人事や採用を担当される方であれば「Indeed(インディード)」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。最近ではCMや広告の露出も増えています。
しかし、企業側にとって「Indeedの活用方法やそのメリット」は、まだあまり理解されていないことも多いようです。「なんとなくは知っているけど、まだ採用に活かせていない」という企業様も多いのではないでしょうか。
「いまだにどうやったら活用できるのかわからない」「どうすれば掲載されるようになるの?」など、今さら聞けないお悩みを抱えている人事や経営者の方のために、本記事ではまだIndeedを活用したことがない企業様が、Indeedを自社の採用活動に活かす方法をお伝えします。
目次
1.そもそもIndeedとは何か?
1-1.Indeedと求人サイトとの違い
Indeedは、求人サイトではなく「検索エンジン」
Indeed(インディード)はいわゆる「求人サイト」ではなく、検索すると求人情報のみがヒットする「求人情報に特化した検索エンジン」です。
検索エンジンといえば、googleを思い浮かべていただくのが分かりやすいと思います。googleでは、検索窓に任意のキーワードを入力すると、世界中のあらゆるWebサイトを対象として、キーワードに合致したWebページが検索結果として表示されます。
一方、indeedは「キーワード」「勤務地」という2つの検索窓があります。
キーワードを入力すると、親和性の高い求人情報のWebページのみが検索結果として表示されます。
Indeedは検索エンジンだから、掲載求人数が圧倒的に多い!
転職サイトやアルバイト情報サイトに掲載されている求人情報は、「有料でお金を払った企業の求人情報」のみです。
それに対しIndeedは、求人サイト・新聞などのメディア・各種団体・企業の採用ウェブページなど、数千のウェブサイトをシステムが巡回して、求人情報と思われるページを勝手にピックアップして掲載しています。
一定の基準と独自のアルゴリズムによって求人情報と認識されたページは、Indeed内での検索結果に求人情報としてヒットするようになります。
そのため、Indeed内の求人情報の件数は、正社員求人が約80万件、アルバイト求人が約90万件以上と膨大な数になります。別に企業がお金を払っていなくても、Indeedが勝手に掲載してくれるためです。
大手の転職サイトでも約8~9000件程の掲載件数ですので、求人の件数も圧倒的に多いことがわかります。
Indeedのユーザーとなる求職者数も膨大!
Indeedはもともと、2004年にアメリカでスタートしましたが、2012年にリクルートホールディングスが買収。日本では現在、月間約1,000万人以上のユーザー(求職者)がいます。
国内で現状最も登録者数が多い転職サイトでも、登録者数は約400万人前後で、その数は2倍以上になります。
世界では、月間約1億8,000万人以上のユーザーが利用し60カ国以上・28言語に対応。求人特化型検索エンジンとしては世界No.1と言えます。
このようにユーザーが増えている理由は、Indeedが「検索したときに上位に表示されやすい」というサイト構造である点が大きいです。
そのようなサイトを作る方法は多々ありますが、その中のポイントの1つに「コンテンツ量が多いほど上位表示されやすい」という点があります。
Indeedは前述の通り、膨大な数のあらゆる求人情報が網羅されているため、上位に表示されることが圧倒的に多いのです。
1-2.Indeedの料金体系について
Indeedの掲載方法
Indeed(インディード)は、大きく分けると
①スポンサー求人枠(有料掲載枠)
②オーガニック求人枠(無料掲載枠)
の2つから構成されています。
「注目の企業」枠は、有料掲載をおこなっている企業の広告費や、サイトの求人案件数などの条件に応じて表示される枠になるため、この枠のみに有料で広告を出稿することはできません。
「無料掲載」と「有料掲載」の違い
これまでお伝えしてきた通り、Indeedは「求人特化版の検索エンジン」です。
そのため、一定の基準を満たすWebページはindeedに求人情報と認識され、勝手にIndeedに掲載されます。これが無料掲載です。
一方、広告費を支払えば検索結果でスポンサー枠という目立つ場所に表示できるというサービスが有料掲載です。
クリック課金型サービス
これまでの求人サイトの料金は、基本的に「掲載順位・コンテンツの内容量・掲載期間」などにより、料金プランごとに異なるものでした。一定の掲載期間内にPVがどれくらいあろうとなかろうと料金は固定です。
そのため、いかに安く、露出度を高く、長期間掲載できるかを気にする企業様が多い状況でした。
それに対し、Indeedの有料掲載は「成功報酬のクリック課金型広告」です。1クリックあたりにいくら支払うかという上限クリック単価を企業側で設定し、入札制で表示される求人が決まります。
