「中途採用はいつが効率的?」「求職者が活発になる時期は?」「掲載社数が多い時期のデメリットとは?」
これらは私が営業だったときに、採用担当者様からよくいただいていた質問です。
せっかくお金と労力をかけて採用をするなら、一番良い時期に出したい!日々、採用のご担当者様とお話させていただくなかでその思いは痛いほどわかります。
そこで今回、元営業だからこそ知り得る情報満載で中途採用の媒体掲載のおすすめの掲載時期・その理由についてお伝えします。
目次
1|企業・求職者別の動くタイミング
人事の方が最も気にされるのが「求職者が最も動く時期」「企業の動く時期・動かない時期」この2点かと思います。
業界によってはたくさんのライバルがいることもありますので、求職者が最も動くタイミングで掲載できるのが1番ですよね。
そこで、求職者・企業側の動く時期・動かない時期をまとめてみました。
1-1. 求職者が動く時期・動かない時期
データ出典:Google Insights for Search
※検索ボリュームの最大値を100としとた値を示す
※2017年10月~2018年9月:週間ごとのキーワード「転職」の検索数になります。
①【動く】1月~3月
上記をみると、検索のボリューム数を100とした値にしたさい、1月~3月は100に近い数値が続いており、求職者が最も「転職」と検索しており、採用が活発していることがわかります。
ただ、その分掲載社数も増加するので、掲載順位・原稿の打ち出しは注意が必要になります。
②【動く】長期休暇後
次に動く時期は長期休暇後です。 グラフを見ると、年末年始明けの1月・GW後の5月・そしてお盆明けの8月において求職者の動きが活発になっているのがわかります。
長期で休暇をとったさいに
・帰省での家族と仕事の話、友達と仕事の話をしていている中で、「転職を勧められた」
・連休中に仕事を見つめ直し、自分のなかで「このままでいいのだろうか」といった疑問が生じた
そして連休後に媒体や人材紹介に登録するために「転職」といったキーワードを検索する、そのような方も昨今増えてきています。
【動かない】4月・8月・年末年始
先程、長期休暇後のタイミングで求職者は動くとかきましたが、逆に動かないのはそのまえの長期休暇中です。 売り手市場の今、焦って転職活動をする方が少なくなっています。休みはたっぷり自由な時間を満喫する、そして休暇後に転職意欲が高まるそんな求職者が増えています。
ちなみに同じ論理で土日に動く求職者は少なく、平日に転職活動をする人の方が多いです。
1-2. 企業側が動く時期・動かない時期
[拡大する]
引用:【2019年中途媒体最新版】各媒体の掲載社数について調べてみた
上記は株式会社ネオキャリアがまとめた2008年1月から2018年12月のWEB中途求人媒体の掲載社数になります(年度によって、媒体社が増えています)。
①【動く】1~3月・5月・8月
過去10年間の掲載社数のデータをみると、動く時期は年度にもよりますが、1~3月・4~5月・7~8月ということがわかります。 年度により多少の差はありますが、傾向的にとても掲載社数の増加=企業の採用活動が活発化していることになります。
1~3月は4月入社に向けてと決算消化のために媒体を使う企業が多いです(日本では約20%の企業の決算月が3月と言われています。ただ上場企業に限ってみると、80%以上が3月決算法人です)
5月・8月においてはWEBの各中途求人媒体社がキャンペーンを実施することが多いため掲載数が増加しています。
②【動かない】6月・9月・11月~12月
掲載社数が減少気味=採用活動が活発でない時期は6月・9月・11月~12月になります。
理由としては6月9月は5月のGWや8月のお盆などの長期休暇があり、掲載準備ができなかった、11月~12月は年末に向けて忙しい企業が多いので掲載できないなどが考えられます。
2|時期に合わせた採用施策
doda転職求人倍率レポート(全国)によると、昨年1~3月の転職求人倍率は、1月2.35倍、2月2.53倍、3月2.49倍となっています。また、年に応じて多少の差はあるものの、月ごとによって掲載社数と転職者数のバランスが違うのも読み取れます。
そこで、時期に合わせてどうような採用の施策をとっていけば良いのか、下記にてお伝えします。
2-1. 1~3月における採用戦略
【施策①】1月上旬(年始)での掲載をする
採用を活発化させている企業が多い1月~3月、また大手企業の求人も多く掲載されているので求職者も複数応募されているケースが多いです。
ただ年始は掲載準備がまだできていない企業や4月入社を狙う企業が少ないため、1月上旬(年始)での掲載をおすすめします。
【施策②】複数の採用手法を用いる
この時期はWEBの媒体以外でも積極的に動いている職者が多いです。年間を通してみても転職フェアやセミナーもこの時期開催が1番集客ができます。
そのため媒体以外でも転職フェアやダイレクトリクルーティング・ハローワークなど、いろいろな手法を組み合わせて採用成功角度を高めていきましょう。
【施策③】上位での媒体掲載
