「風通しの良い職場づくりとは?」
「風通しの良い職場をつくるには?」
上記のような悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。風通しの良い職場づくりとは、自分の意見を発信しやすい環境や社内ルールが明確な環境などを作ることを指します。
今回は、風通しの良い職場の方法や具体的な施策、成功事例を解説します。風通しの良い職場の作り方を知り、社員にとって居心地の良い環境を作りましょう。
目次
1. 風通しの良い職場づくりとは
風通しの良い職場づくりとは、従業員同士のコミュニケーションがスムーズにおこなわれる環境のことです。具体的には、以下のような環境が想定されています。
- 自分の意見を発信しやすい
- 新しいアイデアや技術を受け入れられる
- 社内ルールがハッキリとしている
風通しの良い職場は、自分の意見を発信しやすい場です。コミュニケーションが活発におこなわれているため、それぞれの社員が自由に話し合いつつ意見交換できます。
新人社員でも会議で自分の意見を気軽に発表できたり、同僚や上司が意見を尊重しながら聞いたりする職場は、意見を発信しやすいです。
新しいアイデアや技術に寛容であり、時代に合わない従来のルールにとらわれない柔軟な考えを持っています。新しいコミュニケーションツールやリモートワークの促進など、新たな働き方の模索が可能です。
ルールも明確なため、社員は「何をするべきか」や「どのように行動すべきか」を理解できます。業務上の手続きが明確化されていたり、業務範囲や役割分担が具体的に定義されていたりする職場は、社内ルールがハッキリしていると言えるでしょう。
2. 風通しの良い職場づくりの具体的な施策
風通しの良い職場作りの具体的な施策は、次の通りです。
- シャッフルランチを開催する
- 社内イベントを定期的に開催する
- 株式会社ユーメディア
それぞれ詳しく解説します。
2-1. シャッフルランチを開催する
シャッフルランチとは、社員同士でランチを食べながら交流するイベントです。普段は関わりのない社員同士が交流することで、コミュニケーションの活発化が期待できます。
シャッフルランチによるコミュニケーション活発化の効果は、次のとおりです。
- 創造性が高まり新しいアイデアが生まれる
- コミュニケーションが円滑になることで業務の効率化が期待できる
- 社員間の交流が促進され帰属意識や一体感が向上する
会社や部署に合わせて、ランチの場所は社内食堂や社外レストランなど自由に決められます。
ランチの相手を決める方法やテーマも自由なので、社員の声を聞きながら適切な方法で開催してみましょう。
2-2. 社内イベントを定期的に開催する
社内イベントとは、社員同士の交流やコミュニケーションを促進させるためのイベントです。社内イベントには、社員同士の距離を縮め帰属意識や一体感を高める効果があります。
社内イベントの例は、次のとおりです。
- 運動会
- ボウリング
- カラオケ
- 社員旅行
- 研修旅行
一度だけではなく定期的に開催することで、効果をさらに高められます。
2-3. 1on1ミーティングを取り入れる
1on1ミーティングとは、部下と上司が1対1で実施するミーティングです。業務の課題や進捗状況を始めとして、キャリアプランなどさまざまな内容を話し合います。
1on1ミーティングは部下と上司が信頼関係を築き、それぞれの意見や考えを共有しやすくなるのが特徴です。
1on1ミーティングの効果を高めるためには、前もって相手の目標や業務内容を確認しつつ話す内容を整理したり、定期的に開催したりします。
3. 風通しの良い職場づくりにおける注意点
風通しの良い職場づくりにおける注意点は、次のとおりです。
- 責任や役割を明確にする
- ゴールや目標を共有する
- 風通しの良さと仲の良さを混同しないようにする
それぞれ詳しく解説します。
3-1. 責任や役割を明確にする
風通しの良い職場づくりに取り組む際は、責任や役割を明確にしましょう。曖昧な状態で取り組むと、組織内に暗黙の了解が蔓延するおそれがあるためです。
社員が一人ひとりに裁量を与えたり自分の判断で行動したりするためには、「やるべきことを責任を持ってやりとげる」意識が欠かせません。