ただし料金は後払いではなく上限予算を先に支払うデポジット型になりますので、一定の最低出稿金額が設けられています。
広告費を使い続ける期間も、自由に決めることが可能です。indeedの管理画面では、「上限クリック単価」と、「1日あたりに利用する上限日予算」を設定することで目安の期間が割り出されます。
予定通りたくさんクリックがあると1日あたりの予算を使い切りますし、逆に全然クリックされなければ予算が残って期間を延長することになります。
そのため、これまでの求人広告と同じような考え方でとにかく利用している期間を延ばそうとしてしまうと、1日あたりの使える予算が減り、機会損失につながってしまうこともあります。
2.Indeed活用のメリット・デメリット
Indeed(インディード)のメリットとデメリットを簡単にまとめると、以下のような点になります。
2-1.Indeedのメリット
- 無料でも利用できる
- 有料の場合も、クリック課金制のため、興味を持った人にクリックされた分だけしか料金が発生しない。コストリスクが無い
- 期間や予算の設定が自由なので、運用次第で効率的に予算を使える
- ユーザーは求人サイトに登録しなくても利用できるので、ユーザー数が圧倒的に多く、応募獲得が見込める
- 自社ホームページを活用したダイレクトリクルーティングの仕組みを構築できる
2-2.Indeedのデメリット
- そもそも検索されること自体が少ない求人は、いくら予算があってもクリックされずに、ただ期間だけが経過する可能性がある
- ユーザーが検索したキーワードで自社求人が表示されるため、潜在層にはアプローチしにくい可能性がある
- クリック単価や予算の設定の仕方が自由な分、手間がかかるともいえる
- 入札制のため、競合の多い求人はクリック単価が高騰する(エンジニアや医療系職種など)
- 自社の採用ホームページを「indeedライク」な仕様にする手間がかかる
3.Indeedを自社の採用に活用するための準備
「Indeed(インディード)を使ってみたい」と考えている方は、まずは、求職者が応募する先のWebページを自分で準備する必要があります。
求人広告と違って、代理店が取材して原稿作成してくれるというものではありません。
そして、Indeedの検索エンジンに認識してもらえるページの仕様にする必要があり、それにはいくつかの種類や規定があります。
これを理解していないと、自社求人サイトを作ったあとに「Indeedに対応していなかった!」ということになりかねません。
Indeed活用の前に、しっかりと自社求人サイトがIndeedに対応できているかを確認しましょう。
3-1.「Indeed対応の求人サイト」にするための3つ準備方法
①クローリングされるページを作成する
「クローリング」とは、Indeedの検索エンジンロボットが企業のHPや採用情報を読み込むことを言います。「クローリングされるページの作成=Indeedに読み込まれる仕様のページの作成」と考えて下さい。
Indeedの検索結果として、数多く目にする企業の独自の採用サイトやホームページの求人情報などのリンクは、このIndeedにクローリングされているページで、これが最も一般的な掲載方法です。
クローリングされるには、Webページが後述の掲載基準を満たしている必要があります。
②Indeedに直接投稿してページを作成する
自社で上記に当てはまる求人ページを持っていない、準備するハードルが高いという企業様の場合、IndeedのTOPページにある求人広告掲載というリンクから、Indeedの中に直接自社の求人情報ページを作成することができます。
ただし作成してみると分かるのですが、基本的に文字が多く、見た目は多少淋しい仕様となります。これでは、いくらクリックされても応募に至る率が下がってしまうことも考えられます。
求職者目線で応募したくなるようなページの準備を心がけましょう。
③求人サイトへの出稿
求人サイトをこれまで多く使ってきた企業様の中には、時には何もしていないのに転職サイトに掲載している原稿がIndeedの中にも出ているのを目にしたこともあるかと思います。
これは、媒体社が自社求人サイトの効果と掲載企業の満足度向上のためにIndeedの有料枠を購入しているためです。
しかし、企業様が独自に有料掲載をしたい場合、求人サイトに掲載している原稿を応募先Webページとして使うことはできません。
3-2.掲載(クローリング)基準
Indeed(インディード)にクローリングされるWebページを作成する際の注意点をご紹介します。
この点を認識していないために、「自社採用サイトの改修が必要となり、なかなかIndeedの利用を開始できない」という企業様も多いため、まずはこちらを確認しましょう。
