3人の社長が語るCxO採用との向き合い方「経営者の本気度」が成否を分ける|HR-Study#5 |HR NOTE

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3人の社長が語るCxO採用との向き合い方「経営者の本気度」が成否を分ける|HR-Study#5

  • 採用
  • 中途採用手法

※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

人事向けのウェビナー『HR-Study』。普段なかなか聞くことのできない人事界隈のお話を、オンラインライブで配信。

第5回目は、「CxO採用」について。外資系企業で目にすることの多い「CxO職(Chief ●● Officer)」は、日系企業でも求人募集することが増えてきました。

今回は、難易度が高い「CxOクラス」の採用を経験されている3名の経営者の方々に、成功・失敗事例や経験にもとづいた採用ノウハウについてお話していただきました。

出会いから見極め、そして入社後のオンボーディングなど、「CxO採用」について、その一部をイベントレポートとしてご紹介します。

セミナー詳細URL:https://hrnote.jp/seminar/hr-study5/ ※本イベントは8月28日に実施したものになります。
■登壇者紹介

高野 秀敏|株式会社キープレイヤーズ CEO/代表取締役

1976年宮城県生まれ。1999年東北大学経済学部卒業後、新卒で未上場のインテリジェンスに入社。2005年株式会社キープレイヤーズを設立し、現職。55社以上のエンジェル投資実行。社外役員・顧問を務める。創業から役員でクラウドワークス、メドレー上場。識学上場など。

渡邉 拓|株式会社BitStar 代表取締役社長 CEO

2011年慶應義塾大学大学院 理工学研究科卒。新卒でスタートアップの新規事業の立ち上げに従事。独立後、友人YouTuberの支援を転機にBitStarを創業。累計約30億円の資金調達を実施し、コンテンツ産業を担うメガベンチャーを作るべくクリエイタープロダクション、コンテンツスタジオ、VTuber、インフルエンサーマーケティング事業を展開。デロイトトーマツ主催「日本テクノロジー Fast 50」に2年連続で選出。

韓 英志|クラフトバンク株式会社(旧ユニオンテック株式会社) 代表取締役社長

東京大学大学院 建築学修了。2005年にリクルート入社。国内の新規事業開発・事業撤退を複数経験後、同社のグローバル事業の立ち上げ・拡大に従事。総額75億円のCVCを設立し、実行責任者として30社以上への投資を実行。2015年にはベルリンに本社を持つ飲食店の予約プラットフォーム・Quandoo社の買収に伴い、現地にて経営参画し16か国展開を主導。リクルートを退職後、創業18年のユニオンテック(現クラフトバンク)に経営参画。内装工事業のデジタル化によるターンアラウンドを実行した後、2019年2月、9.7億の資金調達。
■本日のモデレーター

西村 創一朗|株式会社HARES CEO/複業研究科/HRマーケター

新卒でリクルートキャリアに入社後、法人営業・新規事業開発・中途採用などを歴任。在職中の2015年に「二兎を追って二兎を得られる世の中を創る」をミッションに株式会社HARES(ヘアーズ)を創業後、2017年に独立。今回のテーマである「オンボーディング」を含め採用・人事領域を中心に多数の企業のアドバイザーを務めるほか、人事系イベントのモデレーター/ファシリテーターとしても活躍。著書に『複業の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)がある。
[勉強会の内容をまとめたスケッチノート|拡大する]

各社のこれまでのCxO採用について

それでは、本日はよろしくお願いします。今回は「CxO採用」という普段あまり語ることのないディープなテーマに関して、進めていきたいと思います。

まずは、本日の参加者の皆さん、自己紹介をお願いします。

株式会社キープレイヤーズ高野と申します。15年ほどスタートアップ・ベンチャー向けの人材紹介や、ベンチャー投資をおこなってきております。

今まで数多くのCxO採用に多く取り組んできましたが、CxO採用は他の採用とは異なり、とても慎重に進めなければならないテーマだと思っています。本日はよろしくお願いします。

