近年ではOKRや360度評価、ノーレイティング、バリュー評価といった特徴的な人事評価制度を取り入れる企業が増加しています。複数の人事評価制度を運用し、人材育成や生産性向上につなげる例も多いものです。
本記事では、人事評価制度の具体的な導入事例を紹介します。また、人事評価を成功させるコツについても解説していきます。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
目次
1. 人事評価制度の導入事例
人事評価とは、従業員の働きぶりや貢献度などを評価し、昇給や昇進を決定する制度です。人事評価の運用方法を工夫すれば、従業員のモチベーションアップや生産性向上につなげることも可能です。
まずは、特徴的な人事評価制度を導入している企業を4社紹介します。
1-1. アドビシステムズ株式会社の事例
グラフィックデザインソフトウェア開発を行うアドビシステムズ株式会社ではかつて、部下をランク付けする人事評価制度を採用していました。しかし、ランク付けする人事制度に対する不満が溜まりやすかったことから、新たにチェックイン制度を導入しました。
具体的には、従業員のランク付けを廃止し、面談や対話の内容をもとに、パフォーマンスに基づいた評価を行っています。同社ではチェックインの面談は四半期に一度行われ、目標に向けたビジョンを話し合う貴重な場となっているそうです。丁寧な面談により、従業員の納得感や満足度も大きく改善しました。[注1]
[注1]チェックイン(アドビがどのように優れたパフォーマンスを刺激し続け、キャリアの成長をサポートしているか)|Adobe
1-2. 株式会社ディー・エヌ・エーの事例
モバイルゲーム開発や電子商取引サービスを扱う株式会社ディー・エヌ・エーでは、マネージャーによる360度評価が実施されています。一般的に360度評価は無記名で行われますが、同社ではあえて名前を公表し、フィードバックにつなげているそうです。
そのほか、業務時間のうち、最大30%まで別の部署の業務を経験できる「クロスジョブ制度」や、社員本人が移動を希望した際、受け入れる部署の本部長が同意した際に異動が叶う「シェイクハンズ制度」などの施策をまとめ、「フルスイング」という人事プロジェクトとしています。[注2]
[注2]DeNAが仕掛ける人事プロジェクト「フルスイング」とは|その具体的施策や事例をご紹介!|HR NOTE
1-3. GMOインターネット株式会社の事例
インターネット関連事業を手掛けるGMOインターネット株式会社は、360度評価を基本とした人事評価制度を活用しています。
上司・部下・部署の隔たりなく多面的に評価することで、社員一人ひとり、また組織の課題を浮き彫りにして改善につなげているそうです。
また、2020年より人事制度を一新。「やりたい人が自分から手を挙げられる仕組みであること」「報酬が見える化されていること」などを基本方針として、社員がチャレンジしやすい環境を目指しています。[注3]
[注3]ESGの取り組み(社 会)|GMO INTERNET GROUP
1-4. 株式会社メルカリの事例
フリーマーケットアプリの運営を手掛ける株式会社メルカリは、2021年2月に人事評価制度をアップデートしています。評価の大きな考え方自体は従来のままとしながら、同社ではさらに、グループとして社員に期待している「貢献の内容」を明確にし、評価や昇格の判断材料としました。
具体的には、「成果評価」と「バリューに対する行動評価」で評価のポイントを分けています。10段階のグレードを設け、該当するグレードで成果を達成できれば成果を出せたとしてボーナスに反映し、あわせて、グループが定めるバリューを発揮し、実践できたと評価されると昇給に反映つながるそうです。[注4]
とはいえ、どの評価方法が自社にあっているのか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そのような方に向けて当サイトでは「人事評価の手引き」という資料を無料配布しており、各評価指標のメリット・デメリットや、各評価指標を採用した際の起こりやすいトラブルも紹介しています。自社の企業理念や経営戦略をふまえた上での、人事評価選定の参考になる内容となっており、人事評価を導入する際のマニュアルとしても活用できます。資料はこちらから無料でダウンロードできますので、ぜひご覧ください。
[注4]メンバーの活躍を“大胆に”報いる──大幅アップデートされたメルカリ人事評価制度の内容と意図|メルカリ
2. 事例から学ぶ!人事評価制度の導入を成功させるポイント
せっかく人事評価制度を導入しても、自社の雰囲気と合わなかったり運用に負担がかかったりといった問題が起きてしまうと、制度の効果も下がってしまいます。
ここからは、各企業の事例をもとに、人事評価をうまく運用するためのポイントを探っていきます。
2-1. 無理なく運用できる制度を選ぶ
人事評価にはさまざまな手法がありますが、自社に合わない制度を導入すると思ったような効果が見込めないまま終わってしまいます。
特に気をつけたいのは、運用のフローや工数が多すぎるケースです。効果的とされる人事評価制度を導入したものの、運用工数が多く思ったように機能しなくなっては意味がありません。
人事評価制度を取り入れるときには社内のリソースをチェックし、無理なく運用できるタイプのものを選びましょう。
2-2. 企業の理念や経営戦略に合った制度を選ぶ
企業の理念や目的と関係ない制度を取り入れても、経営戦略の達成には至りません。人事評価の際には、企業の理念や経営戦略との紐付けを意識しましょう。
経営者と人事部がうまく連携していない場合、適切な人事評価制度が導入されないリスクも高まります。重要なのは、人事評価制度を取り入れる目的や重視するポイントを明確にしておくことです。
2-3. 評価基準を明確に定めておく
評価基準を明確に定めておくことも重要なポイントです。評価の基準が定まっていない状態で制度を運用すると、評価内容の公平感が損なわれます。すると従業員の納得度が下がり、フラストレーションが起きやすくなってしまいます。
人事評価では、数値で明確に判断できる項目を用意しておくのが安心です。数値化できない基準については、客観的な判断基準を提示するなどの方法で柔軟に対処しましょう。
3. 人事評価制度を導入するときの注意点
人事評価を実施するときには、現場が負担を抱えないような制度を選ぶことが大切です。運用に時間や手間がかかるような制度は避け、負担なく運用できる環境を整えましょう。
人事評価は人が行う以上、エラーが起きる可能性もあります。また、イメージによる主観が入り、適切に評価が行えないケースも少なくありません。こういったエラーを考慮し、なるべく公正な評価ができるよう制度をブラッシュアップしたいものです。
専用のシステムを活用して人事評価を行うのもいい方法です。さまざまな機能が搭載された専用ツールを上手に活用すれば現場に負担をかけず、効率よく人事評価を行えるようになります。
4. 人事評価制度で成果を上げている企業を参考にし、適切な制度を取り入れよう
企業の特色に合う人事評価制度を取り入れることで得られる効果は、人事評価の効率化や効果的な人材育成、モチベーションアップなどさまざまです。近年注目されている人事評価制度を上手に活用し、業績アップを目指したいものです。
ただし、自社に合っていない制度を採用しても十分な効果は見込めません。経営戦略に合っているか、無理なく運用できるかといった点を見極め、最適な人事評価制度を選びましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。