風通しの良い職場をつくるためには、すでにある業務の中で担当者や責任の範囲が曖昧になっているものがないかを洗い出します。洗い出した上で、「だれが何をいつまでにやるか」を決めることが大切です。
3-2. ゴールや目標を共有する
風通しの良い職場を作るために、ゴールや目標を設定しましょう。会社として目指す方向性が明確になり、それぞれの社員が取るべき行動がハッキリとします。
社員に裁量を与えるときも、ゴールや目標を共有することが必須です。風通しの良い職場づくりが表面的な取り組みにならないよう、目的意識を持って業務に取り組める風土を形成しましょう。
3-3. 風通しの良さと仲の良さを混同しないようにする
風通しの良さと仲の良さは全く異なるものです。
風通しの良さによって生まれるのが社員の仲が良くなることであり、関係を良くすることが目的ではないと浸透させる必要があります。
目的が浸透していないと、自分の意見が言える環境を「何を言っても許される環境」と社員が勘違いしかねません。「責任を曖昧にしても問題ない環境」と誤解が生じるおそれもあります。
社員が認知する風通しの良さにズレが生まれないよう、ディスカッションやワークショップなどで認識を合わせることが大切です。
4. 風通しの良い職場づくりの成功事例
風通しの良い職場づくりの成功事例として、次の会社を紹介します。
- 第一開明株式会社
- 株式会社小田島組
- 株式会社ユーメディア
それぞれ詳しく解説します。
4-1. 第一開明株式会社
第一開明株式会社は、5ヶ年計画で「いい会社をつくろうプロジェクト」を立ち上げました。実施した主な施策は次の通りです。
- 顧客の営業時間に合わせた出勤時間の就業時間制の導入
- 勤怠管理システムの導入
- アサーティブ・コミュニケーション研修
- メンター・メンティ制度
上記の施策により、2017年に約32時間あった月平均残業時間が約7時間まで削減されました。また多様なコミュニケーション手段を設けることで、社員同士の横のつながりを深めています。
残業時間の削減とコミュニケーション施策により、風通しが良くお互いに理解し合える社風を作り上げることに成功した事例です。
4-2. 株式会社小田島組
株式会社小田島組は、次の施策を実施しました。
- 地域ごとに社有車での乗り合い通勤を推奨
- 公共交通機関の通勤時間を勤務時間としてカウント
ラッピングされた派手な社有車で乗り合い通勤を推奨することで、運転の負担や交通事故のリスクを軽減しつつ、会話の機会の増加や同社の宣伝にもなりました。
公共通勤機関の通勤時間を業務時間とすることで、バスや電車での通勤に変える社員も現れ、移動中に仕事ができるため通勤時間に余裕ができたとのことです。
通勤方法を工夫することで、社内コミュニケーションを強化でき、風通しが良く明るい雰囲気の社内となりました。
4-3. 株式会社ユーメディア
株式会社ユーメディアは、女性社員の平均勤続年数が短いことを問題視し、育児休業や短時間勤務など、法廷を上回る仕事と育児の両立支援制度をトップダウンで整備しました。
2015年には「新しい働き方委員会」を立ち上げ、主に次のような施策を実行しています。
- オフィスの閉館時間を定めてそれ以降の残業は申請・許可制とした
- 定時退社を宣言するバッジを付けて帰りやすい環境を作った
- フリーアドレスを導入した
- スタンディングミーティングスペースを作った
上記により得た効果は、業務効率化や生産性向上を始めとする、コミュニケーション活性化などです。社員の意見を改革に活かしたことで、「会社の未来は自分たちが創る」社風もでき、風通しの良さを感じている声もあります。
5. 風通しの良い職場づくりに取り組もう
風通しの良い職場づくりとは、自分の意見を発信しやすい環境や社内ルールが明確な環境などをつくることを指します。
社内イベントの開催やシャッフルランチなど、会社によって実現させるための施策はさまざまです。風通しの良い職場をつくる際は、責任や役割を明確にしたり、ゴールや目標を共有したりすることが重要といえます。
社員の声も聞きつつ、風通しの良い職場をつくるためにどうするべきかを考え、実行に移しましょう。