こんにちは。株式会社Smart相談室の藤田康男と申します。法人向けオンラインカウンセリング「Smart相談室」を運営しています。
GWも明け、今日から業務を開始している方も多いのではないでしょうか。そこで今回は「五月病」をテーマに、その症状の内容や、対処に向けた3つのTipsについてお話していければと思います。
【執筆者】藤田 康男 | 株式会社Smart相談室 代表取締役
医療系人材紹介会社にて10年間、複数事業の立ち上げや組織マネジメントに従事したのち、2021年2月に株式会社Smart相談室を設立。これまでのマネージメント経験から、従業員のメンタル不調に関して課題感を持ち、独自の視点から、課題に対するソリューション「Smart相談室」を提供中。日本の生産性を高め、社会に貢献したいと考えている。
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目次
「五月病」って、そもそも何?病気なの?
ダルい・・・。なんとなくやる気が出ない・・・。そんな時、「それは五月病だねぇ〜」とかって言われたことないですか?
また、「GW明けは、五月病が増える」なんて見出しを目にしたことはありませんか?これ、なんとなく感覚的に理解できますよね。
でも実際は、「五月病」という医学的な定義はなく、五月の連休後に憂鬱になる、なんとなく体調が悪い、会社に行きたくない、などの気分になる症状のことを指している話し言葉です。
あえて医学的に言うのであれば、五月病は、適応障害、うつ病、パーソナリティー障害、発達障害、パニック障害、不眠症といった病気となるんだと思います。
そう考えると、五月病は、精神的、身体的な疲れによる元気のない状況と言えますね。
「五月病」は、新入社員に五月に発生する?
五月病が正式な病名ではないとして、ではなぜ五月病といわれるのでしょうか?それは五月に、無気力・不安感・焦燥感などを感じられる方が多いからでしょう。
四月に年度がかわり、進学、新社会人、転職による新入社、転勤、部署異動など新しい環境にチャレンジするタイミングが影響を及ぼしていると思われます。
新しい環境への適応が上手く出来ずに体調不良になるということです。
私は、五月病のイメージとして勝手に新入生や新入社員の体調不良を思い浮かべますが、新しい環境への適応ということでいうと、対象は新入生や新入社員に限らず、幅広い方が対象になりますね。
もしかすると仕事関係以外の場面でも発生しているのかもしれません。
現在45歳の私は、20年以上前の新入社員時代に「五月病に注意」というようなことを言われたので、かなり以前から使われている言葉です。
ちなみに、先輩方に尋ねたところ、今で言う流行語のような形ではやった言い回しのようです。その言葉が今まで根強く残っているということですね。
昔は今よりも「四月始まり」の習慣が強かったので、余計に5月に体調不良が発生することが多かったのかもしれないです。
20年以上の月日を重ねて、社会の慣習は大きく変わりました。その結果、五月病は五月に限ったものではなく、誰でもかかる可能性があるものになっているのではないでしょうか。
最近は、「新五月病」や「六月病」とも呼ばれることもあるようです。
もっと言うと、数年単位のプロジェクトやストレスの掛かる作業が随時発生し、始まりと終わりがフレキシブルに変更されるような環境では、特に発生時期が限定されなくなっていると思います。
「五月病」はフレンドリーではない
この五月病は、あえて医学的に言うのであれば、適応障害、うつ病、パーソナリティー障害、発達障害、パニック障害、不眠症といった病気となります。
そのため、大きな目標を達成したことで、燃え尽き症候群のような状態に陥っている人や、環境が大きく変わったことで周りにうまくなじめないという人は、要注意です。
また、性格的に几帳面でまじめ、責任感がある方や、一人で問題を抱え込んでしまう方なども要注意です。
ですが、ご自身で「それが病気なのか?」「自分の頑張りの範囲なのか?」と、判断できる方は少ないのではないでしょうか。
几帳面な方や責任感がある方は、そもそも自分の限界に気づきにくく、自分を奮い立たせて頑張ってしまいがちです。
一般に、うつ病が、原因不明のストレス要因によって発症することがあるのに対して、適応障害は、生活・職場環境などの外的なストレス要因によって発症します。
一口に無気力・不安感・焦燥感などと言っても、それぞれの状況によって疾患が異なり、対処法も変わります。ですが、共通して言えるのは、早めに対処することで大事に至る前にスッキリした状態に戻ることができます。
ここで敢えて「治療」「回復」「完治」と言っていないのは、病気になる前に対処して欲しい、という私の想いからです。
「早めに対処する」、そう考えた時に「五月病」という名前が良くないです。何かフレンドリーでカジュアルな気がします。
「五月病」は病名ではなく親しみやすい愛称、昔の方が怖がらずに早めに対処して欲しい、と願ってつけたニックネームと考えて、この記事では、大きな病気かもしれないという意識を持ちましょう。
早めの対処は難しい
「五月病」には、早めに対処しましょう、ということを前の章で書きましたが、早めに対処するとはどういうことでしょうか?