1月~3月は媒体での応募数の母集団形成が少なくなる時期です。媒体での掲載もいつもどおりの掲載順位より上位での掲載をおすすめします。実際に昨年2018年1月のエン転職の掲載順位1位(S企画)・2位(A企画)の割合は56%です。
このように掲載順位2番目までに半数以上の掲載をされているため、上位での掲載をしていきましょう。
2-2. 4~6月における採用戦略
【施策①】5月GW後すぐの掲載をする
この時期は求職者については転職活動が比較的落ち着きます。
ただ、5月になると長期休暇明けに求職者が活発化します。2019年は10日連休といつもより長い休暇ですので、さらに活発が促進される予想です。 また、6月は掲載企業も少なく、夏のボーナス前で転職意欲が湧きやすい時期です。
このことから5月のGWあけすぐ~6月の掲載をおすすめします。
【施策②】求職者に細かいフォローを図り、他企業との差別化を
4月の新卒採用の受け入れや長期連休もあり企業側は忙しく求職者対応も、細かいフォローができていないケースが多いです。
そこで差別化をはかるべく、求職者に個別でのメッセージをいれるときに温かい一文を入れたり、面接時にはメッセージカードやウェルカムボード、現場社員との顔合わせなどのフォローをいれると企業への志望度が高まります。
2-3. 7~9 月における採用戦略
【施策①】8月お盆あけ前までの掲載をする
求職者については夏のボーナスがあるため、転職活動を考える方が多いです。またお盆の長期連休明けには、求職者の転職活動にも動きがでます。
そのため、お盆明け前までの掲載をおすすめします。
【施策②】研修制度や具体的な仕事内容を訴求
7月~9月は新卒の離職離れが進む時期でもあります。新卒を大量採用をしている企業などは「3ヶ月の壁」など揶揄されているほどです。早期離職での欠員補充のため第二新卒枠で掲載数が増加傾向にあります。
そのような第二新卒層を狙っていくためには求人媒体での原稿をいかに新人を大切にしているかなど、研修制度をしっかり明記しましょう。
また早期離職の場合は実際に働くとイメージが違ったなど、実際の仕事内容とのギャップも考えられます。そのため具体的なスケジュールを明記した内容や、仕事での厳しい部分も記載するなど原稿内容にも注力しましょう。
2-4. 10~12月における採用戦略
【施策①】10月までの掲載をする
10月と11月~12月については、まったく動きが変わります。
10月については、半期の決算明けになるため、このタイミングで動く求職者もいます。ただ、11月、12月は師走も近づくため求職者も転職活動を積極的におこないません。
そのため、大量採用を考えているなら10月までに掲載しましょう。
【施策②】即戦力や最短での入社を強調する原稿
11月~12月については師走にかけて求職者の動きは弱まります。また企業の掲載社数も少なくなるため、ライバル企業は少ないでしょう。
しかし、ただでさえ忙しい年度末に転職活動をおこなう求職者は、質が高くまた最短での入社が可能な方が多いです。また即戦力になるようなベテラン層も新年からの入社が多いです。
そのため、11月~12月の掲載原稿については即戦力採用の原稿や、最短入社OKなどのキーワードを入れて原稿作りをしましょう。
3|媒体掲載までのスケジュール
3-1. 時期はあくまでも二の次!?
ここまで活発になる時期や施策についてお話させていただきましたが、時期や施策よりも大切なことがあります。
この計画をしっかりたてられていないままですと、どんなに企業にとっていいタイミングでも採用を失敗してしまうケースが多々あります。
また逆を言えば、この5つをしっかりたてられている企業は時期が関係なく、好きなタイミングでも採用成功の角度が高いです。
3-2. 主な中途媒体での掲載までスケジュール
また、中途採用をおこなう適切な時期についてお伝えしましたが、ベストなタイミングで求人をおこなうには、当然その前に準備期間が必要なことも忘れてはなりません。
こちらは主な各媒体での掲載スケジュールの一覧となります。
お申込み~掲載まで掲載スケジュールは最短でも7日(取材ありの場合)となっており、じっくり作成したい・原稿はこだわりたいといった場合は2週間ほどかかってしまいます。
こちらを参考に、それぞれの企業様にとってしっかりした計画でベストなタイミングの掲載をおすすめします。
お申込み~掲載まで 最短スケジュール |
お申込み~掲載まで じっくり 作成スケジュール |
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リクナビNEXT | 9日 | 14日 |
マイナビ転職 | 9日(取材なし4日) | 14日 |
エン転職 | 13日 | 18日 |
doda | 8日(取材なし4日) | 12日 |
4|さいごに
本記事では、求職者・企業の動く時期・動かない時期や時期ごとの採用戦略についてまとめてみました。
いかがでしたでしょうか?
時期も、もちろん大事ですが採用の目的や手法・人数によっても中途採用のご計画が変わるかと思います。
本当の課題とは何なのか、一度採用担当者と現場の方とすり合わせてみてはいかがでしょうか。
本記事が貴社の有効な中途採用のために少しでもお役に立てたら幸いです。