「シフト作成や勤務時間の集計が煩雑」「不正打刻をやめさせたい」このように感じている飲食業の人事担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
飲食店では、店舗に占める正社員の割合が少なく、勤怠管理が大変です。また、早朝から深夜まで多くのアルバイトがシフトに入るため、勤怠データの管理が煩雑であることを、課題に感じている方もいらっしゃるでしょう。
そのような悩みを解決するのが、勤怠管理システムです。今回は、飲食店向けの「勤怠管理システム」について、
- エクセルによる勤怠管理とどう異なるのか
- 勤務時間の集計が煩雑でも、正確な勤怠管理ができるのか
- 勤怠管理システムで不正打刻が防止できるのか
をご紹介します。
目次
数多くある勤怠管理システムの中から、自社に見合うシステムを探す際、何を基準にして選べばいいのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために今回、社労士監修のもと、「勤怠管理システムの比較表」をご用意いたしました。資料には以下のことがまとめられています。
・勤怠管理システムの5つの選定ポイント
・社労士のお客様のシステム導入失敗談
・法対応の観点において、システム選定で注意すべきこと
お客様の声をもとに作成した、比較表も付属しています。これから勤怠管理システムの導入を検討されている方はぜひご活用ください。
1. 勤怠管理システムは、エクセルによる勤怠管理とどう違うの?
勤怠管理システムとエクセルで大きく異なるのは、正確な勤怠管理ができることです。
エクセルによる勤怠管理は、打刻方法が「タイムカード」「出勤簿」のどちらかであるケースが多いです。
タイムカード、出勤簿での打刻には欠点があります。それは、正確な勤怠管理ができないという点です。タイムカードは他人が簡単に打刻ができ、出勤簿は月末にまとめて書く人が多いでしょう。
2019年4月に施行された働き方改革関連法によって、「すべての労働者の労働時間の状況を客観的な方法で把握すること」が義務付けられています。しかし、タイムカードや出勤簿では、労働時間を客観的に把握することが難しいでしょう。
勤怠管理システムでは、PCやスマホで打刻すると、システムにデータが蓄積されていくため、客観的な労働時間を把握することができます。
勤怠管理システム | エクセル | |
打刻方法 | PC・タブレット・スマホ・IC打刻機 | タイムカード・出勤簿 |
勤怠の集計方法 | システムで自動集計 | 手入力して関数で集計 |
集計にかかる工数 | 1人で2日かかる | 9人で2日かかる |
導入にかかるコスト | 150,000円/月 | 0円/月 |
【参考記事】勤怠集計と給与計算の作業時間を1/9に短縮!8人分の人件費を削減!
2. 勤務時間の集計が煩雑だけど、どうしたらいいの?
飲食店では、店舗に占めるスタッフの割合が少ないため、正社員への負担が大きくなります。主な原因として、ランチやディナータイムのように1日のうちで忙しい時間が片寄るためです。
このようにスタッフによって業務時間が大幅に異なるため、勤務時間の集計が煩雑になります。
勤怠管理システムであれば、スタッフは自身のスマホやタブレット、店舗のパソコンなどから打刻ができます。また、自動で勤務時間が集計されるため、月末の面倒な集計作業がなくなり、その業務にあたっていたスタッフの工数を大幅に削減することができます。
さらに飲食店の場合、賃金の深夜割増(22時から翌朝5時)を定めているケースが多くあります。時給の違いや端数処理について、切り上げや切り下げにも気をつける必要がありました。
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しかし、勤怠管理システムでは、細かい設定をおこない自動集計されます。そのため、複雑な計算によるミスを防ぎ、より正確な給与計算を実現できます。
3. シフト表の作成業務の負担を軽減したい
飲食店に限らず、アルバイトが多い職場ではシフトの管理などの事務作業は正社員がおこなうのが一般的で、正社員の数が少なくなれば、当然1人にかかる負担は大きくなるでしょう。
勤務時間がばらばらだったり、時間帯などの条件によって時給が異なったりするアルバイトを組み合わせて無駄なく適切にシフトを組むことは大変です。
勤怠管理システムでは、機能の一つとしてシフト管理を備えているものがあります。これは、スタッフが申請した希望シフトを効率的に作成することができます。
(ジンジャー勤怠のシフト作成画面)
また、休暇と残業の申請と承認をスマホで完結することもできるため、余計な手間がかかりません。
4. アルバイトスタッフによる不正打刻をやめさせたい
