「データを武器に人事課題を解決」HRデータ活用の“キホン”を学ぶ|HR-Study#15 |HR NOTE

「データを武器に人事課題を解決」HRデータ活用の“キホン”を学ぶ|HR-Study#15 |HR NOTE

「データを武器に人事課題を解決」HRデータ活用の“キホン”を学ぶ|HR-Study#15

「自社で活躍している人材の共通点や特徴を知りたい」「組織課題の要因を数値で見える化できないか」など、人事領域でもデータを活用する企業が増えています。

HRデータを効果的に活用できれば、社員のエンゲージメント向上や離職防止、組織の強化といったさまざまな施策を効果的に進めることができます。

今回のHR-Studyでは、HRデータを積極活用している2社と、データ分析を支援するサービスベンダー1社を迎え、HRデータ活用のファーストステップについて教えていただきました。

  • そもそもHRデータとは何か、HRデータを活用するメリットについて知りたい
  • HRデータを活用した人事施策をおこないたいが、何から始めたら良いかわからない
  • HRデータを活用して課題解決をおこなっている企業の実際の取組事例について知りたい

といった人事担当者や経営者、マネージャー層の皆様は、ぜひ参考にしていただければと思います。

※本記事は、2021年10月28日(木)15:00~16:30に実施されたイベント内容をもとに再編成したものです。

登壇者紹介

丸吉 香織|ソニーピープルソリューションズ株式会社

IT企業での人事企画、People Analytics Labの立ち上げを経て、2020年5月より現職。人事関連の分析や可視化、組織内分析用データベースの構築、それら活用のためのトレーニングを提供。また、2019年より一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会上席研究員に就任。同年、people analytics tokyoを主催し、組織内の人に関する分析のナレッジ共有やコミュニティ作りを行う。

鹿内 学|株式会社シンギュレイト

京都大学医学研究科の大学教員からキャリアをスタートし、ヒトの脳科学の基礎研究に従事。2015年よりビジネスサイドに軸足をうつし、代表をつとめるシンギュレイトでは「信頼」の理論をイノベーションの土台に考え、様々な企業のピープルアナリティクスを支援。今年から1on1を通じたイノベーション支援サービス「Ando-san」もリリース。人工知能学会 編集委員、毎週末は川崎フロンターレを応援。漫画好き。

塩崎 智|三ッ輪ホールディングス株式会社

ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社、EYS-STYLE株式会社を経て、2018年に三ッ輪産業株式会社に参画。人材開発担当として、研修のみならず人材モデル策定から、データドリブン組織への変革までさまざまな取り組みを行う。老舗企業が最新のテクノロジーを使って組織変革をする取り組みはBizHintや各種メディアにも掲載される。Slack Japan Tour Onlineその他、登壇実績も多数。

モデレーター紹介

西村 創一朗|株式会社HARES 代表取締役

新卒でリクルートキャリアに入社後、法人営業・新規事業開発・中途採用などを歴任。在職中の2015年に「二兎を追って二兎を得られる世の中を創る」をミッションに株式会社HARES(ヘアーズ)を創業後、2017年に独立。今回のテーマである「オンボーディング」を含め採用・人事領域を中心に多数の企業のアドバイザーを務めるほか、人事系イベントのモデレーター/ファシリテーターとしても活躍。著書に『複業の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)がある。

[勉強会の内容をまとめたスケッチノート]

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近年、急速に進むDXに対応するため、各企業でIT人材不足を解決することが不可欠となっています。しかし、IT人材を採用することは年々難しくなっているため、自社社員にIT教育をおこなう「リスキリング」に注目が集まっています。

中には、

  • リスキリングの重要性は理解しているが、具体的な取り組み方が分からない
  • 実業務が忙しく、リスキリングは後回しになっている

というような方も多いのではないでしょうか?

本セッションでは、「リスキリング」の基本的な考え方から、各企業の先進的な事例まで、専門家・行政・企業のそれぞれの視点から具体的なノウハウをご紹介します。

セッション視聴後、すぐに実践できる内容となっているので是非お申し込みください!

