皆様、こんにちは。株式会社ニットの小澤美佳(こざわ みか)です。
株式会社ニットは、世界33か国から集まった約400名のフリーランスから構成されるリモートワーカー集団で、2015年よりオンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」を提供しています。
コロナ禍の影響で、オンライン会議の機会が増えた企業も多いのではないでしょうか。オンライン会議には、場所に関係なく開催できる手軽さがある反面、コミュニケーションをとりにくいという課題もあります。それにより、気疲れを感じる人も増えているようです。
この記事では、前回お伝えした「テレワークにおける理想のマネジメント方法」に引き続き、会議の参加者にそのようなストレスを与えることなく、「テレワークで円滑なコミュニケーションを実現するためのコツ」についてご紹介します。
会議の司会進行役を務める立場の方や、これからオンライン会議を導入しようと考えている企業の管理職の方は、ぜひ参考にしてみてください。
【執筆者】小澤 美佳|株式会社ニット 広報担当
2008年に株式会社リクルート入社。中途採用領域の代理店営業、営業マネージャーを経て、リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。2018年 中米ベリーズへ移住し、現地で観光業の会社を起業。2019年にニットに入社し、カスタマーサクセス→営業を経て、現在、広報に従事する傍ら、オンラインでのセミナー講師やイベントのファシリテーターを実施。副業で嘉悦大学の大学講師。キャリアや就職などに関する授業を担当。
目次
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
オンライン会議での意思疎通の難しさがストレスに
一般社団法人オンラインコミュニケーション協会が2021年10月に発表した調査によると、対象者の半数以上が、オンライン会議の実施を経て「メンタルが疲労するようになった」と答えています。
また、その理由として「意思疎通がしにくい」「会議が間延びする」ことを挙げる人が多かったようです。
この他にも、「カメラをオフにしているので、発言に対しての反応がわかりづらい」「相手の感情が読み取れず疲労を感じる」などの声があがりました。
オンライン会議では、対面での会議とは違った面で神経を使うために、ストレスを感じる人も多いようです。
大事なのは参加者を置き去りにしないこと
オンライン会議では、1人が話すと他の人は聞くことしかできないでしょう。しかし、そもそも大前提として、同じ人が話し続けるという状況を会議の中で作ることは避けるべきです。
議論を活性化させるための4つのポイント
議論を活性化させるためには、以下4つのポイントが重要です。
①できる限り、顔出しをしてもらう
お互いの顔を見ることで、コミュニケーションをとりやすくなります。また、「見られている」という緊張感をつくることができるため、メリハリをつけて会議を進めることができます。ちなみにニットの会議は顔出しマストです。
②チャットを使い、参加者の意見を吸い上げる
対面の会議においても、自ら挙手をして質問するのはハードルが高いですよね。そこで、オンライン会議では適宜質問の時間を設け、チャットへの書き込みを司会者が促しましょう。テキストメッセージなら質問しやすいという方も多いと思います。
③参加者の発言の機会を意図的につくる
オンライン会議でひと言も話さず、聞き続けるのは参加者にとっても辛いことです。そのため、下記のように発言をする機会を意図的につくりましょう。
- 冒頭に全員で自己紹介
- 画面共有をしながら会議を進める場合は、途中で切って意見を求める
- Zoomのブレイクアウト機能(※)を利用して少人数でディスカッションをする
※Zoomミーティングの参加者を、小人数のグループに分ける機能
このように発言の機会を増やすことで、徐々に参加することが楽しくなり、参加者の集中力が高まります。
「この人は当てたら良い意見を言ってくれそう!」という勘を研ぎ澄ましながら、当てていきましょう。
④円卓をイメージしてディスカッションをする
