就労ビザ(在留資格)の種類、申請方法とは?|業種別、場面別(留学生、永住、転職)に解説 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

就労ビザ(在留資格)の種類、申請方法とは?|業種別、場面別(留学生、永住、転職)に解説 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

就労ビザ(在留資格)の種類、申請方法とは?|技術・人文知識・国際業務ビザも詳しく解説

  • 労務
  • 労務・その他

監修:行政書士 細田加苗

日本で働くことができる在留資格のことを、多くの人は「就労ビザ」と呼んでいます。

在留資格」というのは、外国人が日本に「滞在して、特定の活動をするための資格」のことです。

「在留資格」「就労ビザ」については、法務省のホームページに詳しくルールが記載されていますが、法律文のため、一般の方が読み解くには多くの時間と労力がかかってしまうのではないでしょうか。

そのため、この記事では法律文の内容をかみ砕き、就労ビザの種類や基本情報、申請の方法までをご紹介していきます。

ぜひご参考にしていただけますと幸いです。

・今回監修した行政書士・

【監修】細田 加苗 東京都行政書士会新宿支部所属 

埼玉県出身。2018年慶應義塾大学法学部政治学科卒。
2019年行政書士試験合格。外国人の方のビザ取得支援業務について、日々勉強中。
夢は多文化共生社会の実現。

 

【社労士監修】HR関連法改正トレンドBOOK 2024年版

2023年は一部企業を対象に人的資本開示が義務化されたほか、HR関連での法改正に動きが見られました。
2024年では新たな制度の適用や既存のルールの変更・拡大がおこなわれます。
人事担当者として知っておきたいHR関連の法改正に関する情報ですが、その範囲は幅広く、忙しい業務の中でなかなか網羅的に把握することは難しいのではないでしょうか。

  • 忙しい中でも要点をまとめて情報収集をしたい
  • 社労士が監修した正確な情報を知りたい
  • HR関連の法改正を把握しておきたい

という方はぜひご確認ください!

\4月24日限定開催!/
人事×ChatGPTの具体的な活用術術を紹介!

ChatGPTをはじめとする生成AIを業務に取り入れることで、業務時間の圧縮や業務量の削減が期待されます。今回は、人事の方が今日から使えるChatGPT活用術として、実際に使えるプロンプトを交えた実践的なノウハウもご紹介します。

▷こんな方におすすめ!

  • 人事業務の担当者の人手が足りず困っていて業務効率を上げたい
  • ChatGPTに興味はあるけれど、どんなことに使えばよいか分からない
  • 業務にChatGPTを取り入れたいが、イメージしているような回答が出てこない
  • ▼当日の視聴予約はこちらから!▼
    https://seminar.hrnote.jp/post/95

1|在留資格(就労ビザ)の基本情報

ここでは、在留資格の種類についてご紹介します。

在留資格にはさまざまな種類があり、在留期間などもそれぞれ異なりますので、ぜひご確認ください。

1-1.在留資格の全体像

2019年11月現在、外国人が日本に「滞在して、特定の活動をするための資格」である在留資格は、全部で29種類あります。

そのうち、日本で「働くことができる」在留資格(通称:「就労ビザ」)は19種類です。

就労ビザは「永住者」「日本人の配偶者など」のような「身分」によって滞在や就労が認められているものと、「高度外国人材」「高度専門職」「技術・人文知識・国際業務」のような「一定の専門知識/技能」によって滞在や就労が認められているものがあります。