LT1. 組織を客観視するためにデータをどう使うか|シンギュレイト鹿内さん

シンギュレイトの鹿内です。本日はよろしくお願いいたします。

私はベンダーとして、企業の外側からデータ活用の支援をおこなっていますが、大前提として人事データは難しいものだと思います。

そもそも人は、データ(事実)にかかわらず、見たいものを見てしまいますし、人材や組織など直接目に見えないものをデータ化していくことは困難なためです。

その中でも、組織を客観視していくために必要不可欠なHRデータとは何なのか、お話していきたいと思います。

こちらの図では、横軸が計測頻度の高低、縦軸は行動データと自己申告を表しています。

HRデータの代表的なものに、所属組織の組織図や従業員アンケートなどのデータがあります。これらは年1回ほどの頻度で、自己申告制で取得することが多いです。

HRデータは人事が扱うデータだけでなく、将来的に「人事が扱えるデータ」を含めると、より幅が広がるのが特徴です。営業活動のような働く中での記録やオフィスの入退館データ、あるいは人事異動のデータを重要視している企業もあります。

シンギュレイトでは特に、社内のコミュニケーションデータを重要視していて、1on1や社内チャットのデータを扱うことが多いです。

この2軸に表せないものとしては、他者からの評価が挙げられます。人事評価や360度評価といったデータです。

HRデータには、どのような種類があるかお伝えしたところで、本日の3つのテーマをご紹介します。

1-1.データの正しさを考える

組織サーベイを取り入れている企業は多いと思いますが、そもそも組織サーベイを占いにしてはいけません。

組織サーベイを導入する際に、集めるデータが本当に正しいものなのか、単なる占いになっていないか考える視点が重要です。

血液型占いや動物占いは、「自分に当てはまるかも」と何となく思えてしまう点が罠です。正しいかどうか分からない組織サーベイの回答をデータと呼ぶことは危険という意味です。

サーベイが占い品質にならないためには、「クロンバックのアルファ」というサーベイの品質指標を知っておくと良いでしょう。

この数値が0.6~0.7以上あることが目安となります。こういうものを把握せずにサーベイを活用していると、占いと変わらないかもしれませんので注意が必要です。

鹿内さんが組織診断ツールを比較し、選び方をお伝えした記事はこちら!

1-2.データでどう見えるか考える

組織サーベイや1on1ツールを提供する際に、私たちが重要視しているのは「信頼」です。

この信頼の意味とは、「相手に任せよう」と思える気持ちや行動を指します。日常的に使う信頼関係とは少し意味合いが異なります。

私たちの提供する1on1ツールでは、1on1に参加する上司と部下の発言量データを取得します。そのようなデータをみていくことで、「相手に任せようと」と思えているか、行動できているかを可視化していくことができると考えています。

その他にも、面談モードに「ディスカッション」「コーチング」「ティーチング」「雑談」の4つの指標がセットされていて、この4つのデータをもとに上司と部下の関係性を計ることができます。

1-3.データの活用を考える

組織サーベイはただデータを取得するだけでなく、集計・分析を終えたら必ずアクションにつなげるというサイクルを回すことが重要です。アクションにつなげなければ、そのデータは「人事の好奇心を満足させるだけのもの」になってしまいます。

反対に、「何をアクションするためにデータを集めるのか」と問いを立ててからデータを集めていくのも良いでしょう。

例えば新規事業で人材が必要となったとき、外部から採用すべきか、社内の人事異動でまかなうのか判断をするという目的を定めてからHRデータを集めます。

必ずアクションとセットでデータ取得と分析を行っていくことで、HRデータは意味あるものになっていくと考えています。

LT2. データ活用のための環境を整える|ソニーピープルソリューションズ丸吉さん

はじめまして、ソニーピープルソリューションズの丸吉です。

始めに私たちのチーム「PIE Lab(パイラボ)」を紹介します。PIE Labは、ソニーのビジネスの成功のため、個の成功のためにデータとテクノロジーの力を使っていくことを目指している組織です。

具体的な取り組みは次の通りです。

多くの企業様では、人事は採用や労務などメイン業務を回しながら空いた時間でデータ分析を行っているかもしれません。私たちPIE Labは、兼務の方も含めて専任のチームとして活動しており、役割は次の4つです。

  1. 顧客開発
  2. 事実の可視化/提供
  3. 分析を用いた課題解決
  4. 分析環境構築

1の顧客開発の顧客とは、人事社員を指します。現場に近い人事社員の方と共に、現場にどのような価値を与えていくかという視点で動いています。

2-1.実際の取り組み例「Development(顧客開発)の事例」

まず、顧客開発の例を挙げます。

社員に対する学習関連施策が人事内で注目されている中で、一般的には、良い学習コンテンツを外部から調達して社内に提供し、その効果を計る施策が多いと思います。

この領域のデータ活用を企画する際、どのようなデータがたまれば学習関連施策に活きるかと考えました。

具体的には、学習取引(学習したという事実)を最大化させることが一番の価値と仮説を立て、取引を最大化するために、いつ誰のデータがどのようにたまっていくかということを設計していきます。

