労働時間短縮やメリットについて解説!|労働時間短縮・年休促進支援コースについてもご紹介!

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労働時間短縮に効果的な取り組みとは?メリット・デメリットや助成金制度を紹介

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日本では度々長時間労働が問題視されています。長時間労働は従業員の健康に悪影響を及ぼし、最悪の場合には過労死に繋がります。こういった状況から、労働時間短縮を求める声が高まりつつあります。
本記事では、労働時間の短縮が推進されている背景や、労働時間短縮・年休促進支援コース、労働時間短縮を実現させるための取り組みについて解説します。

関連記事:労働時間とは?労働基準法に基づいた上限時間や、休憩時間のルールを解説!

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2024年では新たな制度の適用や既存のルールの変更・拡大がおこなわれます。
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1. 労働時間の短縮とは

ここでは、労働時間短縮の基本を解説します。

1-1. 所定労働時間を短縮するのが一般的

労働時間の短縮と言うと、時間外労働や休日労働などを含む総労働時間を短縮するというイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、一般的には、会社の始業から終業までの勤務時間から休憩時間を除いた「所定労働時間」を短縮する取り組みのことを指します。

所定労働時間とは、「1日8時間、週40時間」の法定労働時間内に収まるように設定した、企業が独自で定める労働時間です。例えば、9時から18時まで勤務する場合、休憩1時間を除く8時間が所定労働時間となります。

労働時間を短縮する場合は、始業時間を遅らせたり終業時間を早めたりして、所定労働時間が1日8時間未満に調整します。先ほどの例で考えると、始業時間を9時30分からに変更すれば所定労働時間は7時間30分となり、労働時間を30分の短縮することが可能です。

1-2. 労働時間の短縮が必要な企業の特徴

労働時間短縮の必要性を自覚することは意外と難しいことかもしれません。長時間労働が当たり前になっている企業ほど、自社の労働環境に問題があることに気づきにくい可能性があります。

労働時間の短縮が必要な企業には特徴があります。以下の項目に該当する場合は、労働時間短縮の必要性があると言えるでしょう。

  • 社員が増えないのに仕事量が増加している
  • 終業時間を過ぎても帰りにくい雰囲気がある
  • サービス残業や休日労働が当たり前になっている
  • 有給休暇が取得しにくい風土がある
  • 従業員の労働時間や業務量を把握できていない

そもそも、従業員の労働時間や業務量を把握できていないのは問題です。労働時間を正しく把握できなければ、労働時間をどの程度短縮すべきなのか、無駄な業務がないかなどを洗い出すことができません。また、従業員一人ひとりの業務量も適切に管理し、業務量に偏りが出ないようにすることも大切です。労働時間の短縮に取り組むためには、まずは労働時間の管理に問題がないことを確認しましょう。

1-3. 労働時間を短縮するさまざまな方法

労働時間を短縮する方法は、所定労働時間の調整だけではありません。所定労働時間を短縮しても、時間外労働が減らない、休日労働が増えた、ということでは本末転倒です。

労働時間の短縮に取り組む場合は、以下のような方法で総労働時間を減らすことも検討しましょう。

  • ノー残業デーの導入:特定の日の残業を禁止し、定時で退社させる
  • 有給休暇取得日の指定や取得促進:全社共通の有給休暇取得日を指定するなど
  • 退館時刻の設定:特定の時間になったら館内の電気を強制的に消す
  • フレックスタイム制の導入:特定の時間をコアタイムに設定し、それ以外の時間の勤務は従業員に任せる

なお、労働時間の短縮に向けた具体的な取組については「6. 労働時間短縮に向けた具体的な取り組み」で詳しく解説します。

2. 労働時間の短縮が推進されている背景

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労働時間の短縮が推進されている背景としては、主に少子高齢化による労働人口の減少が挙げられます。ここでは、より具体的な労働時間短縮が求められる背景について解説します。

