「離職率が低い業界は?」
「自社の離職率を下げる方法を知りたい」
上記のようにお考えではありませんか。
離職率が低い業界・企業には、共通している特徴があります。特徴を知れば、自社の改善すべき点がわかり、離職率を低減させるための対策を検討することに役立つでしょう。
本記事では、離職率が低い業界・企業の特徴を解説します。離職率が低いことのメリットや離職率を低減させる方法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
福利厚生を充実させることは採用・定着にもつながるため重要ですが、よく手段としてとられる賃上げよりも低コストで従業員満足度をあげられる福利厚生サービスがあることをご存知でしょうか。
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1. 「離職率が低い」の基準値
離職率が低いかどうかは、厚生労働省の雇用動向調査の結果が判断材料として役立ちます。
令和4年の調査によれば、正規雇用・パートタイム労働の従業員も含めた企業全体の離職率は、平均で15%です。この数値より低い場合は、「離職率が低い」といえるでしょう。11
自社の離職率が低いかどうかを調べる際は、産業別の離職率が参考になります。離職率の平均値を知って、自社の定着状況を明確にし、離職率を下げるための対策をおこないましょう。
2. 離職率が低いとされる業界5種類
「令和4年雇用動向調査」の産業別入職率・離職率によると、離職率が低いとされる業界は、以下の5つです。
- 鉱業や石・砂利採取業|6.3%
- 金融・保険業|8.3%
- 学術研究や専門・技術的サービスを提供する業界|10.0%
- 製造業|10.2%
- 建設業|10.5%
それぞれの業界の特徴や離職率が低い理由を確認しましょう。
2-1. 鉱業や石・砂利採取業|6.3%
鉱業や石・砂利採取業の令和4年における離職率は、6.3%です。ほかの業界と比べて最も低く、入社後に定着している従業員の割合が多いことがわかります。
鉱業や石・砂利採取業は、ガソリンや化石エネルギーの原料、鉄などの産業で重要な資源を扱う業界です。社会への貢献度が高い事業で専門性が求められ、手に職をつけられる点が離職率の低さにつながっています。
主な取引先が企業であるBtoBの業界で、固定客が多く、経営が安定していることも離職率が低い理由です。
2-2. 金融・保険業|8.3%
金融・保険業の離職率は8.3%と、鉱業、石・砂利採取業の次に低いことがうかがえます。
代表的な業態は、銀行や証券会社、生命保険会社です。いずれもお金を動かす事業で、数字による成果が求められます。
ノルマが課されることもある一方で、成果が給与に反映されやすいため、従業員満足度が高い点が離職率の低い理由です。
2-3. 学術研究や専門・技術的サービスを提供する業界|10.0%
学術研究や専門・技術的サービスを提供する業界の離職率は、10.0%です。
学術研究、専門・技術的サービスとは、法律・財務などの事務や研究開発、医療サービス、芸術作品の創作をおこなう事業を指します。鉱業や石・砂利採取業と同様、専門性が高く、一度スキルが身に付くと長く働き続けられることが離職者の少ない要因です。
2-4. 製造業|10.2%
製造業の離職率は、10.2%です。
半導体製品や化学製品、食料品、家具、繊維など、ものづくりを担う事業はすべて製造業に含まれます。福利厚生が整っているケースが多く、特に自動車メーカーや電化製品を扱う大企業は、給与面も好待遇である場合がほとんどです。
工場勤務がシフト制で残業が少なく、ワークライフバランスを保ちやすい点もポイントに挙げられます。
2-5. 建設業|10.5%
建設業の離職率は10.5%と、専門的な業種よりは若干高めです。しかし、企業全体でみると、離職率は低いといえます。
建設業は、建物の建築・修繕・解体など建造物に関する業種を指し、道路やトンネル、橋梁などの土木事業も建設業の一部です。大手ゼネコンは、給与が高く、福利厚生も充実している傾向にあります。
資格保有者の評価制度や資格取得費の補助金制度もあり、キャリアパスが明確な点が離職率の低さに影響しているといえるでしょう。
3. 離職率が低い企業の5つの特徴
上記の離職率が低い業界を踏まえると、離職率が低い企業の特徴は、以下の6つです。
- 賃金水準が高い
- 残業が少ない
- 福利厚生が手厚く整備されている
- 人材教育制度や人事評価制度が整っている
- 従業員同士の良好な人間関係が構築されている
それぞれ詳しく確認しましょう。
3-1. 賃金水準が高い
離職率が低い企業の特徴に、賃金水準が高いことが挙げられます。
従業員にとって、給与は働く理由の一つです。相場より高かったり成果がインセンティブに直結したりする企業では、従業員のモチベーションを維持しやすくなります。
収入面にも余裕が出て、ゆとりのある暮らしができるため、「長く働き続けよう」と考える従業員は多いでしょう。
3-2. 残業が少ない
残業が少ないことも、離職率が低い企業の特徴です。
残業が少ないと、帰宅後に趣味の時間や家族と過ごす時間を確保できます。十分な休息時間があるため、寝不足や体調不良が起きにくく、離職を抑制できていることもポイントです。
3-3. 福利厚生が手厚く整備されている
離職率が低い企業の多くは、福利厚生が手厚く整備されています。
しかし、福利厚生が充実していても、利用されていない状況では効果がありません。
福利厚生は、必要なときに必要な制度を利用しやすい環境であることが重要です。単に福利厚生を整えるだけでなく、従業員のプライベートを尊重していることが離職率を抑えられている理由といえるでしょう。
3-4. 人材教育制度や人事評価制度が整っている