この章では、シンプルな3つのTipsをご紹介します。
Tips①:口に出しておしゃべりしよう
とにかく何でもよいので、口に出して人とおしゃべりしましょう。おしゃべりしながら、頭の中が整理されます。
2016年の厚生労働省の調査によると、「ストレスを実際に相談した」とした労働者のうち、ストレスが「解消された」労働者の割合は31.7%、「解消されなかったが、気が楽になった」という労働者の割合は60.3%となっています。
この結果から、悩みが生まれた際に「誰かに話すだけで楽になる」と感じる人が多いと言えるでしょう。
また、話すと声が音として耳に入ってきます。頭の中、耳から、という具合に自分の中に複数の同じ情報が入ってくることで、意識的に情報をキャッチすることができます。
このような状況下で、自分の中で漠然とした不安やイライラの振り返り、整理ができ少しづつ心が落ち着いてくるはずです。
今、何が原因でモヤモヤしているのか、それに対してどう対処したいのか、解決したほうが良いのか。
もしかしたら、ストレスと感じていたことが大したことではないのではないか、そのように思考が進み、心が落ちつついてくるはずです。
ここでの一番の障害は、喋る相手、喋っていい相手がいない、ということでしょう。懐かしい友人、ご家族にお電話してみるのはいかがでしょうか?できれば、テキストのコミュニケーションではなく、おしゃべりがよいですね。
しかしながら、今日の社会的な環境から、何でも話すことの出来る相手がいない、という話をよく聞きます。
多くの方が、日頃の忙しさ、一人の心地良さから、すべての人間関係を不必要なもの、次のステップに進むために整理するもの、などと考えることもあるかもしれません。
確かに、その考え方には一理あるのですが、いつになっても必要な人、何でも話を聞いてくれる人、は接触頻度は低いかもしれませんが、必ず、我々を助けてくれます。頭に浮かぶ人がいたら、週末にでも連絡してみてはいかがでしょうか。
Tips②:寝よう、食べよう
睡眠と食事は、心身へ大きな影響を与えます。睡眠については、疲れを感じた際にとことんゆっくりすれば良いと思います。
次のステップとして定期的な睡眠がとれる生活習慣を心がけましょう。
睡眠の貯金はあてにしない方がよいかもしれません。食事については、くれぐれも食べすぎにご注意ください。
Tips③:運動しよう
いきなり高負荷な運動は怪我のもとですから、体操、ウォーキングからスタートすることをオススメします。筋肉をはじめとして体の組織に刺激をあたえてほぐし、血行もよくしましょう。
朝の光を浴びながらの運動をオススメしますが、早起きに自信がない方は、時間にこだわらず、まずは運動をはじめることを目標にしてください。
Smart相談室では、①のおしゃべりの対応、と①〜③の習慣化のお手伝いをしています。
五月病は、1年を通じてその症状を体感することがあります。その症状が長く続くことで、何らかの病気であると診断されることが多いです。
つまり、短期間に当該の症状がでることは病気ではなく、誰にでも起こる可能性があります。
しかし、メンタルヘルス疾患は、早めに対処することで症状がよくなると言われれる一方、症状が軽い段階で対処しようと思うことが難しい疾患です。
リスクなく手軽に対処できる手段としてSmart相談室をご活用いただくことが多いです。Smart相談室は、心身ともに一定のパフォーマンスを維持して、豊かな暮らしをサポートいたします。