2-1. 人手不足による長時間労働を改善するため

日本の少子高齢化問題はさまざまな影響をもたらしています。労働人口の減少もその1つで、特に中小企業における労働人口の減少は深刻で、日本経済に大きな損失を与えかねません。

それに加えて、2019年以前では特別条項付き36協定を締結すれば実質、無制限に従業員を労働させられるという状況が相まって、長時間労働や過労死が深刻な社会問題となりました。

こういった問題を是正するため、特別条項付き36協定を締結しても「時間外労働は月100時間、年720時間まで」と罰則付き上限規制が設けられました。このように、日本では徐々に労働時間を短縮させる動きが強まっています。

労働時間を短縮させるためには、普段から適切な勤怠管理をおこない、労働時間を正確に把握しておく必要があります。当サイトでは、法律に則った勤怠管理の原則方法について解説した資料を無料でお配りしています。法改正の内容とそれにあわせた勤怠管理の方法も解説しているため、適切な勤怠管理をおこないたい方は、こちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

2-2. 日本の労働生産性向上のため

日本では労働人口の減少が深刻化していることから、労働生産性の向上が求められています。実際に日本の労働生産性はOECD加盟国36ヵ国の中で20位前後に低迷しています。そういった状況を受けて、労働生産性の向上を求める風潮を日本全体で高めていくために、労働時間の短縮が推進されています。

3.労働時間短縮の政策助成金「年休促進支援コース」とは?

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「労働時間短縮・年休促進支援コース」とは働き方改革推進支援助成金の1つで、労働生産性の向上、労働時間短縮、有給休暇取得の促進に向け、労働環境整備に取り組む中小企業を支援する政策です。助成金の支給を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。
ここからは、より具体的に「労働時間短縮・年休促進支援コース」について解説するので、参考にしてください。

3-1. 支給対象となる事業主

「労働時間短縮・年休促進支援コース」の支給対象となるのは、上記で述べた通り中小企業が当てはまります。以下の3つの基準を満たす中小企業が支給対象となるので注意しましょう。

①労働者災害補償保険の適用事業主であること。
②交付申請時点で、「成果目標」1から4の設定に向けた条件を満たしていること。
③全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
引用:医師労働時間短縮計画作成ガイドライン一部抜粋|厚生労働省

3-2. 支給対象となる取り組み

支給対象となる取り組みに関しては様々な取り組みが当てはまりますが、総じて労務担当者に対する研修や労務用管理ソフトウェアの導入など、労働時間削減に関する取り組みが対象となります。
詳しい内容についてはこちらから確認することができます。

3-3. 成果目標の設定

成果目標の設定は選択式です。
以下の1~4のうちから1つ以上選択し、それを成果目標とし達成を目指します。

1:全ての対象事業場において、令和4年度又は令和5年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行うこと

2:全ての対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること

3:全ての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入すること

4:全ての対象事業場において、特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇、不妊治療のための休暇)の規定をいずれか1つ以上を新たに導入すること
引用:医師労働時間短縮計画作成ガイドライン一部抜粋|厚生労働省

3-4. 実施期間や申請期間、支給額について

実施機関や申請期間は以下の通りです。

・実施期間:交付決定の日から2024年1月31日まで
・申請期間:2023年11月30日(木)まで

申請期間は支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、2023年11月30日以前に締め切られる可能性があります。そのため、「労働時間短縮・年休促進支援コース」に興味をお持ちの方は、お早めに申請するといいでしょう。

支給額については、成果目標の達成度合いに応じて変動します。
詳しくは下記のリンクからご参照ください。
働き方改革推進支援助成金 一部抜粋 |厚生労働省

「労働時間短縮・年休促進支援コース」を上手く活用して、自社の労働時間短縮を促進していきましょう。

4. 労働時間短縮のメリット・デメリットとは?

