【FMTあり】150名超のコーチングを経て見出した、超実践型!明日から使える1on1の活用方法|co-take LLC 手嶋 |HR NOTE

【FMTあり】150名超のコーチングを経て見出した、超実践型!明日から使える1on1の活用方法|co-take LLC 手嶋 |HR NOTE

【FMTあり】150名超のコーチングを経て見出した、超実践型!明日から使える1on1の活用方法|co-take LLC 手嶋

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本記事は、co-take LLC 手嶋氏より寄稿いただいた記事になります。

HR NOTE読者のみなさんはじめまして。人材育成事業をやっている手嶋と申します。

管理職の方とお話する機会が多くありますが、1on1についての質問を数多くいただきます。その中でも良く耳にする疑問が、「1on1においてコーチングとティーチングの割合って、どれぐらいが正解なんですか?」というものです。

この質問をいただいた際に、お聞きしているのが、「1on1が終わったときの理想の状態はなんですか?」です。

だいたいの方が、その場で考えながら解答を出してくださいますが、正直、そこを考えたことがない方が大半だと思います。

一方で通常の会議ではそんな事はないと思います。会議ではどこを着地点とするか?を考えながら場の設計/事前の準備をすると思います。

ただ、1on1については、「会社からやれと言われているから」「周りがやっているから」と、目的意識がない中で実施している方も多いと感じています。

そこで、本記事ではあらためて1on1とは?という場の定義から考えていきながら、明日から使える汎用性の高いフォーマットについてもお伝えします。

【寄稿者】手嶋 武久|co-take LLC 代表

博報堂DYグループのWEB系広告代理店で9年間業務に従事。2017年から上海・北京・台湾と3拠点で5年間駐在。最大で20名弱のメンバーマネジメントを経験。2023年より、学生時代から興味を持っていた育成領域で起業。研修は年間50回以上を実施。コーチングでは150名/合計1,000時間以上の実績を保有。

1on1における課題感

個人的には、目的もはっきりしない中で月に数時間~十数時間を費やしているという状態が、大きな課題だと感じています。

そのうえで、上司/メンバーともに以下のような状態が多いかと思います。

上司視点

  • 業務の相談の場になってしまう
  • 問いが難しい(毎回、どの話題が来るかわからないから準備できない)
  • メンバーの思考が浅い

その結果、思ったとおりに進まない、不満が募る場になってしまっている。

メンバー視点

  • 話すトピックスがない
  • 上司に気を遣う(雰囲気を見て、答えている)
  • 場の設定理由がよくわからない

上司に合わせた発言をするための気が重い場になっている。

1on1の目的設定

まず、2問ほどクエッションを設けましたので、あらためてご自身の1on1について、振り返りをしていただけたら幸いです。

提案資料などは振り返りをする機会があると思いますが、1on1についてはほぼ経験がないと思いますので、是非、少しだけ時間を取ってみてください。

問い1|1on1の点数は?Good/Moreは? ※4min/100点満点

問い2|1on1が終わったあとの理想の状態は? ※2min/100点満点

過去、複数の企業で研修をやらせていただいた感覚としては、自己採点|50~60点ぐらいが平均です。

また、メンバーの悩みを解決出来てはいる(Good)が、自分が話す時間が長くなっている(More)という方が多いです。

ちなみに、私自身の1on1後の理想の状態は、メンバーが仕事に対して少しでも前向きになって貰うことです。そのためであれば、ティーチング/コーチングは問わないと考えています。

あくまで、理想を達成する事が大切であり、手段はなんでも良いからです。

少しでも前向きになるためには、

①成長を実感して貰う

②悩みが解消出来る

という2つのポイントがあると考えているため、メンバーのコンディション(どのような悩みを抱えているのか?)に合わせて比重を変えています。

あらためて、1on1という場に対しての理想の状態を言語化していただくことで、コミュニケーションの取り方や、実施頻度、実施時間などが、変わってくるかと思います。

1on1の流れ

では、具体的にどのような流れで1on1を実践していけばよいのでしょうか?

ここでは、1on1を3つのフェーズ(マエ・ナカ・アト)に分け、それぞれで役割を分けて考えていきます。

1on1|事前準備(マエ)

まずは、メンバー自身に振り返りをして来て貰います。

だいたい、1on1は1週間~1ヶ月に1回ぐらいの割合が多いかと思いますが、前回の1on1から今回の1on1実施日までの業務を振り返り、気付きを言語化して貰います。

1on1|実施中(ナカ)

1on1を実際にやる際には、対話を通じてメンバーに気付きを得て貰ったり、成長を実感して貰います。

困っている事象がある場合には相談に乗ったりと少しでも仕事に前向きになってもらうための時間として活用します。

また、次回の1on1までに取り組むべきネクストアクションも合意形成します。

1on1|事後の行動(アト)

メンバーには、合意できているアクションを兎に角、実施して来て貰います。

もちろん、日々、困っている事があれば助けますが、基本的にはメンバーの自主性に任せてアクションを推進して貰います。

詳細は後述しますが、この時に『ノート』をフォーマットとして活用する事で、1on1の効果を格段に上げることが可能です。

ノート(フォーマット)活用の価値

メンバーには、事前にフォーマットに則って振り返りをしてきてもらいます。

この事が1on1の場を圧倒的に良い場に変えていきます。上司をドクターとすると、メンバーは患者です。病院ではドクターが正しい診療をするために、患者は事前に問診票を書きます。

これにより効率的なコミュニケーションが出来、患者自身も自分のどこが痛い/悪いのか?を客観視して伝える事が出来るようになります。

1on1でも基本的なスタンスは同じで、メンバーが事前に自身について言語化してくることで、上司側がメンバーの状況を解像度高く把握出来るため、同じ時間でも密度の濃い1on1になります。