少し話は変わりますが、そもそも人事担当者でデータ分析を全く行っていない方は少ないはずです。皆さんエクセルなど何かしらのツールを駆使して、独自に分析を試みていると思います。

その中で、先ほど鹿内さんの話であった「信頼係数が大事」という視点や、「平均」だけを見ると危ないなど、知っておくと便利なことを人事担当者に伝える役割もあると考えています。

2-2.Visualizationの事例

ジネスインテリジェンス系のツールを活用すれば、少人数でもデータ分析を進めることは可能です。

個人のデータを扱う組織では、全ての人が全てのデータにアクセスできてしまうことはリスクになるため、統計的なデータを提供することでリスクを最小限におさえながら、皆さんが必要なデータを閲覧できるよう環境づくりをおこなっています

2-3.Peple Analytics(分析を用いた課題解決)の事例

こちらは昨年のPeople Analyticsの事例です。そもそも人事は「何に対してアクションすべきか」と優先順位を検討してから分析をおこないました。

分析することがゴールではなく、分析を用いた課題解決をおこなうのが重要なため、何かしらの行動目標を先に立てて、どの項目に分析的なアプローチが必要なのかといった議論をしていくようにしています。

2-4.People AnalyticsからVisualization(事実の可視化/提供)に移行した事例

最後に、分析を用いた課題解決から、事実の可視化やデータ提供へ移行した事例をご紹介します。

2020年の緊急事態宣言の際、フィジカルディスタンスを保ちながらどのくらいの人数がオフィスにいるのか、データをとり、分析・レポートを行いました。

この取り組みはこの後も継続し、社内に対して「どの程度の人数がオフィスに来ているのか」というデータ提供をおこなう仕組みへと移行しています。

2-5.人事をデータドリブンにするために

HRデータに取り組んでいく際は、PDCAよりもOODAループが良いと考えています。

人事が向き合う事象は、不確実性が高いためです。一般的に数値化をすると理解しやすいので利用することは多いですが、全てをデータから決めていくのは不可能です。

できるだけ先に方針を決めてアクションを起こし、データで観察してみるというOODAループをしっかり回すことが重要と考えています。

分析しながら、より良い施策を広げていこうというスタンスで取り組んでいただければと思います。

OODAとは何かを知りたい方はこちら!

LT3. 明確な目標設定と継続で成果を出す|三ッ輪ホールディングス塩崎さん

三ッ輪ホールディングスの塩崎です。

弊社は基幹となる創業81年のLPガス事業のほか、電気や各種エネルギーソリューションを扱っています。エネルギーの提供を通じた「新たな価値創造」に注力する企業グループとして、3代目となる代表取締役社長の尾日向が2019年にホールディングス化しました。

3-1.「価値の創造」を繰り返した歴史から「ヒトのちから×テクノロジーのちから」が生まれた

本題として、HRデータを活用し始めた経緯などからお話したいと思います。LPガスや電気を扱う弊社は、もしかしたらデータ活用にもっとも遠そうなイメージを持たれる方もいるかもしれません。

創業した1940年から、弊社は数々の危機に見舞われました。しかし、そのたびに新しいチャレンジを繰り返し、世の中に求められる「価値の創造」を繰り返しながら生き延びてきました

とくに昨今のVUCAと呼ばれる時代では、人口減少をはじめ私たちに対する逆風も多い時代です。

私たちは今までやってきたように「価値の創造」を試みようと考え、「VUCA時代だからこそ大事なことは何か」と思考を凝らし、実現手段として掲げたのが「ヒトのちから×テクノロジーのちから」だったのです。

現在、グループ全体の社員数は600名ほど、平均年齢は47歳で、あと10年もすれば社内で活躍する人材がガラッと入れ替わるタイミングです。この人数に対してHRに関わる人間は、私含めて2名となっています。

