2019年度の日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジェトロ)によると、インドネシアは今後海外で事業拡大を図る国ランキングの5位となっており、アジア圏では中国・ベトナム・タイに次ぐ4番目につけています。
2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、進出等の計画があったとしても計画の見直しをせざるを得なかった企業もあったでしょう。
しかし2021年、オムニバス法改正に伴い企業の投資緩和等もあり、徐々に外資企業であってもビジネスを始めやすくなったため、今まで以上にインドネシアへの進出・設立を検討される企業が増加するかもしれません。
今回は、インドネシアへの進出のメリット・デメリット、そして進出を検討している際に相談可能なコンサルティング会社をご紹介します。
目次
インドネシアの日系企業の現状
2019年に外務省が実施した海外進出日系企業拠点数調査によると、74,072社もの日系企業が海外に進出しており、うち67%はアジア地域に進出しています。
さらにアジア地域に進出している企業拠点数が1000社を超える企業のみ抽出し、その中で企業拠点数が多い国順に並べ替えるとインドネシアは中国・インドに次、3番目に多いことがわかります。
※2019年の調査ではタイ企業は調査されていないため、含まれていません。
また、インドネシア国内のみの企業数をみると下記のような結果となっており、都市部ジャカルタを中心にスマトラ島からバリ島まで様々なエリアにて、多くの日系企業があることがわかります。
インドネシアの一般情報・政治状況・経済状況そして日系企業の進出状況は別記事にてまとめております。下記の記事も参考までにぜひご確認ください。
インドネシア進出のメリット・デメリット
上記の図からみてもわかるように、インドネシアには多くの日系企業が進出しています。そもそもインドネシアに進出するメリットそしてデメリットは、どういった点が挙げられるのでしょうか。
メリット1.豊富な天然資源
インドネシアの国土面積は日本の約5倍の約192平方メートルあり、とても広大です。その広大な国土は、豊かな天然資源に恵まれ、農林水産物を始め石油、天然ガス、石炭といった化石エネルギー資源だけでなく、銅、ニッケル、錫など多くの鉱物資源も埋蔵されており、保有する資源は多様かつ豊富です。また広大な海域がもたらす魚介類などの海洋資源も多く産出しています。 このような天然資源は多くの外資企業にとって、インドネシアは限りない開発と発展の未来あるポテンシャルを持った国だといえるでしょう。
メリット2.親日国家
インドネシアが「世界最大の親日国家」と言われているのには、歴史的背景があるという説もあります。
第二次世界大戦後、念願の独立を果たしたインドネシアにオランダが再度侵攻を仕掛けてきたとき、日本はなんとしても独立を貫こうとしたインドネシアに協力し、インドネシア軍と協力しオランダと戦いました。このような過去もあり、今でも親日感情が根付いているといわれています。 またインドネシアは、アニメや映画を通して日本の文化への関心も高く、日本語を勉強している人数も世界で2番目に多いこともあり、日本への理解がある方が多くいます。
もちろん文化も宗教も異なるインドネシアでビジネスを始めることは簡単ではありません。そのため”日本の文化に理解がある人が多い”という点は、インドネシアに進出する日本企業にとって大きなメリットとなるでしょう。
メリット3.消費マーケットが大きい
今のインドネシアは世界人口4位についており、平均年齢が29歳と若く、今後30年は人口ボーナス期を迎えると言われています。
その中でも近年では中間所得層が10年で12倍に増えており、個人消費が促進され経済が年々活性化されています。今後もさらに人口が増えていくのが見込まれているため、潜在的にも巨大な消費市場であることは間違いありません。
グーグルの調査によると、インドネシアのEC市場は2018年の270億ドルから、2025年までに3倍の1000億ドルに達し、東南アジア最大の市場なると予測されているようにオンラインショッピングも増えています。
少子高齢化が進み消費市場があまり活発でない日本にとって、今のインドネシアは魅力的なマーケットでしょう。
デメリット1. インフラ未整備
インドネシアは、日本と比べてインフラが整備されていない状態です。インドネシア生活をしたことがある人はイメージがつくと思いますが、自動車やバイクそして電車が通る公共交通機関の整備が不十分なのに対し、国内の自動車を購入する層は壮大する一方なので、インドネシアの各地では連日渋滞の騒ぎとなっており、深刻な問題となっています。
