スタートアップの採用成功は「まず、モテる努力をすることから」#One HRイベント |HR NOTE

スタートアップの採用成功は「まず、モテる努力をすることから」#One HRイベント |HR NOTE

スタートアップの採用成功は「まず、モテる努力をすることから」#One HRイベント

  • 採用
  • 中途採用手法

※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

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「HR主導のイノベーション創出」をテーマにしたイベント、『HR発イノベーション創出を考える』。

One HR構想の発表、パネルディスカッション、新たな働き方に向けた各種取組み紹介、交流会などを実施。人材会社、企業人事、スタートアップ経営者など、100名にも及ぶ大勢の方々が参加していました。

今回はその中の、株式会社プロコミット代表の清水氏株式会社キープレイヤーズ代表の高野氏による、トークセッションをご紹介。

お二人ともベンチャー・スタートアップ企業の採用支援にてご活躍されており、「スタートアップ企業の魅力」「支援する際に見ているポイント」「スタートアップ向きの人材とは?」など、スタートアップ企業を支援するお二人ならではの観点でお話されています。リアルなお話ばかりで多くの学びとなりました。

スタートアップ支援のプロに聴く、ぶっちゃけトーク

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山田さん本日は、実際にスタートアップ企業の採用という側面から活躍されている、プロコミットの清水さんと、キープレイヤーズの高野さんのお話を伺いたいと思います。

清水さん私は新卒でベンチャー企業に入社をして4年半在籍していました。その会社が大きく成長して、上場準備室長として25歳~27歳のときに上場(IPO)を経験したのが最初のキャリアです。

そのあと、ベンチャー企業を支援する側にまわりたいと思い、まだ設立して1年くらいのドリームインキュベータという会社にジョインしました。そこで何年かベンチャー企業の支援をさせていただき、そこでもIPOを経験しました。その後は2005年から一貫して、成長企業の採用支援をさせていただいています。

高野さん私は新卒でインテリジェンスに入社しました。当時はまだまだベンチャー企業で、そこまで大きくありませんでしたが、そこで素晴らしい経験をさせていただきました。そこから2005年にキープレイヤーズを設立し、ベンチャー企業の支援をしています。採用支援から投資まで、人材・資金の面でお手伝いしています。

山田さんありがとうございます。簡単に私も自己紹介させていただきます。新卒でリクルートに入社し、IT・インターネット関連の人材紹介コンサルタントを4年従事した後、新規事業部門でプロダクトの開発マネージャーをしております。

なぜスタートアップ領域の支援をしているのか。その魅力は何か?

山田さんお二人は創業されてからスタートアップ領域をずっと支援されていますが、どのような理由からされているのでしょうか。

清水さん私は原体験がベースだと思っています。私が新卒でベンチャー企業に入社したときは、商社や外資系企業に行く人が多い時代でした。でも、当時の私はフロム・エーを見て、見つけた会社にそのまま入社するという絶対に真似しちゃいけない就職をしました(笑)。たまたま入社して4年半でIPOをしたので、勘と運がよかったんでしょうか。

高野さんフロム・エー、清水さんにだいぶ貢献しましたね。

清水さんそこから、25歳になったときに「上場するから。上場準備の責任者が必要だ」と、経営企画室長を任され、上場準備がはじまったんです。その後2年半ぐらいでIPOをしたのですが、そのときに「ベンチャーってすごいな!若手にここまでやらせてくれるんだ」と感じたんですね。それでもう「いろんな優秀な人がベンチャー企業にいけばもっともっと活躍できるのに」と思ったのが強烈な原体験でした。

山田さんスタートアップの支援の中でなぜ採用領域をやろうと思ったのですか?

清水さんまず採用支援において、人材紹介は参入障壁が低いことがありました。あとは、さまざまな方に会えるということが、人材紹介ならではのメリットだなと思いました。成功報酬型のビジネスモデルなので、受注はわりとスムーズにできて、成果を出すのが難しい。間口を広げてお付き合いができて、やる仕事は深く掘り下げないといけない、これがおもしろいんです。

山田さん高野さんはいかがですか。

高野さん私は最初、今のようなスタートアップ支援をおこなうと決めていたわけではありませんでした。きっかけは友人である、現在某上場企業の社長である方の転職相談にのっていたときかもしれませんね。どの企業に転職するか最終的に2社で悩んでいたのですが、結果、当時まだ学生ベンチャーだった企業に入社をしたんですね。

そこで私も一緒に関わるようになって、学生ベンチャーだった企業が急スピードでIPOして時価総額がどんどん上がっていく様をみて「これはすごい、おもしろい」と感じて、そこから本格的にスタートアップ支援をはじめたという経緯ですかね。

まだ誰も知らない企業の支援をさせていただき、その後有名になっていくのを間近で見ることができるのは、本当におもしろいですね。

山田さんなるほど。スタートアップ企業を支援することの魅力についてもう少しお伺いさせてください。

清水さん個人的な見解ですが、いわゆる「一般の企業の人事が発する言葉」と、「マンションの一室に訪問して靴からスリッパに履き替えて行った先にいる社長が話す言葉」とでは、全然興奮度合いが違うんですよ。

高野さんスリッパに履き替えるあたりが、ベンチャー感が出ていていい感じですね。

清水さん結構この仕事をしていると意外と靴下に気を抜けませんね。

高野さんスリッパを履く機会があると、靴下に穴が空いていると目立つので隠さないといけない。

山田さん高野さんが今までのキャリアで一番記憶に残っていることは何ですか?

