成功します

こういった背景の高まりから、採用方式が大きく転換しているのです。

新たな採用方式へ

ソフトスキルを見極めるための採用方式へと転換する今日、さまざまな採用方式が展開されています。

実際に仕事に就業させてみたり、社長直々に求職者と食事に行ったり、VRを用いて採用をおこなうなど、求職者のソフトスキルを見極めるためにさまざまなアイデアが日々生まれています。

例えば、アメリカの金融機関、チャールズシュワブ社では、求職者は最終面接でCEOといっしょに朝食を食べにいきます

その際、注文して料理を一緒に食べますが、レストラン側はわざと注文した料理と別の料理を提供します。(チャールズシュワブ社がレストランにそう依頼しています。)

この時の求職者の対応を見て、採用するかしないかを決めるようです。これこそまさに、求職者のソフトスキルを見極めるためのいい方法の例の1つであるといえるでしょう。

これからの採用市場におけるトレンド③:データの活用

近年、テクノロジーの発達の相まってデータの価値はますます高まってきています。

どうやってデータを蓄積するか、そしてそのデータをどうやって活かすか。これらデータ戦略は、採用においても同じく重要です。

実際、アンケートによると64%の採用担当者はデータを活用しているという結果もあります。

ただ別のアンケートでは、「データの質が低い」「データをどうやって手に入れるかわからない」といった結果もあり、まだまだデータを使いこなせている企業は多くはありません。

今後は、採用業界においても、データに関するリテラシーを高めることで他企業との差別化を図れるのではないでしょうか。

これからの採用市場におけるトレンド④:人工知能

人工知能技術の発達も、近年の採用市場におけるトレンドの1つです。

そもそも人工知能は、ルーティンワークや骨の折れる仕事をするのが得意です。例えば500人の履歴書データを読み取ったり、それぞれのデータを入力したり、はたまたそのデータを検索したりする作業は人工知能がは大得意としています。

人工知能は採用担当者を手助けするツールであり、今後は求職者との関係構築や候補者と自社とのマッチングを図るといった場面でも活用できると言われています。

おわりに

日本は島国であることもあり、世界の潮流に取り残されてしまうことも時折あります。

そんな中でこのようなアンケートをチェックすることは、これからの採用市場のトレンドを知るきっかけにつながります。

現在の採用市場は非常に目まぐるしく変わりつつあります。世界の企業に遅れをとらないような採用手法を構築し、採用を成功させる必要があるのではないでしょうか。

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本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

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