YouTuberを中心としたプロダクション、コンテンツスタジオ、広告事業を展開している株式会社BitStarの渡邉と申します。

当社は、最近10億円、累計30億円ほどの資金調達もおこなわせていただいたエンタメテック系のスタートアップです。

事業フェーズが移り変わる中で、役員などの幹部を採用してきた経験をお話できればと思います。

創業20年の建設工事会社でIT事業を展開しているユニオンテック株式会社(※2020年10月1日に「クラフトバンク株式会社」へ社名変更)の韓です。

私は、リクルートで投資ファンドの設立や海外でのM&Aを経験してきて、2018年4月にユニオンテックに参画し、現在は代表を務めています。

もともとユニオンテックは、クロス職人だった現会長の大川が2000年に立ち上げた会社で、クロスや床など内装仕上げの工事業を手がけていました。

そこから、空間事業、設計デザイン事業など、徐々に事業を拡大。

現在では、「工事を発注したい建設会社」と「工事を受注したい工事会社や職人」をつなげる、BtoBの建設工事受発注プラットフォーム「CraftBank(クラフトバンク)」の企画・開発・運営といったIT事業も展開しています。

さらに、設立20年で初めてアメリカのVCから約10億円の資金調達をするなど、他にはあまり類をみない会社だと思います。

この数年における成長の過程で、CxOやそれに準ずるメンバーの採用にも注力してきており、そのあたりのお話ができればと考えています。

ありがとうございます。

それでは、1つ目のトークテーマ『これまでのCxO採用』について進めていきます。

渡邉さんから、今までどのようなCxO採用に取り組んできたか、お願いします。

CxOレイヤーの採用としては、これまでにCTOとCFOの2名を採用しました。

会社立ち上げ時は、私一人で経営をしてきたため経営陣は誰もいませんでした。

この期間はずっと、学生時代から一緒に事業をやっていた原田・山下に声をかけ続けていまして、1年半ほど経ってから原田が入社し、その後にCTOの山下が加わりました。

そこからしばらくはこの3人で運営してきて、ようやく最近CFOや執行役員を外部から採用したという経緯です。

現在は、監査役や顧問なども採用でき、優秀な経営メンバーがそろってきました。

そうそうたるメンバーを集められたのですね。

どのようにメンバーを集めたのか、後ほどじっくり伺いたいと思います。続いて韓さんお願いします。

ユニオンテックの経営層はかなり個性的で、会長の大川は中卒でクロス職人としてキャリアをスタートしてますし、CFOの木村は、コインチェックのCFO/監査法人トーマツ/アニコムホールディングスの財務部長を経験していた者です。

他にも、CxOという明確なポジションを設けてはいないのですが、ゼネコン出身者から大手ITメガベンチャー出身者など、非常に多様な人材を採用できています。

BitStarさんとはまた違って、かなりユニークな採用をされていそうですね。

ちなみに、高野さんにお伺いしたいのですが、CxOレイヤーの採用に関わる中で感じていることや、最近の傾向などを教えていただけますでしょうか。

一般論にはなりますが、CFOは事業ラインから外れるので、比較的採用がしやすいと思います。

一方で、多くの経営者が期待されるCOOといった事業に紐づくレイヤーの採用については、「いきなり転職して活躍できるの?」という懸念もあるので、採用難易度は高いでしょう。

