目標が達成されないのはKPI設定のせい?マネジメントに求められるKPI設定・KPIマネジメントのコツを解説 |HR NOTE

目標が達成されないのはKPI設定のせい?マネジメントに求められるKPI設定・KPIマネジメントのコツを解説 |HR NOTE

目標が達成されないのはKPI設定のせい?マネジメントに求められるKPI設定・KPIマネジメントのコツを解説

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※本記事は、株式会社ビーワンカレッジの広瀬好伸さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

こんにちは。ビーワンカレッジ代表の広瀬(@hirose_yoshi)です。

ビーワンカレッジは、KPIマネジメントツールの「Scale Cloud」を運営する企業です。事業全体の数値を部門横断的にすべて可視化することで、いま最も優先すべきKPIがわかり、それによるチームプレーでビジネスをグロースさせるクラウドサービスを提供しています。

【人物紹介】広瀬好伸 | 株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役
2002年あずさ監査法人に入社し、IPO準備や銀行監査に従事し、監査法人の公認会計士として上場を経験。2007年起業後は、公認会計士・税理士として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再生、社外CFOなど通して600社以上の事業に関わり、その中でIPOコンサルタントとして上場を経験。2019年及び2021年には社外役員としても上場を経験。年々厳しさを増す上場審査時の予算管理制度やKPIマネジメントの高度化を解決すべく、さまざまな立場・視点での上場経験と、KPIマネジメントやファイナンスの経験を融合させ、KPIマネジメントのスペシャリストとして、KPIを活用した「事業全体で最適な意思決定を可能にする科学的経営」を提唱。KPIマネジメントのコンサルティングやクラウドシステム「Scale Cloud」の開発に注力している。

マネジメントレイヤーとメンバーの仕事の大きな違いは、チームの目標に対する責任の有無にあります。

今回は、マネジメントレイヤーに求められるKPI設定およびKPIマネジメントのコツについて解説します。

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マネジメント層にKPI設定力が必要なのはなぜか

マネジメント層にはKPI設定力が求められます。理由は以下になります。

  • 部署の目標達成は「メンバー個人」のKPI達成ではなく「チーム全体での」KPI達成度合いに紐づく

  • 部署全体の目標達成のためにはマネジメントレイヤーの「点のサポート」が重要である

こちらを詳しく見ていきます。

部署の目標達成は「メンバー」のKPI達成ではなく「チーム全体での」KPI達成度合いに紐づく

営業の目標に対する評価を例に考えてみようと思います。

営業チームでは、各メンバーに契約数の目標を割り振ったうえで、各自の目標を達成できるようにマネージャーが「各メンバーの契約数」の進捗を確認するスタイルが一般的かと思います。各メンバーの業績も、獲得契約数を基準として評価されるのが一般的です。

一方で、マネージャーは何を基準に目標達成率を評価されるかというと、「各メンバーの達成有無」ではなく「チーム合計の目標の達成率」を基準に評価されることがほとんどです。

つまり、メンバーの達成有無は、実は問われておらず、「営業のエースメンバーにチーム目標の件数を受注してもらう」以下のような形でも、チームとしての達成というKGIは達成され、組織として得たい成果は得られる形になります。

つまり、各メンバーに分けられた目標だけに焦点を当てて目標管理をするのは適切ではありません。

部署全体の目標達成のためにはマネジメントレイヤーの「点のサポート」が重要である

少し視点を変えて、今度はマネージャーがメンバーを育成する際の「フィードバック」について考えてみます。

例えば、メンバーのAさんは目標の契約数を達成できなかったとします。その直接の要因はどこにあると考えられるでしょうか?

  • 商談をおこなうところまでは到達するものの、そのあと失注したのでしょうか?
  • アポ獲得に課題があり、そもそもの商談数が足りないのでしょうか?

要因を特定するには「アポ数」「アポ率」「商談数」「商談率」など、マネージャーとメンバーで共有できる「数値」による計測が必要です。

その数値の中で特に影響度が高いものに対してフィードバックをおこなうことで大幅改善を狙うことができます。

以下では、目標達成のために、KPI設定の際に押さえたい3つのTipsを紹介します。

KPI設定のコツ1:結果だけでなく行動にも、量だけでなく質にもKPIを置く

売上額・受注数などの最終的な数値を追うにあたってのKPIを、「行動量」(例:アポ数)と「行動の質」(例:アポ率)に置くようにします。

そうすることで「行動量」が足りなければ、行動量を確保するためのリソースの確保(本人の工数調整や、場合によっては業務委託などによるチームへのリソースの投下)。

「行動の質」が足りなければ、質改善のための行動(営業の場合「ロールプレイング」「音声データによる弱点の把握」など)により、最速で得たい成果を得ることができます。

KPI設定のコツ2:KPIの優先順位を決めておく

1に従って立てたKPIについて、「全て重要!(確かにそうなのですが)」というように、優先順位が決まっていない状態では、いざ改善しようとなったときに、どこから手をつけていいかわからなくなり、結果としてメンバーが動けない状態が続きます。

それを防ぐためにも、KPIの優先順位を決めておくことが重要です。目標達成に影響度合いが高そうなところ、かつ、すぐに改善を見込めるKPIの優先順位を高めに設定するのがポイントです。

KPI設定のコツ3:KPI進捗を適切に共有できる環境を整えておく

KPIの進捗を、都度マネージャーおよびチームメンバーが確認したいタイミングで確認できる共有環境を作ることで、「あのメンバーの進捗はどうなっているんだろう?」「報告が遅いが、もしかして、達成できていないのでは?」など必要以上に心配することがなくなり、リモートワーク・分散型ワーク下での精神衛生にも良い状態を作れます。

形式としては、スプレッドシートなどオンラインでメンバーが閲覧しやすいツールを使うのがおすすめです。一方で、構築のセンスを問われたり、計算式が乱れたりというデメリットもあります。

 

ビーワンカレッジでは、「Scale Cloud」というKPIマネジメントツールを提供しています。KPIマネジメントに特化しており、誰でも簡単に業績目標とKPIを確認しながら業務(判断や行動)を行えるツールとなっておりますので、よろしければご検討ください。

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KPIマネジメントで押さえたい2つのポイント

最後にマネジメント層の方に向けて、KPIマネジメントの際に押さえたいTips2つを紹介します。

KPIマネジメントのコツ1:KPIを個人の目標進捗管理に使うのはもちろん、チーム全体の目標進捗管理や、チーム内での目標配分に使う

冒頭でも述べた通り、「KPI」は、個人の目標進捗管理だけに留まらず、「チーム全体」の目標進捗管理にも使える画期的なツールです。

先述の通り、チームメンバー同士の各数値を見比べて、結果がいいメンバーのノウハウをチームで共有したり、場合によっては、担う目標数値の配分を変えたり、目標達成のために柔軟に活用していきましょう。

KPIマネジメントのコツ2:KPIが計画倒れにならないよう、適宜メンバーのサポートをする

KPIは「目標達成に向けた道標」です。よくありがちなのが、目標に対する進捗が悪い中、それでも目標達成をさせるために、「非現実的なKPI」を設定するパターンです。

非現実的なKPIが単なる計画倒れにならないよう、マネージャーは適宜メンバーのフォローをおこなうようにしましょう。

本記事が、読者の皆さんの目標達成のヒントになりましたら幸いです。

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