3-2.創業80年超の会社がテクノロジーで何をしたいのか

HRデータの活用と言っても、何を目的としてどのように進めればいいのでしょうか。

活用の定義や活用後の評価方法など、事前に考えることはたくさんあります。私たちはテクノロジー活用に関して、次のようにまとめてみました。

まずテクノロジー活用の目的は「若手社員の早期活躍」としました。

この目的を達成するために、私たちはSlackを中心とした社内SNSで、社員の日々のコミュニケーションデータを取ることを決めました。

活用の定義決めの中で、「何をもってテクノロジー活用ができていると判断するのか」という基準づくりが1番難しかったと感じています。

具体的な実施内容とスケジュールはこちらです。

データを取得し始めてからすぐに、「社員の6割が高ストレス」という事実がデータから判明しました。

このデータをもとにすぐにメンタルケアの施策を実施し、データをもとに施策を繰り返した結果、データ活用後は離職者を半減することができました。

分からないなりにもデータを取り続け、その都度何かしらのアクションを起こしたことで効果が表れたのです。

弊社の成果のサマリーはこちらです。

まだ全てが完璧にできたわけではありませんが、引き続きHRデータ活用に取り組んでいこうと思っています。

パネルトーク

ここからはパネルディスカッションの時間となります。

今回も9つの質問の中から、視聴者の皆さんに今聞きたい質問を選んでいただき、そのテーマを掘り下げてディスカッションしていきたいと思います。

テーマ①従業員サーベイの活用方法

視聴者の皆さんから1番投票が多かった「従業員サーベイの活用方法」からお話を伺いたいと思います。丸吉さんからお願いできますか?

どの会社にも、従業員サーベイを導入する目的があると思います。まずは掲げた目的や目標が達成できているかどうかが大事な点だと考えています。

例えばソニーはグローバルサーベイをおこなっていますが、このサーベイの目的は、従業員のエンゲージメントを向上させることです。

そのため、この目標達成のために、「エンゲージメントを向上するアクションをとれるようにする」という、抽象的ではありますがシンプルなサーベイ設計を意識しています。

個人的には、サーベイのデータをとるときは行動データとつなげたほうが良いと思っています。

サーベイやアンケートなど個人が主観で回答するデータ同士を掛け合わせても、結局どのような行動につなげたらいいか、判断しにくいためです。

従業員サーベイの活用法については、私たちはまだまだこれから成果を出さなくてはならない状況です。

サーベイの導入後、現場の社員からは「これに答えたら何か意味あるんですか」と問われるところからスタートしますよね。どうしてデータが重要なのか、社内に従業員サーベイの必要性を説いてまわるのが大事だと思っています。

HRデータと離職率などの相関性がわかってくれば、社内の理解も得られ、もう1歩進めていけるはずです。弊社もまだまだ失敗を繰り返しながら、思考錯誤して取り組んでいるところですね。

従業員サーベイの活用のためには、回収率だけでなく、回答の品質をKPIに置くことも重要です。例えば、サーベイの中に、不注意な回答の割合を計測する仕組みを導入できます。

忙しい社員に従業員サーベイをお願いするわけですから、うまく回答できないこともあるでしょう。データの量(回収率)だけでなく、品質が高いかどうかという視点が大事だと思います。

また、データは主観的データが重要なこともあります。例えば「ハラスメント」に関しては、客観的事実よりも、その本人がどう感じるかが重要な指標になりますよね。

必ずしも客観的データが正しいわけではないと、覚えておくと良いでしょう

その他にも、従業員サーベイのようなアンケートを繰り返していくと「サーベイ疲れ」も懸念点になる場合があります。

社員に負担をかけず、自然な形の行動データから従業員や組織コンディションを把握する方法を考えなくてはならないと思っています。

鹿内さんのお話の「サーベイ疲れ」について、もう少し深掘って良いでしょうか。おっしゃる通り、始めのうちは社員も期待値高くサーベイに協力してくれますが、定期的にやり続けるとマンネリ化してしまうケースも多いと思います。

せっかく一生懸命答えたのに「声を上げても変わらないからサーベイに答えても意味がない」となる場合、どのように乗り越えたらいいのでしょうか。

人事が使いたいデータだけを自己満足で集めるのではなく、集めた後に社員にきちんとフィードバックすることが重要です。

このサーベイをもとに、もっと会社を良くしていこうと現場を巻き込むスタンスでおこなうと良いと思います。塩崎さんはまさに、愚直に社員と向き合ってフィードバックされていらっしゃる方だと感じました。

そうですね、アンケート疲れもたしかに起こる場合はあります。けれど、アンケートを続けることで、普段なかなか皆の前で意見できないことを書いてくれる方も少なからずいるのです。

そのことに気付いたからこそ、私は社員に従業員サーベイの重要性を繰り返し伝えられるようになりましたし、若手社員にはぜひ「困ったことは(サーベイでもいいから)言いなよ」と思っています。

従業員サーベイを、1つの発言機会としてとらえると良いかもしれませんね。

テーマ②「HRデータ活用をしたい!」はじめの1歩はどうすればいい?

次のテーマに移ります。HRデータ活用と言っても、データでできることが多すぎて、何から始めればいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。まずは丸吉さんからご意見いただけますか?