また、採用全般に言えることですが、100発100中で採用成功し続ける会社はないので、CxO採用はトライアンドエラーしながら進めていくものだと思っています。

ここ数年でスタートアップの資金調達額は大きくなり、給与水準も以前より好待遇なポジションも出てきました。

コロナ禍であるものの、株式のマーケットはいまだに盛り上がっていて、ストックオプションへの期待も高まっています。

そうした状況下で、転職者のレベルも高まっており、それに比例してスタートアップベンチャーのCxOに求めるレベルも高まっているように感じています。

CxOのポジションの採用要件の作り方

 続いて『CxOポジションの採用要件をどう作ったのか』というテーマに参ります。まずは渡邉さん、お願いします。

CxOの採用要件は、時間をかけて作りました。

各社の状況によってCxOという言葉の定義も違いますから、他社の募集要項をそのまま参考にするのではなく、自分たちで考えていきましたね。

たとえば、13億円の資金調達を実施した後にCFOの採用したのですが、このときに「CFOに求める要素は何か?」と自分たちなりに言語化し、整理していきました。

このとき私たちは既に資金調達をある程度進めてしまっていたので単純にCFO=資金調達をする人ではなく、「BitStarのCFOは、上場準備はもちろん、上場後にいかに企業価値を高め、攻めることができるかが重要なポイントである」「攻めと守りの戦略をバランス良く立てられることがCFOの必須要件」と定義づけました。

このように、実際には候補となる方に100人以上お会いしながらですが、具体的に自社のCFOにはどのような要素が必要か固まって最終的に採用に至りました。

CFOで守りができる人材と言えば、管理部長タイプ。攻めは投資銀行タイプが想像できますよね。

この2つの側面における経験がある人材が、現在CFOを務める寺谷です。彼は監査法人での経験と事業会社のM&Aと子会社のCOOをやってきた経験、そして投資ファンドの攻めの経験があり、攻めと守り、そして、事業会社での経験が決め手で採用しました。

CFOの採用の後は、COOの採用を進めています。BitStarは複数の事業をおこなっているので、事業を立体的に見る力が必要となります。

COOもCFOと同じように、具体的なワークシーンをイメージしながら、具体的な採用要件を決めています。

その結果、COOは「複数のキャリア、経営を経験してること」「抽象化する力や部署横断のコミュニケーションスキルが高いこと」「エンタメに興味がある人」と設定しました。

この採用要件は、他のCxOに比べて採用難易度が高いと感じています。

CxOの採用要件は事業フェーズによって大きく変わります。「自社のCxOに求められるものは何か?」をしっかりと言語化してから採用を進めることが大事かと思います。COO採用はこれからですが笑

 今お話いただいたCOOのように採用要件を絞ると、その人材に出会うのも、口説くのも難しくなっていくと思います。

求める人物像の難易度と採用要件のバランスはどう考えていましたか?

採用要件は一切妥協しませんでした。

おっしゃる通り、エンタメに興味があって抽象化スキルも高くて…と絞っていくと、それに合った人材と出会えるまでに時間はかかってしまいます。

ですが、私は妥協せずに、採用要件に見合った人物が来るまで頑張る、または社内で育成を頑張っていくというスタンスをとっています。

実務ができる人は攻めができなくて、攻めができる人は逆ができなくて…。なかなか難しいですよね。

スタートアップ・ベンチャーのフェーズでは、何でもやらなくてはいけないので、攻めも守りもどちらも任せたいですよね。

ちなみに弊社では、今までに2回CFOが辞めてしまった経験があります…。

ベンチャー企業に初めて入社する方は、ギャップに驚いてしまうケースもあると思います。

その辺りは、候補者のレジュメを見ながら合うかどうか判断をしていけば、ある程度絞れると思います。

 ちなみにユニオンテックさんでは、CFOの方がなぜマッチしなかったのでしょうか?

最初にいた方は、その人自身は大変優秀な人材でしたが、会社のフェーズと合わず上手く行きませんでした。

2人目は、前職で駐在していたときの右腕に来てもらいました。1年半一緒に働いた経験があるので大変信頼している方でしたが、当時のターンアラウンド期におけるHard Thingsの実行と、成長戦略とのバランスに苦戦しました。

採用要件を定義したときは「合っているな、パーフェクトだ」と思いましたが、決めた採用要件通りに採用してもうまく行かないケースもあるんですね。

ですので極端な話、「採用要件を定義をすることにこだわる必要はない」と、思うようにもなりました。

高野さんから採用要件の定義について何かアドバイスをいただけますか?