②1求人につき1職種名が簡潔に記載されていること
③仕事内容の詳細があり、詳細を見るためにユーザーに登録を要求しないこと。応募するための課金などが無いこと
④明確な勤務地が記載されていること
⑤それぞれの求人ごとに別々のURLが割り振られていること
⑥各求人ページに応募方法が明記されていること
どういうこと?具体的なNG例
例えば以下のような採用情報ページがあった場合、上記の基準に照らすと、下記のような理由でクローリングNGとなります。
①6件以上の求人情報が掲載されていない
「職種」「勤務地」「仕事内容」、この3つが1セットになったものが「求人情報」と定義されます。このセットが6件以上掲載されているサイトでないとクローリングされません。
新卒採用のように「総合職という募集のみ出ていて上記3セットが1つしかない」サイトなども、上記6件以上の条件を満たすことができないため、Indeedはどちらかというと中途・アルバイト・パート採用で活用されることが多いと言えます。
②複数の職種の求人情報が、1つのURLに入っている
「職種」「勤務地」「仕事内容」、この3つが1セットになったものが「求人情報」ということはお伝えしました。ここに複数の職種が入っているものはNGということです。
③業務の詳細がわからない
仕事を探す方の目線からすれば当たり前のことですが、単純に「営業」と記載してある求人よりも、「○○のような特徴を持つ○○を販売する仕事」など、より具体的にイメージできる求人のほうが分かりやすいですよね。
④明確な勤務地が無い
勤務地に関しても、「関東」よりも「東京新宿区○-○」など、詳細な住所や、そこまで記載が難しい場合は市区町村レベルまで記載すると良いと言われています。
⑤求人ごとにURLが分かれていない
1つのURLの中に複数の求人情報を入れてはいけない理由は、「営業」と検索したのに「監査業務」の求人も検索結果に出てしまう、といったことがないようにするためです。
「職種」「勤務地」「仕事内容」、この3つが1セットのため、面倒ですが例えば同じ職種と仕事内容でも勤務地が全国47都道府県それぞれで違う場合、1件1件ページのURLを別にする必要があります。
⑥応募方法が不明確
そのままWebから応募できるフォームなどがあったほうが間違いなく応募率は高くなることが見込めますが、ない場合は応募方法を明記しましょう。
モバイル対応は必須
日本では、全検索の85%がモバイルからの発生と言われています。「PCでの検索の際にだけ掲載されるようになっていれば良い」という場合は、モバイル最適化は必須の対応条件ではないものの、効果を出すという観点では対応したほうが良いと言えます。
その他、クローリング条件以外の掲載ガイドライン
他にも、「インターンなどの無給案件には基本的に利用できない」などの規定があります。その他掲載ガイドラインはこちらよりご確認下さい。
3-3.求人情報ページ作成のためのおススメのツール
結構様々な規定があって難しいなあ・・と思われた方も多いのではないでしょうか。
そんなときは、「広告運用代行会社」に依頼をすれば、自社の採用サイトがクローリングされているのか否か、されていない場合どう改善すると良いか、などのアドバイスをもらえます。
逆に、採用サイトの制作会社などは、このような仕様を理解せずにページを作成している場合が多いので注意しましょう。
もしくは、手っ取り早くIndeed対応の求人サイト作成ツールを使ってしまうのも手です。フォーマットに合わせて情報を入れるだけで簡単にIndeedに読み込みされる仕様の採用サイトが作成できるので、イチから修正するのであればツールを利用した方が早いかもしれません。
Indeed対応のATS(採用管理システム)一覧も、Indeedにて公開しています。
4.Indeedで効果を出すための方法
4-1.無料掲載・有料掲載に共通する方法
Indeedの掲載順位の仕組み(アルゴリズム)
詳細は前述したようにブラックボックスとなっていますが、
①検索キーワード、②求職者の行動履歴、③詳細ページの内容
の3点のマッチ度によって、求職者のニーズに最も合致すると思われる求人が表示されるようになっているようです。
そのため、自社の求人原稿のキーワードや詳細ページの内容を求職者のニーズに合うものに変更しておくことが一番重要です。
掲載ページ自体をIndeed好みの仕様に変更する
とはいえ求職者のニーズはその時々によって変化します。そういった場合にはGoogleのSEO対策と同様に、Indeed(インディード)の検索エンジンに好まれる仕様にページを変更することが最も掲載順位や効果出しに有効と言われています。
具体的にどこをどう変更すると良いのかは各求人やWebページの仕様にもよりますが、以下のような点は推奨基準として挙げられています。
<必須>
①会社名:
- 会社名の項目に会社名・勤務先店舗以外の文言は含めないこと