メンバーの自分ごと化を促す

1on1は上司に質問されて答える場ではなく、自身が内省した内容を伝える場に変わるため当事者意識が出てきます。

また、準備なしの1on1ではその場で上司の問いに答えるため、表面上の浅い解答しか出てこない事が多くなります。

一方で、事前に考えて来ているからこそ、一歩踏み込んだ、深い領域の話が出来るようになります。

上司が傾聴/問いに集中出来る

1on1の中では非常に高度な情報処理が求められます。メンバーが話している事をメモしながら、内容を理解し、それに対して問いを立てていく、3つの動作を、ほぼ同時に進めています。

正直、かなり難易度が高いと思います(コーチングを習っていても出来ない人がいます・・・)。そこで、事前にノートを書いて貰う事で、『聴く』事に集中できます。

また、問いに関してもノートに書いてある事を見ながら、ツッコんでいくだけで良いのでこちらも非常にハードルが下がります。

メンバーのアクション促進

1on1の中で合意したネクストアクションはそのままノートに記載をします。

メンバーからしたら、上司と約束した事ですし、自分でノートに書いた事なので高いコミットメントを生むことが可能です。

また、2回目以降の1on1では前回のアクションの振り返りから入る事で進捗を追うことが出来ます。

※アクションが上手く出来ていない場合には、一緒に振り返りをしながら更に改良点を見極めて行きます。(そもそも、やってない場合はその理由をクリアにして、アクションが取れる状態にします。)

【保存版】1on1のノート(フォーマット)の詳細事例

ここでは、実際にノートにどのような内容を書きこんでいくのか、詳細の中身について解説していきます。

フォーマット|要素

  • パフォーマンス:100点満点
  • 忙しさ:100点満点 ※100点が忙しく、0点が忙しくない
  • 理由:点数の背景/要因
  • Good:良かった所
  • More:伸びしろがある所
  • 感想/相談:自由記入欄

フォーマット|仕掛け

  1. 点数を付ける
    思考が深まるきっかけを作ります。また、点数を定点観測していく事で、どういう時にメンバーのパフォーマンスが上がるのか?を解像度高く捉える事が出来、仕事のアサインメントの際にも活用できます(モチベーションの上がり下がりのきっかけがわかります)。
    忙しさも高い点数が続いているメンバーはケアをするなど、コンディション把握には非常に使い勝手良い指標です。

  2. Good
    ネガティブなことにしか目が向かないメンバーは成長実感が感じにくいので、Goodの欄を設けることで強制的に自身の良いところを見れるようになります。
    また、成長のきっかけや、工夫などを聴いてあげる事でコーチング的な関わり方が自然に出来ます。

  3. More
    Badではなく、Moreとする事で良くないこと、ダメだったことではなく、伸びしろ/改善ポイントという前向きな捉え方をさせます。

  4. Next Step
    次の打ち手までを考えることで、振り返って終わりではなく、実際の業務をより良く変革してく思考力が付いてきます
    上司側から見ると、MoreからNext Stepが飛躍していたり、効果的な打ち手ではないことが明らかなケースがあったりするので、ティーチング的な関わり方が多くなると思います。

  5. 感想/相談
    フリースペースがある事で、業務相談があればこちらで話を聞くことも出来ます。メンバーからすると、定期での相談の場がある事で、考えている事を溜め込まずに吐き出せるようになります。

1on1での深堀りする際の注意点

大前提として心理的安全性がないとメンバーが話したくないという反応すら出てしまいます。

ここは1on1のスキル云々ではなく、日常から丁寧なコミュニケーションが取れいていることが重要です

一方で、心理的安全性を高めるための工夫として自己開示があります。

重要な事は上司側から自己開示をして、なんでも話して良い場であるということをメンバーに感じて貰うことです。そのうえで、思考プロセス/感情の2つを伝えると効果的です。

例えば、メンバーの成長を感じて、「最近、調子いいね!」だけ伝えても心理的安全性は高まりにくいです。

一方で、「最近、案件の受注率が上がってきていて、調子が良さそうだね!生き生き仕事していて嬉しいです」という形で、思考プロセス(なぜ、そう思ったのか?)/感情(自分の思い)を伝えることで、思考フローが見え、心理的安全性が高まります。

ノートは、できるだけ紙でやってほしい

ノートは、PowerPointやNotionなどのツールではなく紙でやることに意味があります。

1つは圧倒的な当事者意識の醸成です。1on1の最後には、合意形成したネクストアクションを、その場で赤文字で記載して貰います。これにより次回までにやらなくては・・・という当事者意識を高めます。

また、半年も経てばノートは十数ページに達するのでメンバー自身がノート厚みで積み上げてきた事を感じ、成長実感に繋がります。

1on1のタイムスケジュール

30分あれば基本的には振り返りからネクストアクションの合意までをスムーズに進める事が出来ると思います。

ポイントは、最初の5分はメンバーに振り返りをした内容をプレゼンしてもらう事です。

その際に、上司側は質問は一切せず、ただただ傾聴してください。メンバーは聴いて貰っている感覚を得ることで、心理的安全性が高まります。

一通り聴いたあとに深堀りし、アドバイスをしていきます。最終的には、ネクストアクションを決めていきます。

まとめ

1on1は自分で学ばない限り、上司から受けて来たものの焼き増しでしか無いと思います。

メンバーのため、そして自分の貴重な時間を使うのであれば、改めて目的/理想を設定して取り組んで頂けるとより実りの多い場になるかと思います。

今回はフォーマットにだけ焦点を当てましたが、実際のコーチング的なスキルも数多くありますので興味があれば是非、本なども読んでみてください。

私もコーチングスクールをやっているので、そちらも気になればお声がけください。

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