従業員の労働時間を正確に把握するには、出勤簿の作成が必要です。しかし、紙の出勤簿は労働時間の集計に手間がかかるだけでなく、偽造や改ざんに弱いという欠点を抱えています。そこで役に立つのが、出勤簿ソフトと呼ばれるツールです。出勤簿ソフトを導入すれば、出勤簿をデータで作成し、労働時間の記録を客観的に残すことができます。
本記事では、出勤簿ソフトを導入するメリットや注意点を分かりやすく解説します。
タイムカードや出勤簿などで勤怠管理をしている場合、以下のような課題はないでしょうか。
・タイムカードの収集や打刻漏れ、ミスの確認に時間がかかる
・労働時間の集計に時間がかかる/ミスが発生しやすい
・労働時間をリアルタイムで把握できず、月末に集計するまで残業時間がわからない/気づいたら上限を超過していた
そのようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、勤怠管理システムです。システムであれば工数・ミスを削減して労働時間の集計ができるほか、リアルタイムで労働時間が把握できるため、残業の上限規制など法律に則った管理を実現できます。
勤怠管理システムについて気になる方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
1. 出勤簿ソフトとは?
そもそも出勤簿とは、従業員の始業・終業時刻や残業時間などの労働時間を記録し、管理するための書類を指します。賃金台帳や労働者名簿と並んで、労働基準法で定められた法定三帳簿の一つです。
出勤簿をデータで作成し、一元管理するためのツールが「出勤簿ソフト」です。エクセルで作成した出勤簿と違って、パソコンなどの端末にインストールして使う点に特徴があります。また、出勤簿ソフトには出勤簿の作成だけでなく、以下のような機能もあります。
- 始業・終業時刻の打刻
- 残業・出張などの申請
- 業務日報の管理
- 有給休暇の申請や管理
- 勤務シフトの作成
- 社員のヘルスケアのチェック
- 36協定などのチェック
一般的に「勤怠管理システム」「勤怠管理ツール」と呼ばれるソフトウェアとよく似た機能を持つのが出勤簿ソフトです。
1-1. 厚生労働省が労働時間の適性な把握についてのガイドラインを策定
出勤簿ソフトが必要な理由の一つは、厚生労働省が平成29年1月に策定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(以下、ガイドライン)」にあります。このガイドラインは、企業が労働時間を正確に把握するために必要な取り組みをまとめたもので、「使用者が講ずべき措置」として6つの項目が挙げられています。[注1]
- 始業・終業時刻の確認・記録
- 始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
- 自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
- 労働時間の記録に関する書類の保存
- 労働時間を管理する者の職務
- 労働時間等設定改善委員会等の活用
出勤簿ソフトと関係があるのは、2番目の「始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法」の項目です。[注1]
使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
- 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
- タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。
労働時間を管理する方法として、厚生労働省は「タイムカード、ICカード等の客観的な記録」を推奨しています。[注1]出勤簿ソフトは、従業員の打刻データ(客観的な記録)をパソコン上で一元管理し、出勤簿を作成するツールです。手書きの出勤簿などの手段で労働時間を管理している場合は、出勤簿ソフトへの移行を検討しましょう。
[注1]厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」P3
2. 出勤簿ソフトを導入するメリット
出勤簿ソフトを導入するメリットは、大きく分けて3つあります。
- 出勤簿のペーパーレス化を実現できる
- 集計ミスを減らせる
- 他のシステムと連携できる
紙の出勤簿を使った勤怠管理に限界を感じる方や、厚生労働省のガイドラインに沿った労働時間管理をしたい方は、出勤簿ソフトの導入を検討しましょう。
2-1. 出勤簿のペーパーレス化を実現できる
出勤簿ソフトを導入すれば、紙の出勤簿をデータに移行し、ペーパーレス化を実現できます。出勤簿を紙で管理していると、手書きの手間や記入ミスのリスクがあるだけでなく、偽造や改ざんの恐れもあります。