採用要件を定義して、その部分だけを見てCxOを見極めるのは不可能だと考えています。

CxOや役員クラスの人材は、「株式という創業者の血液を渡してもいいと思えるか?」という見方もあるでしょう。

月並みですが、ビジョン共感をしてもらえるか、人としての相性が良いかどうかをしっかり見極めながら、慎重に採用を進めていく必要があります。

また、多くの会社で役員やCxOはかなりの頻度で入れ替わっていますよね。必ずしも長く勤めてもらうことが正解ではないと考えています。

1番大切なことは、会社がしっかり成長をすること。

たとえば、Softbankさんやファーストリテイリングさんを見ていると、CxOや役員は何度も入れ替わっていますよね。

しかし辞めたからNGではなく、結果を出している方が多いため、辞めた幹部の方も「もとSoftbankです」と言って前向きに仕事していらっしゃいます。

CxO候補をどうやって探しているの?

 CxOに採用要件を決めた後、どのようにCxO人材と出会うのか、面接はどのように実施しているのかお話を伺っていきたいと思います。

CxO職に限らず、一次面接は私が対応することも多いです。

弊社は建設業でありIT企業の側面もあり、伝わりにくい部分が多く、面接をするよりも「弊社の話を聞いてくださいますか?」という姿勢で臨んでいます。

CFO採用のときは50名くらい面接でお会いしましたね。

CxO人材と出会う経緯は、エージェントさんからのご紹介が多いです。以前はリファラル採用も進めてきましたが、「ビジネスでの信頼と個人での信用は別だ」と思うようになり、最近はあまりおこなっていません。

直近で重要視しているのは、「厳しい経営判断を一緒に実行できるかどうか、一緒の船に乗れるか?」という視点ですね。

また、CxO採用に限らず、候補者とお会いする際に大切にしていることは「ビジョン採用をおこなうこと」です。

私が熱量高くビジョンをお伝えし、ビジョン共感した人材を集めていくことで、離職率は非常に低くなっています。

3か月ほど前までは、私の時間の8割は採用に費やしていまして、「この人は自社にフィットしているな」と思ったら、それこそ、ご自宅まで何回も足を運んでオファーレターを出したりもしました(笑)。

意外と、突き抜けた優秀な人材はロジックではなく、最終的には気持ちで判断する傾向があると思っていて、「あーもうわかったよ!やるよ」みたいな感じで、最後は直感的な部分で入社を決めてくれるんです。

そういった候補者に「どのように誠意を見せるか?」を考え、アプローチを繰り返しています。

 家まで足を運ぶとは、なかなか他社がやっていないことですよね。

ちなみに、複数のエージェントさんとお付き合いされていると思いますが、エージェントとうまく付き合うポイントなどはありますか?

 エージェントも人なので、弊社を好きになってくれる方を中心にお付き合いさせていただいています。本気で会社を好きになってくだされば、その分候補者の紹介も力を入れてくれるはずだと考えています。

なので、高野さん(キープレイヤーズ)にはすごくお世話になっていますよ(笑)

渡邉さんは、CxOの集め方や選考の方法についていかがでしょうか。

弊社も、CxOの主な採用集客チャネルはリファラルとエージェントさんからのご紹介でした。最近ではダイレクトリクルーティングなどいろいろ活用しています。

なかでもダイレクトリクルーティングは今年から力を入れていて、経営陣には「毎週5人ずつ候補者をあげてください」と依頼をしています。

6名の役員が毎週上げてきた候補者に対して、人事がチェックしスカウト対応を進めていきます。

毎週の責任者会議の議題として組み込んでいるので、人事から役員陣へ「今週〇〇さん候補者がまだ上がっていないですよ~」と、突っ込みが入ります。

その他にもWantedlyのような運用媒体も使用していますし、アクティブに候補者さんを募るように仕組み化しています。

 毎週5人候補者を上げてもらうことを仕組み化するとは、素晴らしい取り組みですね。エージェントである高野さんは、どのようにCxO人材を探されていますか?