人材教育制度が整っている企業では、業務フローをきちんと理解して働けるため、離職を考える機会が少なくなります。キャリアアップ制度など、将来的なキャリアパスがわかる制度もある企業だと、より前向きに働け、離職率は低くなるでしょう。
人事評価制度が従業員の努力や成果に合っていることもポイントです。個々の能力を適切に評価し、公平・公正な処遇ができている企業は、従業員エンゲージメントが高く、離職者が少ない傾向にあります。
3-5. 従業員同士の良好な人間関係が構築されている
従業員同士の良好な人間関係が構築されていることも、離職率が低い企業の特徴です。
冒頭で挙げた厚生労働省の「令和4年雇用動向調査」によれば、職場の人間関係の不和を理由に離職した人は男性が8.3%、女性で10.4%だといいます。ほかの個人的理由の中でも高い数値を示しており、職場において人間関係がいかに大切かがわかるでしょう。
従業員にとって働き続けたい企業とは、良好な人間関係が構築されているものです。職場内が和やかなことはもちろん、フォローし合ったり、疑問や悩みをすぐ相談できたりする環境があると、離職率は低くなります。
4. 離職率が低いことで得られる3つのメリット
離職率が低いことで得られるメリットは、以下の3つです。
- 企業全体の生産性が高まる
- 自社の商品やサービスに精通した人材を育成できる
- 採用コストを削減できる
4-1. 企業全体の生産性が高まる
離職率が低いと、企業全体の生産性が高まるメリットがあります。働きやすい環境があることで、従業員が業務に専念でき、作業効率が上がるにつれて生産性も向上するでしょう。
また、離職率が低いことは、従業員エンゲージメントが高い証拠です。従業員エンゲージメントが高い状態では、従業員の組織に対する帰属意識も強い傾向にあります。
一人ひとりの従業員が企業に貢献しようと優れた働きをすれば、組織が活性化し、業績アップにつながることが期待できるでしょう。
4-2. 自社の商品やサービスに精通した人材を育成できる
離職率が低い企業では、自社の商品やサービスに精通した人材を育成できます。
業務の知識やノウハウは、働く期間が長いほど蓄積され、活用できるものです。離職率が低いと、従業員に業務の知識やノウハウをしっかりと継承できるため、パフォーマンスに優れた人材を育成できます。
さらに、業務内容や手順を熟知している従業員が多いことで、新入社員の育成や教育もスムーズにできるでしょう。
4-3. 採用コストを削減できる
採用コストを削減できることも、離職率が低いことのメリットです。
従業員を採用するには、多くの人件費と人材教育コストがかかります。人材の流出は企業にとって大きな損失であり、離職するたびに新たな人材を雇用することは現実的ではありません。
離職率が低い企業では、新しく人材を採用する機会も少ないため、採用コストの削減が可能です。
5. 離職率を低減させる4つの方法
離職率を低減させる方法には、以下の4つがあります。
- 給与体系や報酬制度を見直す
- 福利厚生を整える
- 人材教育制度や人事評価制度を見直す
- 社内コミュニケーションを活発にする
それぞれ詳しく確認しましょう。
5-1. 給与体系や報酬制度を見直す
自社の離職率が高い場合は、給与体系や報酬制度を見直してみてください。
給与体系や報酬制度を見直す際は、公平性・公正性を保つことが大切です。従業員の業務内容や役職、能力、資格など、働きに見合った給与体系・報酬制度にすることで、離職率を低減できるでしょう。
5-2. 福利厚生を整える
福利厚生を整えることも、離職率を低減させる重要なポイントです。
近年、働き方の多様化やワークライフバランスの重視により、福利厚生にもあらゆる就業形態に対応できる柔軟性が求められています。例えば、以下の福利厚生が離職率の低減に有効です。
- 人間ドック受診費用の補助
- 子育て支援
- 特別休暇
- 資格取得費用の補助
- フレックスタイム制
ただし、すべての施策が企業に適しているとは限りません。各施策の適用対象や利用状況を確認し、適用者を拡大したり新たな施策を導入したりなど、自社に合った福利厚生を検討しましょう。
利用者が少ない福利厚生については、従業員に認知されていないか、利用しにくい可能性があります。制度を見直すと同時に、従業員が利用しやすい環境を整備し、周知徹底を図ることも大切です。
5-3. 人材教育制度や人事評価制度を見直す
人材教育制度や人事評価制度を見直すことでも、離職率を下げられる可能性があります。
人材教育制度については、研修内容や教育体制を確認し、十分なサポートができているか、プログラムは適切かを見極めましょう。キャリアカウンセリングや面談の機会も設け、長く働くことで将来どのようにキャリアが展望するのかも示します。
人事評価制度を見直す際は、給与体系や報酬制度と連動させることが重要です。従業員の努力や成果が賃金にも反映されるよう、納得感のある評価制度を整備しましょう。
5-4. 社内コミュニケーションを活発にする
社内コミュニケーションを活発にすれば、従業員同士の良好な人間関係が醸成でき、離職の抑制につながります。
日頃から従業員間で雑談や食事をともにする関係を築くことで、チームとしての結束力が高まり、業務の効率化が可能です。職場の雰囲気も和やかになり、疑問や悩みを相談しやすい環境が作れるでしょう。
社内コミュニケーションを活発にする方法としては、食事会や交流会、親睦会などがあります。上司と部下、先輩と後輩の信頼関係を築ける点では、1on1やメンター制度も効果的です。
自社に合った方法を選択して、気軽に悩みや不安を打ち明けられる職場環境を整えましょう。
福利厚生を充実させることは採用・定着にもつながるため重要ですが、よく手段としてとられる賃上げよりも低コストで従業員満足度をあげられる福利厚生サービスがあることをご存知でしょうか。
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