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ここからは、労働時間短縮のメリットとデメリットについて解説します。

4-1. 労働時間短縮のメリット

ワーク・ライフ・バランスの実現

労働時間を短縮することでワーク・ライフ・バランスを実現することができます。仕事中心の生活ではなく、プライベートも充実させることができるので、従業員の心身の健康をに保ち、仕事への集中力の維持に繋がるでしょう。

企業のイメージアップ

労働時間の短縮は、企業のイメージアップに繋がります。企業のイメージが刷新されることで、求人が増加し、人材不足を解決することができます。長時間労働は主に人材不足が原因であるため、労働時間短縮に取り組むことで長時間労働の発生を根本的に解決することができます。また、従業員の定着率も上がるため、離職や採用などにかかる手間やコストも削減できるでしょう。

4-2. 労働時間短縮のデメリット

従業員の給与が減少する

労働時間を短縮することで、今まで支給されていた残業代が減少し、従業員の給与が下がる可能性があります。

なお、所定労働時間を短縮する場合は、給与を据え置きにするのが一般的です。もし、所定労働時間の短縮に伴って給与を減額する場合は、従業員にとって不利益な変更となるため、労使間での十分な協議が必要となります。

仕事が納期までに終わらないリスクがある

労働時間短縮により、単に労働時間を減らすだけだと仕事が納期までにの終わらない可能性があります。これにより、納期が遅れて売上が減少し、会社の資金繰りが困難になるなどの問題が生じるかもしれません。そのため、労働時間短縮を取り入れる場合は、業務量や労働環境を見極めたうえで段階的に推進しましょう。

サービス残業や仕事の持ち帰りが増えてしまう

業務量が変わらないまま労働時間だけが短縮されれば、納期までに仕事が終わらないケースも出てくるでしょう。そのため、サービス残業をしたり、家に持ち帰って仕事をする従業員が出てくる可能性があります。これでは労働時間の短縮とは言えません。サービス残業や持ち帰りの仕事は時間の制限がないため、これまで以上に労働時間が増えてしまうリスクもあります。このような労働環境は従業員の負担となり、心身の健康に悪影響を及ぼすかもしれません。労働時間短縮の本来の目的を再確認し、見せかけではなく確実に労働時間が短縮できる体制を整えましょう。ここまで、労働時間短縮が推進されている背景や助成金制度、メリット・デメリットについて解説してきました。
建設業や運送業、医師業などの業界や職種においては長時間労働の文化が根強く、労働時間の短縮が難航しています。これらの業界では、それぞれ労働時間短縮に向け様々な取り組みが行われています。本記事では医師業におけるに対する労働時間短縮に向けた取り組みについて紹介します。

5. 医師に対する労働時間短縮計画とは?

医師 眼鏡 パソコン

ここからは、医師労働時間短縮計画の概要について解説します。
2024年から、全ての勤務医に時間外労働の上限規制が設けられます。

各病院では「年間960時間以下」のA水準を原則として、地域医療における必要性等の理由がある場合については「BあるいはB連携水準」、一定の期間集中的に技能向上のための診療を必要とする場合については「C水準」として、年間1,860時間・月100時間未満の上限規制が適用されることが決定しています。