また交通インフラだけでなく、電気・水道に関しても地方の地域ではいまだに整備が整っていないところもあります。ジャカルタのような都市部であっても、大雨が降ると洪水が起き、多くの住民が避難せざるをえなくなることもあり、オフィスビルのような建物であっても急に停電が起きてしまうこともあります。
デメリット2.不安定な規制や法律
インドネシアでは事前の告知もなしに法令が変更されるケースも少なくなく、変更された内容も不安定であるという例もあります。また内容が公布される前に、施行されているといったケースもあるため、自らアンテナを貼り、情報を集める必要があります。 また、法令の受け取り方が役人によって異なることも多く、聞く人によって違う回答があることもあるため、情報の取り扱いと判断にも注意が必要です。
デメリット3.宗教観の違いから発生する価値観の違い
日本で生活をしていると宗教を身近に感じることは多くないかと思いますが、インドネシアは様々な宗教があります。
例えば、ムスリム教徒が1年に1度行っている断食の期間は、就業時間を少しはやめに変更したり、お祈りの場所・時間を考慮したりと、現地の人が大切にしていることを理解した上で、彼らに文化に合わせる必要があるでしょう。
インドネシアへの進出・設立をサポートしてくれる企業8社紹介
1. PT. Japan Asia Consultants
1996年の創業以来、日系企業様のインドネシア進出を、現地での会社設立支援からはじまり、設立後の会計税務・経理・財務・労務・給与計算・社会保険・法務・外国人ビザ業務など、管理部が行う業務をワンストップでサポートしています。 中小企業を中心とした500社以上の企業のサポートをしており、インドネシアの進出支援会社として約18年間の経験・実績があります。
企業名 | PT. Japan Asia Consultants |
設立 | 1996年 4月 |
会社URL | https://jac-japanasiaconsultants.com/ |
所在地 | Intiland Tower 12th Floor, Jl. Jend. Sudirman 32, Jakarta 10220 INDONESIA |
2. PT. Phoenix Strategy Indonesia
会社としては2017年設立ですが、もともと2011年に別法人にて立ち上げをされていたためインドネシアでの業務経験が豊富です。日本人会計士・弁護士もいるため、日本語での相談が可能です。 法務関連サービスの中に海外進出サポートのなかに会社・駐在員事務所の設立サポートがあります。インドネシア語が担当な日本人の労務担当の方がいらっしゃるため、法律に関する煩雑な問題点も日本語で相談できる点は安心だと思います。
企業名 | PT. Phoenix Strategy Indonesia (PT.Feniks Manajemen Indonesia) |
設立 | 2017年7月 |
会社URL | https://fnk-i.com/ |
所在地 | Menara BTPN, 38th Floor, Jl. Dr. Ide Anak Agung Gde Agung Kav. 5.5 – 5.6 Mega Kuningan, Jakarta Selatan 12950 INDONESIA |
3. APM Japan consulting
インドネシア拠点は2011年に同グループの4拠点目として設立され、現在まで、約10年にわたる経験があります。インドネシアでも、進出前のご相談対応から、進出手続代行、進出後の月次年次会計税務代行、法定監査、法務等ワンストップでサービス提供しております。
企業名 | PT. APM Japan Consulting |
設立 | 2011年10月 |
会社URL | http://www.apmjapan.co.id/index.html |
所在地 | Wisma Nugra Santana 7th Floor Jl. Jendral Sudirman Kav 7-8 Jakarta 10220, Indonesia |
4. PT. ASAHI NETWORKS INDONESIA
「ジャカルタ(インドネシア)の会計事務所」として、日本企業様に向けた会計税務サービス・進出支援サービス・ビジネスコンサルティングサービスを提供しています。代表の岡本はジャカルタ歴20年以上でJETROアドバイザーも兼任しているため、インドネシア進出の初期段階からご相談を承る機会が多いのが特徴です。