飲食店のようにアルバイトが多い職場では、管理者の目が届かず、不正打刻をしているアルバイトも多いのではないでしょうか。
多店舗の場合、1人の管理者が複数の店舗を掛け持ちします。アルバイトのみの店舗では、アルバイト同士が連絡を取り、代わりに打刻をするなど、遅刻をごまかすケースもあるようです。
勤怠管理システムを導入することで、こうした不正打刻の解決が期待できます。勤怠管理システムには多様な打刻方法があり、交通系ICカードを利用しての打刻、指紋や静脈を読み込んでおこなう生体認証打刻などがあり、不正打刻をできない環境にするのと同時に、勤怠管理の効率化を実現できます。
(ジンジャー勤怠の勤怠管理画面)
また、ヘルプ勤務がおこなわれる飲食店では不正打刻に関して加えて注意する必要があります。まず、ヘルプ勤務とは、複数の店舗を経営している場合に、スタッフの欠勤などで人手が少なくなった店舗に、他の店舗から人員を補充する方法です。
たとえば、ヘルプ勤務を利用する職場の場合、2店舗で営業しているなら、同じスタッフであってもタイムカードはそれぞれの店舗に置かれている場合があります。そのため、同じスタッフのタイムカードが2枚存在することになります。
これは、不正の温床になる可能性が高いことに加えて、給与計算時には集計が漏れたり、担当者の負担が大きくなったりする可能性があるでしょう。
勤怠管理システムでは、一人ひとりにアカウントが付与されるため、ヘルプ勤務の場合であっても所属店舗で登録されたアカウントをそのまま使用できます。スタッフと管理者側の双方に利点があるといえます。
5. 飲食店向けの勤怠管理システム
飲食店の勤怠管理に対応する勤怠管理システムをご紹介します。これまで飲食店で一般的に課題とされることについて説明してきましたが、同じ飲食店でも、自社のニーズに適した勤怠管理システムを導入することが大切です。
課題に対して特に必要な機能が優れている勤怠管理システムを導入することが、勤怠管理の効率を高めるためのポイントになります。
5-1.ジンジャー勤怠
「ジンジャー」は、採用・勤怠・人材管理など、人事領域に関する業務を一貫して管理できる、プラットフォームサービスです。
国内ほぼすべての給与管理システムとの連携も可能で、GPSや顔認証を含む多様な打刻方法、わかりやすいシフト作成など、飲食業の勤怠管理に必要な要素を網羅することができます。
5-2. Fooding Journal
「Fooding Journal」のシフト管理は、時間外手当や深夜手当などを加算した店舗人件費が、マウスでドラッグして線を引くだけで計算表示されます。
人件費の予算を考慮しながら、適正なシフト表を作成することができます。シフト作成の負担を軽減したいお店にはピッタリでしょう。
5-3. MAIDO SYSTEM
「MAIDO SYSTEM」では、タイムカードアプリにより、端末をICカードリーダーにかざせば、タイムカードの打刻ができます。
スタッフごとに別の端末を利用するので、別のスタッフが代わりに打刻するなどの不正を防ぐことができます。設定により、店舗外からの不正打刻もできません。
5-4. Touch On Time
勤怠管理の仕方は、会社により異なります。勤怠管理システムを導入する際にも、それぞれの会社に応じた設定ができれば、より効率的な勤怠管理ができるでしょう。
「Touch On Time」では、ヒアリングにより、導入する個々の会社の勤怠管理に必要な設定でサポートします。
5-5. ぴかいちナビ
多店舗経営にとっては、勤怠管理において、本部と各店舗のスムーズな情報のやり取りが欠かせません。
「ぴかいちナビ」では、トータルシステムにより、「必要な情報」を「必要な人」に「必要なタイミング」で「必要な形」にして提供する機能が充実しています。
5-6. まんぷく
勤怠管理システムを導入したいが、「費用が心配だ」「コンピューターに詳しいスタッフがいない」という会社も多いのではないかと思います。
「まんぷく」の場合、煩雑なサーバー管理や専任のスタッフの必要もなく、安価な月額費用で勤怠管理システムを導入できます。
※価格につきましては、利用状況等により異なることがありますので、目安とお考えください。
6. まとめ
「当社の勤怠管理は、キツい」と、お考えの事業主や人事担当の方も多くいらっしゃるようです。しかし、課題を明確にし、ひとつひとつ解決していくことで、効率的に対応することができます。
飲食業に特化した勤怠管理システムを導入することで、ストレスが一気に解消されるかもしれません。ご紹介した飲食業に適した勤怠管理システムを参考に、自社に適したシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。 【関連記事】勤怠管理システム総合比較|クラウド|価格・機能比較表|2019年最新版