高野さん社会人1年目のときになるのですが、監禁されたことがあります(笑)。X社とY社というライバル関係の2社があったのですが、私はX社の採用支援に携わっていたんですね。その中の依頼として、「ライバル会社のY社から、リストの上から順番に人を引き抜いて欲しい」と言われたんです。当時の私は、宮城から出てきた純朴な青年だったもので、その通りに実行したんです。そしたらそのことがY社にバレてしまって、事務所に閉じ込められたことがありましたね。

スタートアップという言葉の定義は?「成長企業」が言いやすい

山田さん今スタートアップという言葉は、さまざまな意味で使われているように感じています。お二人にとって、スタートアップはどのようなものを定義されていますか。

清水さんそうですね。私はスタートアップという言葉と、ベンチャーという言葉と、成長企業という言葉をなんとなく使い分けている気がします。私はわりと成長企業という言葉を使っているかもしれません。言葉の定義は大事で、たとえばユニクロとDeNAをベンチャー企業というと、相当違和感がありますよね。

高野さん日本代表するぐらい大きいですからね。成長企業っていい言葉ですよね。

清水さん成長企業と言えばいろいろ包含されるんですよね。ちなみに、スタートアップという言葉が出てきて定着しはじめたのは本当にこの5年くらいだと感じています。それまではベンチャーという言葉が一番しっくり来ていましたね。

高野さんスタートアップは英語だと「創業開始」という意味がありますが、私は資金・資材を調達して、早期にグロースしていく、したいと考えている企業のことを指している認識です。ベンチャーキャピタルなどの投資会社が入っているので、どこかのタイミングで絶対にIPOやバイアウトしないといけない

スタートアップ企業の支援をする際、どのような部分を見ているのか。

山田さんスタートアップ企業を支援する際に必ずする質問などはありますか?

清水さん一見すると普通の質問に聞こえるのですが、基本的には「誰に何を売っているか」を聞いています。

たとえば、「こういうユーザーが注目してくれて集まっています」という話があった際に、そのユーザーデータを提供するのであればわかるのですが、違う何かを売って行く場合、それは本当に意味があるのかと思うことがあります。本質的に「商売として何屋なのか」は比較的はっきりさせたほうがいいと思っていてそのあたりを質問します。

高野さんそのあたりがあまり決まってない会社はあまり伸びないですよね。

山田さん高野さんはどういうところを見ているんですか?

高野さん投資の観点で言うと、社長が非常に情熱的かどうかですね。「変態」なくらい情熱的な方。毎日会うと胃もたれしてくるのですが、1カ月に1回会うとものすごく楽しいと思えるような方ですね。成功する起業家は強い要望をしてくるんです。たとえば、典型的な強い要望は、「一番優秀な人をただで紹介してくれ」という要望です。

採用支援の観点でそういうことを毎回言われるとノイローゼになってしまうので、採用支援であれば、社内にバランス感覚に優れている方がいるかどうかは大事ですね。そういう方がいれば社員が入社しても長続きすると思います。№2の人が現場に入ってその辺のバランスをとるケースがよくありますね。

優秀な人材が「スタートアップ企業にいこう」と思うには何が必要か?

山田さん実際にスタートアップで働いている人たちの割合は増えているのでしょうか?

清水さん増えていると思います。10何年前に比べたら大分状況が変わっていますね。

まだ規模がそこまで大きくない企業でも、新卒採用で優秀な人材を惹きつけることができるようになったことがすごく大きいですね。数年前を想像すると、リクルート、マッキンゼーなどと競合して、DeNAに入社するわけですよ。そうすると、たとえば東大工学部の同期の中で「あの人、DeNAに行ったんだって」という話になります。すると、「何も考えずに銀行や大手に行くことは正しいのかな?」と思うようになり、数年後に転職をするケースもあるんですよ。

でもそれは、身近に新卒でスタートアップ・ベンチャーに行った人がいるからなんです。遠い啓蒙では効かなくて、身近なモデルなんです。「イケてるあいつがあっちを選んだ」ということが、すごく寄与しているように感じます。

