働き方改革関連法が施行や新型コロナウイルスによるリモートワークの移行など、近年人事担当者は企業変革の最前線に置かれているかと思います。
このような中で、「法律も目まぐるしく変わり、なかなか理解が追いついていない」「適切な管理の方法を見直したいが、何をしたら良いか分からない…。」といった会社もまだまだ多いのではないでしょうか?
今回は、新しい勤怠管理の方法を取り入れるとコストが高くなってしまう、複雑な導入のプロセスが面倒くさいなど、新たな手法を採用するのにハードルを感じている方に向けて、気軽に導入できる無料の勤怠管理方法をご紹介していきます。
目次
数多くある勤怠管理システムの中から、自社に見合うシステムを探す際、何を基準にして選べばいいのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために今回、社労士監修のもと、「勤怠管理システムの比較表」をご用意いたしました。資料には以下のことがまとめられています。
・勤怠管理システムの5つの選定ポイント
・社労士のお客様のシステム導入失敗談
・法対応の観点において、システム選定で注意すべきこと
お客様の声をもとに作成した、比較表も付属しています。これから勤怠管理システムの導入を検討されている方はぜひご活用ください。
1.勤怠管理を無料でおこなう方法とは?
無料でできる勤怠管理方法にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは大きく分けて4つ紹介します。
1-1 エクセル
1つ目はエクセルを使用した勤怠管理方法です。エクセルはビジネス現場において頻繁に使用されるツールなので、利用しやすいのではないでしょうか。
まずは、従業員の勤怠情報をエクセルに入力し、正確に勤怠打刻が行われているのか、ミスはないかをチェックします。その後、エクセルでまとめた勤怠情報をもとに給与計算を行います。
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勤怠管理にエクセルを使うメリットとは?働き方改革による影響を解説
1-2 自作の勤怠管理システム
勤怠管理を自作データベースで管理することも可能です。しかし、作り方によってはプログラミングスキルが必要になるものもあります。
自作する場合には、以下の点を抑えておく必要があるでしょう。
- 勤怠管理システムに必要な機能
- 勤怠管理システムの作成手段
- どんな他システムと連携させるのか
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1-3 グループウェア付属の機能
シンプルな勤怠管理については、グループウェア付属の機能でも可能です。グループウェア上のボタン一つで、毎日の勤怠管理が可能になります。
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1-4 勤怠管理システム
「勤怠管理システム」とは、勤怠管理に特化し、パソコン、タブレット、スマートフォンなど、媒体を問わずいつどこでも打刻できるシステムです。
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勤怠管理システムには大きく分けてオンプレミス型、クラウド型が存在しますが、今回は無料で使えるクラウド型の勤怠管理システムについて紹介していきます。
2.無料の勤怠管理システムに搭載されている機能
無料の勤怠管理システムには、一般的に以下のような機能が搭載されています。
- 打刻機能
- 勤怠集計機能
- 申請承認機能
- シフト管理機能
有料版の勤怠管理システムには下図のような多数の機能が搭載されていますが、無料版ではその一部を使用できるイメージです。
以下、無料版の勤怠管理システムに搭載された機能について詳しく見ていきましょう。
2-1 打刻機能
従業員が出勤/退勤した時刻を記録する機能です。打刻によって登録された勤怠情報は、給与計算や人事評価などに反映することができます。
最近では、多彩な打刻方法が可能になり、パソコンやスマートフォンだけでなく、ICカードや指紋認証、Bluetoothなどでも打刻が可能なシステムもあります。
2-2 勤怠集計機能
打刻情報をもとに、出勤日数や勤務時間などを集計する機能です。