企業名 | PT Asahi Networks Indonesia |
設立 | 2011年10月 |
会社URL | https://www.asahinetworks.com/indonesia/about |
所在地 | Alamanda Tower 24 th Floor Unit A,B Jl.T.B. Simatupang Kav.23-24 CIlandak Barat Jakarta Selatan 12430-INDONESIA |
5. PT. OS SELNAJAYA INDONEISA
日系企業の進出準備、会社設立、許認可申請、増資、役員交代、事務所移転など設立前から設立後にいたるまで様々な業務をサポートが可能です。また会社設立後、会社を運営していく際に必要となる様々な業務のサポートを一貫して提供しています。
企業名 | PT. OS SELNAJAYA INDONEISA |
設立 | 1995年10月 |
会社URL | https://www.os-selnajaya.com/ |
所在地 | Menara Astra, 55th Floor, Jl. Jend. Sudirman, Kav. 5-6, Jakarta, 10220 |
6. PT. Tokyo Consulting
PT TOKYO CONSULTINGは東京コンサルティンググループのインドネシア拠点として2011年に設立して以降、日系企業を中心に延べ100社以上の海外進出支援から進出後の財務・会計・税務・経理代行・給与計算・労務・法務・ビザ取得などのバックオフィス業務のサポートを行っています。
また、設立後に必要となる会計税務・労務などのサポートをワンストップで行っておりますので進出前から進出後まで弊社の窓口一本で海外進出が可能となります。
企業名 | PT. Tokyo Consulting |
設立 | 2011年 |
会社URL | http://www.tokyoconsultingfirm.com/indonesia/ |
所在地 | MENARA STANDARD CHARTERED Floor 18 Jl. Prof. Dr. Satrio No. 164 kelurahan Karet Semanggi, Kecamatan Setiabudi, Jakarta Selatan 12930 |
7. 株式会社インドネシア総合研究所
インドネシア総研は、全社員がインドネシアでの留学や駐在経験があるため、スピーディーな情報収集力と幅広いネットワークを活用しながら、約200社を超える企業のインドネシア事業をサポート実績があります。
インドネシアの調査や、進出前のサポートだけではなく、進出後の営業支援も可能です。
企業名 | 株式会社インドネシア総合研究所 |
設立 | 2011年4月 |
会社URL | https://www.indonesiasoken.com/ |
所在地 | 東京都渋谷区代々木1-21-8 クリスタルハウス7F |
8. PT Fair Consulting Indonesia
フェアコンサルティングの日本オフィス(東京・名古屋・大阪・福岡)を窓口とし、インドネシアを含む世界15の国地域での顧問対応をしています。また設立の手続を代行するだけでなく、日本における進出準備段階から設立後の運営支援まで、日本と進出先国地域において包括的に支援可能です。その際、現地日本人公認会計士等による日本語対応も可能です。
企業名 | PT Fair Consulting Indonesia(株式会社フェアコンサルティング) |
設立 | 2012年7月 |
会社URL | https://www.faircongrp.com/ |
所在地 | 16th Floor MidPlaza 1 Jl. Jend Sudirman Kav 10-11 Jakarta 10220 Indonesia |
まとめ
いかがでしたでしょうか。インドネシアはインフラが整っていない分、それらの整備が進むことにより今後ますます発展することが期待できるでしょう。 インドネシアでの進出を検討されている担当者様がいらっしゃいましたら、ぜひ上記の企業様にお問い合わせをしてみてください。また進出の話が進み現地の人材や人件費に関して、気になる点等ございましたら、インドネシアの人材紹介企業にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。