近年では、働き方改革の影響も受け、従業員の柔軟な働き方を推進するために、テレワークの普及が拡大しています。これからテレワークを初めて実施しようと考えているけれど、必要なものについて具体的に把握しておきたい方は多いのではないでしょうか。当記事では、テレワークをおこなううえで必要なものについて徹底解説します。
目次
テレワークとは?
テレワークとは、ICT技術を活用した、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を指します。テレワークの形態には、自宅で働く「在宅勤務」や、通勤などの移動中に業務をおこなう「モバイルワーク」、サテライトオフィスやコワーキングスペースを活用する「サテライトオフィス勤務」などがあります。
テレワークを実施すれば、通勤のストレス解消や、自己研鑽や自己投資に使える時間の増加など、従業員にとってメリットが数多くあります。ただし、テレワークに必要なものを事前に準備しておかなければ、業務効率が下がってしまう可能性もあります。
テレワークに必要なもの・備品一覧
ここでは、テレワークに必要なものや備品について詳しく紹介します。
テレワークで必須のアイテム
テレワークで必須のアイテムは、下記の通りです。
- PC
- ネット回線
- 業務に必要なソフトウェアやクラウドツール
テレワークを実施するにあたって、業務内容に適したスペックのあるPCを用意する必要があります。なお、ノートパソコンやタブレット、スマホなど持ち運びができるデバイスを用意しておくと、出張先や通勤中などでも業務をおこなえるため便利です。
また、業務に支障がでないように、安定したネット回線を用意することが必要不可欠です。たとえば、在宅ワークをおこなうときは、通信品質の観点から、光回線がおすすめといえます。ただし、コストと業務効率のバランスを考慮して導入を検討することが大切です。
さらに、セキュリティ対策ソフトやWeb会議システム、チャットツールなど、テレワークでも安心かつ快適に業務を実施できるように、自社に適したソフトウェアやクラウドツールを導入することが重要です。
あると便利なアイテム
テレワークで、あると便利なアイテムは下記の通りです。なお、自分のニーズにあわせて工夫を加えたり、カスタマイズしたりするのもおすすめといえます。
- マイク
- イヤホン・ヘッドホン
- Webカメラ
- プリンタ
- 外部モニター
- モバイルバッテリー
- 覗き防止フィルム
- 体に負担のかからないパソコンデスク・チェア
テレワークでは、コミュニケーションを取るために、Web会議を実施する頻度が増加するため、必要に応じてマイクやイヤホン・ヘッドホン、Webカメラを準備することが大切です。
また、場合によっては、プリンタや外部モニターを準備すると、作業効率を向上させることができます。なお、SteelCase社の記事によると、シングルディスプレイからデュアルディスプレイに変更すると、作業効率が42%向上するという報告もあります。(※1)
さらに、モバイルワークを実施する場合、モバイルバッテリーがあると、電池切れに対応することが可能です。そして、覗き防止フィルムを使用すれば、他者から画面をのぞき見されるのを防止できるため、情報漏洩などのセキュリティリスクを減らすことができます。
(※1)参考:How Multiple Monitors Affect Wellbeing – Steelcase
テレワークで必要なもの①:PC・モニター
テレワークを実施するには、PCが必須です。業務内容やテレワーク形態に応じて、事前にPCのOS・CPU・メモリ・HDDやSSDなどのスペックを確認しておきましょう。性能の低いPCを使用していると、操作の速度が遅いことなどから、業務の生産性が下がってしまうこともあります。また、従業員のストレスにつながる可能性もあります。
そして、テレワーク端末のディスプレイのサイズが小さい場合には、大きなモニターを用意すると、作業効率の向上につながります。また、複数のディスプレイを使用してみるのもおすすめです。
テレワークには、PCやモニターが必要不可欠ですが、いきなりテレワークの導入を進めると、すぐには準備できない従業員も出てくるでしょう。とくにPCはテレワークを推進するうえで必須であるため、すべての従業員に行き渡るように備品を購入する必要がある可能性もある点に注意しましょう。
テレワークで必要なもの②:インターネット環境
テレワークでは、安心かつ快適に業務を実施できるようなインターネット環境を用意する必要があります。たとえば、社用Wi-Fiを従業員に貸与したり、自宅のネット回線の用意にかかる費用を負担したりすることで、インターネット環境の整備を進めることが可能です。