タイムカードのように、手作業で集計したり転記したりする必要はありません。
自動で集計することによって、ミスやトラブルだけでなく、大幅な工数の削減ができるでしょう。
2-3 申請承認機能
有給休暇や残業などを申請し、承認する機能です。今まで紙で行っていた申請承認フローもペーパーレス化をすることができます。インターネット環境があれば、PCやスマホアプリなどから申請をすることが可能です。
2-4 シフト管理機能
従業員の希望するシフトを自動で反映し、シフトを作成・管理する機能です。シフト提出のリマインドや企業に合わせてカスタマイズすることにより、忙しい時間帯は人を増やすなどの調整も可能です。
勤怠管理システムからシフトを作成すると、自動で勤怠情報に反映できる機能もあります。
3.無料の勤怠管理システムは制限が多い!有料版との違いを解説
3-1 アカウント数の制限がある
無料の勤怠管理システムでは、一般的にアカウント数が制限されています。3〜10人までなどの制限があるため、規模の大きい企業には向かないでしょう。有料プランに変更すると、アカウント数の制限を解除できるシステムもあります。
3-2 データ保存容量の制限がある
データの保存容量や保存期間が制限されているシステムも多くあります。従業員数が多いと、データ容量が足りなくなる可能性もあるため注意が必要です。データを1年程度しか保存できず、法律で義務付けられた保存期間を満たせないケースもあります。
3-3 機能の一部が制限される
多くの機能が搭載されている無料勤怠管理システムでも、その一部しか使えない場合もあります。たとえば、打刻はできても超過勤務を知らせるアラート機能は使えない、データを出力して他のツールと連携することはできないなど、便利な機能を使えないことも多いでしょう。
4. 無料の勤怠管理システムを活用するメリット・デメリット
このように制限のかかる無料の勤怠管理システムですが、加えて「無料のサービスだと、セキュリティは大丈夫なの?」と不安に思う方もいるかもしれません。
ここで、無料の勤怠管理システムを活用するメリット・デメリットをまとめます。
4-1 無料の勤怠管理システムを活用するメリット
①打刻や集計だけなら問題なく使える
上記の通り、無料の勤怠管理システムに備わっている機能は、主に「打刻機能」「予実管理」「データ集計」の3つです。
これらの機能があれば全く問題ないと考えている企業であれば、無料の勤怠管理システムに対して不満を抱くことはないはずです。コスト0の状態で問題なく使用することができます。
②無料なので、いくつか試して比較ができる
有料のシステムが無料トライアル期間を設けていることもありますが、無料の勤怠管理システムを利用すれば基本的に無期限でサービスを利用することができます。
そのため、しばらく使ってみてから他の製品と比較したいと考えている方にとって、無料の勤怠管理システムはおすすめです。
4-2 無料の勤怠管理システムを活用するデメリット
①従業員数が多いと使えない
無料の勤怠管理システムの多くには「30人まで無料」などの人数制限がついています。
そのため、従業員数が多い企業は基本的に有料プランの選択肢しかありません。
②機能に限りがあるため、複雑なことはできない
先ほどメリットとして基本的な機能であれば問題なく使えることを挙げましたが、反対に残業の管理や各種申請機能、シフト管理やアラート機能などの複雑な機能も使いたい方にとっては、無料の勤怠管理システムは不便に感じるはずです。
さまざまな機能を組み合わせて使いたい、労務管理を一つのツールで済ませたいという方は有料のものを選びましょう。
これらのメリット・デメリットを踏まえたうえで、実際にサービスを見ていきましょう。
5.無料で使える勤怠管理システム4選
5-1 HRMOS勤怠 by IEYASU
【無料で使える機能】
- タイムカード(打刻機能)
- 日次勤怠管理(予実管理)
- 日次勤怠承認機能
- 勤怠管理・残業レポート機能
- CSV入出力機能
- シフト管理機能
- 休暇管理機能
【特徴】
- 初期費用0円、月額費用0円で使える
- 労働基準法に準拠した管理に対応。定期的な機能改善も実施
- ICカードやSlackなど多様な働き方に合わせた打刻方法で打刻が可能
【料金】
- 0円/月(社員数:制限なし、データ保存期間:1年、バナー広告:表示)
- 3,800円/月(社員数:39名まで、データ保存期間:制限なし、バナー広告:非表示)