一方、出勤簿ソフトは打刻データを受け取り、労働時間を自動で集計するツールです。紙の出勤簿と比較して、人事担当者の負担を大きく減らせます。また、一般的な出勤簿ソフトには、パスワードを設定して第三者のアクセスを制限する機能があるため、打刻データの改ざんを未然に防ぐことも可能です。
2-2. 集計ミスを減らせる
出勤簿のペーパーレス化のため、エクセルなどの表計算ソフトを利用している企業も多いのではないでしょうか。しかし、エクセルでの勤怠管理には、「タイムカードの数字を転記するときのミス」「エクセルシート上の数字を集計するときのミス」など、さまざまなヒューマンエラーが起こり得ます。一方、出勤簿ソフトは打刻データを元に労働時間を自動で計算するため、集計ミスを減らすことが可能です。従業員の労働時間を正確に把握したい企業は、出勤簿ソフトを導入しましょう。
2-3. 他のシステムと連携できる
出勤簿ソフトによっては、給与計算システムやビジネスチャットツールなど、他のシステムとシームレスに連携できます。例えば、給与計算システムと連携すれば、出勤簿のデータを使って給与を自動計算できます。また、Slackなどのビジネスチャットツールと連携し、チャット内で打刻できる出勤簿ソフトも存在します。出勤簿ソフトと他のシステムを組み合わせ、業務改善を図ることが可能です。
3. 出勤簿ソフトを導入するときの注意点
出勤簿ソフトを導入するときの注意点は3つあります。
- 出勤簿ルールを守る
- 出勤簿のデータは5年間保存する
- 対応した端末を確認する
出勤簿を作成する場合、労働基準法のルールを遵守する必要があります。例えば、出勤簿には従業員の氏名を除いて、以下のような項目を記載しなければなりません。
- 労働日数
- 労働時間数
- 残業時間数
- 休日労働時間数
- 深夜労働時間数
出勤簿の書式やレイアウトについて法的な決まりはありませんが、出勤簿ソフトを導入する場合は、少なくとも以上5点の項目を記入できるものを選びましょう。
また、出勤簿は労働基準法第109条の規定により、5年間保存(法改正以前は3年間)する必要があります。[注2]出勤簿ソフトを導入する場合は、出勤簿のデータを必ず保管し、バックアップを取得しておきましょう。
第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。
出勤簿ソフトによっては、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に対応したものもあります。スマホ打刻やGPS打刻など、モバイル対応の出勤簿ソフトにしかない機能もあるため、利用したい方は出勤簿ソフトの対応端末を確認しましょう。
本サイトでは、勤怠管理方法の見直しをご検討中の方へ向けて、自社に合った勤怠管理システムを探すポイントや導入前のチェックシートをまとめた「勤怠管理システム導入完全ガイド」を配布しています。
実際の勤怠管理システムの画面キャプチャを用いて解説しているため、どのような使い方ができるのかより具体的にイメージできる資料となっています。こちらから無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
4. 出勤簿ソフトのメリットや注意点を知り、労働時間を正確に把握しよう
出勤簿ソフトは勤怠管理に使われるツールの一つで、出勤簿をデータで作成することができます。出勤簿ソフトを導入すれば、労働時間の集計ミスの削減や、勤怠管理システムや給与計算システムとのシームレスな連携など、さまざまなメリットを得られます。
出勤簿は、賃金台帳や労働者名簿と並ぶ法定三帳簿の一つです。しかし、手作業で出勤簿を作成すると、手間がかかるだけでなく入力ミスや計算ミスが発生する可能性があります。出勤簿ソフトを導入し、出勤簿のペーパーレス化に取り組みましょう。
タイムカードや出勤簿などで勤怠管理をしている場合、以下のような課題はないでしょうか。
・タイムカードの収集や打刻漏れ、ミスの確認に時間がかかる
・労働時間の集計に時間がかかる/ミスが発生しやすい
・労働時間をリアルタイムで把握できず、月末に集計するまで残業時間がわからない/気づいたら上限を超過していた
そのようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、勤怠管理システムです。システムであれば工数・ミスを削減して労働時間の集計ができるほか、リアルタイムで労働時間が把握できるため、残業の上限規制など法律に則った管理を実現できます。
勤怠管理システムについて気になる方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。