「社員の離職が多くて悩んでいる」
「離職を防止するためには何をすればいい?」
社員の離職は、会社への不満が原因で発生することも多いでしょう。離職を防ぐためには原因を特定し、適切な方法で対策する必要があります。
そこで今回は、離職を防止するための20のアイデアを紹介します。原因別の対策や企業の成功事例も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
人材不足が課題の昨今、職場定着率の低さ・若年層の早期退職は深刻な問題です。
このようなケースに該当する企業において、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
この解決方法として、職場改善を目的とした従業員のモチベーション管理の仕組みを積極的に取り入れる企業が増えており、従業員満足度の調査ツールが注目を集めています。
当サイトでは、「モチベーション管理において、まず何から始めていいのかわからない」「具体的にどのような分析・活用をすべきなのか知りたい」という人事担当者の方に向けて「従業員満足度調査のハンドブック」を無料配布しています。
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1. 離職の原因
離職の原因として、主に次のようなことが挙げられます。
- 人間関係に関する不満
- 労働環境や条件の不満
- 人事制度の不満
- 将来性に関する不満
それぞれ詳しく解説します。
1-1. 人間関係に関する不満
離職する原因の一つとして、人間関係に関する不満が挙げられます。なかでも上司と部下の人間関係に不満を抱いている人が多いです。Chatwork株式会社による調査では、上司と部下との人間関係に課題を感じているとした人の割合が60%を超えています。
人間関係が悪いと従業員のストレスになりやすく、メンタルに影響を及ぼすリスクもあるため、なるべく早く対策する必要があるでしょう。
参考:Chatwork株式会社「上司・部下のコミュニケーションに関するアンケート調査」|PR TIMES
1-2. 労働環境や条件の不満
労働環境や条件に不満を持ち、離職する人も多いです。不満の例として、「業務時間が長いのに給料が少ない」や「残業時間が長すぎる」などが挙げられます。
結果として意欲が失われ、社員が自発的に業務へ取りかからなくなる可能性もゼロではありません。とくに定時を超えた残業時間が発生していると、社員の生産性や意欲が低下している可能性があるので注意が必要です。
1-3. 人事制度の不満
人事制度に不満があって離職する人もいます。頑張りに応じた評価や報酬が与えられずにいると不満が溜まるでしょう。
とくに社員の評価に上司の主観的なイメージが含まれていると、社員は不満を抱きやすいです。また、仕事の成果ではなく年齢や勤続年数で報酬が決まる制度だと、正当に評価されていないと感じた優秀な人材が離職するリスクもあります。
1-4. 将来性に関する不満
将来性がない会社も不満を抱かれやすく、離職につながります。将来性がない会社の特徴は、以下の通りです。
- 離職率が高い
- 顧客数や売上高の低迷が続いている
- 変化を嫌っている
- リスク管理が至らない
- 有給休暇の取得率が低い
- ハラスメントが横行している
- 長時間残業やサービス残業がある
将来性がない会社は、いずれ存続の危機が訪れる可能性があります。社員にとってもスキルアップの機会がないうえ、業務経験を積むことが難しくなるでしょう。
働きにくさや成長のしにくさ、自分への悪影響などの不満が募り、結果として離職します。
2. 離職防止のアイデアの例|人間関係編
人間関係における離職防止のアイデアは次の通りです。
- 相談窓口を設置する
- 管理職向けに研修を実施する
- コミュニケーション活性化を図る
- 称賛の文化をつくる
- サンクスカードを導入する
それぞれ詳しく解説します。
2-1. 相談窓口を設置する
人間関係の離職を防止するために、相談窓口を設置しましょう。社員の悩みに対応することで、ハラスメントやメンタルの不調などのケアが可能です。
しかし、社内に相談窓口を設置しても、従業員が存在を認知できなかったり、「解決しない」と利用しなかったりする可能性があります。相談窓口としての信頼度を上げるなら、第三者にあたる外部に設置するのも効果的です。
2-2. 管理職向けに研修を実施する
管理職向けに研修を実施することで、ハラスメントの防止やマネジメントスキルの向上を図れます。人間関係のトラブルを解決できる管理職がいれば、問題が発生したときにすぐに対応できるでしょう。
頼れる上司がいる環境は社員に大きな安心感をもたらすため、結果として離職の防止が可能です。
2-3. コミュニケーション活性化を図る