1-2.就労ビザの種類

ここでは、それぞれの在留資格の在留期間の表をご紹介します。

在留資格 在留期間 在留資格 在留期間
外交 外交活動をおこなう期間 教育 5年/3年/1年/3カ月
公用 5年/3年/1年/3カ月/30日/15日 技術・人文知識・国際業務 5年/3年/1年/3カ月
教授 5年/3年/1年/3カ月 企業内転勤 5年/3年/1年/3カ月
芸術 5年/3年/1年/3カ月 興行 5年/3年/1年/3カ月/15日
宗教 5年/3年/1年/3カ月 技能 5年/3年/1年/3カ月
報道 5年/3年/1年/3カ月 技能実習 1号:1年未満
2号、3号:2年未満
経営・管理 5年/3年/1年/4カ月/3カ月 高度専門職 1号:5年
2号:無期限
法律・会計業務 5年/3年/1年/3カ月 介護 5年/3年/1年/3カ月
医療 5年/3年/1年/3カ月 特定技能 1号:1年/6カ月/4カ月(5年以内)
2号:3年/1年/6カ月※更新回数無制限
研究 5年/3年/1年/3カ月

 

このうち、大学や専門学校を卒業して企業などで働く外国人の多くが「技術・人文知識・国際業務」という就労ビザを取得して働いています。

また、日本で就労する留学生のうち91%は「留学生」ビザから「技術・人文知識・国際業務」ビザに切り替就労しています。

>>留学生のビザ切り替え方法に関する記事にスキップ

そこで、続いて「技術・人文知識・国際業務」について詳しくご紹介していきます。

2|「技術・人文知識・国際業務」ビザとは?

就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」は、日本で働くことができる在留資格の代表格です。そのため、どのような外国人がどのような業務であれば取得できる就労ビザなのかについて、ご紹介していきます。

2-1.「技術・人文知識・国際業務」ビザとは?

「技術・人文知識・国際業務」は、「人文科学や自然科学の知識を必要とする業務」や「外国文化に根ざした考え方や感受性についての理解を活かせる業務」をおこなう予定の外国人が取得することができる就労ビザです。

専門的・技術的分野の高度な知識を持つ外国人材の多くは、就労ビザのうち「技術・人文知識・国際業務」を取得しています。

具体的には、営業、マーケティング、エンジニア、企画、財務、法務などの業務をしている外国人の多くが、「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得して就労しています。

2-2.「技術・人文知識・国際業務」ビザ一覧表

「技術・人文知識・国際業務」ビザは、1つの在留資格のなかに3つの分野がまとめられている、という特徴があります。ここでは、3分野に分けて対象職種の例や取得条件についてご紹介します。

  対象職種(具体例) 取得条件
(※①か②のいずれかを満たす)
技術分野
  • 設計士
  • 開発エンジニア
  • システムエンジニア
①職務内容に関連する自然科学分野で大学/専門学校卒
※国内外の短期大学、海外の短期大学相当の学校を含む

 

②職務内容に関連する10年以上の職務経験がある

③人文科学の分野に属する技術または知識を必要とする業務に就くこと

人文知識分野
  • 企画/マーケティング
  • 営業
  • 経理/財務/法務
①職務内容に関連する自然科学分野で大学相当*/専門学校卒
※大学相当…国内外の短期大学を含む

 

②職務内容に関連する10年以上の職務経験がある

③日本で自然科学または人文科学の分野に属する技術または知識を必要とする業務に就くこと

国際業務分野
  • 翻訳/通訳
  • 貿易/海外取引
  • 語学指導
①外国人ならではの思考や感受性を要する業務である

 

②職務内容に関連する3年以上の職務経験がある
※通訳または語学指導に携わる場合、大学卒業者であれば、実務経験3年は不要

 

「技術」「人文知識」「国際業務」それぞれにおける、代表的な専攻科目は以下の通りです。

技術分野の専攻科目
物理学、化学、数理学、電子・電気工学、情報工学、機械工学、建築学、地質学、薬学、歯学、農学など(業務内容との関連性が必要)
人文知識分野の専攻科目
語学、文学、歴史学、教育学、社会学、心理学、哲学、商学、法学、政治学、経営学、会計学など(業務内容との関連性が必要)
国際業務分野
学部の制限なし。ただし、一定の日本語能力を要する(原則、JLPT N2以上が必要)。

3|場面別(留学生/転職/永住)就労ビザ申請方法

就労ビザの種類と、代表的な就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」についてご説明しました。次に、実際に就労ビザを申請する方法についてご紹介していきます。