皆さんと同様に、リファラル・ダイレクトリクルーティングなどを毎日コツコツ運用して出会うようにしています。

CxO人材に出会うために意識しているのは「認知」でしょうか。

CxO人材の目に留まるように、選挙みたいなものだと思いながら、Twitter、NewsPicks、Facabook、Linkedinなどいろいろなチャネルを活用して、まずは私を知ってもらうことを重要視しています。

TwitterやYouTubeのようなSNS経由で、元コンサルファーム出身の人材が問い合わせしてくださることもありますし、そもそもCxOと出会える絶対的なチャネルはありませんしね。

とはいえ、SNSを全く使わない企業・人材もいます。

まあ決めの問題ですから、「まずはこれに注力してCxO人材とつながる!」と意思決定し、あとは楽しんでやることが大事なのかなと思っています。

CxO候補の見極めや惹きつけについて

 次のトークテーマでは、CxO人材との面接や面談で、どのようにアトラクトやジャッジをおこなったのかを詳しく伺っていきたいと思います。

初期のころは履歴書もあまり見ずに「本人のやりたいことと私たちのやりたいことがマッチしているか?」を基準にジャッジをしてきました。

ここ最近は、書類を見ながら合っている/合っていないを判断するようになりました。お会いしたときは、会社の正しい情報やビジョンを伝えていきます。

話をして興味を持ってもらえたら、次はチーム体制や事業の具体的な数値を交えながらビジョンの実現性を話し、お互いに「是非!」となったら、条件面を詳しくお伝えする、といった流れを意識しています。

また、CXOクラスの人材は、選考の前にかなり細かく会社情報を調べてきてくださる傾向があります。だからこそ、リリース情報や事業・採用まわりの発信をたくさん出していくことは重要だと思っています。

私たちのビジネスは建設業で、一般の方にはあまり馴染みのない業界です。「建設業をやりたい」という人が少ないため、私たちの採用は「応募くださった方をいかに惹きつけていくか」の勝負になります。

弊社の職場は非常に活気があるので、来社していただくだけでも候補者の動機づけになるメリットがあります。

実際、お客様が打ち合わせでご来社された後にメールをくださって、「実は貴社のことが気になっています」と言ってもらえたこともありました。

来社される皆さんからの感想は、「雰囲気がいい、社員が楽しそう!」というものが多いので嬉しいですね。

私たちは、日本が誇る技術を持った職人がきちんと評価され、稼げる世界を作りたいと思っています。

「建設の職人に関わる産業構造を変えていきたい」というメッセージを伝えて、「その船に一緒に乗ってくれるか?」という点をとにかく大事にしているんです。

その想いを伝えるために、候補者の方には社員15名ほどと会っていただきます。最終的に、オファーレターを出す段階までいって断られることはほとんどありません。

社員との性格が合うのか。私たちのメッセージが伝わりビジョンマッチしているのかを見極めた上でのオファーレターですからね。

産業構造を変えるという強いメッセージに対して、ビジョン共感をしてくださる人は多そうですよね。今の若い方は、ワクワク感を求めているのではないでしょうか。

ちなみに皆さんは、候補者を口説く文句などお持ちですか?

たくさんの社員に会ってもらい、マインドセットも出来上がっているので、ストレートに「うちにおいでよ」と言いますね。笑

大前提として、当社のビジョン・ミッションに共感してくれた上で、「新しい時代、新しい文化を作りましょう」と伝えています。

私はあえて、「~しましょう!~になりましょう」と伝えるのではなく「どういう社会人(大人)になりたくないですか?」と聞くようにしています。

なりたくないものを聞くと、本音がぽろっと出てくることが多いんですよ。

その本音を引き出したうえで、「~さんが希望していることを叶える場所に行きましょう」と、案内をしていく方法をとっています。

期待した活躍をしてもらえるように、どのようなオンボーディングを実践しているの?

本日最後のトークテーマ『CxOが入社した後のオンボーディング』について話していきたいと思います。渡邉さんから順にお伺いできますか?

これといって型にはめたオンボーディングはしていませんが、入社後は週次で1on1の実施と、入社前後で期待することの明文化・すり合わせをおこなっています。

「入社半年後にはこうなってほしい、1年後にはこのくらいのレベルを期待しています」と伝えていきます。

CxOクラスになると自走できる方がメインになるので、あまりオンボーディングは気にかけないということでしょうか?