データ活用と聞くと難しく感じるかもしれませんが、決して新しいことを始めるわけではありません。今対応している通常業務の付加価値を上げるため、効果を高めるために取り組むものと考えてみてはいかがでしょうか。

例えば、採用であれば「本当に自社にあった人材を採用できているのか」と、採用プロセスの事実(データ)を記録し、取集後にかみ砕いて施策を検討していきます。

組織でどのような価値を出したいのか、その目的から逆算し、データを用いてさらにエンパワーメントしようという姿勢で取り組んでみていただきたいです。

今対峙している業務の付加価値をつけるために、HRデータの活用をおこなうという考えが大切ということですね。

HRデータの場合、全社員を巻き込むことになります。複数の人を相手にする場合、細かなディテールまで説明しすぎてしまうと逆に伝わりにくいものです。

つまり、HRデータを小難しくとらえず、HRデータの扱いに慣れていない社員にも分かりやすい言い方をすること、大義名分が通るような分かりやすい目的を伝えることが、はじめの1歩として大事だと思います。

今まで全くデータ活用をおこなったことがなければ、僕らのようなベンダーもうまく活用していただきたいと思っています。

無理に自社で完結する必要はありません。色んな人を巻き込んで始めていただけたらと思いますね。オープンイノベーションが大事です。

テーマ③おすすめのデータ活用ツールは?

3つ目のテーマに進みたいと思います。皆さんが使用しているツールや、おすすめのデータ活用サービスはありますか?

現在、Slackとコミュニケーション分析ツールの「We.(現:NEWORG)を主に使っていて、採用では「アッテル」を使い始めました。

その他はまだ探し中ですが、そもそもSlackを導入したのはWe.と連動できるため、また周囲のお客様などユーザーが多いという理由も挙げられます。

可視化ツールとしては先ほどご紹介したTableau(タブロウ)を使っていますが、既存の利用ツールに合わせて選びました。

会社や業態で使用するツールは変わると思いますが、特に「このツールがいい!」と思っているわけではありません。新しくて良いものが出たら、くらいのスタンスでとらえています。

今はHRテックのスタートアップが多いので、サービス種類も多く選ぶのが大変ですよね。ツール選びでは、データを取り出せるかどうかがポイントだと思います。

ツールの中だけで分析するのではなく、APIで他ツールと連携できたり、データが取り出せたりするほうが利便性が高いと思います。

視聴者からのQ&A

最後に、視聴者の皆さんからいただいた質問に直接答えていただく、Q&Aコーナーに移りたいと思います。

ー従業員サーベイを提案する際、どのようにデータの有効性をアプローチしたら良いか?

データ活用こそ、弱者の武器だと思いますよ。

例えばソニーのような知名度の高い企業は、データ活用をしなくても、予算をかけて、それ以外の施策でも良い人材を集めることはできるかもしれません。

人数が少なかったり、知名度やブランディングが弱かったりする企業こそ、現場の声を吸い上げて活用していっていただきたいです。きめ細かく分析を続けていけば、企業規模問わず勝っていけるのがデータの世界です。

社員からの不平不満も、見方によってはギフトですよね。「こうなったらいいのに」という要望を有難く受け止め、ぜひトライしていただきたいと思います。

「これは皆の問題だ」と、言えるかどうかだと思います。従業員サーベイは、自分には関係ないと思わせないように、しっかりマインドセットしていくことが重要でしょう。

弊社では、社長の年始挨拶の中に、サーベイ実施の件を組み込むことでマインドセットを試みました。

社長から「弊社は若手の早期活躍がカギとなる、いろんなしがらみや思いがあると思うが、私たちは今これを遂行しなくては後々立ちいかなくなる」と、メッセージを伝えていただきました。

質問からずれてしまうかもしれませんが、私個人としてはアンケートだけではなくインタビューも合わせておこなうことが好きです。規模がそこまで大きくなければ、社員の方に直接聞いてみるのはいかがでしょうか。

「この部署に課題がありそう」「組織全体を見るとこの辺りの話を聞こうか」と仮説立ててから、直接話を聞いて探っていくのもおすすめです。

そして、いくつか生々しい声を拾ってから、全体にアンケートを取りに行く流れでも良いかと思います。

インタビューを設計する際のコツはありますか?

サーベイの質問も、インタビューの設計もともに重要な要素です。

インタビュー設計の際は、できるだけ事実を聞くこと、そして1つの事象を深ぼることを心掛けて、相手の動機に触れるような意識で質問をしていきます。

私は新規事業の顧客インタビューを参考にすることが多いです。なお人の悩みごとや不満に関して質問する際は、臨床心理などの学問を参考にするのもおすすめです。

皆さん、本日はありがとうございました!

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