②職種名:
- 職種名に職種以外の文言(雇用形態・会社名・給与情報・未経験歓迎等のキャッチなど)は記載しないこと
- 職種名は23文字以上で記載しないこと
<尚可>
①効果的な職種名:
- 職種名は明確で具体的であると効果的です。
- 業務内容を記載する。特定の業界の経験がある候補者をお探しの場合は、業界を明確に記載することでより適格な候補者を見つけることができます。例えば、「医薬情報担当者 (MR)」は一般的な「営業職」よりも業界が限定されています。
②職種名に避けるべき内容:
- 文章のような職種名
- 感嘆符
- 社内の用語、求人番号、略語等は求職者にとって分かり辛く、検索されない可能性が高いです。
③効果的な仕事内容:
仕事内容は候補者がその求人に適正かどうか判断ができるよう具体的にしましょう。
④仕事内容に含めるべき内容:
- 仕事内容や責務
- 会社の雰囲気や文化
- 福利厚生
- 必要な学歴や資格
- 望ましい経験年数
⑤効果的な勤務地:
勤務地は市区町村以下の詳細レベルまで記載していただいた方が好ましい
特に、職種名のポイントは求人サイトのキャッチコピーと勘違いして押さえられていないことも多いので、注意が必要です。
例えば、職種を入れるべき箇所に下記のような文言があった場合、Indeed(インディード)好みの仕様とは言えません。
【未経験歓迎★月給30万円~!】誰でもカンタンにできるお仕事です♪業界未経験でも3ヶ月でリーダー職の先輩も!
職種と関係の無い待遇面の文言が入って23文字を超過している他、「【】、★、!、♪」といった記号や感嘆符なども入ってしまっています。求人広告のキャッチであれば思わず目に留めてしまうような気がしますが、Indeed推奨基準に則っていることが大切です。
掲載ページ自体を増やしてヒット率を上げる
「職種」「勤務地」「仕事内容」が1セットになった求人案件数が自社の採用サイトに多いほど、検索でヒットする機会が増えますので、効果が出やすくなると言えます。
例えば、同じ仕事内容でも勤務地が違う求人を別の案件として自社採用サイト内に作成しておけば、ヒット率は上がるわけです。ただし重複案件とみなされる求人は極力表示しないロジックになっていますので注意が必要です。
Indeedの活用に向いている企業・求人
上記のような特性から、下記のような企業のほうが効果が出やすいと言われています。
- 多数の店舗・拠点をもっている企業
- 多数の職種で募集を行っている企業
- アルバイト・パート採用に困っている企業
- 既存の求人メディア・派遣では効果が出ない企業
- 自社でクローリング済みの採用情報ページを持っているが、活用していない企業
- 人材会社(派遣、紹介)
逆に、無給のインターンや新卒採用などでは、あまり活用できにくいのがIndeedと言えます。
4-2.Indeed有料掲載の場合の運用方法
Indeed広告の運用とは
有料掲載の場合、下記の2点をおこなうことによって予算を効果的に使うことを「広告運用」と言います。
以下は、実際のキャンペーン設定画面です。
例えば自社で複数の求人ページがある際に、特定の職種や地域の求人にだけ予算を投下してスポンサー枠に表示させたい場合や、特定の案件だけ急募である場合など、予算の投下の仕方を分けるために「キャンペーン」というくくりを利用します。
次に「上限のクリック単価と期間」を設定します。投下した予算によって1日に利用する広告予算が決まります。職種や地域ごとに推奨のクリック単価は日別でも変動しますので、目的に応じてこの調整をおこないます。
実際のレポート画面で日々クリック数やそもそも表示された回数などを確認し、上記2点を調整していくことになります。
このような分析レポートも自分で確認できます。
代理店に委託することのメリット・デメリット
とはいえ、「どの指標をどう見てどう調整したら良いか分からない」という企業様も多いでしょう。
もし、「リスティング広告といった他の運用型広告を利用したことがない」という企業様は、まずは広告運用代理店を活用することをお勧めいたします。
メリットとしては上記2点の調整をプロがおこなってくれ、その中で自身のノウハウを溜めていくことができます。
デメリットとしては、代理店によってパーセンテージは異なりますが、実際の広告費の20%~30%程度の運用手数料がかかります。
▶Indeedとは?活用メリットから広告運用代理店の比較まで
5.Indeedの活用方法をさらに知りたい方へ
なかなか採用がうまくいってないという企業様は、まだ自社採用に活用できていないのであれば試してみない理由はありません。
しかし、理解できているようで、なかなか全てを理解するにはわかりづらいIndeed。もし自社の採用にこれから活用されるという企業様は、セミナーに参加してその場で質問したり、信頼できるパートナーに相談したりしてみることをお勧めいたします。