コミュニケーションを活性化させるために、社内イベントの開催やコミュニケーションツールの導入などを実践してみましょう。
コミュニケーションの活性化に成功すれば、社員の孤立化を防ぐことで離職防止につながります。社内に信頼できる仲間ができ、モチベーションが向上する効果も期待できるでしょう。
2-4. 賞賛の文化をつくる
賞賛の文化をつくることも離職防止につながります。誰でも褒められると嬉しいものです。仕事で成功したときや大きな成果を出したときに褒め合う文化をつくっておけば、モチベーションアップを図れるでしょう。結果として雰囲気のよい職場環境になり、長く働いてくれることを期待できます。
2-5. サンクスカードを導入する
サンクスカードとは、感謝の気持ちを伝えるメッセージを送り合う仕組みのことです。小さなカードに感謝の言葉を記載して送り合うことで、コミュニケーションを活性化しつつ、人間関係を強化できます。感謝されることでより頑張ろうという気持ちになったり、従業員同士が協力して仕事に取り組むようになったりするでしょう。
3. 離職防止のアイデアの例|労働環境・条件編
労働環境や条件における離職防止のアイデアは次の通りです。
- 休暇制度を整備する
- インセンティブを導入する
- 働きやすい環境を構築する
- 福利厚生を充実させる
- 産業医を選任する
それぞれ詳しく解説します。
3-1. 休暇制度を整備する
社員の離職を防止するために、休暇制度を整備するのも効果的です。例として、リフレッシュ休暇やボランティア休暇、病気休暇が挙げられます。
法定外休暇を導入するときは、管理職にあたる従業員が積極的に活用しましょう。すると、雰囲気的に誰でも休暇を取りやすい状況になります。
3-2. インセンティブを導入する
報酬に対する不満が多い会社の場合は、インセンティブの導入を検討してみてください。努力した分だけ給与へ反映されるため、モチベーションの向上や社員のスキルアップが期待できます。
3-3. 働きやすい環境を構築する
社員の働きにくさを解消したいときは、働きやすい環境を構築する手もあります。フレックス制度やリモートワークなど、少しでも働きやすくなるような働き方を検討してみてください。
しかし、いきなり働き方を変えると社員が混乱します。最初は週に数回程度の少ない回数から新しい働き方を導入し、慣れてきたら回数を増やしていくのが大切です。
3-4. 福利厚生を充実させる
福利厚生を充実させることも離職防止につながります。健康保険や厚生年金保険などの法定福利厚生だけではなく、通勤手当や家賃補助といった法定外福利厚生を充実させると、従業員満足度が高まります。働きやすい職場として定着率の向上を期待できるでしょう。
3-5. 産業医を選任する
従業員の離職を防止するうえで、産業医を選任することも重要です。従業員が50人以上の事業所においては産業員を選任しなければなりませんが、それより小さな事業所でも産業医を選任することができます。職場に産業医がいれば、身体の不調があったときに気軽に相談できるため、健康的に長く働いてもらえるでしょう。
4. 離職防止のアイデアの例|人事制度編
人事制度における離職防止のアイデアは次の通りです。
- 評価制度を整備する
- 配置転換の検討
- 1対1のミーティングを実施する
- 社内公募制度を導入する
それぞれ詳しく解説します。
4-1. 評価制度を整備する
自分への評価が適切ではないと感じている社員が目立つときは、人事評価制度の整備を検討してみましょう。公平性のない評価制度では従業員が不満を感じ、転職を考えるケースもあります。とくに今まで年齢や勤続年数で評価していたのなら、社員それぞれの能力も評価してみてください。
4-2. 配置転換の検討
社員のスキルを最大限まで活かしたい場合は、配置転換を検討してみましょう。適性があるポジションに配置されれば、社員の仕事に対するモチベーションを高められます。
結果として業務の効率化につながり、人間関係の悪化や長時間労働などのトラブルを防止可能です。
4-3. 1対1のミーティングを実施する
上司と部下による1対1のミーティングを実施するのも効果的です。部下の現状をヒアリングしつつフィードバックすることで、業務へのモチベーションを高められます。
1度のミーティングではモチベーションを高めきれない可能性があるので、週1回などの短いスパンで定期的に開催しましょう。
4-4. 社内公募制度を導入する
社内公募制度とは、従業員を必要としているチームや部署が、社内で人材を募集する仕組みのことです。自分が希望するチームや部署へ応募できるため、気になっている仕事やキャリアアップにつながる業務を担当できる可能性が高まります。主体的に仕事に取り組めるようになり、定着率の向上を期待できるでしょう。
5. 離職防止のアイデアの例|新規採用編
新規採用時、以下のような点に注意することで離職防止を図れるでしょう。