就労ビザの申請方法は、「海外にいる外国人を呼び寄せる」場合と「日本にいる外国人」の場合とで異なります。

3-1.海外にいる外国人を呼び寄せる場合

海外にいる外国人を雇用する際は、企業の代表/職員または行政書士などが申請代理人となり、採用予定の外国人が就労ビザを取得する資格があることを証明する「在留資格認定証明書」を申請する必要があります。

①「在留資格認定証明書交付申請」をする

海外にいる外国人を日本に呼び寄せて雇用する場合、就労できる在留資格(例:「技術・人文知識・国際業務」)の「在留資格認定証明書」を取得する必要があります。

「在留資格認定証明書」を受け取るには、外国人本人の代理として企業の代表/社員または行政書士などが「在留資格認定証明書交付申請書」を出入国在留管理局(以下:入管)に提出する必要があります(※入管による審査機関は、1~3カ月程度です)。

「在留資格認定証明書交付申請」のために、準備が必要なものは以下の通りです。

準備するもの

  1. 在留資格認定証明書交付申請書(※申請前の3カ月以内に撮影した縦4cm、横3cmの写真を貼る)
  2. 返信用封筒(1通)
  3. 「技術・人文知識・国際業務」の「区分」に該当することを証明する文書
  4. 大学や専門学校の卒業を証明する文書

※その他企業カテゴリーごとに準備する書類があります。

②海外にいる外国人本人に「在留資格認定証明書」を送付する

外国人本人が海外にいる場合、企業または行政書士など代理申請をした人のもとに「在留資格認定証明書」が届きます。

「在留資格」を受け取ったら、原本を海外にいる外国人本人へ送付します。

③外国人本人がビザ申請をする

外国人本人は、受け取った「在留資格認定証明書」と必要書類を海外の日本大使館・領事館に持っていくと、ビザが取得できます。通常、申請から3日~1週間後に本人へビザが発給されます。

④外国人本人が来日し、就労開始

在留資格認定証明書交付日から3カ月以内に日本に入国し、空港で上陸審査を受け、問題がなければ日本での就労が可能となります。

3カ月以内に入国しない場合は「在留資格認定証明書」の効力が失われますので注意が必要です。

3-2.外国人が日本にいる場合

①現在の「在留資格」が業務内容に適合しているかを確認する

外国人本人の仕事内容が「在留資格」の基準に適合しているかを確認します。

現在の在留資格の資格内で就労できる活動内容と、新しくおこなう業務内容が異なる場合、外国人本人の住居地を管轄する地方出入国在留管理局で「在留資格変更許可申請」をおこなう必要があります。

※適合していない在留資格で働くと、在留資格を取り消される恐れがあります。

②-1雇用契約書の作成と締結

現在の在留資格で問題ない場合は、そのまま雇用契約の作成を進めていきます。

②-2「在留資格」の変更

現在の在留資格では新しくおこなう業務内容で就労できない場合、在留資格の変更をおこなう必要があります。

就労ビザの変更と更新については、次のセクションで参考記事をご紹介します。

就労ビザの申請手段は?

就労ビザの申請手段は、大きく分けて2つあります。

①外国人本人が申請

メリット:費用がかからない
デメリット:法律文の理解が難しい、適切な在留資格の判断が困難、入管への往復が面倒

②代行サービスで申請

メリット:法律文や申請ノウハウに精通した行政書士が代行、適切な在留資格を代わりに判断、手続きがスムーズなため最短で申請可能
デメリット:費用が発生する

4|就労ビザの更新・変更方法

就労ビザの更新・変更手続きについてご紹介します。

4-1.留学生を採用する場合

留学生のビザを就労ビザに変更する際は、以下の記事をご参照ください。

4-2.転職した外国人を採用する場合

転職した外国人の就労ビザを更新する際は、以下の記事をご参照ください。

5|まとめ

いかがでしたでしょうか?

