コロプラ人事の「泥んこ採用活動」|なぜダイレクトリクルーティングなのか? |HR NOTE

コロプラ人事の「泥んこ採用活動」|なぜダイレクトリクルーティングなのか? |HR NOTE

コロプラ人事の「泥んこ採用活動」|なぜダイレクトリクルーティングなのか?

  • 採用
  • 新卒採用手法

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

「全ての人事部門のリーダーもテクノロジーリーダーとして、ITに関して理解を深めていこう」という想いで立ち上がったイベント『人事 to ITカイギ』。

テーマは「脱レガシー!次世代の人事・労務・採用」。

今回はその中で、株式会社コロプラで新卒採用担当としてダイレクトリクルーティングを実践している山浦氏の登壇内容をご紹介します。「なぜ、ダイレクトリクルーティングなのか」「どのように実践しているか」など、細かいノウハウが満載の内容となっています。

【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』

「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

コロプラ人事の「泥んこ採用活動」|なぜダイレクトリクルーティングなのか?

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山浦さん

山浦 幸一郎(やまうら こういちろう) | 株式会社コロプラ 次世代部

東海大学で電気工学を学び、卒研では(今でいう)テキストマイニングを研究。 金融系SEとして新卒社員として入社し、開発に従事。その後、IT/WEB系のエンジニア・クリエイターの転職支援を行うキャリアコンサルタントに異業界異職種の転職。7年就業の後、株式会社コロプラの人事採用担当として転職し、現在はエンジニアの新卒採用責任者として、採用計画の立案から全国行脚まで奔走中。

新卒採用における3つの苦戦|すべての企業が競合他社

山浦氏:弊社はスマートフォン向けにゲームをつくっている会社なのですが、実は採用において、全部の業界でバッティングしています。なぜなら社内システムをはじめ、ITの開発・導入・活用がどの会社でも増えており、エンジニアのニーズが高まっているからです。採用ではいつも苦戦しています。

私は新卒採用担当を任されていますが、以下のようなことが課題に感じています。

  • そもそも会社自体の魅力が足りない
    これは、学生の優先順位が上がらない、そもそも応募してもらえない、内定を出しても競合他社に行ってしまいます。コンシューマーゲームの会社と比較するとまだまだ人気度は低く、学生はまずそちらに目がいきます。そうすると弊社の優先順位が下がってしまい、求める人材に振り向いてもらえません。
  • ゲーム事業以外の認知度が低い
    弊社であれば、ゲーム事業が目立ちすぎてしまい、他の職種があまり目立たないという悩みがあります。私は主にサーバーサイドのエンジニアの採用を担当していますが、自社でCMをやっていることもあり、ゲームの認知度が高すぎて、ゲームをつくりたい学生の応募がほとんどです。
  • 人材マッチングの問題
    応募者と会社の求める人材とが噛み合わずに、採用に工数がかかってしまっています。マッチ度の高い学生をたくさん採用したいのですが、求める人材に会える精度をもっともっと高めていかないといけないと思っています。

「採用担当者は『超属人的」』になるべし」コロプラが仕掛けるダイレクトリクルーティング

山浦氏:実際の採用手法でいくと、自社のホームページを活用する、就職サイトに掲載する、新卒社員に紹介を依頼する、スカウト、逆求人イベントなどさまざまあります。ただ、母集団形成の数、採用担当にかかる工数、採用単価、学生の質はどうかなど、それぞれ一長一短あります。

特にデメリットの部分で一番強く感じるところは、結局、他社と競合してしまうところです。バッティングすると負ける可能性もあり、できればバッティングしたくないというのが本音です。

そこで今日お話ししたいのが、ダイレクトリクルーティングです。弊社は2年ぐらい前から実施していますが、簡単に言うと「自分で探しにいく」ということです。

個人的に、採用担当者は「超属人的」になったほうがいいと思っています。ルーティンワークはシステムを使って自動化していき、人でないと解決できない部分が必ずあるので、そこに注力すべきだと考えています。「この人だからこの会社に入りたい」と思わせるぐらい属人的になってもいいのではないかと思います。

そのために、泥にまみれて採用活動をすべきです。私は1年間の3分の1を社内ではなく社外にいて活動をしています。「自分で探しにいく」という考え方になれば、たとえば「知名度がないなら知ってもらうために、会いに行こう」となります。さらに、マッチングがうまくいかない際も「自社の求める人材が多くいる所に行こう」と動くことができます。

具体的には、学校のすぐそばの会議室を1個借りて、「ピザ食べ放題だから、きてください」と呼び込んでいます。私はそれで1週間ピザを食べ続けて2キロ太ったことがあります(笑)。

人気がないのであれば、人事個人に興味を持ってもらうようにしています。「この人事おもしろい」と思ってもらい、その上で「じゃあそこまで言うのであれば話聞いてみよう」「応募してみよう」と思ってもらえれば多くの学生に自社を知ってもらう機会が増やせます。

マッチングでも、弊社が採用したいサーバーサイドのエンジニアであれば、その研究室をノックしに行きます。ネットで探せばどの学校にどんな研究室があるのかだいたいわかるので、東大、東工大、京大、阪大、全国どこでも行きます。「人事は、靴を泥で汚してなんぼ」という意識で実施しています。

ダイレクトリクルーティングを成功させるために意識していること

山浦氏:そのために意識していることがいくつかあります。

まず、覚悟を決めないといけません。日帰りで関西は当たり前、北海道から福岡まで行くこともあります。ものすごく疲れるのですが、すぐには効果が出ないこともあります。2年目、3年目から効果が出てくるものなので、長期的な施策だと覚悟を決めて実行に移すことが重要です。

次に、求める人物像や求人情報など、すべてを明確にする必要があります。実際に、弊社で使っている技術は何か、数年後に必要になる技術は何か、ということを考える必要があります。

また、居場所を明確にする必要もあります。たとえば「研究室を攻めるならどこか」「ゲームに強いサークルはどこか」「エンジニアとして意識が高い学生たちにどこにいるのか」を考えないといけません。接点の作り方としては、メールなのかSNSを活用するのか、OBにツテを依頼するべきかなど、可能な限り考えるべきです。

さらにトークスクリプトもつくります。人事がいきなり来て、「こんにちは」と声をかけたとしても、怪しまれて失敗に終わる可能性が高いです。そのため、相手の心を解きほぐすアイスブレイクからスタートし、短い時間で自分たちの会社に魅力を持ってもらうために何を話すべきなのか、しっかりとつくりこむ必要があります。

そうすることで、多くの学生と会うことができます。また、ダイレクトリクルーティングで会った学生とはすごく仲良くなれます。FacebookやTwitterでつながることもできるので、気軽に「友だち紹介してくれない?」とお願いができるようになることも多々あります。「後輩紹介してください」「今度、大学行くから友だち誘ってくれない」などとお願いをしています。Twitterでも「拡散希望」と書くと拡散してくれるので、このようなことを続けています。

最初の1年目は、あまり効果が実感できませんでした。ただ2年目はすごく効果が出てきて、3年目である今はさらに手応えを感じています。

最後に

いかがでしたでしょうか。

自社に合った優秀な学生を採用するために、まさに「攻めの人事」を体現している山浦氏。その成功の秘訣は非常に細かいことの積み重ねだと思いますが、他社との差別化において絶大な効果があるのではないでしょうか。

新卒採用に閉塞感を感じている人事の方をいらっしゃれば、自ら攻めていくという選択肢を取り入れてみてはいかがでしょうか。

【イベント概要】

【会場提供】

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