今回は外国人留学生をはじめとした「外国人採用」についてご紹介。
売り手市場で、国内の優秀人材の採用が激化する中、外国人の採用に注目する企業が増えています。そこで、本記事では外国人採用を成功に導く注意点や、外国人採用に役立つイベントをまとめました。
1.外国人留学生は日本で就職したい!
▼日本にはどれくらいの外国人留学生がいるのか
2017年の外国人留学生は267,042人です。前年度と比べると11.6%増加しています。これはこの年だけ増えたのではなく、毎年同じぐらいの比率で留学生は増えています。
外国人留学生のほとんど(249,242人)はアジア出身で、他の地域からの留学生は少ない状況です。なおアジアの中でも半分ぐらいは中国からの留学生です。
▼外国人留学生が日本で就職できる割合
では外国人留学生の日本国内での就職状況はどうなっているのでしょうか。
株式会社ディスコの調査(【外国人留学生の就職活動に関する調査結果】2018年8月発行 ) によると、7月時点の日本人学生と外国人留学生の内定状況を比べると、日本人学生は8割内定をもっているのに対して、外国人留学生は4割です。このように内定が欲しくても内定を取れない外国人留学生が多いです。
では、なぜ外国人留学生は内定を取りにくいのでしょうか。マイナビの調査(2017年卒
企業 外国人留学生採用状況調査)によると、「社内の受け入れ体制が整っていないため」「外国人留学生の採用実績がないため」といったものが大きな割合を占めています。
このように学生側に問題があるから採用しないのではなく、企業側の環境の問題に大きく左右されていることがわかります。
つまり外国人留学生が日本で就職したくないのではなく、企業側の受け入れ体制が整っていないことが大きな理由だと思われます。
▼外国人留学生が就職で重視するポイント
では、外国人留学生は日本で就職するのにどのようなポイントを重視するのでしょうか。
ディスコの調査(【外国人留学生の就職活動に関する調査結果】2018年8月発行 )によると、「将来性がある」「給与・待遇がある」といった理由が多く見られます。
これらの調査結果をみると、外国人留学生、日本人学生も企業を重視するポイントに、大きな違いがないことがわかります。
2.外国人採用をするメリット
▼ハングリー精神があり、モチベーションが高い
「日本で留学をして、そのまま日本で働く」「日本語を勉強して日本で働きたいと考えている」そのような決断をした方は、モチベーションが高い傾向にあります。
その理由として、海外で働く外国人は「ファーストキャリアでは、自分の描く将来像に必要なスキルを身に着けられるかどうか」で企業を選んでいることが多く、次のキャリアに向けての実績をつくるための就職を考えており、成長意欲が非常に高いためです。
▼優秀な労働力が確保できる
日本は現在少子高齢化が進んでいます。当然労働力人口も減少傾向にあり、この傾向は今後さらに加速していくでしょう。
さらに日本人は大手企業を志望することが多く、中小企業の人手不足が顕著になりつつあります。そこで外国人を採用することで、人手不足に対応できるかもしれません。
日本語でコミュニケーションが取れるのか、日本の価値観を理解してくれるのかなどの注意点さえ気をつければ、問題なく戦力になってくれるでしょう。
▼グローバル視点でのアイデアが企業の成長を促す
異文化の人材を採用することで、新しい視点でのアイデアを取り入れることができ、新サービスや新商品の開発などへの貢献が期待できます。企業活動の活性化につながる可能性が生まれるかもしれません。
さらに組織においても、グローバル視点での物事の考え方が企業の成長につながることもあります。日本で当たり前としていることが、外国人からするとそうではなく、両方の社員が働きやすい環境や組織のルールを考え直すことで、組織全体がさらに活性化するかもしれません。
▼海外進出への強い戦力になる
海外展開を考えている企業にとって、外国人従業員の採用はかなり大きいアドバンテージになります。
海外のトレンドに詳しく、国民性や嗜好に精通している外国人を採用することによって、日本企業と海外消費者の間に生じたズレを是正することができます。各自のネットワークを利用してリアルな情報を得ることで、マーケットリサーチの戦力になり、企業の強い後ろ盾になります。
3.外国人採用における注意点
▼日本語レベルについて
外国人を採用する際に、気になるところは言語面の問題であると思います。グローバル化が進んできているとはいえ、外資や海外に大きく進出している企業以外では、まだまだコミュニケーションの主流は日本語です。