また、インターネット環境を使用するにあたって、セキュリティ対策を徹底する必要があります。インターネット上には、悪意のあるマルウェアが数多く存在しているため、セキュリティ対策ソフトを導入することが大切です。また、公衆Wi-Fiを使用すると、場合によっては脆弱性があり、情報漏洩につながるリスクもあります。そのため、事前にテレワークのルールを細かく定め、従業員に周知することが重要です。
テレワークで必要なもの③:パソコンデスク・チェア
在宅ワークの場合、オフィス勤務の場合と比較して、移動する機会が少なくなるため、体に負担がかからず、作業のしやすいパソコンデスクやチェアを用意するのがおすすめです。
たとえば、日常で使用しているチェアをテレワークで用いると、腰や背中などに負担がかかり、ケガにつながることもあります。また、パソコンデスクは、快適に作業できるようにPCやモニター、周辺機器、書類など、余裕をもって配置できるものを導入するのがおすすめです。
このように、在宅ワークの頻度が多くなる場合には、パソコンデスクやチェアの導入や買い替えを検討しましょう。
テレワークで必要なクラウドツール
ここでは、テレワークを実施するうえで、必要なクラウドツールについて詳しく紹介します。
Web会議システム
テレワークでは、オフィスとは異なり、直接対面で会話する機会を設けることが難しいです。そのため、コミュニケーションの希薄化が生じ、業務の生産性が下がってしまう可能性もあります。
そこで、Web会議システムを導入すれば、実際に対面しているような感覚で会議をおこなうことが可能です。また、Web会議システムには、ホワイトボード・画面共有・ファイル共有・録音・録画・ジェスチャー・バーチャル背景など、システムによってさまざまな機能があります。機能を上手く活用すれば、会議資料が不要となり、コストの削減にもつながります。
Web会議システムには、無料で使用できるものもありますが、セキュリティリスクを考慮して、自社に適したツールを導入することが大切です。
チャットツール
テレワークでは、コミュニケーション機会を創出するために、絵文字やスタンプなどを活用して気軽にやり取りできるチャットツールを導入するのがおすすめです。また、データや画像を共有したい場合、メールでは時間や手間がかかることもありますが、チャットツールでは簡単に共有できます。
さらに、チャットツールは、1対1だけではなく、同僚やプロジェクトなど、さまざまなグループを作成可能です。そのため、雑談のできるチャットグループがあれば、テレワークでの孤独感や不安感を和らげることができるかもしれません。
そして、チャットツールによっては、リアクション機能があります。メールでは忙しくて返信できない場合でも、チャットツールではリアクション機能を活用して簡単に返信が可能です。そのため、メッセージの送り主は、送付相手が既読したかどうかを確認することができます。
タスク管理ツール
テレワークでは、指示の伝達が上手くいかなかったり、従業員それぞれの業務の進捗状況がわかりづらかったりするという課題があります。そのため、タスクの依頼を忘れてしまったり、見逃してしまったりすることもあり、業務効率が下がってしまう可能性もあります。
そこで、進捗状況を可視化したり、タスクの抜け・漏れを未然に防止したりする目的で、タスク管理ツールを導入するのがおすすめです。タスク管理ツールには、スケジュール管理・コメント・アラート・外部ツール連携など、ツールによってさまざまな機能があります。たとえば、アラート機能を使用すれば、タスクが期限内に完了していない場合に、担当者に自動で通知することが可能です。
テレワークに必要な備品や経費のルールを整備しよう
テレワークでは、従業員が必要なものを揃えるために、コストがかかります。会社が負担するのか、従業員が負担するのかなど、テレワークに必要な備品それぞれに対して、経費のルールをきちんと整備しなければ、従業員の会社に対する不満につながる可能性があります。
たとえば、一般的に会社が負担すべき費用には、PCやスマホなどのデバイス・イヤホンやマイクなどの周辺機器・ビジネスツール・光熱費・通信費・郵送費などが挙げられます。
そして、費用を支給する方法を定めておくと、従業員と会社の間のトラブルを防止することが可能です。たとえば、テレワーク手当として、一括して支給する方法が挙げられます。
必要なものを揃えて快適なテレワークを!
テレワークを始めるには、PCやネット環境、クラウドツールなど、必要なものを準備する必要があります。また、テレワークをするうえで必須ではないが、あると便利というアイテムも数多くあります。
まずは会社の制度をきちんと確認し、自分のニーズにあわせて、必要なものを揃えて、安心かつ快適なテレワークを実施しましょう。