就労ビザの種類と、代表的なビザ「技術・人文知識・国際業務」の詳細、就労ビザの申請方法と更新・変更方法までご紹介してきました。

外国人採用をされる際に、ぜひご参考にしていただけますと幸いです。

--------------------

\【2024年最新版】HR関連法改正トレンドBOOK/

▼無料ダウンロードはこちら▼
https://hrnote.jp/document/?did=148030

ChatGPTで変わる人事業務【実践編】

昨今のHR領域では、いかにAI・データの活用をおこなえるかが課題となっており、ChatGPTの登場により、ますます注目度が高まりました。
一方でChatGPTを業務に取り入れていきたいと考えている方の中には、

  • ChatGPTではどのような業務に取り入れられるのかわからない
  • 興味はあるものの、具体的にどの場面で活用できるのかわからない

などと考える方がいるのではないでしょうか。

本資料では、「ChatGPTの導入によって人事業務にどのような変化がでるのか」についてわかりやすく解説しています。
人事業務×ChatGPT活用について知りたい方は、ぜひご確認ください!

人事業務に役立つ最新情報をお届け!メールマガジン登録(無料)

HR NOTEメールマガジンでは、人事/HRの担当者として知っておきたい各社の取組事例やリリース情報、最新Newsから今すぐ使える実践ノウハウまで毎日配信しています。

メルマガのイメージ

関連記事

退職金は年末調整の対象に含まれる?退職所得の計算方法や確定申告が必要なケースを解説

退職金は年末調整の対象に含まれる?退職所得の計算方法や確定申告が必要なケースを解説

退職金は年末調整の対象となる所得には含まれませんが、所得税の課税対象ではあります。当記事では、なぜ退職金が年末調整の対象にならないのか、退職金に対する所得税の課税金額の計算方法、そして、退職金に対して確定申告が必要になる […]

  • 労務
  • 給与計算
2024.04.19
HR NOTE 編集部
サイレント退職、なぜ起こる?仕組みと予防策を解説|Smart相談室 伊禮 武彦

サイレント退職、なぜ起こる?仕組みと予防策を解説|Smart相談室 伊禮 武彦

こんにちは。株式会社Smart相談室の伊禮武彦と申します。法人向けオンラインカウンセリングサービス「Smart相談室」の運営、ビジネス部門の統括責任者を担当しています。 今回はクライアント様よりよくご相談を頂くサイレント […]

  • 労務
  • リスクマネジメント
2024.04.19
金井一真
ワークフローシステムの機能一覧!基本から便利機能まで解説

ワークフローシステムの機能一覧!基本から便利機能まで解説

近年では、ワークフローシステムが注目されています。システムを導入することで、紙の申請書を使うデメリットが解消できるため、業務負担の軽減が期待できます。ワークフローシステムには、さまざまな機能があります。当記事では、ワークフローシステムの機能について詳しく紹介します。ワークフローシステムの機能について興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

  • 労務
  • 労務・その他
2024.04.08
HR NOTE 編集部
法定労働時間の意味や上限を超えないためのポイントを解説

法定労働時間の意味や上限を超えないためのポイントを解説

法定労働時間とは1日8時間、週40時間であり、これを超える労働時間数に対しては割増賃金の支給が必要です。ただし、近年導入が進むフレックス制度をはじめとする複数の労働制度では、上記の条件とは少し異なる場合もあります。本記事 […]

  • 労務
  • 勤怠管理
2024.03.29
HR NOTE 編集部
通らない稟議書に共通する特徴やうまく通すコツを徹底解説

通らない稟議書に共通する特徴やうまく通すコツを徹底解説

稟議書が通りやすい人と、通りにくい人では書き方に大きな違いがあります。 どうしても通したい稟議がある場合は、読み手のことを考えた構成や文章にすることが大切です。本記事では通らない稟議書に共通する原因や、稟議書が通すコツな […]

  • 労務
  • 労務・その他
2024.03.28
HR NOTE 編集部

人事注目のタグ