もし採用したあとに、「日本語が話せる」と言っていた外国人が、ビジネス日本語がほとんど話せないとなると、困ります。
その点、留学生は少なくとも大学生のうちは日本で生活し、日本語で大学などの授業を受けていたのである程度の日本語のコミュニケーションは問題がないといえるでしょう。しかし、ビジネスレベルになるとどうか気になるところではあります。
そこで、外国人の日本語レベルがわかる検定試験の活用はいかがでしょうか。代表的なものでは、日本語能力検定(JLPT)とビジネス日本語能力テスト(BJT)があります。
このような試験で外国人の日本語レベルを見極めた上で採用を進めていくことも方法の一つかもしれませんね。
▼価値観の違いについて
出身国が違えば価値観が違ってきます。価値観が違えば、コミュニケーション・働き方なども違ってきます。
たとえば、日本・中国・インドでは、仕事に対する価値観・優先順位を比較すると、日本は「仕事」、中国は「家族」、インドは「宗教」という調査結果もあります。
なので、家族や宗教よりも仕事ばかりを優先するような働き方をさせてしまうと、モチベーションの低下・離職につながってしまう可能性があるかもしれません。
中国やインドだけでなく、採用した外国人の母国の文化や価値観を尊重して働き方に多様性をもたせることが重要になってきます。
しっかりとコミュニケーションを取り、相手が何を大事にしているか、価値観をすり合わせしてお互いを理解することが重要です。
▼ビザの更新について
留学生は大学で日本に来る際に、学生ビザを使います。在学中はこの学生ビザの範囲内でアルバイトなどをおこなうことができます。
しかし、留学生が日本の企業に就職する際は、もう学生ではなくなるのでビザを更新する必要が出てきます。
学生ビザから就労ビザに変更する手続きをしなければなりません。就労ビザは職種によって種類も異なり、規制なども変化してくるのでしっかり確認する必要があるでしょう。
ビザの更新に対してあまり知見がなく不安であるという採用担当者様もいるかと思います。そんなときは、ビザ申請~就労までサポートしてくれる企業もあるので、そのような企業を利用してみるのも手かもしれませんね。
就労ビザ・更新|わかりにくい手続きをパターン分け解説!|行政書士監修
4.外国人採用に役立つ10の採用イベント
ここからは、外国人を採用するためのお役立ち採用イベントをご紹介していきます。
1|【Bridgers】新卒・中途採用の新たなる一手、国内在住外国人正社員の採用イベント
- 日本国内にいる外国人の方々と面接を実施できる採用イベント
- 社労士への相談サービスや各種手配の代行サービスなど、「ビザ申請~就労」までを一括してサポートできる充実の体制
- 「92%の内定承諾率」という実績をもっており、これまでに1,500名超の求職者の就業が決定
サービス名:Bridgers
運営会社:株式会社ネオキャリア
URL:https://www.neo-career.co.jp/service/bridgers_B
2|【TOP CAREER】外国人留学生限定の就職支援サービスのパイオニア
【特徴】
- 日本初の外国人留学生限定の就職支援サービス
- 模擬面接を通じて自分の就活力を測る就活検定があるため、外国人留学生の就活レベルを判断することができる
- 国内最大級の外国人留学生向けの就職イベントを開催。日本TOP企業の留学生担当人事や外国人先輩社員が集結
サービス名:TOP CAREER
運営会社:フォースバレー・コンシェルジュ株式会社
URL:http://www.topcareer.jp/2019/seminar_event/0004/
3|【INTERNATIONAL JOB FAIR】外国人留学生4,000人が集まるイベントの開催
【特徴】
- 毎年4,000人の留学生が集結する国内最大級の外国人留学生向け就職フェアを開催
- 毎回、大手企業からベンチャー企業まで、数多くの企業が集結し、マッチングを生み出している
- 企業ブースと着席型のスロットセミナーに分かれていて、用途によって使い分けが可能
サービス名:INTERNATIONAL JOB FAIR
運営会社:株式会社ベイングローバル
URL:https://www.globalleadernavi.com/
4|【CAREER JAPAN FORUM】ビザの変更まで一貫してサポート
【特徴】