山田さんスタートアップで働く人が増えている一方で、スタートアップ企業の採用はまだまだ苦戦していると思います。今後はどのようなことが必要になってくるのでしょうか。

清水さんこれは、イケてる人間が行ったという事実だけでなく、イケてる人間が活躍して成長しているという実績が大事だと思います。

高野さん結局は成功しないと意味がないと。

清水さんもっともっとそこで成功した人たちが声を上げていくことが必要だと思いますね。

入社して最初の20代前半だと、「俺、三菱行ったんだけど、お前は?聞いたことないな。ベンチャー?」という話のヒエラルキーでスタートすると思います。ただ、時間が証明していく部分が大きいので、しっかりと実績を残して成功を収めていけば、「あいつ会ったときにいつもキラキラしているし、本当に仕事している感じするよな」って言われるようになります。そういう人たちが増えていくことが大切ですね。

山田さんスタートアップ企業で働いたほうがいい人と、そうでない人といると思いますが、どのような方がスタートアップ企業に向いていると思いますか。

高野さん自分で仕事をつくり出したい人ですかね。あと、仕事を楽しめる、言い訳をしないでやる、そういう方に合っているのかなと思います。スタートアップ企業にいる人を広く見ていて、みんなが社長になりたいということではないと思うんですね。昔よりも金銭欲もそんなに感じていません。スタートアップに転職する方を見ていると、働き方の自由さ、仕事を任される感じなど、そのような部分で魅力を感じているように思います。

清水さんそれとリスクを許容できるかどうかだと思います。お金は分散投資できますが、自分のキャリアを分散投資するって難しいじゃないですか。

じゃあ、どこにキャリアを投資するかというときに、スタートアップ企業に投資できるかというと、そんな人たちばかりではありません。では、大企業ならリスクがないかと言うと、今はリスク0とは言い切れません。そういった視野もありますよね。

いろんな角度から自社のことを知ってもらえる機会を増やすことが重要

山田さんそれでは最後に、スタートアップ企業に関して今後の展望など一言いただければと思います。

清水さん大好きなので今後スタートアップ企業がますます増えて、主流になってほしいですね。ただ、採用に関して言いたいことがありまして、「採用で人材を厳選するには、自社がモテてるようになってから」だと考えています。まだ知名度がないのに、「こういう人がいいんです」と好みやこだわりが強すぎるケースが結構ありますね。

高野さん私がAKBと付き合いたい」そういうわがままなことを言っているんですね。

清水さんしっかりとモテる努力をすることが大事です。忙しいと思うのですが、どうやったら人が振り向いてくれるかを考えて実行して欲しいですね。スタートアップ企業は本当にいい会社が多いです。ただ、まわりから認知・理解されていないので、もったいないといつも思っています。

高野さん自社についてもっとアピールしていただきたいですね。今、スタートアップのみなさんはWantedlyを使って自社の情報を発信されていて、多くの情報が見えるようになってきていますが、他薦があらためて大事かなと思っています。

そのため、「なぜその会社がいいのか」ということについて、私がなんらかのコメントやご意見をさせていただくことを今年からやっていこうと思っています。そういうことによって、第三者目線を通して、よりその会社について理解が深まるのではないかと思います。

「HR発イノベーション創出」を目指すOne HR構想とは

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本イベントの中で大きく取り上げられていたOne HRとは、日本のイノベーション創出の活性化を目指し、「HR発イノベーション」を合言葉に、HR企業と企業人事、スタートアップ、そして、イノベーションに興味のある個人が集まって、人材によるイノベーションを促進していくための団体です。

ヒト・モノ・カネにおいて、VC(ベンチャーキャピタル)やクラウドファンディングの隆盛、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の増加などによりモノ・カネの面でのサポートのインフラが整備されている一方で、スタートアップや事業開発領域におけるイノベーションマインドやスキルをもったヒトの不足が大きな問題であると考えています。

日本におけるイノベーション課題である「ヒト」を解決する方法として、人事領域に関わる人々が重要な動きを担っていくものになり、その役割においても、価値や存在意義の再定義が求められています。

One HRでは、「Innovation by HR ~HRからはじまるイノベーション創出~」をビジョンに据え、3つのミッションを掲げています。

  1. イノベーターズマインド・スキルの開発・活用
  2. イノベーション人材の創出
  3. 人材の交流・流動化の促進

One HRでは以上のようなビジョンの実現に向け、今後、HR業界に関わる企業や企業人事、スタートアップの経営者、複業・兼業を推進したい企業・個人を対象に、月に1回の情報交換会やWEBメディアの開発、協働サービス・共有プラットフォームの開発提案などをおこなっていく予定です。

イノベーションにおいて必要なマインドやスキルを定義し、その取得を促していくことで、イノベーション人材を創造・輩出していく。そして、その人材の交流を企業間の垣根を越えて交流させていくことで、社会全体でのイノベーションを促進していきます。

One HR構想についての詳細はこちら!

【イベント概要】

  • イベント:HR発イノベーション創出を考える
  • 主催:「One HR」共同発起人6名
    麓 貴史、永井 優美、渡辺 悠子、篠原 佑太郎、山田 大貴、島崎 由真
  • 日時:2017年3月8日(水)18:00~
  • 場所:G’s ACADEMY TOKYO(東京都 港区北青山3-5-6)

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