- 9,800円/月(社員数:149名まで、データ保存期間:制限なし、バナー広告:非表示)
- 29,800円/月(社員数:499名まで、データ保存期間:制限なし、バナー広告:非表示)
- 59,800円/月(社員数:999名まで、データ保存期間:制限なし、バナー広告:非表示)
※1000名以上は1ユーザーあたり100円/月
※年間一括払いあり
5-2 Pochikin
【無料で使える機能】
- タイムレコーダー機能
- 勤怠管理機能
- 勤怠データの集計
- CSV出力機能
【特徴】
- ブラウザからログインし、どこにいてもタブレットやスマホから勤怠打刻が可能
- 勤怠情報をネット上で確認、修正が可能
- 出力したCSVデータをExcelで読み込めば、勤務時間の集計や給与計算を、Excel上で管理が可能
【料金】
- 無料(社員数:50名まで)
5-3 TIME CARD
【無料で使える機能】
- 勤怠管理機能
【特徴】
- 出勤簿の打刻時間の切り上げ・切り捨て設定を細かく調整可能
- 従業員をオリジナルのカテゴリで自由にグルーピング可能
- 回覧はいらない。伝え漏れを防ぐ、掲示板機能で出勤時に周知
【料金】
- スタンダード:0円/月(社員数:30名まで)
※31名以上 1,100円/月
※31名以上でご利用の場合 110円/人 - プレミアム:2200円/月(社員数:10名まで)
※11名以上ご利用の場合 330円/人 - プレミアムプラス:4400円/月(社員数:10名まで)
※11名以上ご利用の場合 440円/人 - エンタープライズ:6600円/月(社員数:10名まで)
※11名以上ご利用の場合 660円/人
※プラン毎による詳しい機能についてはサービスサイトをご覧ください。
5-4 ジョブカン勤怠管理
【無料で使える機能】
- 出勤管理
- シフト管理
- 休暇・申請管理
- 工数管理(※単独利用不可)
※上記の機能から1~4つ選んでご利用可能
※機能制限あり
【特徴】
- 変形労働・フレックス・裁量労働などあらゆる勤怠形態に対応
- 無料で電話・メール・チャットにてサポートを受けられる
- 「必要な機能だけ」を自由に組み合わせて利用可能
【料金】
- 無料プラン:0円/月
- プラン1:200円/月
- プラン2:300円/月
- プラン3:400円/月
- プラン4:500円/月
※大規模(500名目安)の企業は別途お見積り
※ご利用機能数によって値段が変動
※毎月の登録ユーザー数がご請求対象
6.無料の勤怠管理システムの選び方
無料の勤怠管理システムを選ぶときは、次のようなポイントに注目しましょう。
6-1 どのような制限があるか確認する
無料の勤怠管理システムを導入する前に、どのような制限があるかをチェックしておくことが大切です。前述のとおり、一般的な無料勤怠管理システムでは、アカウント数やデータ保存期間などが制限されています。他のツールと連携できないシステムもあるため、利用目的に合っているかチェックしておきましょう。
6-2 サポート体制を確認する
サポート体制も重要なチェックポイントのひとつです。無料の勤怠管理システムの場合、電話やメールによるサポートを受けられないケースもあります。システムに慣れているなら問題ありませんが、不安がある場合はサポート体制が充実しているシステムを選ぶことが大切です。
6-3 使いやすさを確認する
無料の勤怠管理システムを導入するなら、従業員が使いやすいかどうかも確認しておきましょう。打刻しにくいシステムでは、勤怠情報の記録や管理に手間がかかってしまいます。リモートワークを推進している場合は、スマートフォンやタブレットから打刻できるかどうか、不正打刻を防ぐ機能があるかどうかも確認しておくと良いでしょう
7.無料の勤怠管理システムを活用して業務を効率化しよう!
勤怠管理において、自社に必要な機能は何なのかを把握したうえで無料のシステムでいいのか、有料のシステムの方がいいのかを選ぶようにしましょう。
勤怠や給与においては、法改正が実施されることがあります。手作業での管理だと、その都度対応しなくてはいけないため、手間がかかります。システムによっては無料版でも法改正に対応しているもののあるので導入をおすすめします。
デジタル化が進むこれからの時代に対応していくため、バックオフィスのDX化を推進していくようにしましょう。