- DISCOのグローバル人材採用の実績を活かし、外国人留学生を効率的に採用することができる機会を提供
- 20年以上の実績により、留学生からの認知度が非常に高い
- イベント開催のみではなく、人材紹介、ビザ変更サポートまでトータルに支援をおこなっている
サービス名:CAREER JAPAN FORUM
運営会社:株式会社ディスコ
URL:https://www.career-jpn.com/ja/
5|【Daijob Go Global Career Fair】63カ国のバイリンガルが参加
【特徴】
- 語学を活かせる職場を求めて日本人・外国人63ヵ国のバイリンガル人材がイベントに参加
- 幅広い業界からの企業が出展しており、それに比例して多くの人材の集客ができている
- イベント参加者の約半数は日本語レベルがネイティブレベル
サービス名:Daijob Go Global Career Fair
運営会社:ダイジョブ・グローバルリクルーティング株式会社
URL:https://www.daijob.com/company/gcfair.html
6|【JOB博】高い満足度を誇るイベント
【特徴】
- 「優秀で就労意欲の高い求職者が多かった」など、出展企業の9割以上が出展に満足
- ブース型、セミナー型、選考型の3つの出展形式を用意
- 1ブースあたり、平均56人と出会え、密なコミュニケーションが可能
サービス名:JOB博
運営会社:株式会社パソナ
URL:https://job-haku.com/clients
7|【WORKS JAPAN GLOBAL】幅広い地域と高いレベルの大学の学生が多数所屬
【特徴】
- 来場した学生の出身地域は、東アジア41%、東南アジア32%、欧米 17%、南米 8%、アフリカ2%
- 外国人留学生と企業採用担当者の英語・日本語で質問対応していて、学生の積極性がわかる
- 参画企業からは、来場者の出身地域数・大学レベルともに高いという評価を受けている
サービス名:WORKS JAPAN GLOBAL
運営会社:株式会社ワークス・ジャパン
URL:http://www.global.worksjapan.co.jp/jobfair/
8|【就活留活サポステ】安心の成功報酬型のイベント
【特徴】
- 出展しても成功報酬型なので、ブース出展コストがかからない
- 行政書士による個別相談ブースもあるので、学生が日本で働くことに対する不安を解消することができる
- 最近では留学生の大半を占めていた東アジアに加え、ASEAN諸国・地域や欧米など、さまざまな国・地域からの留学生も増えている
サービス名:就活留活サポステ
運営会社:一般財団法人職業教育・キャリア教育財団
URL:http://support-station.tokyo/company/for_company.html
9|【JP CAREER】ベトナム特化の外国人留学生イベント
【特徴】
- ベトナム国内でも最高峰の理系大学と提携
- ベトナム人と日本人には共感できる文化が多く、日本社会に適応しやすい人材が集まっている
- ベトナムは人口の65%以上が20歳代以下という「若さ」と子供への教育に大変力をいれたことによって基礎学力が高い「優秀さ」を兼ね備えている
サービス名:JP CAREER
運営会社:株式会社日本構造エンジニアリング
URL:http://www.jpcareer.jp/schedule.html
10|【Jobtopia】外国人留学生のキャリア指導も実施
【特徴】
- 近年ますますニーズが高まっているASEANや欧米の学生まで幅広い国籍の学生をカバー
- イベントに外国人留学生のキャリアデザイン講義の企画と実施
- 社会人へのインタビュー式企業研究をおこなっているため、業界理解が進んだ状態で出会える
サービス名:Jobtopia
運営会社:株式会社フューチャー・デザイン・ラボ
URL:https://jobtopia.bizpla.jp/job/
まとめ
いかがでしたでしょうか。
人手不足で悩んでいる企業であっても、外国人を採用することに少なからず抵抗を感じるかもしれません。
しかし、これから企業を成長させていく中で、グローバル化は必須であり、外国人の採用が主流になる日が来るかもしれません。
国内で優秀な人材を採用できない、慢性的な人手不足という課題がある企業は、優秀な外国人の採用に目を向けてみるのもいいのではないでしょうか?
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