- 職場見学を実施する
- 大変な部分も正直に伝える
- サポート体制を構築する
それぞれのポイントは以下の通りです。
5-1. 職場見学を実施する
入社する前に職場見学会を開催して、会社の雰囲気や設備環境を確認してもらうとよいでしょう。スキルを活かせそうな職場であっても、雰囲気が合わないと早期離職につながってしまいます。ミスマッチによって退職してしまうと、採用するまでのコストや手間が無駄になってしまうため、自社のことを深く知ってもらうことが重要です。
5-2. 大変な部分も正直に伝える
面接などのなかで、仕事のやりがいや魅力だけではなく、大変な部分についても正直に伝えておきましょう。新しい人材を採用したいからといって、よい部分だけを伝えると、実際に入社してからミスマッチや不満を感じるケースもあります。既存の従業員と話す機会をつくったり、ホームページにインタビューを掲載したりして、できる限り実情を伝えるようにしましょう。
5-3. サポート体制を構築する
新しく入社した従業員に対するサポート体制を構築することも重要です。とくに新卒の従業員は、どのように仕事を進めればよいかわからず悩むケースも多いでしょう。研修期間を設けたり、メンター制度を導入したり、会社に馴染めるようなサポートをすることで定着率の向上を期待できます。
6. 離職防止のアイデアの例|将来性編
将来性における離職防止のアイデアは次の通りです。
- 企業のビジョンを共有する
- キャリアパスを明確にする
- 資格取得支援や研修制度を導入する
それぞれ詳しく解説します。
6-1. 企業のビジョンを共有する
企業の将来に不安を持つ社員が目立つときは、企業のビジョンを共有しましょう。企業の将来を確認することで、社員の不安を払拭できます。長期的なビジョンはもちろん、事業プランや現在の状況も明確に共有してください。
6-2. キャリアパスを明確にする
昇進する基準や条件を提示し、キャリアパスを明確化しましょう。不透明なキャリアパスは、社員が不安を抱える原因になるためです。
キャリアパスが明確化されると社員の目標が具体的になり、業務へのモチベーションを高められます。自主的な行動を促進させ、主体性のある人材へ成長させられることも利点です。
6-3. 資格取得支援や研修制度を導入する
社員が成長できるように、資格取得支援や研修制度を導入してみましょう。「この会社なら成長できる」と社員に感じさせ、キャリアや成長に関する将来の不安を払拭できます。
実際に制度を通じて社員が成長できれば、離職防止はもちろん、生産性や業務効率の向上が期待できるのも利点です。
7. 離職防止の対策をした企業の成功事例
離職防止の対策をした企業の成功事例は、以下を参考にしてください。
企業 |
対策例 |
対策前の離職率 |
対策後の離職率 |
A |
・ボトムアップ型を導入した ・最長6年間の育児や介護休暇制度を設けた ・働き方宣言制度を導入した |
28% |
4% |
B |
・無断での残業を禁止した ・休暇制度を整備した ・子育て支援を充実化した |
20%(業界平均) |
8.6% |
C |
・社内報を活用した ・行動指針を明確化した ・パワーランチを導入した ・社内投票に基づいてインセンティブ制度を導入した |
27% |
8% |
「令和5年 雇用動向調査結果の概要」によると、2023年の離職率は15.4%とされています。
上記表では対策によって離職率が4~8.6%まで落ちており、平均よりも低い値を実現できているといえるでしょう。
8. 離職防止アイデアを参考にして対策を立てよう!
今回は、離職防止につながるアイデアや、離職防止の成功事例を紹介しました。従業員が離職する原因としては、職場の人間関係に不満がある、担当している仕事にやりがいを感じられない、会社の理念に共感できない、といったことが挙げられます。離職する従業員が増えると、残った従業員の負担が増えたり、企業のイメージが悪くなったりするため、早急に対応しなければなりません。
従業員の離職を防止するためには、コミュニケーションの活性化を図る、福利厚生を充実させる、企業のビジョンを共有するなどの対策が重要です。離職の原因を把握したうえで、問題解決につながる対策を検討しましょう。
人材不足が課題の昨今、職場定着率の低さ・若年層の早期退職は深刻な問題です。
このようなケースに該当する企業において、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
この解決方法として、職場改善を目的とした従業員のモチベーション管理の仕組みを積極的に取り入れる企業が増えており、従業員満足度の調査ツールが注目を集めています。
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