ここからは、医師労働時間短縮計画の提出に関する内容について解説します。

5-1. 計画提出が求められる医療機関

計画提出が求められる医療機関は以下の通りです。

・令和2年度~令和5年度までに、B・C水準の指定を受けていない状況下で年間時間外・休日時間数が960時間を超える医師がいる医療機関

・令和6年度以降は連携B・C水準の指定を受けている年間時間外・休日時間数が960時間を超える医師がいる医療機関

引用:医師労働時間短縮計画作成ガイドライン一部抜粋|厚生労働省

上記の通り、対象の医療機関は期間ごとに異なるため、注意が必要です。

5-2. 計画期間

令和5年度末までの計画の計画期間は以下の通りです。

・計画始期:任意の日
・計画終期:令和6年3月末日

令和6年度以降の計画の計画期間は以下の通りです。

・計画始期:令和6年4月1日
・計画終期:始期から5年を超えない範囲内で任意の日
引用:医師労働時間短縮計画作成ガイドライン一部抜粋|厚生労働省

また、労働短縮計画の提出後は実際に労働時間短縮に向けて取り組んでいく必要があるため、可能な限り早期の提出が望ましいとされています。

ここまで、医療労働時間短縮計画の提出が求められる医療機関と計画期間について紹介しました。
医療労働時間短縮計i画の記載事項には「共通記載事項」と「任意記載事項」の2種類があります。ここからは、両者について順番にご紹介します。

5-3. 医療労働時間短縮計画の共通記載事項

共通記載事項には「労働時間」「労務管理・健康管理」「意識改革・啓発」の3つがあります。
①労働時間
以下の全ての項目で、「前年度実績」「当年度目標」「計画期間終了後の目標」を記載する必要があります。

・ 年間の時間外・休日労働時間数の平均
・ 年間の時間外・休日労働時間数の最長
・ 年間の時間外・休日労働時間数 960 時間超~1,860 時間の人数・割合
・ 年間の時間外・休日労働時間数 1,860 時間超の人数・割合
引用:医師労働時間短縮計画作成ガイドライン一部抜粋|厚生労働省

また、目標値については自由に決めていいというものではなく、「医療労働時間短縮目標値ライン」を目安に設定しなければなりません。2035年度末の目標値である「年960時間」を着実に達成していけるよう、3年ごとの目標値を設定する必要があります。
「医療労働時間短縮目標値ライン」は以下の通りです。

2027 年:X-(X-960)/4
2030 年:X-2(X-960)/4
2033 年:X-3(X-960)/4
2036 年:960

2024 年4月時点での時間外・休日労働時間数を年X時間として計算しま
引用:医師労働時間短縮計画作成ガイドライン一部抜粋|厚生労働省

例)時間外・休日労働時間数を年1200時間とした場合

2027年:1200-(1200-960)÷4=1,140時間
2030年:1200-2(1200-960)÷4=1,080時間
2033年:1200-3(1200-960)÷4=1,020時間
2036年:960時間

となり、上記の結果が各年の目標値になります。

②労務管理・健康管理
以下の全ての項目で、「前年度実績」「当年度目標」「計画期間終了後の目標」を記載する必要があります。

・労働時間管理方法
・宿日直基準に沿った運用
・医師の研鑽の労働時間該当性を明確化するための手続き等
・労使の話し合い、36協定の締結
・衛生委員会、産業医等の活用、面接指導の実施体制
・追加的健康確保措置の実施 
引用:医師労働時間短縮計画作成ガイドライン一部抜粋|厚生労働省

③意識改革・啓発
以下の項目のうち、最低1つの取り組みにおいて、「前年度の取り組み実績」「当年度の取り組み目標」「計画期間中の取り組み目標」を記載する必要があります。

・管理者マネジメント研修
・働き方改革に関する医師の意識改革
・医療を受ける者やその家族等への医師の働き方改革に関する説明
引用:医師労働時間短縮計画作成ガイドライン一部抜粋|厚生労働省

意識改革・啓発とは医師の労働時間短縮を進める上で、管理者や医師の労働時間に対する意識変革を目的とした活動です。医師の労働時間に対する意識変革を促すため、管理者や医師の労働時間に関する十分な説明をすることが求められていることが伺えます。

5-4. 医療労働時間短縮計画の任意記載事項

任意記載事項は以下の通りです。ただし、任意記載事項は各医療機関に勤務する職員の状況や提供している診療業務の内容などによって、実施できる可能性が医療機関ごとに大きく変動します。
そのため、下記の項目のうち1つの取り組みを選択し、「取り組み実績」「計画期間中の取り組み目標」を計画に記載するという方式が用いられています。