オンラインでディスカッションする際に、ちょうど良い人数は3~4人、最大でも7~8人というのが色々な人数で試してみた個人的感想です。
ブレイクアウトルームは、司会者がその場で操作するのはなかなか難しいので、あらかじめ会議参加者の中から別途手助けしてくれる人を共同ホストにし、その対応をしてもらうと良いでしょう。
議論を深めるための工夫とは
より議論が深まる会議にするためには、主催者もしくは会議の進行者がZoomの機能を理解するという最低限のITリテラシーは必須だと感じています。
使いこなせるようになっておきたい7つのZoom機能
- ブレイクアウトの方法
- 画面共有
- 画面共有時のポインター
- チャット機能(全体、個別送信)
- ミュート設定
- 投票機能
- リアクション機能
機能の使い方を確認したら、社内会議でリハーサルをして、社外の方との会議などでその機能を使いこなせるよう念入りな練習が必要だと思います。
発言が生まれやすい会議をつくる7つのポイント
オンライン会議を進めるうえで大切なことは「参加者が積極的に参加したくなる気持ちをつくること」です。そのために、オンラインファシリテーター(会議を進行する人)が何をすべきかをお伝えします。
①メンバー同士の潤滑油になろう
会議では話が長い方、発言が少ない方、初対面の方など、さまざまなメンバーが集まるケースが想定されます。一方通行のコミュニケーションにならないように、ファシリテーターが間に入って「繋ぎ役」になることが重要です。
②発言を受け止めて、自分の意見も伝え、拍手をする
上司が話した内容をしっかり咀嚼した上で、若手の発言に対して「〇〇さんのその意見、〇〇という観点が入ってて、すごく良いですね!」と言って拍手しながら褒めるなど、会議の場の雰囲気を明るくするように心がけましょう。
ファシリテーター次第で議論の活気は大きく変わるので、場の空気を良い方向に変化させられるようにしてください。
③否定をしない(しすぎない)
建設的で発言の多い空間にしたいのであれば、発言者の意見は一旦受け止め、発言してくれたことにまず感謝をしましょう。
そして、良い部分を褒め、議論の余地があると感じた部分に関しては他のメンバーにも意見を求めていくことで、発言者の心理的安全性を確保しながら、良い議論へ繋げることができます。
④テンションは1.8倍
オンライン会議の場合、パソコンの画面からでは感情が伝わりにくいでしょう。
普段以上にテンションを高めにし、大きな相槌、溢れんばかりの笑顔、身振り手振りを大きく、リアクションはオーバーにし、会議のメンバーを引き込むことが大切です。
⑤参加者をランダムに当てる
一定の緊張感を保つために、参加者の人を当てていきましょう。
「当てられたくない」と思っていても、実際に発言して、褒められたら、嬉しくなり積極性を引き出すことができます。
⑥Zoomの機能を使いこなす
事前に投票機能を設定しておき、当日の参加感を醸成します。
ボタン一つで自分の意見を投票できるので、手軽に参加感を醸成できます。
⑦画面共有にはマーカーを引いて目線を集める
画面共有をする際は、パワーポイントのスライドショーの機能でマーカーを引いて注目を集めます。
ペンで図を書いたり、文字を書いたり、絵を描いたりしながら、進行をすることで、より参加者の目を引き付けることができます。
このようにオンライン会議ではファシリテーターの技術・コミュニケーションが肝です。
会議でのコミュニケーションが日々の業務を円滑に
ファシリテーターのスキルによって、会議に参加したメンバーが感じる充実度に大きく差がつきます。
ちょっとした工夫や参加者への配慮の積み重ねが、オンライン会議における自由闊達な議論を生み出し、充実度を高めることにつながるはずです。
また、会議でのコミュニケーションが活性化されることにより、チームメンバー同士の信頼関係が生まれ、日々の業務が円滑になることも期待できます。
「最近、会議がマンネリ化しているな」「同じ人ばかりが発言しているな」と感じたら、ぜひこの記事で紹介した方法を試してみてください。まずは自分から会議の雰囲気を変えていきましょう。
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。