そうですね、オンボーディングは〇〇をすると決めているわけではありませんが、人によっては事前に幹部クラスとあってもらったり、一緒に仕事をしはじめてもらうケースもあります。

仕事の進め方はある程度任せますし、会議体やレポーティングは人によってスタイルが異なるので、入社後に意見を聞きながらすり合わせをします。

CxOとして入社された方は、基本的には成熟している人が多いので、オンボーディングではとにかく「働きやすくしてあげること」が大切ですよね。

また、部下の目線で考えると、自分より社歴が短い人がいきなり自分の上の立場になるので、少なからず軋轢が起きてしまう可能性もあります。

最初はメンバークラスとして採用して、徐々にポジションを上げていくなど配慮も必要かと思います。

おっしゃる通り、入社後の配置は慎重に考えますね。

3か月、半年かけてCxOポジションにスライドしていくことも、1つのオンボーディングだと思います。

コロナ禍で、候補者との会食が難しくなったと思いますが、皆さんは実際にどうされていますか?

私は最大限のケアをしつつ、現在も会食をしています。ただ、会食と言っても大人数で行くわけではなく、少数で実施しています。

CxOのような人材は、株を分けて自分たちの血肉を分けるような仲になる方ですので、会食の場を利用して深い話をしておきたいですからね。

弊社では、会食は一気に減ってしまいましたね。

会社のフェーズも関係しているかもしれませんが、入社前のすり合わせ、オンボーディングにしろ、今のところはチャットでのコミュニケーションで対応できています。

ただし、チャットの頻度はかなり高いですし、財務状況などの細かな会社状況を共有するくらい密にコミュニケーションをとっています。

そもそも弊社の場合、全社員にキャッシュフローを全開示しており、オープンなコミュニケーション文化を作るよう、心がけています。

ですので、口説きたい候補者に対しても、入社者に対しても、包み隠さず自社の情報をフルオープンで共有できているので、現状としては会食なしでも関係性は築けています。

 私は時と場合ですが、会食に行く際はこれを付けていきますね!

一同:爆笑

フェイスシールドを準備しているとは、さすが高野さん!それはいいですね!(笑)

CxO採用は経営者がコミットすべき

最後に皆さんから本日の視聴者に向けて、コメントをいただけますでしょうか。

CxO採用の正攻法はありません。媒体運用、事業成長、魅力づけ、ビジョンを語ること…やることはたくさんあるので、私はこれを総合格闘技だと思っています。

1つに手法を絞らず、いろいろ試してみると良いのではないでしょうか。

普段はどうしても事業に比重を置いてしまいがちで、採用は後回しにしてしまう方が多いと思います。採用が後回しになる方は、ぜひ仕組みづくりをしてカバーしていってください。

月並みですが、良い人材がいれば事業は必ず伸びていきます。良い人材の採用・良い組織で一気に変わるのがスタートアップだと思っています。

昨今流行りの、組織診断や研修に取り組むよりも、まずは目の前の採用に力を割いて、良い人材を集めていくことが大事ではないでしょうか。

CxO採用は、経営者がコミットしないと絶対に動かないものです。人事の皆さんは、経営者をうまく乗せていくことも役割だと思っています。

事業に目が向いている経営者に対し、時には厳しく「そんな向き合い方でどうするんですか!」と突っ込まないといけないでしょう。

採用課題は、実は内部にあることが少なくありません。

「どのような人材を、どうやって市場で探すのか?」ではなくて、経営者をその気にさせて、温度感高くCxOの採用に向き合うことが重要だと思います。

私から経営者の皆さんへのお願いとしては、「業務時間の3割は採用に割いてください」ということです。

渡邉さんと韓さんがおっしゃったように、採用の優先順位はどうしても後になってしまうものです。

社長に本気を出してもらうことが、人事担当の重要な仕事になると考えています。

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