・タスク・シフト/シェア[注1]
・医師の業務の見直し
・その他の勤務環境改善
・副業・兼業を行う医師の労働時間の管理
・C-1水準を適用する臨床研修医及び専攻医の研修の効率化[注2]
引用:医師労働時間短縮計画作成ガイドライン一部抜粋|厚生労働省

[注1]タスク・シフト/シェアとは、現在医師が行っている業務を他職種がカバーすることで、医師がより専門的な業務に注力しやすくし、業務時間の短縮に繋げようとする取り組みのこと。
[注2]C-1水準とは、研修医向けに設けられた水準のことでプログラムに沿って基礎的な技能や能力を習得する際に適用されます。

ここまで、医師労働時間短縮計画の対象となる医療機関や、計画の記載事項や任意記載事項について解説しました。長時間労働にお困りの医療機関の方々は、今回解説した計画を参考に、労働時間の短縮に取り組んでいきましょう。
しかし、長時間労働が問題視され、労働時間短縮への取り組みをしなければならないのは、医師だけではありません。企業ごとの規模によっても、労働時間は全く異なります。ここからは、特に長時間労働が問題視されている「中小企業」に対する労働時間短縮を目指す取り組みについて解説します。

6. 労働時間短縮に向けた具体的な取り組み

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ここからは、労働時間の短縮に向けた具体的な取り組みについて解説します。

6-1. 労働環境の整備

企業によっては、「残業してでも成果を残せば、評価される」という風潮が従業員の間に広まっている事があります。こういった風潮が根強い企業では、長時間労働が常態化しやすい傾向にあります。

この場合、業務環境を整備する上で重要となるのは、人事評価に「短い時間で成果を上げる事」や「生産性」といった項目を加えることです。これにより、企業全体に労働時間を減らそうとする意識が芽生え、その結果、企業全体として労働時間の短縮に繋がるでしょう。

また、そもそも労働時間に対して業務量が適切であるかを確認することも大切です。まずは、従業員の業務量を可視化し、所定労働時間内に収まる業務量を課すことを意識しましょう。

6-2. ノー残業デーの導入

「ノー残業デー」とは、残業をせず、定時で帰る日を設定する取り組みです。ノー残業デーを設定することにより、定時に帰るために仕事を終わらせなくてはいけないという意識が生まれ、結果として従業員の生産性が上がり、残業時間の短縮に繋がります。

6-3. 勤怠管理システムの導入

勤怠管理システムの導入も業務時間の短縮に繋がります。勤怠管理や給与計算を紙やExcelでおこなっていると、打刻ミスがあった際の対応や集計作業、法改正があった際に、長時間労働が発生しがちです。勤怠管理システムを導入していると、勤怠情報を自動で記録し、法改正にも自動で対応できるため、大幅な労働時間短縮を実現することができます。

また、労働時間を短縮するためには、従業員一人ひとりの労働時間を正しく把握していなくてはなりません。勤怠管理システムなら、労働時間をリアルタイムで確認できるため、どの業務にどれくらいの工数がかかっているか把握できます。

労働時間の短縮は、すぐに成果を出そうとすると無理が生じてしまいます。勤怠管理システムで定期的に労働時間を確認しながら段階的に短縮すると、企業にとっても従業員にとっても負担が少なくて済みます。労働時間の短縮に取り組む場合は、まずは、労働時間の管理方法を見直してみましょう。

7. 業務改善を行い、労働時間短縮を実現させよう!

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本記事では、労働時間の短縮が推進されている背景や、労働時間短縮を実現させるのための取り組みについて解説しました。

労働時間の短縮は、企業にとってメリットもデメリットもあります。しかし、企業が存続していくために回避できない課題でもあります。まずは、自社の労働環境や従業員の業務量を正しく把握し、可能な範囲で労働時間短縮に取り組みましょう。そのためには、勤怠管理システムなどによる労働時間の正確な把握も重要です。労働時間短縮をスムーズに推進するために、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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